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2005年衆議院選挙マニフェスト評価(三位一体改革) 印刷 Eメール

三位一体改革


各党の「三位一体改革」に関する公約(2005)を読む


1.評価点数

自民党 公明党 民主党
形式基準 妥当性 形式基準 妥当性 形式基準 妥当性
10点 8点 17点 6点 35点 33点
18点/100 23点/100 68点/100

2.評価結果

■総評


自民党、公明党のマニフェストはともに、地方の自主性・裁量性の強化、受益と負担との関係の下での住民の選択という、改革の最終目標に置かれるべき基本理念を示すものとはなっていません。手段面での数値目標のみで、交付税を含めた質的改革も、システム再設計という大きな視点も欠落しています。民主党のマニフェストは、地方の自立に向けた最終目標を的確に反映した理念の提示に成功しています。その下での政策体系や実現ステップも明確で、あるべき社会の設計思想との関連の下に、この分野の改革の道筋を描いている点は高く評価できます。そこには、国と地方の持続可能なシステム再設計についての理念・目標、施策体系が描かれています。しかし、提唱している一括交付金が第2の地方交付税とならない担保はあるのか、自主財源のみで運営できる自治体の比率が半分になるまでの規模の増税を各自治体が実際に行いうるのかなど、多くの点で実行可能性に疑問が残り、具体性とリアリティーに欠ける点が大きな難点です。

■要約



1.マニフェストを形式基準で評価すると

三位一体改革の本質的な理念は、今回のマニフェストでも明確に示されませんでした。2006年度までに改革の全体像を確実に実現するという明確な目標が再設定されていますが、交付税改革は内容すら明らかではありません。最終目標に向けた2007年度以降のロードマップも明確には示されませんでした。

2.マニフェスト自体の妥当性は

目標実現のための手段面(補助金、税源、交付税)についての単純な改革目標が提示されているだけで、自治体の自主性・裁量性、自立を高める質的な措置は盛り込まれていません。補助金廃止4兆円、税源移譲3兆円規模の実現に首相は強い指導力を発揮し実現はなされましたが、2006年度予算で数字の上では説明のつく決着がなされていますが、交付税の財源保障機能の見直しは実行が全く担保されていません。現在の日本に問われている本質的な課題は、国と地方に係る日本の「戦後システム」を組み替え、持続可能なシステムへと再設計することですが、マニフェストは「国から地方へ」とのスローガンに終始し、システム再設計という次の段階にまでは踏み込むことができていません。これは小泉改革の限界ともいえます。



1.マニフェストを形式基準で評価すると / 2.マニフェスト自体の妥当性は

公明党の新マニフェストは、基本的に自民党を踏襲し、相違点は2006年以降の改革にも言及し、最終的な国と地方の税源比率を1:1にすることを目指すとしていることです。そのため、内容が同じ部分は自民党に対する評価にならい、上記相違点に対する評価を付け加えます。形式的基準の理念、目標の明確性について、「三位一体改革を郵政民営化と並ぶ構造改革の要」と表現し、政策のプライオリティーを明らかにしている点、2006年以降の改革では最終的な国と地方の税源比率を1:1にするという長期目標を明確に設定している点が加点される要素となります。但し、税源比率1:1に関して、実行の担保が全く示されていないことが減点要素となります。他は自民党と同様です。



1.マニフェストを形式基準で評価すると

民主党マニフェストは、「分権革命」、「地域のことは地域で決める社会へ」との理念を掲げ、その下に政策体系を整理しています。第一段階として、現在の約20兆円の補助金のうち、国が責任を持つべき事業以外の18兆円を原則廃止し、3年以内に税源移譲(5.5兆円)や一括交付金化(12.5兆円)を行い、第二段階では、国と地方との役割分担を「補完性の原則」に基づいて明確化し、一括交付金化された財源をベースにさらなる税源移譲を進め、課税自主権を大幅に強化して地方の努力による税収確保を促進するとしています。また、住民に最も近い基礎自治体に権限と財源の移譲を進め、基礎自治体ができないことは広域自治体(都道府県または道州)が、広域自治体ができないことは国が行うという「補完性に基づく原則」を徹底していくことにしています。これは三位一体改革で本質的な問題を避ける与党と比べ、理念、目標は極めて明確ですが、この政策体系には、そのリアリティー、実現可能性についての説明が欠けています。それがなければ、単に実現不可能な夢で選挙民受けを狙っているに過ぎないことになり、これはマニフェストの形式要件においても重要な判定要素となります。
ただ、目標を実現する政策体系やロードマップは描かれており、その中身の道筋も具体的です。

2.マニフェスト自体の妥当性は

現行行財政システムが持続可能でない原因に正面に向き合い、国と地方のシステムを持続可能なものに再設計する視点から政策体系を描いているのは適切です。そこには、前述のような地方の自立のあるべき姿という最終目標も反映されています。しかし、財源保障機能の見直しに明確に振れていないのは残念です。また、18兆円もの財源移譲は国の財政を大幅に悪化させます(赤字財政の下では歳出と歳入の同額での削減は財政収支に対して中立的ではない)が、それと国のプライマリーバランスとの関係をどう考えるのか、むしろ、他国と同様、税源と債務をセットで移譲すべきではないかという問題点もあります。

また、次の理由により実行可能性については疑問が残ります。すなわち、第一段階で創設される一括交付金については、国の査定を受けない交付金を現行の地方交付税とほぼ同規模にまで広げることにより、第二の地方交付税にならない担保があるのかという問題があります。一括交付金化は、教育、社会保障、農業・環境、地域経済、その他の5分野について行われますが、国の役割をどこまでとするのか、それぞれのシステム毎に政策論を尽くす必要があります。資金配分の大きな変革のためには、分野ごとにシステムデザインを行う必要があります。

第二段階において、一括交付金相当分が地方税に転化した場合、自主財源だけで運営できる自治体の比率が半分になるまでの規模での地方税の増税を各自治体が本当に行いうるかどうかも問題となります。これが十分に実現しなかった場合、税収格差を是正するための財政調整機能が大規模に行われることとなり、結局、地方の財源確保がこれに大きく依存する姿となり、現実にはそれが事実上の財源保障機能へと転化する恐れがあります。

課題への適切性については、住民に最も近い基礎的自治体に権限・財源をもたせ、住民を地域の主役とすることは、日本の民主主義の健全な発展の上での本質的な課題を踏まえています。加えて、国については、限定された分野で、「機動的で効率的な強い政府」を描いていることは、小泉政権の言う単なる「簡素で効率的で小さな政府」よりもはるかに日本の課題を的確に捉えているものと評価できます。
但し、政党のマニフェストであれば、もう少し「設計」の面にも踏み込み、具体性とリアリティーを持たせるべきです。また、地方における公共セクターのスリム化が特に必要という視点も盛り込まれるべきでした。

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