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2005年衆議院選挙マニフェスト評価(外交・安全保障) 印刷 Eメール

外交・安全保障

各党の「外交・安全保障」に関する公約(2005)を読みたい

1.評価点数

自民党 公明党 民主党
形式基準 妥当性 形式基準 妥当性 形式基準 妥当性
20点 25点 15点 10点 25点 35点
45点/100 25点/100 60点/100

2.評価結果

■総評

3党の新マニフェスト評価の全体像は、自民党と民主党が提起した外交理念、「凛とした日本外交」(自民党)、「開かれた国益」(民主党)の意味は何かを問うところから描かれます。「凛とした日本外交」の理念には、「自分の主張を押し通す」という意味があり、独自でそれができない以上、日米同盟さえしっかりしていればよいという基本スタンスがあります。これに対して「開かれた国益」はゼロサムではない、win-winの関係をアジアに構築しようとの姿勢があります。自民と公明の組み合わせは、ハードとソフトの核をそれぞれ主張をしながらの相互補完関係になっています。

自民党は今回、日米同盟を基軸とした右寄りの外交方針を描いています。それは人間の安全保障や平和主義などソフトな公明党との補完で成り立つものであり、両者が相俟ってより幅広い立場を取り込むことに成功しています。公明党は優しさだけでハード面での施策について自民党に任せています。集団的自衛権の問題などは連立のパートナーとしてマニフェストで説明が必要です。

民主党は、「開かれた国益」の下にやや総花的となっていますが、自民党と比べて、中国を個別に取り上げ、アジア共同体を重視するなど、現状の日本を取り巻く状況を判断すると、適切と考えます。但し、対米関係や集団的自衛権についての位置づけに加え、一部にリアリティーや論理的整合性も欠くなど、問題が残ります。



「凛とした日本外交の推進」を外交マニフェストの最高理念として掲げていますが、「凛とした」とは「自分の主張を押し通す」という意味があります。日本単独でそれを実現することはできない以上、そこには、日米同盟さえしっかりしていればよい、という基本的なスタンスがあるといえます。対アジア政策については、アジア外交や近隣諸国との関係改善、アジア「共同体」構想などを盛り込んでいますが、その範囲はFTAレベルのゆるやかなレベルでの共同体にとどまっているといえます。また、対中関係について個別に中国を取り上げておらず、対米関係さえうまくいけば、対アジア関係はうまくいくという発想があることが分かります。これに対して、民主党は、日中関係を個別に取り上げ、自民党よりも幅広い共同体をアジアとの間に構築しようとしています。日中関係や日朝関係を改善し、東アジア共同体にいかにして少しでも近づけるかという現在の日本に問われている課題を考慮すると、民主党のほうが自民党よりも優れていると言えます。



「平和・人道の日本」、「平和・国際貢献の国」、「人間の安全保障」という理念を前面に出し、その下で個別政策を体系づけているという点では、 2003マニフェストに比して大きな進歩と評価できます。「重要政治課題」でイラク問題や北朝鮮問題にも言及しているのは2003マニフェストよりも進歩していますが、その内容は、やはり、優しさの視点か、曖昧かのいずれかであり、ハードな面は自民党に任せ、自らはソフトな優しさに徹底している点でマニフェストとして完結していないという面で、2003マニフェストと変化がみられません。

公明党は自民党マニフェストの「人間の安全保障」にだけ着目し、それだけで行こうとしていますが、政策目標が漠然としていればいるほど、政策効果は期待できないものとなりがちで、特に外交についてはよりシャープな言葉で政策を語るべきだったのではないかという疑問が残ります。
公明党マニフェストは、同党が常に自民党と役割分担していく政党、という自己規定があってこそ正当化され得るマニフェストといえます。しかし、そのようなアピールを国民に対してできないため、陰に隠れてごまかしている面が否定できません。そのような中で、自民党が集団的自衛権を打ち出すタイミングになれば、連立を組む政党として、その良し悪しは別として、それは「加憲」の範囲内なのか範囲外と考えるのかについてマニフェストで説明すべきです。



「凛とした」との自民党の外交理念に対し、民主党の「開かれた国益」との理念は、Win-Winの関係、つまり大きく利益を定義し、それを皆で分かち合うという考え方で、今の局面ではより適切です。
現在の局面においては、日中問題や東アジア共同体こそが外交面での最大の政治課題であるというのが民主党の認識です。民主党のこうした路線は、国内世論を反映しているという点でも、自民党よりも現実的といえます。今や、日本の世論は、アメリカにばかり引きずられ過ぎては危険というものになっているとみられますが、アメリカから見れば「far east」であっても、日本にとってはそうではない極東地域は、近隣としてのコミュニティーを築かねばならない地域であるという点で、自ずから日米ではアジアの捉え方が異なります。この点からみても、こうした発想は健全であると判断できます。

こうした民主党のマニフェストも、個別にみていくと次のような問題点がみられます。例えば、アジアとの関係を重視するあまり、イラクからの撤退といった主張などもみられますが、このマニフェスト通りに進むとアメリカとの関係はどうなるのか、日米関係がないアジアとの関係はどのようなものか、といった日米関係についての視点がみられません。北朝鮮問題については、「早期に実質的・具体的な進展がみられない場合、6者協議の場に加え、国連安保理での問題解決を求めていく」としていますが、そもそも6者協議は国連安保理の議論の代替であり、6者協議が続く限り、国連安保理で議論されることはあり得ません。北朝鮮もそれを知って、6者協議を続けていくことで安保理に核問題が提訴されることを避けているという現実を見落としています。また、6者協議が決裂しても、中国とロシアが賛成せず、安保理も動かない可能性があります。安保理を脅しとして書く意味はあるとしても、そうであれば、それは北朝鮮向けに書くことであり、国民向けに書くマニフェストに載せるものとしては適切さを欠いているように思います。



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