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2009年衆議院議員選挙 マニフェスト評価(教育) 印刷 Eメール

 

argaiv1545

  項目 自民党 民主党
形式要件
(40点)
理念(10点)  5  5
目標設定(10点)  7  7
達成時期(8点)  7  0
財源(7点)  0  4
工程・政策手段(5点)  0  0
合計(40点)  19  16
実質要件
(60点)
課題抽出の妥当性(20点)  5  0
課題解決の妥当性(20点)  5  0
指導性と責任(20点)  5  0
合計(60点)  15  0
合計(100点)   34点  16

 

<評価の視点>
次期選挙のマニフェストで問われる課題
①学士力の著しい低下、経済社会が望む人材を大学が輩出できていないなどの教育力低下問題にどう対処しているか。
②国際競争力向上のために施策が実施されてきたにもかかわらず、その競争力を劣化させている問題をどう認識し、対応しようとしているか。
③大学数過剰、定員割問題をどう捉えているか。
④10年前より奨学金対象者を大幅に増やす施策を行ったことで、巨額な延滞債権額や不適切な使途などのモラルハザード問題をどう認識しているか。
<マニフェスト>
⇒自民党と民主党のマニフェスト比較表はこちら
<政策にかかる現状と課題>
   大学数は過剰傾向が顕著である。大学総数は750ほどであるが(内、国立大学法人は87)、定員割を起こしている大学は私立大学の5割にいたっており、多 くの大学が経営難に面している。また、研究・教育の面でも問題は大きい。学士力といわれる大学生の学力についてはその低下が著しい。私立大学学生の 20%、国立大学学生の7%が中学生レベルの学力しかないことが指摘されている。学士力の問題に加え、大学が提供する教育内容が社会のニーズに対応してい ないという問題もある。経済界など社会が要請する人材を大学が輩出しきれていないという点も大きな課題である。大学教育が競争的な経済の要求を満たしてい るかという設問のもとで行われた「世界競争力年鑑」では日本は55か国中40位という結果が出ている。研究面については世界でトップレベルをめざすことを 国策として謳ってきたが、世界大学ランキングでは東京大学の11位が最高位に留まっている。

⇒全文を読む

 

<評価結果>
自民党マニフェスト評価 民主党マニフェスト評価
【形式要件についての評価】 21点/40点 【形式要件についての評価】 16点/40点
   国際競争力のある高等教育の展開という項目で、運営費交付金や私学助成金による財政基盤の強化、地方大学支援、国際化拠点30大学、留学生30万人計画を掲げている。また、あわせて国際的に活躍できる人材の育成として研究拠点30箇所、科研費や競争的資金の拡充を挙げている。
   目的は掲げられているが、どの分野で何を達成してゆくのか、重点分野にかかる説明はなく目的としては曖昧である。たとえば、科学技術分野なのか、あるいは政治や経済などの社会科学分野であるのか、対象によって必要額も大幅に異なるはずである(7点/10点)。また、目標設定については、留学生30万人、30大学の拠点化ということで数値目標が示されている。ただし、人材については給付対象者の目安は示されていない(7点/10点)。留学生30万人計画、拠点30大学についていずれも達成時期は示されていない。これらは福田、小泉内閣時代に打ち出されたもので、未だ達成できていない目標でもある(0点/8点)。財源についても説明がない(0点/7点)。
   高等教育については2種類のマニフェストが記されている。ひとつは子育て支援を目的とした希望者全員への奨学金の給付であり、もうひとつは技術革新を目的とした研究者奨学金制度である。
   大学生への奨学金については、全ての意思ある大学生が安心して勉学に打ち込むことを目的として掲げている。(5点/10点)しかし、全ての意思ある大学生となると何名を対象とするのか不明である。全大学生を対象に奨学金を給付すれば提示された金額でカバーできるのかは疑問である。(7点/10点)また達成時期については示されていない。(0点/8点)財源は9,000億円程度と記されているが、積算根拠が不明で、高校生への奨学金への財源とどのように分配されるのかも記されていない。(4点/7点)意思ある大学生とあるが、支給対象者を全員とするのか、何らかの基準で選別するのかは不明で、目的達成までの工程は明確でない。(0点/5点)研究レベルを世界トップレベルに引き上げるために研究者奨励金を支給するとあるが、目的と手段がかならずしも整合せず、これだけでは達成は困難であると思われる。
   
【実質要件についての評価】 15点/60点 【実質要件についての評価】 0点/60点
「課題抽出の妥当性 5点/20点」
   自民党のマニフェストは国立大学に着目し、差別化を行うことで競争力ある大学を作り出そうとしている。したがって、わが国の大学セクターの課題をある程度認識しているものと思われる。しかし、国立大学トップ30は、小泉内閣下、遠山文科大臣が打ち出したものであるが、なし崩し的にCOEに転化していった施策である。未だトップ30に絞りきれず、国際競争力が低下の一途を辿っているという問題にどう対処するのかについては新たな施策は打ちされていない。また、過剰大学数、定員割れ、学士力の低下という教育面での深刻な課題にどう対処ゆくのかについて言及がない(5点)。
「課題解決の妥当性 5点/20点」
   国際競争力強化を目的に、30拠点化を行うという方法は、既に大型補助金(COE)の拠出とともに行われてきた。巨額の資金を投じた結果、真に国際競争力のある研究成果や拠点が出来たのか、拠点が出来ていないのであればその理由はなぜなのか実績から教訓を導き次の政策に反映されるべきである。しかし、30拠点化では従前と同じで、これまでの実績に基づく反省や教訓が政策に反映されていない。地方大学の支援を謳っているが、30拠点化との関係で、何を基準に重点地方大学を決めてゆくのか不明である。さらに、大学数過剰や定員割問題を鑑みると、拠点化と同時に、整理が必要になるが、私学助成や運営費交付金による財政基盤の強化は明確な基準や差別化がなければ、問題を悪化させる可能性がある。(5点)。
「指導性と責任 5点/20点」
   教育、研究の双方で国際競争力の劣化が著しい大学において30拠点化による差別化を謳ったことは評価できるが、過去の施策をみると、平等意識著しい大学の間で、どう実現するのか、その指導性がよくみえない。(5点)。

「課題抽出の妥当性 0点/20点」
   希望者全員への奨学金給付という施策は課題を適切に抽出しているとはいえない。教育、研究の双方で低下が著しく国際競争力を落としている大学の課題について認識がなされていないだけでなく、この施策によってさらに問題を悪化させる可能性がある。明確な選別基準なく、奨学金給付を行えば、全入時代と呼ばれる現代においては、教育の質や学士力をさらに低下させる可能性がある。
   また、奨学金については、10年前より奨学金対象者を増やす施策が実施されているが、延滞債権額は1556億円に至っている。またその使途も不適切なものが目立つが、民主党はこの現状と問題を認識しているとは思えない。
「課題解決の妥当性 0点/20点」
   奨学金給付対象者については「意欲がある」という曖昧な選定基準が示されているが、これでは機能しない。学業成績、両親の年収制限など明確にその対象選定基準を設定し、その後のアフターケアやモニターの仕組みを整えないと効果は生まれにくく、むしろモラルハザードを起こす可能性があることは過去の実績が物語っている。希望者全員の給付はこの点で負の影響のほうが大きいと思われる。また、大学の教育と研究の質の問題から、この施策と捉えると、むしと質の低下を招き、やはり負の影響をもたらす可能性がある。
「指導性と責任 0点/20点」
   選定基準やチェックシステムなどを整えず、希望者全員に奨学金を給付するという仕組みは、バラマキをして、その後は国民の自己責任に任せるというスタンスであり、政策立案者としての責任を放棄するに等しい。

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