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2009年衆議院議員選挙 マニフェスト評価(環境) 印刷 Eメール

 

argaiv1566

  項目 自民党 民主党
形式要件
(40点)
理念(10点)  5  5
目標設定(10点)  5  6
達成時期(8点)  2  2
財源(7点)  0  0
工程・政策手段(5点)  0  4
合計(40点)  12  17
実質要件
(60点)
課題抽出の妥当性(20点)  3  10
課題解決の妥当性(20点)  5  5
指導性と責任(20点)  0  0
合計(60点)  8  15
合計(100点)   20点  32

 

<評価の視点>
次期選挙のマニフェストで問われる課題
①京都議定書目標達成の道筋を描けているか
②いかにして次期枠組みにおけるリーダーシップを発揮するか

<マニフェスト>
⇒自民党と民主党のマニフェスト比較表はこちら
<今回の選挙で問われる論点とは>

松下和夫
(京都大学大学院地球環境学堂教授)

地球環境政策に関して今の政治に問われていることは、「低炭素社会」という新しいパラダイムシフトに対して、整合性のある政策パッケージを出せるかということだと思います。この間の日本の取り組みを見ていると、個別政策間に整合性が見られないという問題が目立ちますが、アメリカのオバマ大統領のチームは極めて整合性のある政策をパッケージとして出しています。
⇒全文を読む


福島清彦
(立教大学経済学部教授)

地球温暖化対策において日本が問われていることは、エネルギーの消費段階ではなく、発生源のところでの削減にどう切り込めるかということだと思います。
   これまでの日本の地球温暖化に対する取り組みは、全体として、エネルギーの最終的な消費段階で何とか知恵を尽くして節約しようということに重点が置かれてきました。エネルギーの発生源を変えるためには、個々の家庭の取り組みでは済まない大規模な投資が必要ですが、それはほとんどなされていないのが現状です。
⇒全文を読む
<政策にかかる現状と課題>
   日本の温室効果ガス排出量は1990年以降大幅に増加し、2007年時点で90年比9.0%増(1億1300万トン増)となっている。もともとの目標は 2008年から2012年の間に「90年比6%減」であるため、現時点では計15%の削減が必要となっている。削減目標「6%」のうち、京都メカニズムと 森林吸収による削減分を除いた実質的な削減量は「90年比0.6%」である。しかし、今後もこのような排出状況が続けば「9.6%」程度の削減が必要であ ることを考えると、現在は目標達成にとってきわめて困難な状況であると言えよう。

⇒全文を読む

 

<評価結果>
自民党マニフェスト評価 民主党マニフェスト評価
【形式要件についての評価】 12点/40点 【形式要件についての評価】 17点/40点
   マニフェストでは地球温暖化防止のために「低炭素社会づくりを推進」し、「国際枠組みづくりを主導」するといった明確なメッセージが書かれている。(5点/10点)
   しかしながら、現在厳しい状況になっている京都議定書の目標達成についてはまったく言及がない。一方、次期枠組みの合意については政府が既に決定している「2020年05年比15%削減」という中期目標が示されている。そのうえで、太陽光発電の「導入量を2020年に20倍、2030年には40倍」という目標を設定し、低炭素社会づくり推進基本法制定により「再生可能エネルギーの需給拡大」を目指すことが示されるなど、いくつかの政策では数値目標が示されている。しかし、中期目標達成のための政策体系の全体像は十分に示されていない。さらにエネルギー分野については、原発の発電比率・設備利用率の数値目標が設定されているが、再生可能エネルギー全般の導入目標や利用をいかに強化するかについては書かれていない。(5点/10点)(2点/8点)
   財源についてはどれも特に記述がない。(0点/7点)
   民主党のマニフェストにおいては「地球温暖化対策を強力に推進し、新産業を育て」ることが謳われており、また各政策について「政策目的」が明確に記載されている。(5点/10点)
   京都議定書の目標達成についてはマニフェストにおいてもその参考資料である「政策インデックス」においても触れられていない。温室効果ガスの中長期の削減目標としては「2020年までに25%減(1990年比)、2050年までに60%超減(同前)」という政府を上回る目標が提示されている。目標達成のための具体的政策は、地球温暖化対策基本法の制定に基づく「キャップ&トレード方式の排出量取引制度創設」や「地球温暖化対策税の導入検討」などが列挙されてはいるものの、達成時期や具体的内容には踏み込めていない。唯一、再生可能エネルギーについての導入目標量は「2020年までに10%程度の水準まで引き上げる」とされているが、ここでは太陽光や風力の導入推進ではなくバイオマスなどの技術革新により達成する位置づけとなっている。(6点/10点)(4点/5点)(2点/8点)
   また、財源についての記述は特にされていない。(0点/7点)
   
【実質要件についての評価】 8点/60点 【実質要件についての評価】 15点/60点
「課題抽出の妥当性 3点/20点」
    環境政策は「安心・活力・責任」から成るマニフェストのなかの「責任」のひとつとして明確に位置付けられているものの、全体的にこれまでどおりの政策が繰り返されているだけである。さらに、自民党は政権党として、責任をもってマニフェストのなかで京都議定書目標の達成状況とその原因を分析し、目標達成のための対策を打ち出すべきであったが、自民党のマニフェストには京都議定書の目標達成について一言も触れられていない。マニフェストの参考資料とされる「重点政策集」において言及されてはいるものの、既存の政策を繰り返すばかりであり、排出量が大幅に増加している現状の分析と抜本的な政策転換は示されていない。また、低炭素社会をつくるために規制的な手法をどこまで盛り込むかは明記されておらず、既存政策によって排出量が大幅に増加しているという現状認識がどこまであるのか疑問である。発電部門対策についても、原発の設備利用率を向上させることを中心としているうえ、「安定的に資源・エネルギーを確保する」ことがその目的とされており、必ずしも温暖化対策としては位置づけられていない。
   国際的な枠組みづくりを「主導」することは小泉政権以降一貫して訴えられていることだが、中期目標の設定値や実際の排出削減実績を考えると日本は国際交渉から取り残されている。マニフェストにおいてはそのような現状認識は見られず、今後国際交渉を主導していくための具体的な手段も描かれているわけではない。
「課題解決の妥当性 5点/20点」
   目標達成の手段としては、現在試行的に実施されている排出量取引制度が今後本格実施にいたるのかどうかについての記述はまったくない。また税制改革については「低炭素社会づくり行動計画」などでも触れられているが結局進展しておらず、今回も実質的には目標・道筋が約束されていない。固定価格買取制度は太陽光のみしか対象とされておらず、他の再生可能エネルギーをどのように普及させるかは明らかでない。原子力発電の利用強化も、発電比率や設備利用率をあげるための具体的な方法は提示されていない。これまで原発の増設が進まず、また度重なる事故などによって設備利用率が伸び悩んできたことを考えれば、目標達成の具体的な方法を提示すべきである。
「指導性と責任 0点/20点」
   また、これまでの京都議定書目標達成計画では産業界の自主行動計画が前提とされてきたが、今後はどのように産業界の排出を規制し、抑制するのかが説明されていない。このため、次期政権が気候変動問題においてどのようにリーダーシップを発揮するかの道筋は見えていない。

「課題抽出の妥当性 10点/20点」
  中期目標の設定や個別の政策手段だけを見れば、民主党の環境政策に対する課題認識は非常に妥当性がある。しかしマニフェスト全体を見れば、環境政策は5つ目の重点施策である雇用・経済対策のなかに位置付けられており、環境政策自体の扱いはかなり優先度が低いものとなっている。またマニフェストのなかで「地球温暖化対策を強力に推進し、新産業を育てます」と宣言されているにも関わらず、温暖化対策と「新産業育成」を結びつける目標や具体的な政策手段はなんら描かれていない。
「課題解決の妥当性 5点/20点」
   個別政策についても、それぞれこの間の政策から後退が見られる。例えば、08年12月の「民主党環境ビジョン」においては「早期(2010年まで)」とされていたキャップ&トレード方式の排出量取引制度の導入時期が、4月に参議院に提出された「地球温暖化対策基本法案」では「2011年度」、さらに今回のマニフェストでは「早期」のみとなり、目標年次が削除されている。
   また、自動車の交通量を増加させ、ひいては温室効果ガス排出量を増加させることとなる「暫定税率の廃止」と「高速道路の無料化」は、マニフェストにおいて温暖化防止よりも上位の政策とされ、工程表まで明示されている。これに対し、「環境ビジョン」では「地球温暖化対策税」のなかに「暫定税率の廃止」が併記されていたが、地球温暖化対策税はマニフェストで「検討」に格下げされている。
   再生可能エネルギーに対する固定価格買取制度については、政府と異なり「全量方式」を採用することが示されているが、価格設定や買取期間は未定である。発電部門の抑制でどれだけの排出を抑制するのかについては記述がない。
「指導性と責任 0点/20点」
   民主党が計画している規制的手段はこれまで産業界が避けてきたものであるので、強制力を持って政策を実行できるような体制整備などが必要であるが、実行を担保する仕組みについてはなんら記述されていない。

 

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