Payday Loans
   
「未来選択」は言論NPOが運営するマニフェスト評価専門サイトです。
【メイトになると最新情報】がメールで届きます。
言論NPO

 

2012年衆院選対応「未来選択」新サイトオープン

 2012年衆院選対応の「未来選択」はこちらに移動しました

言論NPOとは

日本のメディアや言論のあり方に疑問を感じた多くの有識者が、日本の主要課題に対して建設的な議論や対案を提案できる新しい非営利のメディア、言論の舞台をつくろうと活動を始めた認定NPO法人です。
⇒詳細はこちら

▼参加したい方はこちら


▼言論NPOのツイートはこちら

▼お問い合わせはこちら

2005年衆議院選挙マニフェスト評価(金融不良債権、産業再生、中小企業問題) 印刷 Eメール

金融不良債権、産業再生、中小企業問題

各党の「金融不良債権、産業再生、中小企業問題」に関する公約(2005)を読

1.評価点数

自民党 公明党 民主党
形式基準 妥当性 形式基準 妥当性 形式基準 妥当性
5点 5点 6.7点 5点 10点 10点
10点/100 11.7点/100 20点/100


2.評価結果

■総評

【不良債権問題】
自民党は不良債権問題を既に終わったこととして捉えていますが、現実に多くの主要行は公的資金の返済途中で、国債暴落による銀行への影響など多くの課題が残っています。不良債権問題の背景となる、国内的な資金余剰、リスクマネー需要の不足、債権の二次市場育成などの課題を解決するシステム設計を欠いていることは大きな欠陥です。

公明党マニフェストは何もこれらの問題について触れていません。
民主党は厳格な金融検査を通じた不良債権問題の解決を謳っていますが、現在の状況からみて全く的をはずしています。債権二次市場育成によるチェック機能の構築など、現在の金融システムの課題を理解した上での今後の展開に向けた発想が必要です。

【産業再生】
自民党、公明党、民主党ともにこの分野については触れていません。

【中小企業問題】
・自民党は、創業、新事業進出、経営相談支援の強化、担保・保証に過度に依存しない融資などによるリレーションシップバンキングを謳っていますが、具体策として肝心の地域金融機関の能力構築という課題に触れていません。
・公明党は、貸出債権の証券化による無担保・無保証融資の拡大、動産担保のための登記・公示制度などを掲げていますが、貸し手側の与信、回収技術の水準の低さという最も重要な問題に触れていません。
・民主党は、大企業向け貸付と中小企業金融の区別、担保主義からの決別等を謳っていますが、中小企業融資については、大企業融資と同様の個別与信ではなく、ポートフォリオ的に一定のリスクをとって全体として管理する手法へと銀行が転換することが本来の解決方向です。こうした柔軟なアプローチを金融庁が容認する必要があり、金融に関する真の理解に立った瀬策こそが求められています。

■要約



【不良債権問題】
新マニフェストでは不良債権問題に対する言及がなく、重点施策では不良債権問題は正常化されたという認識を示しています。しかし、多くの主要行は公的資金の返済が終わっておらず、新たな事業環境で利益が十分に確保できる利益モデルが未確立で、国債暴落による銀行への影響が懸念されます。金利が短中期的に上がるはずがないというシナリオの下、これらの点を自民党は問題視していないのか疑問が残ります。

今回経験した不良債権問題には、国内的な資金余剰、リスクマネー需要の不足、銀行のフィデューシアリー責任の限界等、日本の産業構造の変化による課題が含まれています。また各種債権の二次市場育成が進んでいないため、一次、二次市場間の裁定取引による価格是正メカニズムが利いていません。新マニフェストでは「金融立国の実現」とありますが、このような課題を解決するシステムを設計する必要があります。

【産業再生】
既に終わったという判断のためか、何も触れられず、評価はできません。

【中小企業問題】
創業、新事業進出、経営相談、担保・保証に過度に依存しない融資をキーワードに、リレーションシップバンキングについての言及がみられます。しかし、これらを行うことになる地域金融機関の能力水準をどのように評価し、どうすればこれらのことが可能となると考えているのか、その努力に対してどのような支援を行うのかという点については全く触れられていません。

⇒このページの先頭に戻る




【不良債権問題】
当該分野についての言及はみられません。

【産業再生】
当該分野についての言及はみられません。

【中小企業問題】
貸出債権の証券化による無担保・無保証融資の拡大、動産担保のための登記・公示制度、中小企業相談士の商工会議所の配置、ノウハウや人脈のある企業OBを中小企業に派遣するための1,000人目標の人材登録制度などを掲げています。これらはすべて必要で、それなりの貢献をするものと思われます。しかし、中小企業の最も重要な問題は、これら個々の企業努力を超えて業況が景気の影響を受けやすいことで、この問題の対策にはなっていません。貸し手側の与信、回収の技術水準が低いことがもう一つの重要な問題ですが、そのことには何ら触れていません。

⇒このページの先頭に戻る



【不良債権問題】
「『お金を貸せる銀行』を作ります」という項目の中の一項目で「大企業に対する貸付については、厳格な金融検査を通じて不良債権の実態を明らかにします。バブル経済に対する大企業・銀行経営者及び行政の責任を明らかにしつつ、必要があれば公的資金を大胆に投入して、銀行の貸し出し余力を回復させます」としています。現在の状況認識から見て、全く的が外れ、過去の認識のままで、何ら今後の展開に向けた施策を語っていません。「厳格な金融検査」は金融庁によって既になされていますが、それ自体で不良債権を解決するのではなく、国際的に通用する債権二次市場の育成による市場でのチェック機能を作るという、金融システムの課題への理解に立った発想が欠けています。バブル経済の責任者は既にほとんどが退場しています。行政の不作為に係る責任が明確にされていないことの方が問題であると思われます。このままでは、失敗の経験を今後の行政に生かすことが行われない可能性があり、金融問題についての総括が必要です。

【産業再生】
当該分野についての言及はみられません。

【中小企業問題】
「『お金を貸せる銀行』を作ります」という中の最初の項目で、「中小企業金融を大企業向けの貸付と明確に区別して取り扱います」という表現がマニフェストにみられますが、主語が誰なのかが不明で、銀行が主語であっても、既に行っていることです。担保主義からの決別については、キャッシュフローを見る程度では解決しません。これまで銀行は、担保は取るが、貸出先の資金繰りも見てきており、銀行が行ってこなかったのは、貸出先事業の特質の理解です。

本来の解決方向は、これまでの大企業与信と同じやり方の個別与信中心から、ポートフォリオ的にリスクを取り、それを管理する技術を銀行が習得することです。従来の監督官庁の「ひっかかりは絶対にいけない」という発想から、「中小企業では一定量ひっかかる」という発想に転換することが、逆説的に与信リスクの減少につながります。厳格さの追求より、こうした柔軟なアプローチを金融庁が容認するということが本当に必要です。中小企業金融に関する真の理解に立った施策こそが必要です。

⇒このページの先頭に戻る

argaiv1575