Payday Loans
   
「未来選択」は言論NPOが運営するマニフェスト評価専門サイトです。
【メイトになると最新情報】がメールで届きます。
言論NPO

 

2012年衆院選対応「未来選択」新サイトオープン

 2012年衆院選対応の「未来選択」はこちらに移動しました

言論NPOとは

日本のメディアや言論のあり方に疑問を感じた多くの有識者が、日本の主要課題に対して建設的な議論や対案を提案できる新しい非営利のメディア、言論の舞台をつくろうと活動を始めた認定NPO法人です。
⇒詳細はこちら

▼参加したい方はこちら


▼言論NPOのツイートはこちら

▼お問い合わせはこちら

小泉政権第3期実績評価(雇用・失業者対策) 印刷 Eメール

雇用・失業者対策

各党の「雇用・失業者対策」に関する公約(2003)を読む
 

argaiv1349

自民党 公明党
実績 実行課程 説明責任 実績 実行過程 説明責任
30点 23点 10点 28点 23点 10点
63点/100 61点/100

ここでは最初に評価にあたって言論NPOが考慮した視点を説明します。
 

■評価の視点


雇用創出政策の評価にあたっては、1.サービス産業の規制改革を雇用創出の基軸に据えているか、2.創出する雇用の生産性に着目しているか、の2 点を重視します。失業対策については、雇用創出と密接な関係をもって進められ、生産性の向上に資するものかどうかを評価のポイントとします。
 


第一次、第二次産業ともに雇用が減少を続ける日本では、雇用創出の源泉はサービス産業である第三次産業に求める以外にはありません。特に、現状では規制 の多い、医療・子育て・介護などの社会サービスが雇用創出の大きなポテンシャルを有し、その分野での大胆な規制改革が望まれます。製造業と異なり、日本の サービス業の生産性は他のG7諸国の6割程度と大変低い数値となっています。高い生産性をもつ製造業の雇用を、低い生産性であるサービス業の雇用で置き換 えてしまうと、日本経済全体の生産性は低下してしまいます。そのため、サービス産業の雇用創出には、その雇用の生産性の向上に着目することが不可欠です。 失業対策については、雇用は個別産業の中で増減するもので、雇用創出計画との密接な関係の中で位置づけられなければ、効果を発揮できません。そのため、唯 一の雇用創出領域であるサービス産業の雇用創出に焦点を絞ったものとしなければいけません。
 

雇用創出

 雇用創出政策の基礎は、島田内閣府特命顧問・慶応大学教授によるサービス産業の雇用創出ポテンシャルの推計に基づく「530万人雇用創出プログラ ム」にあります。平成13年9月の第153国会小泉首相所信表明演説はサービス業における規制改革による雇用創出の必要性について言及し、平成15年4月 には内閣府・関係省庁による「530万人雇用創出促進チーム」が発足、同年6月に「530万人雇用創出プログラム」が策定されました。その後、同年6月の 「骨太の方針2003」、同年9月の第157国会小泉首相所信表明演説においても同プログラムへの言及がみられるなど、小泉内閣の重点施策として位置づけ られています。

 実績についてみていくと、「労働力調査」によれば、サービス産業で創出された雇用は平成13年に33万人、平成14年に236万人、平成15年に 9万人、平成16年に55万人であり、データの連続性は完全ではありませんが、計画発表後の4年間で300万人の雇用がサービス産業で創出されていること になります。

 プログラムは着実に進展しているようにみえますが、実際の雇用創出との因果関係は明確ではありません。平成13年から15年までの2年間に大きな 施策は展開されていませんが、雇用創出の大部分は平成14年にみられたものです。また、「労働力調査」は平成14年に創出された雇用236万人のうち、 205万人が雇用創出プログラムの焦点となっていない卸・小売・飲食業関係であることを示しています。平成14年から16年間の2年間で医療・福祉で57 万人の雇用が創出されていますが、これは530万人雇用創出プログラムの方向性と一致しています。医療・福祉の分野では民間活力の導入については、業界団 体などの抵抗が根強く、進展が遅いのが実情ですが、そうした中でも確実に雇用は増えているということができます。

 まとめると、530万人雇用創出プログラムは当初の国民への説明と体制整備は適切でしたが、計画の実行に当たって各産業の抵抗が強く、期待された スピードで進んでいないことが実情です。結果として、雇用創出は進んでいますが、これがプログラムの成果であるとはいえず、プログラムの真の実効段階はこ れからといえます。
 

失業者対策

 平成3年の完全失業率は2.1%、小泉政権が誕生した平成13年は5.0%となり、10年間で2倍以上の水準に上昇していたことがわかります。

 小泉政権は失業者対策の中でも、特に、失業率の伸びの大きい若年層への対策に注力をしてきました。平成15年4月に「若者自立・挑戦戦略会議」を 発足、同年6月に「若者自立・挑戦プラン」を公表し、若者へのキャリア形成・就職支援などの施策を展開していくことを確認しています。プランは平成16年 6月の「骨太の方針2004」で閣議決定され、同年12月には「若者自立・挑戦プラン」後の施策を描く「若者の自律・挑戦のためのアクションプラン」が策 定され、その方針は平成17年6月の「骨太の方針2005」(閣議決定)にも反映されています。このように、失業対策は若年者への対策を中心に、政府の中 心政策の一つとして位置づけられ、推進されています。

 完全失業率の推移は、平成14年に5.4%、平成15年に5.3%、平成16年に4.7%、平成17年の現時点では4.5%と6年前の水準にまで 低下しています。若年層については、10代後半は平成14年、20-24歳は平成15年、25-29歳は平成14年をピークに減少傾向に転じています。こ のように、小泉政権誕生以降3年間で完全失業率は減少傾向に転じ、若年層の失業率も同様で、失業増加の傾向に歯止めをかけています。

 しかし、雇用創出と同様に、実際の雇用環境の改善を政府の政策の成果とみなすには限界があります。大量の雇用創出が実現した平成14年では失業対 策はまだ行われておらず、平成15年以降の医療・福祉分野の雇用創出は雇用対策の結果と言うことはできません。若年者の失業対策については、サービス業に おける雇用創出との接点をより明確にし、絞り込んだ具体的なプログラムの展開が求められます。失業者対策の要は雇用創出で、雇用創出の強力な推進が失業率 減少にとって重要です。

 

■総評

【雇用創出】
自民党は「530万人雇用創出プログラム」の達成を明示し、サービス産業中心の雇用創出と規制改革の必要性を打ち出すなど、日本の課題に即した基本方向を提示している点が評価できます。実績については、プログラムを政府政策として位置づけ、それに基づく措置を採っていることは評価できますが、医療、福祉など雇用創出ポテンシャルが高く規制改革が必要な分野での政治のリーダーシップが不足し、規制改革が必要なペースで進んでいません。実際の雇用は増加していますが、政府の政策による直接的な効果とすることはできません。 

公明党は基本的に自民党と同様ですが、上記の厳しい規制改革が必要となる社会規制分野での雇用創出の困難さから目をそらす結果となっている点は、大きな減点対象となります。

【失業者対策】
自民党は若年失業者対策に重点を置き、様々な施策を提示していますが、サービス産業の雇用創出政策との連携が設計していないため、失業者対策で大きな効果が得られません。実績については、若年者を含めた実際の失業率が改善していますが、政府の政策の直接的な成果が説明不足で、評価は不可能です。

公明党は、自民党と同様にサービス産業との連携について触れず、また失業率の改善と政府の政策の関係の説明がなく評価も困難です。



1.マニフェストの実績

【雇用創出】
自民党2003マニフェストは、「530万人雇用創出プログラムの達成」を謳い、具体的には「サービス分野の規制改革や公的部門の外部委託などにより今後2年間で300万人以上の雇用創出」を行うことを宣言しています。サービス産業中心の雇用創出とそのために規制改革が必要という基本理念をマニフェストは提示できています。実態としても雇用創出は進んでいますが、プログラムの直接的な成果は限定的です。

【失業者対策】
自民党2003マニフェストは、「若年失業者対策」に重点を置き、その他には「高齢者・障害者雇用の促進」、「ホームレスの自立支援」、「職業訓練の一層の充実」、「NPOが活躍する経済社会の実現」などを提示しています。サービス産業の雇用創出政策との連携が設計されていない点が、基本理念としては大きな問題と考えられます。実際の失業率は、若年層を含め改善していることは評価できますが、政府の政策の直接的な成果としてどの程度改善されたかは提示されていません。

2.マニフェストの実行過程

【雇用創出】
プログラム推進に省庁横断組織が立ち上げられ、個別産業分野の取り組みが開始されたことは形式面で評価できます。しかし、医療、福祉などの社会的規制が多い分野で強力な政治的リーダーシップが必要ですが、それを担保する実効体制は未整備で、雇用創出に必要な規制改革が必要なペースで行われているわけではありません(大きな減点要因)。

【失業者対策】
大規模予算が組まれ、様々な職業訓練・マッチングの施策が講じられています。しかし、サービス産業との連携が少ないため、今後生じる雇用とのマッチングが戦略的に行える形にする必要があります。

3.マニフェストの説明責任

【雇用創出】
マニフェストでの明確な方針提示、首相所信表明での説明、閣議決定という一連の説明プロセスは評価できます。しかし、実際に増加している雇用とプログラムとの解析・説明が不足し、プログラムの成果の評価が不可能です。

【失業者対策】
失業率が低下傾向に入った際に、そのことに対する説明と、雇用創出計画と失業対策との関係について解析・説明がありませんでした。



1.マニフェストの実績

【雇用創出】
公明党マニフェストは、「新たな雇用を500万人創出」することを掲げ、その具体的な対策として1.大胆な規制改革、2.環境、バイオテクノロジー、情報通信、ナノテクノロジー(超微細技術)など21世紀型産業への重点投資、3.観光産業の振興」などを柱に据えています。規制改革の必要性を提示していますが、具体論になると、厳しい規制改革が必要な社会規制分野についての言及が少なく、規制改革の焦点や、その困難から目をそらす結果となってしまっています。サービス産業の雇用創出は進んでいますが、プログラムの直接的な成果は限定的です。

【失業者対策】
サービス産業における雇用創出との連携が未設計で、政策の成果としてどの程度失業率が低下したか提示されていません。

2.マニフェストの実行過程

【雇用創出】
基本的に自民党と同様ですが、社会的規制が強い医療、福祉などのサービス分野でその課題を明確に提示していません。

【失業者対策】
自民党と同様、サービス産業の雇用創出との戦略的マッチングができる体制を組んでいませんが、「ジョブカフェ」「デュアルシステム」など具体的な施策を提示し、予算措置がとられ、実行に移している点は評価できます。

3.マニフェストの説明責任

【雇用創出】
マニフェストでの問題提起は評価できますが、実際の雇用創出と政策との関係の解析・説明がありません。

【失業者対策】
雇用創出との関係の説明が不足し、実際の失業率の減少と政策との関係の解析・説明がありません。