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2005年衆議院選挙マニフェスト評価(農業問題(食料政策)) 印刷 Eメール

農業問題(食料政策)

各党の「農業問題(食料政策)」に関する公約(2005)を読む

1.評価点数

自民党 公明党 民主党
形式基準 妥当性 形式基準 妥当性 形式基準 妥当性
35点 50点 20点 40点 20点 0点
85点/100 60点/100 20点/100
 

2.評価結果

■総評

自民党は、農林水産振興による攻めの姿勢を打ち出し、理念と目標設定がある程度明確ですが、そもそも何のために農林水産振興を行うのか、という上位概念を示していません。ただ各目標に対する政策体系は描かれ、「新たな食料・農業・農村基本計画」などのロードマップも存在します。また、盛り込まれた施策は妥当なものであり、既に実行体制は確立し、動き出しています。

公明党は自民党と類似していますが、生活者の目線から食の安全や都市農業を重視しています。日本に問われている課題への対応という点では、政権与党として自民党の焼き直しではなく、独自の施策の提示が求められます。

民主党は、基本的に評価の視点で述べたような問題点がありますが、加えて、農家への1兆円の補助金に財源的な現実性があるのか、WTOによる自由化路線に逆行しているのではないか、日本がアメリカなどに対して主張してきた補助金についてのWTOルールに違反し、外交問題にならないか、掲げられた食料自給率目標が実現可能か、農業の構造転換に逆行しかねないコメ備蓄300万トンの提唱が妥当かなど、多くの問題点があります。食料自給率という目標や直接支払い制度への転換などの手段は明確ですが、何のための政策なのか理念の提示がみられません。そもそも、前述のように、農業の生産性向上という日本の課題解決に逆行する内容です。


■要約



1.マニフェストを形式基準で評価すると

「農林水産振興」に攻めの姿勢で取り組むという理念と、その下での目標設定は極めて明確です。但し、何のために農林水産振興を行うのか、その上位概念の提示が欠けていますが、各目標に対応する政策体系は描かれています。2005年3月に策定された「新たな食料・農業・農村基本計画」がロードマップとして存在し、WTO交渉との兼ね合いを迫られていること自体もロードマップといえます。

2.マニフェスト自体の妥当性は

2003マニフェストと同様、農業生産性の向上が地域再生の視点の下で整理される一方、食料自給率の項目では、日本国民の「生存権」を基本としてその向上の必要性を位置づけるなど、理念と目標の関係が分かりにくくなっています。

盛り込まれた施策は実績評価で述べたように妥当であり、既に実行体制は確立し、WTO交渉も実行への圧力として働きます。またマニフェストの内容は、実績評価に記したように、日本に問われている本質的な課題に応えているといえます。

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自民党と類似していますが、1.食の安全・安心に重点を置いている、2.都市農業の振興によって潤いのある都市空間の形成を盛り込んでいることが、相違点となります。いずれも生活者に目線を置いた施策であるといえます。2.は公明党独自の案ですが、背景には農林水産省が都市農業から手を引いたという認識があり、それを公明党が独自に補おうとしているものです。しかし、そこには政策ツールが示されていません。

基本的な骨格は自民党を踏襲していますが、食料自給率目標は、カロリーベースでは自民党より少し高い50%、金額ベースの目標も80%としています。政府案ではカロリーベースは45%で、金額ベースで75%を設定していますが、既に設定された目標の達成ですら相当な努力を要するものであり、目標の実現可能性は高くありません。

1.マニフェストを形式基準で評価すると

理念、目標の明確性については各項目とも一応明確で、各項目について一応の政策体系は示されています。実現のためのロードマップはありません

2.マニフェスト自体の妥当性は

食料安全保障のための生産性向上について、自民党と同趣旨の内容が盛り込まれ、理念と目標の整合性、体系性があると言えます。実行の担保についても、自民党と同じ評価になります。ただし、日本に問われている本質的な課題に応えているかどうかについては、自民党と同趣旨の内容が盛り込まれている点は評価できますが、それだけでは自民党の焼き直しであり、別の視角から日本の本質的な課題に応える施策の提示が求められます。

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新マニフェストの特徴は既に評価の視点で述べましたが、問題点を数点さらに列挙します。

第一に、農家への補助金1兆円は、農村関係公共事業を全て止めても届かない額で、現実性に乏しいという問題があります。また、WTOでは補助金の上限を設定する措置をとっており、アメリカでは品目限定的な補助金が2兆円程度存在することを、日本はWTOルール違反であると強く主張しており、この方針と逆行することになります。WTOでは担い手への補助金支給はマーケットに影響を与えないため認められていますが、民主党の補助金は少なくとも半分の 5,000億円がコメ、麦、大豆等の品目別であることがマニフェストに記載されています。

第二に、自民党が食料自給率を平成27年度に45%とすることを掲げる一方で、民主党は政権獲得後で50%、将来は60%の達成目標値を掲げています。民主党の自給率目標は現実離れしており、自給率をむやみに上げると、食料の大口輸入先のアメリカとの関係に影響を与え、しかもWTOの自由化路線に反する補助金というツールを大々的に使おうとしており、日本の外交関係にも大きな悪影響を及ぼす懸念があります。

第三に、民主党はコメの備蓄300万トン体制の実現を掲げていますが、政府は備蓄がマーケットに影響を与えないように、100万トンにまで低下させています。日本のコメの総量は800万トンで、そのうち約600万トンが市場に出回りますが、民主党案ではその半分を政府が備蓄することになります。政府が市場による調整にできるだけ委ねようとしてきた流れに明らかに逆行し、農家がコメを勝手につくり、政府がどんどん買い上げていく状態を招来するものになっている点で問題が多数存在します。

1.マニフェストを形式基準で評価すると

食料自給率上昇という目標や、補助金から直接支払いへの転換という手段は明確ですが、何のための政策なのかという理念が示されていません。但し、目標を実現する政策体系の有無については、形式的には自給率向上に向けた政策体系になっています。実現へのロードマップはありません。 

2.マニフェスト自体の妥当性は

民主党の新マニフェストは農業の生産性の上昇をもたらさず、自給率向上は実現しない政策体系になっています。掲げられた施策も、実行困難か、実行に問題のある現実離れした施策となっています。また、日本の課題解決に逆行する内容となっています。

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