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10年参議院選挙

2010年参議院議員選挙 マニフェスト評価結果(総論)

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民主党の政権公約に関する総合評価 自民党の政権公約に関する総合評価
   
  ・「強い経済、強い財政、強い社会保障」という日本の課題の解決に取り組む姿勢を明らかにし、財政再建の道筋を提起したことは評価できるが、それぞれの解決策がまだ曖昧でプランを判断できる段階には至っていない。

・今回のマニフェストで問われたのは、昨年のマニフェストで示された16.8兆円にも膨らむ巨大な支出計画の修正だが、その修正はあくまでも部分的かつ不鮮明で、修正の理由などについても説明もない。またマニフェスト自体が約束としてのわかり易さで後退しており、抽象的な従来型の公約に戻っている。
・成長戦略や財政再建では具体的な目標設定が行われ、その財源として消費税の税率を「当面10%」と具体的に設定している。これらの目標は政権党と比べても具体的で評価ができるが、271の公約全体で見ると「数値目標」や「期限」、「財源」などの指標が一つでも書かれた公約はわずか36項目(13.3%)に過ぎない。マニフェストという文字自体が副題に追われており、自民党として約束を国民とかわし、政権を奪取するという気迫が伝わらない。形態も約束としての形が後退し、その達成状況が有権者から検証不可能な従来のスローガン的な公約集に後戻りしている。

・消費税率引き上げ幅(当面10%)と、その使途を具体的に書いた点は高く評価できるが、マニフェストには歳出増の項目が非常に多く、財政構造改革は(今後10年以内にプライマリーバランスの黒字化)は伴う歳入増加や恒久財源という歳入改革が柱で実現できるか、現時点で判断が難しい。

 

  民主党 自民党     民主党 自民党
合計
(100点)
合計
(100点)
合計
(100点)
合計
(100点)

形式要件
(40点)

実質要件
(40点)
 形式要件
(40点)
実質要件
(40点)
 形式要件
(40点)
実質要件
(40点)
 形式要件
(40点)
実質要件
(40点)
経済政策 36点/100 48点/100 医療
21点/100 24点/100
21/40 15/60 25/40 23/60 6/40 15/60 5/40 19/60
財政 33点/100 38点/100 年金
17点/100 18点/100
11/40 13/60 13/40 25/60 7/40 10/60 8/40 10/60
外交・安保 35点/100 53点/100 地域主権
地方分権

10点/100 23点/100
18/40 17/60 22/40 31/60 4/40 6/60 8/40 15/60
雇用 21点/100 34点/100 政治と
カネ
19点/100 9点/100
5/40 16/60 13/40 21/60 10/40 9/60 2/40 7/60
環境
14点/100 10点/100 農業 14点/100 22点/100
4/40 10/60 3/40 7/60 6/40 8/60 10/40 12/60
新しい公共 14点/100 40点/100 教育
24点/100 32点/100
12/40 2/60 11/40 29/60 9/40 15/60 15/40 17/60
行政改革
公務員
制度改革
14点/100 35点/100
6/40 8/60 11/40 29/60

 



民主党マニフェスト評価(総論) 印刷 Eメール

民主党のマニフェスト評価 総論

総 評

・「強い経済、強い財政、強い社会保障」という日本の課題の解決に取り組む姿勢を明らかにし、財政再建の道筋を提起したことは評価できるが、それぞれの解決策がまだ曖昧でプランを判断できる段階には至っていない。
・今回のマニフェストで問われたのは、昨年のマニフェストで示された16.8兆円にも膨らむ巨大な支出計画の修正だが、その修正はあくまでも部分的かつ不鮮明で、修正の理由などについても説明もない。またマニフェスト自体が約束としてのわかり易さで後退しており、抽象的な従来型の公約に戻っている。

【形式要件】

・今回提示された86の公約で「数値目標」や「期限」、「財源」などの指標が一つでも書かれた公約はわずか15項目(17・5%)で、うち実効性を表す「財源」を示した公約はゼロである。マニフェスト自体の約束としての形が後退し、その達成状況が有権者から検証不可能なスローガン的な公約に後戻りしている。
・昨年の総選挙時のマニフェスト169項目と比較すると、今回のマニフェストで言及されたのはその49項目に過ぎず、別紙記載の通りその約9割で修正がなされている。16・8兆円の目玉の支出計画も、子ども手当は上積みはするが、満額支給を断念、高速道路の無料化や戸別所得保障でも本格実施を先送りしたが、修正の内容は具体的でなく、全体の支出額をどう削減できたのか明らかではない。また、こうした支出の工程表や無駄の削減計画も今回は掲載できず、約束の実現性はより不透明となった。今回の修正で先のマニフェストは事実上骨抜きになったが、その全体像や理由などについて国民への説明はない。

【実質要件】

・「強い経済、強い財政、強い社会保障」は日本が直面する課題そのものであり、その課題解決を「一体的に行う」との姿勢は評価できる。ただ現時点で「一体的な解決」のプランが示されたわけではない。成長戦略に投入する資源と財源、社会保障分野でも「最低保証年金、診療報酬の引き上げ」などの財源と財政再建がどう両立するのか不明で、抽象論の域を出ていない。
・財政健全化ではプライマリーバランスなどの目標や期限も明示され、評価できる。ただ、その工程を具体的に描けず、消費税の増税も税率を自ら示せず、超党派での協議に委ねるのではあまりにも受け身的である。2010年度のプライマリー赤字が34兆円ということを考えると、5年後の赤字半減も厳しく、この数年の間に増税と歳出抑制に踏み込まなければ中期、長期の目標設定が連動できない可能性が高い。民主党自身が掲げた16.8兆円の支出は無駄削減の目途もなく大幅な見直しを問われているが、今回のマニフェストでは修正額の全体像を国民に説明できていない。
・今回のマニフェストでは経済面や外交面で政策路線の修正が明らかになったが、その説明がなされていない。経済政策では家計部門への所得再分配を軸とした対策から法人税の引き下げなど供給面も意識した対策に、外交・安全保障では「主体的な外交戦略を構築」することで対等な日米関係を構築するとの姿勢が、日米同盟の深化に変わった。ただ、合理的な説明もないまま本質的な変更が繰り返されるようでは政策の不確実性が増すだけではなく、マニフェスト自体への信頼も失うだろう。
・マニフェストの実行体制に関する記述もなく、官邸機能の強化に向けた具体策がない。

自民党のマニフェスト評価総論はこちら
⇒各論点数表はこちら coming soon.....

 
2010年参議院議員選挙 マニフェスト評価(教育) 印刷 Eメール

 

 

項目 民主党 自民党
形式要件
(40点)
理念(10点)  6  7
目標設定(10点)  3  5
達成時期(8点)  0  1
財源(7点)  0  0
工程・政策手段(5点)  0  2
合計(40点)  9  15
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)  10 12
課題解決の妥当性(20点)  5 5
指導性と責任(20点)  0 0
合計(60点)  15 17
合計(100点)   24点  32点

 

<評価の視点>

 評価の基本的な視点を設定するにあたり、現在教育政策で取り組むべき課題を明確にする。
  まず、学士力といわれる大学生の学力低下や、大学が、経済社会が望む人材を輩出できていない問題がある。現在、大学総数は750ほどであり、少子化の中で大学数の数については過剰傾向である。一方、大学生の知識の低下等が指摘されており、「学士力」の向上の必要性が認識されている。また、大学が提供する教育内容が社会のニーズに対応していないとの指摘がある。さらに研究面では、世界トップレベルを国策としているにも関わらず、世界大学ランキングでは、東京大学の22位が最高位に留まっている。このように大学における教育力・研究力の向上は喫緊の課題である。
次に、学校・地域社会・家庭における教育の質の向上が必要であるとの問題がある。経済協力開発機構の学習到達度調査(2007年12月発表)では、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの全分野で順位を下げる結果となった。わが国の義務教育課程については、「教育再生」を掲げた自民党安倍内閣時代に、教員免許更新制が導入されるなど改革がなされたが、教育現場からは、教師の時間的な負担が増し、子どもに関わる時間が減るとの指摘がある。また、現在、教育の担い手が学校に偏っている現状を改善し、地域社会全体で子どもの教育を担うことが重要であるとの指摘がある。
最後に、小泉改革以降、所得格差が広がり、その格差が教育を受ける機会(教育格差)につながり、世代間で格差が継続・固定するのではないかとの問題が強く認識されてきている。
以上のことから、①大学における教育力・研究力の向上に対応しているか、②学校・地域社会・家庭における教育の質の向上に対応しているか、③所得格差による教育格差の是正に対応しているか、の3点を評価の視点とする。

<評価委員の解説>

 

<評価結果>
民主党マニフェスト評価
合計 24点 (形式要件9点、実質要件15点)
自民党マニフェスト評価
合計 32点 (形式要件15点、実質要件17点)
【形式要件についての評価】 9点/40点 【形式要件についての評価】 15点/40点

 「チルドレン・ファースト。子育て支援や高等教育も含めた教育政策のさらなる充実で、社会全体で子どもを育てる国をつくりあげる」との理念・目的の下、「大学生、専門学校生などの希望者全員が受けられる奨学金制度の創設」、「大学の授業料減免制度拡充」、「就学前の子どもの保育・教育の一体的提供」、「少人数学級を推進」「学校現場での柔軟な学級編制、教職員配置」を個別政策として掲げている。(6点/10点)
目標としては、「教育格差是正」や「出産から成長段階までの切れ目のないサービス実施」を挙げているが、定量的な目標設定ではなく測定困難であり評価できない。(3点/10点)
「大学生、専門学校生などの希望者全員が受けられる奨学金制度の創設」については、前回の衆院選のマニュフェスト2009においても掲げられていたが、2010年度予算では、無利子貸与人員を5千人増することと、新たに奨学金の支給開始時期を7月から4月に早期化することに留まっている。実現に向けた今後の工程を明示することが求められるが、今回のマニフェストには明記されていない。その他の項目についても、達成時期、財源の裏付け、今後の工程は明記されていない。(0点/8点)(0点/7点)(0点/7点)

 

 「世界をリードする「教育立国日本」の創造」、「世界トップレベルの学力と規範意識、日本に誇りが持てる教育再生」等を理念・目的として、教育の諸問題に対する個別政策が掲げられている。(7点/10点)また、目標設定については、定性的なものが多く測定が困難である。また、重点分野に関する記載がなく、目標の優先順位が明確にされていない。(5点/10点)なお、理念・目的・目標については、規範意識、国旗・国家の尊重等のように、保守色が濃い内容となっており、民主党と差別化されている。
個別政策については、大学院教育改革、教育の政治的中立確保のための法整備等といった政策が掲げられているが、その殆どに達成時期は明示されていない。(1点/8点)また、給付型奨学金の創設、学校の耐震化・老朽化対策(100%)実施、幼児教育無償化、大学の基盤的経費の確保、博士課程学生への経済支援といった財源確保が必須な項目が多く掲げられているが、財源の裏付けが全く記述されていない。(0点/7点)目標実現のための政策手段については、法改正や制度改正等の手段が明記されている項目は多いが、工程については殆ど示されていない。(2点/5点)


 

   
【実質要件についての評価】 15点/60点 【実質要件についての評価】 17点/60点

「課題抽出の妥当性 10点/20点」
民主党のマニフェストは、新たな奨学金制度の創設と授業料減免制度の拡充を掲げ、所得格差による教育格差を是正しようとしており、教育格差の課題については、問題認識がなされている。一方、「大学における教育力・研究力の向上」に対する施策についての言及は一切なく、学士力や国際競争力向上に必須の研究力の課題についての認識が欠如している。
「課題解決の妥当性 5点/20点」
明確な選別基準なしに「希望者全員が受けられる奨学金制度創設」がなされれば、大学全入時代といわれる現在において、学士力・研究力をさらに下げる可能性さえあり、問題である。また、教育の質の向上のため、学校現場での柔軟な学級編制、教職員配置等が個別施策に掲げられているが、教育の質の向上には、学校現場の他に地域社会における取り組みも不可欠であり、この個別政策だけでは問題解決には不十分である。「就学前の子どもの保育・教育の一体的提供」については、「幼保一元化」のための「認定子ども園」の拡充なのか、それとも新たな制度の創設なのか、具体的な政策が見えない。どのような課題認識をしており、どのように改善したいのかが不明で評価できない。
「指導性と責任 0点/20点」
教育分野については、いずれもどのような工程・手段で実行するのかが明確になっておらず、課題解決に向けた指導性と責任については評価できない。特に「希望者全員が受けられる奨学金制度を創設」は、選定基準やチェックシステムを整えず希望者全員に給付する単なるバラマキであり、政権政党として無責任であり評価できない。

 

【課題抽出の妥当性 12点/20点】
大学における教育力・研究力の向上に対しては、大学院教育の抜本改革や大学の基盤的経費の確保が掲げられており、課題認識が十分なされている。学校・地域社会・家庭における教育の質の向上に対しては、教師の質を高める政策が示され、国語教育・理数教育の充実が掲げられているが、学校現場の他に地域社会における取り組みも不可欠であり、この個別政策だけでは問題解決には不十分である。所得格差による教育格差の是正に対しては、新たな就学援助制度や給付型奨学金の創設、特に私学における低所得者の授業料無償化等が掲げられており、課題認識がなされている。
【課題解決の妥当性 5点/20点】
マニフェストの理念・目的に対し、個別政策に矛盾はないが、政策が総花的であり、何を重点的に実施するかが不明である。教育分野には多くの課題が存在しており、どの課題から優先順位をつけて解決していくのかを示す必要がある。
【指導性と責任 0点/20点」
自民党は民主党の政策に対し、財源の裏付けを追及し続けてきた。また、マニフェストには、「責任ある政策」を掲げている。しかしながら、自身のマニフェストに裏付けとなる財源は示されておらず、工程も明確でないものが殆どである。課題解決に向けた指導性と責任は評価できない。

 

⇒「教育」分野の実績評価を見る

 
2010年参議院議員選挙 マニフェスト評価(農業) 印刷 Eメール

 

 

項目 民主党 自民党
形式要件
(40点)
理念(10点)  3  4
目標設定(10点)  3  3
達成時期(8点)  0  0
財源(7点)  0  0
工程・政策手段(5点)  0  3
合計(40点)  6  10
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)  2 2
課題解決の妥当性(20点)  4 6
指導性と責任(20点)  2 4
合計(60点)  8 12
合計(100点)   14点  22点

 

<評価の視点>

  農業政策については、まず、中長期的なビジョンとして、①農業の担い手確保の視点、②国際化への対応が問われる。①については、高齢者によって担われている日本の営農の世界において、若い世代の担い手をいかに確保、育成していくかは喫緊の課題である。日本の農業を持続可能なもの、さらに産業として自立させていくためには、いまある担い手の農家の支援に加えて、明日の農業を担っていく新たな担い手の確保、育成が必要である。②については、農政においてアジア諸国との関係をどのように構想するかが一つのポイントである。また、③政策の安定性という点も、評価の際に大きなポイントとなる。農業はただでさえ自然のリスクと隣合わせであるが、恒久的な財源に裏打ちされた政策の安定性がない限り、政策自体が人為的リスクとなる可能性がある。農業政策は高度な専門性が必要な領域のひとつであり、的確な政策のデザインは、生産の構造、市場の構造、国際的な規律などに関する正確でバランスのとれた知見に支えられて初めて可能となる。この意味で、長年の懸案であるコメの生産調整の在り方に関する方針も、政策デザイン力が問われるポイントである。民主党は前回のマニフェストで目玉政策の一つとして戸別所得補償制度の創設を掲げ、23年度以降の本格実施を謳った。すでにコメについてはモデル事業の実施が前倒しされ、4月から開始している。こうした民主党の農業政策に対し、自民党としてどういった施策を打ち出していくのか。
以上より、ここでは①農業の担い手確保、②国際化、③政策の安定性といった3点を中心に評価を行うこととする。

<評価委員の解説>

 

<評価結果>
民主党マニフェスト評価
合計 14点 (形式要件6点、実質要件8点)
自民党マニフェスト評価
合計 22点 (形式要件10点、実質要件12点)
【形式要件についての評価】 6点/40点 【形式要件についての評価】 2点/40点

 マニフェストでは、「農林水産業を再生し、食料自給率向上『食の安全』確保を実現します」として理念が掲げられ、農林水産業を成長戦略と位置付けて従来の政策の抜本的な見直しに取り組むとしている。(3点/10点)掲げられた個別政策については5つで、前回のマニフェストよりもさらに記述が簡略化されている。コメ以外の戸別所得補償については、「モデル事業を検証しつつ、段階的に他の品目及び農業以外の分野に拡大します」としているが、その目的や導入する品目、財源、達成時期、工程については全く書き込まれておらず、前回と比較しても明らかな後退と評価せざるを得ない。「農林漁業と農山漁村の再生を図る」ことを目的として、農林漁業について製造業・小売業などとの融合により生産物の価値を高めるとされているが、それ以外の項目については目標、達成時期、財源、工程は明示されていない。(3/10点、0/8点、0/7点、0/5点)
また、前回は「国際食品調査官」「BSE対策としての全頭検査に対する国庫補助」「食品安全庁」等、食の安全・安心に関悪様々な具体策が掲げられていたが、今回は「原料原産地」などの表示やトレーサビリティ以外はすべて消えており、その理由も明らかにされていない。総論で述べられている「アジアを中心とする経済の活力を国内にも取り込んでいきます」との姿勢は評価できるが、個別政策について国際的な観点は全く取り入れられていない。

 農林水産業については、32項目にわたってかなり広範なテーマについての具体的な記述がなされている。個別政策について目的が記述されているものも多いが、その全体が「仕事を創り、地域を支え、安全安心な暮らしを守る―「手当より仕事」―」の中に描かれており、政策全体の根底にある理念や目的は必ずしも明確とはいえない。(4点/10点)(3点/10点)また、個別政策について具体的な政策手段に触れているものはあるが、達成時期や財源については全く触れられていない。(0点/8点、0点/7点、3点/5点)
 

   
【実質要件についての評価】 8点/60点 【実質要件についての評価】 12点/60点

【体系性・課題抽出の妥当性 2点/20点】
前回のマニフェストで農業政策が「地域主権」の中に盛り込まれていたことと比較すれば、一つのカテゴリーとして「農林水産業」を設け、「農林水産業の再生」、「食料自給率の向上」という課題を抽出していること自体は評価できる。また、農林漁業の6次産業化やトレーサビリティの義務付け対象の拡大、地産地消推進も課題解決の妥当性という観点からは評価できる。しかし、ピックアップされている政策は5つのみであり、具体的な内容は不明であるばかりか、なぜそれがピックアップされているのか、その理由も不明である。政策の体系性は極めて乏しい。一方、個別政策の記述が簡略化された分、前回のマニフェストの進捗状況の報告に紙幅を割いているが、農政の分野の2項目についてはその内容は甘い。とりわけ口蹄疫対策に関しては、初動の遅れも指摘されており検証が必要であるが、それ以前に政権の成果として自賛する姿勢には疑問を抱かざるを得ない。
【課題解決の妥当性 4点/20点】
そもそも戸別所得補償政策は目的が曖昧であり、前回マニフェストでは「小規模農家の維持」と「担い手の育成や産業化」が政策目的として掲げられていたものの、これらは性質上互いに矛盾するものであり、完全に両立させることは不可能である。当初掲げた政策に妥当性があったのなら、今回のマニフェストでは進歩、具体化してしかるべきだが、これについては明確な目標設定はおろか、米以外に導入する品目や時期、財源については何ら言及がなく、むしろ後退している。米と異なり、専業・準専業の農家や生産組織が支えられ、かなり効率的な生産構造が維持されている麦や大豆の生産構造や、酪農生産が不足払い制度という比較的安定した仕組みに支えられている実態などについて、民主党内で正確な現状認識がなされていたかどうかは大いに不明である。総じて、農村の実態に即した的確な制度設計とは言えず、制度全体のビジョンが不明確で、担い手の確保を含めた農林水産業の再生、産業化という課題解決に対する妥当性は低い。「原料原産地」などの表示やトレーサビリティ等については「食の安全・安心の確保」という観点から解決策として妥当だが、「国際食品調査官」の配置、BSE対策としての全頭検査に対する国庫補助、食品安全庁など前回掲げていた施策が削除され、それに対する説明がない以上、評価は低くせざるを得ない。
【指導性と責任 2点/20点】
戸別所得補償の政策としての妥当性が問われるのは、水田の米以外の作物への品目の拡大や、「畜産・酪農者」への導入が具体化される際である。3月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」において、米以外の品目についてはすべて「検討する」とされていたが、今回のマニフェストでもなお曖昧な記述にとどまっており、指導性という観点からは全く評価はできない。「農林水産業」として独立の項目を立て、取り組むべき課題の一つとして認識しているものの、農業の担い手をどういった方策で行うか、日本の農業をいかに再生するのかという、いま日本の農政にとって最大の課題に戦略的、体系的なビジョンを提示しているとはいえない。

【体系性・課題抽出の妥当性 2点/20点】
民主党マニフェストと比較し、農林水産業に関する政策全般について網羅性、具体性があり、「農林水産業の多面的機能を評価した『日本型直接支払』の創設」以外は自民党としてのある程度の政策の継続性がみられる。ただ、その中でのプライオリティは明確ではなく、体系性は乏しい。また、この間農政の大きな課題の一つであった米の生産調整の在り方については、現政権下の選択的な生産調整をどう評価するかという点とも関わるが、マニフェストでは触れられていないことから、この点について自民党は判断を先送りしている。
【課題解決の妥当性 6点/20点」
戸別所得補償を売り物にしてきた民主党との差別化を意図した政策として、「農林水産業の多面的機能を評価した『日本型直接支払』の創設」「が掲げられているが、問題点も少なくない。まず、農業の多面的機能の評価額は農業の生産額に匹敵する大きさであるとの試算もあることから、文字通り評価額を支払いのベースにするとすれば、莫大な財源を必要とする。また、多面的機能の対価は農家に支払われていないという制度の組み立ての前提についても疑問が残る。なぜならば、関税その他の方法によって、海外よりも高い手取り価格の下にある国産農産物は多いが、この場合の内外価格差に派多面的機能に対する支払いも含まれていると解することもできるからである。一方、「経営所得安定制度」については、その対象は明確な表現が行われているわけではないが、「全国一律ではなく、地域の自主的な努力を踏まえ」るとしている。民主党が全ての販売農家を対象としていることに比べれば、集落営農を含めた担い手にアクセントを置くニュアンスは感じられる。また、「海外へ積極的に売り込むため、全国的な品目別の輸出振興組織を設立」など国際的な視点もあり、積極的に攻めの農業を実現しようとする姿勢は評価できる。
【指導性と責任 4点/20点】
マニフェストで描かれている項目は網羅的かつ具体的であるが、それゆえに、その内容を熟知した業界に向けて発信されているとの印象は否めない。また、今回のマニフェストは6月に公表された全中(JAグループ)の政策提言と共通する部分が少なくない。農協組織が自らの政策要求を掲げることは無論差し支えないが、農協の立場からの要求と国全体のかじ取りを担当する政権政党としてのスタンスを整理しておくことも重要である。この点で、「JAこそ地域の担い手」との表現には疑問が残る。

⇒「農業」分野の実績評価を見る

 
2010年参議院議員選挙 マニフェスト評価(政治とカネ) 印刷 Eメール

 

 

項目 民主党 自民党
形式要件
(40点)
理念(10点)  5  0
目標設定(10点)  4  2
達成時期(8点)  0  0
財源(7点)  0  0
工程・政策手段(5点)  1  0
合計(40点)  10  2
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)  3 0
課題解決の妥当性(20点)  3 5
指導性と責任(20点)  3 2
合計(60点)  9 7
合計(100点)   19点  9点

 

<評価の視点>

  「政治とカネ」の問題は、政党の組織構造が脆弱で、政治家が個人後援会をベースに活動を行っていることにその構造的な原因がある。94年の政治改革関連法案成立によって「政党本位」の政治を目指す改革が行われたが、政党の財務基盤が脆弱であるために政治家は依然として政治資金を自前で賄う傾向があり、不明瞭な政治資金の問題は現在も後を絶たない。
政治資金の透明性に関する問題はまず、政治家が「資金管理団体・政党支部・その他政治団体」の3種類のサイフを使い分けることにより、資金の流れが非常に見えにくくなっていることにある。政治家個人への企業・団体献金は99年の政治資金規正法改正により禁止されているが、政治家が代表を務める政党支部が企業・団体献金の「抜け道」の役割を果たしている。また、2007年12月の政治資金規正法改正により、政治資金の支出面については「人件費を除く経常経費について1円以上の支出に対して領収書を徴収」することが義務付けられたが、対象となるのは政治家の指定する「国会議員関係団体」のみである。
民主党は、政治とカネをめぐる課題に対して、「企業・団体献金の全面的禁止」と「個人献金の普及促進」を含む政治資金規正法改正案を衆議院に提出している。しかし、小沢氏の事件では個人が政治団体に対して献金したかのように装って実際は企業がその資金を補てんしていたことが問題となったのであり、鳩山氏の「故人献金」問題では、個人の名義を利用した個人献金の偽装が問題となった。これらの事件は単に企業・団体献金を廃止して個人献金を促進するだけではこの問題の根本的解決につながらないことを示唆している。これまでのような対処療法でなく、いわば「民主主義のコスト」の問題をシステム全体として見直さなければならない段階にきている。
ここでは、①政党本位の党改革を実行しようとしているか、②政治資金の収支の透明性を改善しようとしているかという二つの観点から評価を行う。

<参院選マニフェストの読み方について>
 

 岩井奉信氏 (日本大学法学部教授)
 聞き手:工藤泰志(言論NPO代表)

 

工藤: 岩井先生、こんにちは。今回、「政治とカネ」の評価を岩井先生に協力していただきました。「政治とカネ」の問題については、鳩山政権が退陣することになった大きな理由の一つですが、これに関する評価が、民主党、自民党のマニフェスト評価において、非常に低くてどちらも10点台、自民党はさらに低いのですが、ここまで低くなった原因というのは、一体何なのでしょうか。

 岩井: ひとつは、今回の鳩山政権退陣の原因を探っていくと、「政治とカネ」の問題に行きつきます。また、小沢さんの政治とカネの問題もありました。そういった面では、政治を揺るがす大きな問題となった割には、民主党のマニフェストも、自民党のマニフェストも、それをきちっと解決していくという方策が、明らかにされていなかったので、評価が低くなりました。


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<評価結果>
民主党マニフェスト評価
合計 19点 (形式要件10点、実質要件9点)
自民党マニフェスト評価
合計 9点 (形式要件2点、実質要件7点)
【形式要件についての評価】 10点/40点 【形式要件についての評価】 2点/40点

 冒頭において「政治とカネ」の度重なる問題を率直に詫び、これまでの問題を重く受け止めている姿勢を見せている。また、「とことんクリーンな民主党へ」というかたちで曖昧ながらも理念を掲げている。(5/10点)また、「お金のかからない、クリーンな政治を実現します」として、「国民の信頼を取り戻す」ことを目的に挙げている。(4/10点)
具体的施策として「企業・団体献金の禁止」のほか、「国会議員関係政治団体の収支報告書の連結」、「日本版選挙委員会の設置」等を掲げた点については、網羅できているわけではないものの、以前よりは前進している。しかしこれらについては具体性が乏しく、達成時期や財源については全く記載されていない。(0/8点、0/7点)政治資金の透明性向上についてのみ、「国会議員関係政治団体」の収支報告書の連結、総務省への一元的提出、外部監査・インターネット公表の義務付けという政策手段が描かれているが、全ての政策について、実現のためのロードマップは明記されていない。(1/5点)

 マニフェストでは、政治資金問題は「政治・行政への信頼を取り戻します」という大項目の中に記載しているが、政策の理念は描かれていない。(0点/2点)「政治家が違法行為を秘書に責任転嫁し逃れること」を防ぐために政治家の監督責任を強化し、「幅広く国民の支援を求めるため」税制上の優遇措置など個人献金がしやすい仕組みを構築するなど、漠然とではあるが目標設定はなされている。(2点/10点)しかし、掲げられている政治家の監督責任の強化、政治資金の透明性確保についても具体性はなく、いかにしてこれを実現するのかは全く描かれていない。(0点/8点、0点/7点、0点/5点)
「政治とカネ」の問題は、現政権の信頼を大きく揺るがした政界全体の問題であり、野党の自民党としても与党側に問題が起こるたびに強く批判してきた。にもかかわらず、その課題に対して自らが打ち出す政策は、どのような現状、課題認識の下、何をいつまでにどのように解決するのかという政策体系として成立していない。形式的な評価は極めて低くなる。
 

   
【実質要件についての評価】 9点/60点 【実質要件についての評価】 7点/60点

【体系性・課題抽出の妥当性 3点/20点】
政治資金問題はマニフェストの「政治改革」の中に位置づけられており、「ムダづかい」に位置付けられていた前回のマニフェストと比較すると、政治の在り方全体の中で見直す性が確認できる。ただし、「民主主義のコストをどう負担していくか」という、システム全体として政治とカネの在り方を抜本的に見直す視点に乏しく、個別政策は網羅的ではなく、体系性は不十分である。また、以前のマニフェストと同様、鳩山由紀夫前首相や小沢一郎前幹事長の政治資金問題の原因を主として企業団体献金の問題に矮小化している。
【課題解決の妥当性 3点/20点」
「企業団体献金の禁止」では、鳩山由紀夫前首相や小沢一郎前幹事長の政治資金問題の解決にはならず、政治とカネをめぐる根本的な解決につながらない。「国会議員関係政治団体」の収支報告書の連結や、独立型の日本版選挙委員会の設置といった施策は、「政治資金の透明性向上」の観点からは妥当性が高いものの、その具体的内容は不十分である。
【指導性と責任 3点/20点】
「とことんクリーンな民主党へ」というスローガンをマニフェストの冒頭に掲げるなど、民主党がこの課題について積極的に取り組む決意のほどはわかる。ただ、並べられている政策の記述はあいまいで具体的を欠いている。そもそも、鳩山前首相、小沢前幹事長の説明責任が果たされない中では、「国民の信頼を取り戻す」ための施策には実効性が薄い。

【体系性・課題抽出の妥当性 0点/20点】
今回「政治とカネ」に関して問題とされていたのは、鳩山前首相や小沢前幹事長の責任という個人の問題を超えて、政治資金の原資をどう調達するのかという政界全体の問題である。しかしながら、自民党のマニフェストでは全271項目の政策うちわずか1項目で簡潔に記載されているだけであり、問題認識が甘すぎると言わざるをえない。政治資金システム全体をいかに設計するかということに関する記載があってしかるべきであるが、それについては全く言及がない。
【課題解決の妥当性 5点/20点】
「政治資金の透明性向上」という視点自体は妥当だが、それを実現するための具体的な手法についてはなんら描かれていない。「政党の機関紙・紙の購読料・広告料収入の透明化や労働組合の政治活動における政治資金収支の透明化を図ります」としているが、これでは問われている課題のうち、労働組合の違法献金事件等ごく一部しか対応できず、課題解決の妥当性の観点からも不十分である。
【指導性と責任 2点/20点】
「政治とカネ」の問題は自民党政権時代から現在の民主党政権時代にいたるまで、常に大きな問題になっており、自民党としても積極的に課題解決の姿勢を示すべきである。にもかかわらず、マニフェストの中身は非常に量的にも質的にも不十分であり、政治の信頼を回復させるために責任を果たそうとする姿勢は見られない。

⇒「政治とカネ」分野の実績評価を見る

 
2010年参議院議員選挙 マニフェスト評価(地域主権/地方分権) 印刷 Eメール

 

 

項目 民主党 自民党
形式要件
(40点)
理念(10点)  2  5
目標設定(10点)  0  0
達成時期(8点)  2  0
財源(7点)  0  3
工程・政策手段(5点)  0  0
合計(40点)  4  8
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)  3 7
課題解決の妥当性(20点)  3 8
指導性と責任(20点)  0 0
合計(60点)  6 15
合計(100点)   10点  23点

 

<評価の視点>

 地方分権は、地域の自己決定権を中央政府から身近な自治体に移すことであり、その手段の一つとして権限や財源の移譲を行うことである。霞ヶ関に一極集中してきた権限や財源を地方自治体へ移し、地方自治の充実を図るものである。しかし、それが単なる団体自治の強化であっては意味はない。国の持っている権限や財源の移譲による地方自治体の強化に留まらず、最終的には主役である住民がそれぞれの地域の将来に責任を持ち、その経営に自主的かつ積極的に参画することによって、地域の創意が発現できる自己決定、自己責任型の社会形成が行われるものでなくてはならない。
政権交代を果たした民主党は、「地域主権」を「改革の一丁目一番地」と唱え、地域主権戦略会議の法制化、「国と地方の協議の場を設置するための法律案」地方議会の議員定数の上限撤廃を持ち込んだ「地方自治法の一部を改正する法律案」を国会に提出したが、いずれも成立させることなく継続審議となった。従って、鳩山前首相から菅首相に続く民主党政権としては、こうした「地域主権改革」へ向けての具体的な取組みについて、着手した施策をどう進めるのか、また未着手の施策をどうするのか、国民に示す必要がある。
一方、自民党としては、民主党が示す「地域主権改革」と、どこが違い、どこが同じなのか、明確に説明し、自民党が考える「地方分権改革」の先にある社会のあり方を示して、国民に信を問う必要がある。
以上のことから、権限や税源の移譲による中央集権体制の変革に加え、議会と首長と住民の関係などを住民目線から見直し、新たな地方自治制度の設計に繋がるような「地域主権」、あるいは「地方分権」について、どう答えを導き出そうとしているのかを中心に評価を行うこととする。

<評価委員の解説>

 

<評価結果>
民主党マニフェスト評価
合計 0点 (形式要件0点、実質要件0点)
自民党マニフェスト評価
合計 23点 (形式要件8点、実質要件15点)
【形式要件についての評価】 0点/40点 【形式要件についての評価】 8点/40点

 冒頭で「『国のかたち』を変える~地域主権改革は地域の自立を促す改革であり、そのために権限や財源の移譲に取り組む。地域のことは地域で決められる仕組みをつくることで、中央集権体制を改める」とあるが、国のかたちをどう変えるのかについては言及されていない。また、各論では「地域の権限や財源を大幅に増やし、地域のことは地域で決められるようにします」と掲げられているが、全てが「地域」という抽象的なワードで括られており、どの程度の範囲の地域なのか、地域の誰が決めるのかが全く示されていないため、理念や目的を明確に表しているとは言い難い。(2点/10点)
個別の政策についての明確な目標は、設定されていない。(0点/10点)さらには国会で継続審議となっている施策について全く触れられておらず、これらの施策を今後どうするのか不明である。達成時期については、一括交付金の一部にだけ2011年度に実施との記述があるが、単純に翌年度の予算編成をにらんだものに過ぎず、明確な達成時期の設定とは言い難い。(2点/8点)財源、工程・政策手段についてもこれと言った記述はされてない。(0点/0点)(0点/0点)

 「地方分権型国家として、市町村優先の原則、補完性の原則に基づく道州制の導入が提言されている。道州制の導入による地方分権型国家とのビジョンを描いている点は、民主党マニフェストより一歩踏み込んでいるが、それが住民の生活をどう変えるのか、何のための道州制なのかの説明がない。目次における内容説明で「権限移譲と財源の充実で特色ある地域政策を実現、道州制を導入」としているが、地域の雇用創出、安全安心な地域社会づくりに繋げているが、論理が飛躍気味であり、もう少し丁寧な説明が求められる。(5点/10点)
個別の政策について明確な目標は設定されていない。(0点/10点)また、達成時期についても、記述されていない。(0点/8点)
地方税財政の充実として、地方一般財源の充実・強化を図るために、税制の抜本的改革において、地方消費税の充実、地方交付税の法定税率の見直し、地方法人課税のあり方の見直しによる地域間税源の偏在制の解消などに触れており、財源からは一応の評価ができる。(3点/7点)工程、政策手段は記載されていない。(0点/5点)


 
   
【実質要件についての評価】 0点/60点 【実質要件についての評価】 15点/60点

 施策の体系については、財源の移譲という観点から「一括交付金化と負担金廃止」、権限の移譲という観点から「義務づけ枠付けの廃止」との位置づけをしていると考えられるが、これを体系というにはあまりにもお粗末と思われる。課題抽出の妥当性については、なぜこの項目を選択したかの記述も無いため、これによって何がどの程度変わるのかはっきりしない。また、将来への展開という面からも何の記述もないため、この政策が今後どのように国民の生活に影響を与えるのか全く分からない。(3点/20点)
課題解決の妥当性について、地域の自立を促すための権限と財源の移譲の解決策として「一括交付金化と負担金廃止」、権限の移譲という観点から「義務づけ枠付けの廃止」を選択しているが、内容が薄く、これだけではとうてい課題を解決できるとは思えない。
また、この3つの政策だけで地域の自立が促されるとは到底思えない。このため、当然、現在継続審議となっている「地域主権戦略会議の法制化」、「国と地方の協議の場を設置するための法律案」地方議会の議員定数の上限撤廃を持ち込んだ「地方自治法の一部を改正する法律案」の成立も含んで考えているとすべきであろうが、そもそも、目的の項目で記述したように「地域」という言葉の範囲が曖昧で、基礎的地方自治体なのか広域自治体なのか、それともコミュニティレベルの団体を指すのか明確でないため、目標の主体が定かでなく、評価不能である。もっときめ細やかで具体的な政策を提示すべきと考える。(3点/20点)(0点/20点)

 体系性、課題抽出の妥当性としては、地方分権の推進策として、「義務づけ枠付けの見直し」「地方交付税等の一般財源を確保」「直轄事業負担金制度の抜本的な見直し」「国の出先機関の廃止縮小、道州制の導入に合わせた一元化」を掲げている。併せて、地方の機能強化との位置づけで、地方6団体の法的位置づけの明確化、地方議会の諸機能の強化、住民意思の把握などについての職責・職務の範囲の法制化・明確化、さらには広域自治体と指定都市のあり方検討にもふれており、一応、現在課題とされているものについて抽出されている。
ただし、地方分権改革の道筋となる論理展開が明示されていないため施策のばらまき感がある。(7点/20点)
また、課題解決の妥当性について、権限移譲と財源の充実で特色ある地域政策実現とあるが、確かに記述されている政策がすべて実行されれば、地域の政策決定権は強化されるであろう。ただし、住民の地方自治への参画という観点からは、地方議会の職責・職務の範囲としての住民意思の把握のみであり、この部分に付いての施策は非常に薄い。従って、自民党の言う「地方分権改革」は誰のための分権かという点について、検討不足の感は否めない。(8点/20点)
また民主党マニフェストと同じく、将来展開を含む工程表については全く示されていない。(0点/20点)

⇒「地域主権/地方分権」分野の実績評価を見る

 
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