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小泉政権第2期実績評価(全体評価) 印刷 Eメール

全体評価

マニフェスト実行の中間評価

私たちはマニフェストに基づいた政策の実行評価を行うに当たって以下のような実質的な評価基準を設定して評価作業を行った。これはマニフェストの個 々の公約の形式的な進捗度に重点を置いたものではなく、マニフェストで公約した内容の妥当性をまず評価し、そこから実際の進捗度や結果を実質的に評価する ものである。

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こうした実質基準を採用したのは、現段階でまだ多くの政党のマニフェストの内容はあまりにも抽象的でスローガン的な項目が多く、また具体的な政策目標やそれを掲げた理念やそれとの関係がはっきりしないまま、施策をただ羅列して掲げる傾向が強いからである。

私たちは昨年の年末から公約の全ての項目の予算化や法案、具体的な施策の状況などその進捗の全てを調べていったが、この状況で各項目の進捗度をただ検証するだけでは手段やプロセスだけのINPUT評価に陥る可能性があると考えた。

こうした手法をとる限り、従来型の公約の提示から脱皮し、国民との「契約」との観点から自らの政策を国民に伝え、その実行に責任を持つという本当の意味でのマニフェスト型の政治は実現できない。

政党の政策評価にもOUTCOME評価が十分成り立つ仕組みをつくるためには、その公約にはまずそれを公約する思想や理念、明確な目標が描かれ、そ の上でそれを実行する政策体系、その中での優先順位が示されないとならない。それがあってはじめて進捗度や結果の評価が実質的にできることになる。

そのためには私たちはまずマニフェストで書かれた公約自体の妥当性の評価を重視することにした。この結果、マニフェストでの公約内容に妥当性がない 場合は、仮に予算化や法案化など政策実行の進展が見られても、それをそのまま進捗度として評価するのではなく、その採点は低くすることにした。


評価基準と採点配分は以下の通りである。

1.マニフェストの妥当性(理念・目標30点、政策体系・手段20点、計50点)

理念や思想が適切かつ明確に描かれているか、その下で適切な目標が時間軸や数値を伴う形で明確にコミットされているか、目標を実現するための大きな政策体系が構造として描かれているか、その下で適切な手段が明確に提示されているか。

2.マニフェストの実質的な進捗度(30点)

実際に行われている施策について、実質的な進捗度合いの判断を行う。その際、マニフェストで示された手段を実施するための個別施策の妥当性、進捗に向けて適切なステップが描かれているか、推進体制がしっかりしているかが評価の対象となる。

3.マニフェストの実質的なアウトカム(20点)

マニフェストで描かれた理念や目標に照らして現実に実質的な成果がもたらされているか、もたらされることが見込まれる状況かについて評価する。


ここではマニフェストの妥当性の評価で全体の点数の半分となる50点を配分したほか、進捗度や結果の評価もあくまでも目標や理念との対比で採点することに努めた。 

評価の対象について

私たちのマニフェスト評価では、政権与党である自民党と公明党を昨年の総選挙で公表したマニフェストを取り上げることにした。二党に絞ったのは、マ ニフェストはあくまでも政権公約であり、その実行を監視することにマニフェスト評価の目的があるからである。自民党のマニフェストは小泉改革宣言が対象と なる。ただ、その公約の考え方を知るために「解説自民党重点政策」を参考にした。

自民党の「宣言」に公約された政策課題は29分野で125項目になる。また公明党はマニフェストで30分野の100項目の公約を掲げた。私たちはこ の項目を全て評価の対象として作業はしたが、その中には公約が重複したり、政策目標から判断して施策の項目を集約したほうがいいと判断できる項目もあっ た。私たちの評価ではそれらを項目別に集約をして、政策課題として独立できる34項目での評価を公表することにした。

評価の結果は以下の通りである。

■評価点数

■総合点数


  自民党 公明党
全体評価 36.1/100点 31.9/100点

 

■各論点数


  郵貯改革 道路公団 規制改革 経済特区 マクロ政策
自民党 20/100点 40/100点 45/100点 45/100点 30/100点
公明党

 

  プライマリー
バランス
歳出削減・
予算改革
不良債権問題 産業再生 中小企業問題
自民党 30/100点 65/100点 50/100点 35/100点 50/100点
公明党 20/100点 40/100点 20/100点

 

  雇用創出 失業者問題 NPO問題 新分野戦略
研究開発と創業
e‐ジャパン
自民党 50/100点 48/100点 55/100点 30/100点 35/100点
公明党 30/100点 25/100点 38/100点 25/100点

 

  観光立国 行政と市場・
消費者、投資家保護
公正取引委員会 司法制度改革 効率的な政府の実現
自民党 30/100点 45/100点 35/100点 40/100点 30/100点
公明党 45/100点 70/100点 25/100点

 

  公務員制度改革 特殊法人改革 持続可能な社会保障制度 年金改革 子育て(障害者対策含む)
自民党 15/100点 55/100点 25/100点 20/100点 25/100点
公明党 45/100点 50/100点 55/100点 40/100点

 

  医療の安全 治安問題 食料政策 環境・エネルギー対策 三位一体改革
自民党 40/100点 50/100点 40/100点 25/100点 40/100点
公明党 20/100点 30/100点 20/100点 25/100点

 

  地方改革 地域再生 都市と農村 道州制と北海道の道州制特区 日米同盟とテロ
自民党 50/100点 40/100点 45/100点 20/100点 35/100点
公明党 25/100点 25/100点

 

  北朝鮮の
包括的解決
国家安全保障 経済外交 教育改革の推進 文化・芸術、
スポーツ対策
自民党 10/100点 15/100点 25/100点 25/100点 35/100点
公明党 15/100点 15/100点 30/100点



私たちの評価と採点では現時点でのマニフェストの実行の中間評価は、採点で見ると満点を100点として自民党が36.1点、公明とは31.9点となった。この採点は40項目の各項目のうち、採点がなされた項目の平均値で出している。

実質的に中間段階での両党の政策実行の評価が「やや不合格」となったのは、マニフェストの公約の各分野での目標や理念の提示が明確ではなく、それを 実現する政策体系やその優先順位などが十分に書かれていないことなどが大きい。また評価をするための数値目標や期限などが書かれていないものがほとんど で、「不合格」というよりも、現時点ではマニフェストが評価する水準に至っていない、というほうが正確である。

今後、政党のマニフェストが「国民との契約」に発展することを期待して私たちは敢えて厳しい評価基準で採点を行ったが、その意味ではマニフェストは現段階では「国民との契約」とはなっておらず、まだ政党の選挙戦術の粋を脱していない。

また政策分野を個別で見ると、最も評価が高いのは自民党で「歳出削減、予算改革」公明党は「司法制度改革」であった。

逆に評価が最も低かったのは自民党で「北朝鮮の包括的解決」、公明では「経済外交」「教育改革の推進」などでだった。

マニフェストの妥当性について

小泉改革宣言では、「民ができることは民で」に示される小さな効率的な政府の実現という小泉首相の哲学がその公約の順位付けにも現れている。政権と しての姿勢をマニフェストに反映させた点では評価はできるが、実態はこれまで各分野で行われていた措置を並べ替えただけに過ぎず、個別の政策では「抜本改 革」「民営化」などの言葉の割にはその内容がほとんど公約には書かれず、その後の政策決定で国民が全く選択できない状況を続けている。選挙で政策の是非を 国民に問うという点で、あまりにも不誠実な対応となっており、マニフェスト政治の意味づけを本当の意味で理解していない。

またマニフェストとは別に「解説自民党重点施策」が出されて各分野の政策の趣旨はそこで解説されているが、マニフェストとの整合性のないところが随 所にある。各省庁とも連絡を取りながら各部会の積み上げでまとめた従来型の別の公約となっている。この結果、この重点政策も反映して作成した「宣言」では 調整がつかないものは全て外されて公約が抽象化したり、判断が先送りされるなどしており、自民党内でマニフェストを中心とした政策形成がまだ本格化してい ないことを浮き彫りにしている。

他方、公明党のマニフェストは具体的であり、国民の目線から政策を提起しており、その後の進捗についても党として判断できる状況となっている。だ が、自民党のマニフェストにも同様の傾向があるが、日本に問われている本質的な論点にあえて触れず、選挙対策上、有利ではないと判断された事項については マニフェストに書き込むべき問題であってもそれを避けている面が強い。司法改革などを除けば政策の目標や理念は曖昧でそれを実現するための政策との整合性 も見えない。これでは政権を担当するための「政権公約」は成り立たず、有権者受けの良い政策だけの「公約」の羅列を許してしまう。

これらはいずれも、マニフェスト政治は方向性としては動き始めたとはいえ、まだマニフェスト自体が党の政策実行の「誓約書」として機能していないこ とを明らかにしている。ただ、私たちは今回の評価を単なるマニフェスト批判のために行ったのではない。大切なのは、今回の評価作業を通じて、日本に本物の マニフェスト型政治を実現し、有権者が政権選択を的確に行えるようにするにはどうすれば良いかを考えることである。各党には今日の評価結果も踏まえて、次 期参院選に向けて、マニフェストを書き換えることを求めたい。

妥当性に対する価値基準について

私たちは中立的な立場から評価を行うとしても、マニフェストの妥当性を検討し、採点を行う以上、そこには一定の価値判断を置かざるを得ない。評価に当たって私たちが価値前提として置いたのは、概ね次のような考え方である。

まず、日本のほぼ全てのシステムが持続可能とはなっておらず、システム転換を問われているという認識である。世界でも例のない少子高齢化社会への急 速な移行があり、情報技術革新による競争力の軸の転換といった世界の大きなパラダイムシフトが進んでいる。戦後システムの前提がもはや崩れており、それを 壊すだけではなく、作り変えなくてはならない時期に日本は来ている。

その日本全体の望ましい将来像をどう描き、国民に提示し、それに向けた全体的なシステム転換を図っていくのか。私たちは、それがマニフェストで描か れ、日本の将来像を構想する理念の選択肢が提示され、選挙を通して選択を有権者が行うという形が実現すべきだと考えている。マニフェストがそれに足る内容 を最低限備えているかが、私たちの一つの価値基準になっている。

同時に、私たちにより踏み込んだ価値前提があるとすればそれは個人の自立であり、自立的な個人が担う社会の実現という考えである。それは私たちの NPOに運動の原点とも言えるが、個人の挑戦と自己責任が問われる社会を理想像に据え、それを実現することに私たちは価値判断の軸を置いている。

なお、私たちの評価作業は昨年末から言論NPOに参加する70人を超す人の参加と協力を得て進められている。実際の政策の実行過程を追跡するだけで はなく、政策当事者である官僚や経済界、学者の方にもヒアリングを重ね、それぞれの分野の本質的な論点は何であり、日本に問われているのは何なのかを見極 め、専門家のコメントも加え評価案を作成した。またこの評価作業に多くの人に参加していただくために5000人近い人に評価についてのアンケートを行い、 それを評価案に反映させており、また議論はインターネットやフォーラムなどさまざまな形で公開している。

今回公開するのは、その評価案の中の一部の要旨である。

小泉改革に対する評価について

以上の小泉政権与党の自民党、公明党のマニフェスト評価から、小泉内閣、あるいは小泉改革の現時点での主な評価は以下のようになる。

(1) 「民でできることは民でやる」という小さな効率的な政治を目指す小泉改革の方向は依然正しいと評価できるが、その目標に対する改革の実行は多くの分野で十 分ではない。改革は全ての面でこれまでの制度そのものの変革を伴ってきており、急速な高齢化などへの対応も描かれていない。この面での首相主導での打開は 第一期小泉政権と比べて弱く、従来型の政策実行プロセスに戻った印象さえある。これはその制度の大きな設計に対して国民に説明できるビジョンをまだ持ち合 わせていなことが大きい。実質的には[大きな政府]を指向する公明党の政策の組み合わせがそうした方向への制約になっている面も見られた。

(2) 小泉政権誕生後の最大の課題は不良債権処理やその裏側の企業などの過剰債務などの一体解決であった。04年度までの[集中調整]について、小泉内閣はそれ を実現したとの自己評価を行っているが、私たちの評価はまだそれが不十分であり、不良債権などの改善では前進はあるがまだ「終結」の局面に至っていないと いう評価である。現在の危機管理的な経済管理は続いており、厚いセーフティネットは続いており、それからの出口からの道筋は描かれていない。

(3) 構造改革面での評価で、小泉政権の最大の評価は財政の規律を一応、取り戻したことにある。それ以外の規制緩和や雇用創出の結果の評価は現段階では難しく、 ある意味では従来型の政府の役割を放棄した基本姿勢が民間の自立を促している。だが、現在の景気回復は中国要因などの結果であり、改革の成果が反映したと するのは過剰評価である。経済はまだ自律的な持続的な回復には至っていない。所得格差が拡大するなど二極化が進んでおり、構造改革の断行を目標にするなら ば、目指すべき社会に向けた十分な説明や整合性がある施策が必要である。

自民党と公明党の各政策分野の評価について

各分野の実行評価については、公約の全ての進捗について調査を行ったが、それらの項目は全体としても、あるいは分野別に見ても政策体系の姿を示して おらず、単なるスローガンの羅列である場合も多い。また、国民の選択を仰ぐべき重要な問題であっても党内対立のある論点や選挙対策の観点から避けられてい る事項も多い。

そこで、このようなマニフェストについてその構成に忠実に評価を行うことはかえって論点を分かりにくくすると考え、公約の整理の序列はそのままにしながらも関連性のある項目をある程度集約し、政策として意味のあるまとまりの形で評価を行うこととした。

その結果として、評価すべき政策分野は「郵貯改革」、「道路公団」、「金融・不良債権問題」、「国と地方の問題」、「持続可能な社会保障制度」、な ど15分野、項目としては「雇用創出」、「産業再生」、「年金改革」、「地方改革」、「三位一体改革」など34項目に集約して評価することにした。以下、 その同じ区分けに従って自民党と公明党の評価内容と採点を紹介する

 
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