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政治とカネ 印刷 Eメール
評価基準 評点
現時点の到達点についての実績評価(40点) 形式要件(20点) 5
実質要件(20点) 0
実行過程(30点) 5
説明責任(30点) 0
合計(100点) 10

評価の視点

   「政治とカネ」の問題は、政党の組織構造が脆弱で、政治家が個人後援会をベースに活動を行っていることにその構造的な原因がある。政権交代後もこの問題が国民の政治に対する信頼を大きく損ねており、これまでのような対症療法ではなく、「民主主義のコスト」をどう賄っていくのかをシステム全体として見なおさなければならない段階に来ている。ここでの評価の視点は以下の二点である。
   ①政党本位の党改革を実行しようとしているか
   ②政治資金の収支の透明性を改善しようとしているか
 

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実績評価

   菅政権は、「クリーンな政治」を実現するための具体策として、「企業・団体献金の禁止」や「議員定数の削減」、「国会議員経費の2割削減」などを掲げたが、現時点でこの分野での特筆すべき成果はない。
   そもそも政治資金の問題は、政治家が個人後援会ベースで活動を行い、資金管理団体、政党支部、その他の政治団体の3種類の財布を巧みに使い分けることで、資金の流れが不透明化していることにある。小沢氏や鳩山氏の事例は、企業団体献金の禁止や個人献金の促進だけでは抜本解決にならないことを意味しており、「クリーンな政治」を実現するには、政治資金収支の一層の透明化や「政党本位」の党改革に踏み切るしかないが、菅政権においてもこれまでのところそうした動きは全く見られなかった。そればかりか、民主党は10月26日には自粛していた企業団体献金の受け入れを一部再開することを決定し、公共事業受注契約額が一億円未満で特に問題がないと認められる企業、団体に限って自粛を解除することとした。12月1日には、岡田克也幹事長を本部長とする政治改革推進本部において、企業団体献金の全面禁止を14年から実施することを了承、政治資金規正法改正案を来年の通常国会に提出し、成立を目指す方針が確認されているが、本年1月から実施されていた献金受け入れの自粛から一転、受け入れを再開した方針転換は唐突で、後退感は否めない。
   また、議員歳費を日割り支給するための改正議員歳費法は今国会で成立させたものの、「国会議員経費の2割削減」や「議員定数の削減」については党内外からの強い反発により年内の取りまとめを断念し、「定数削減などによって経費を2割削減するまでの間、暫定的に歳費を1割削減する」ための関連法案を来年の通常国会に提出する方針を了承するにとどまっている。
   さらに、政治資金収支の透明性という観点からは、公明党が政治団体の会計責任者や秘書が不正を働いた場合、政治家に罰則を課すことを柱とした改正案を提出していたが、菅首相は「傾聴に値するものが入っている」としつつも、「しっかりと議論しないと多大な影響を及ぼす」と述べて今国会の成立を見送った。そして、政治資金規正法違反(不記載、虚偽記入)に問われている小沢氏については、その処遇をめぐって党内で対立が起こり、いまだに解決を見ていない。
   この問題で大きな課題を残して去った鳩山政権に代わり、菅政権は自ら「とことんクリーンな民主党へ」として対応を急いだ。企業団体献金の禁止方針の確認や議員歳費法の成立については形式的に評価はできるものの、「クリーンな政治」の全体像はいまだ示されておらず、自らが掲げたほぼすべての政策について実質的な成果をあげられていない。実質評価は低いものとなる。
 

実行過程

   企業団体献金の受け入れ再開にあたっては、岡田幹事長は「マニフェストでは法改正から3年後に献金を禁止することになっている。マニフェストに反したという形ではない」と述べ、法改正までの暫定的な措置として再開に踏み切ったことを強調したが、前原外相が「国民には民主党の考えに逆行していると取られる」と述べ、菅首相自身も「(政権公約に)逆行とか矛盾とか言われることはたしかに当たっている部分もあるかもしれない」などと述べた。最終的に首相は、「個人献金が拡大し、あらゆる政党が平等に企業・団体献金を受け取れるルールが決まった段階で、3年間の経過措置の後、企業・団体献金禁止を実行したいというのが真意」としたが、方針の転換について十分な説明がなされていないばかりか、党内の調整も不十分であったことを露呈した形となった。
   民主党は、「政治改革」の一環として議員定数の削減等の他、企業・団体によるパーティー券購入の禁止や通常国会会期の大幅延長、独立型の日本版選挙委員会の設置などを謳っていたが、これらの約束について首相自らがリーダーシップを発揮し、適切な工程管理のもとでインプットの投入が行われた形跡はない。このことは、岡田幹事長に当面の対応を一任した小沢氏をめぐる問題についても同様の指摘が可能である。
   企業団体献金の禁止や国会議員歳費の削減等の約束について政権としてその方針を明示した点には一定の評価ができるものの、いずれも「クリーンな政治」を実現するための施策とは程遠く、約束を軸としたサイクルは全く機能していない。
 

説明責任

   「政治とカネ」の問題は、過去に問題が発覚するたびに国民の政治に対する不信感を著しく高めてきたが、時の政権の対応はすべて場当たり的で、抜本的な改革が行われたことはなかった。菅政権においても同様で、首相自らがその改革に深いコミットメントを示した形跡はまたしても見られない。特に小沢氏をめぐる問題では、政権としての決断を先送りしているために、本来国会で議論を進めるべき諸々の課題が数多くあるにもかかわらず、国民とは何ら関係の無い民主党内での党内抗争に明け暮れている感がある。
   菅政権は「クリーンな政治」を実現するために、「まずは出来る限り早期に、企業団体献金の廃止、議員定数の削減などを実現し、国民の信頼を回復する第一歩としたい」とマニフェストにおいて自ら述べている。こうした政策に主だった進展がなく、明らかな方針転換がなされている以上、首相にはその理由、今後の展望についての説明が求められるが、説明責任が果たされているとは言いがたい。

 

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