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2007年マニフェスト評価(外交・安全保障) 印刷 Eメール

外交・安全保障

「言論NPOの評価基準」をみる

argaiv1131

自民党
公明党
民主党
形式要件
内容
形式要件
内容
形式要件
内容
21/50
9/50
22/50
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30/100
22/100
23/100

 

1.評価の視点

 冷戦体制崩壊後の新しい世界秩序のなかで日本は、緊張感をもって自らの外交・安全保障政策を再構築しなければならなくなっています。
というのも、少子高齢化の進展により、世界第二位の経済力が相対的に低下していく中で、それを補ってあまりある何かを国際社会に売り込んでいかなければならない状況にあるからです。

 政治に求められているのは、そうした問題意識の下に、国際社会における日本の新たな存在感をどうつくり出すかを国民に示すことです。

 「主張する外交」あるいは「主体的な外交」は当然のことであり、大事なことは何をどう主張し、それにどう説得力を持たせるかです。日本が国際社会の中で何を国益として目指すのかを、マニフェストは国民に語らなければならないのです。

 また、「価値観を共有」しない国々との間で、どのようにルールづくりを進め、日本と対立関係にならないようにしていくかについても、外交マニフェストで語られなければなりません。

 そして、日本にとって望ましい国際秩序をアジアに作れる大国はアメリカであるとしても、中国との付き合い方が極めて大きな問題となります。したがって、外交マニフェストの中では対中外交は最優先に語られる必要があります

 北朝鮮問題については、現在、国際社会が北朝鮮の核の停止を経済支援によって実現しようという方向に転換しています。そうした流れの中、拉致問題で拳を振り上げる日本が、国際社会と調和しつつ、「拉致・核・ミサイルの包括的解決」を達成するにはどうすればよいのかが問われています。

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2.評価結果



 総計 30点 / 100点中

1.形式要件  21点/50点中

■ 「理念や目的は書かれているか」  8点/10点中
マニフェスト冒頭に「世界の人々が憧れと尊敬を抱く国」、「世界から頼られる日本」を目指すとの理念を提示し、また「主張する外交と拉致問題の解決」として、総合的な外交力を強化して成長の原動力とすること、諸外国との連携を強化して世界をリードする外交を展開すること、拉致問題は国家の威信をかけて解決し全員帰国を実現することを目的とする、と書かれています。

■ 「目標設定の明確性」  8点/10点中
イ)「国の安全保障を強化する」、ロ)「主張する外交を、拉致問題解決への決意を、環境へ主動力を、国際貢献を行動で示す」との大目標の下に、それぞれ個別の小目標が具体的なレベルで提示されています。

■ 「財源の裏付け」  0点/10点中
財源に絡むアジェンダとしては、「外交力強化のためのアクション・プラン10」の実施が盛り込まれています。しかし、大使館員の大幅増員等の外交インフラの強化を定員削減や財政緊縮路線の中で、どのような優先順位をつけて実現するのかは示されていません。また、「中国残留邦人への新たな支援」の財源についても触れられていません。

■「ロードマップは描けているか」  2点/10点中
イ)については全く示されていません。ロ)については、そもそも外交は相手のある問題という側面はあるものの、外交の戦略上の工程を提示することが可能な分野はある中で、それを提示したのは「日米同盟の強化→豪州、インド、欧州諸国など価値観を共有する国々との連携強化→中央アジアや中東諸国を支援し自由と繁栄の弧を形成」と記述した部分にとどまっています。

■ 「目標実現のための施策・手段の体系」  3点/10点中
イ)に関しては、
①官邸の司令塔機能の強化と「国家安全保障会議」の設置
②情報収集機能の強化
③法的基盤の再構築
④防衛力の整備・強化と日米防衛協力の緊密化
⑤新たな事態や多様な緊急事態への対処能力の強化
⑥防衛技術・生産基盤の維持・強化

といった施策が挙げられていますが、これらはイ)の目標に資する施策と評価できます。

しかし、①、②、③については、それらがどのような形で目標に資するのか必ずしも明確ではありません。

ロ)に関しては、
⑥総合的な外交力の強化として前記アクション・プランの実施
⑦価値観を共有する国々との連携強化で「自由と繁栄の弧」を形成
⑧アジア地域への主導力の発揮
⑨領土問題解決と海洋立国
⑩中国残留邦人への新たな支援
⑪「拉致問題の進展がなければ北朝鮮への経済支援は行わない」こと前提に外国政府や国際機関等に積極的に働きかけて拉致問題を解決
⑫洞爺湖サミットに向け環境外交の戦略的展開
⑬自衛隊の海外派遣
⑭国際平和協力のための一般法の制定

といった施策が挙げられていますが、これらが目標である「主張、決意、主動力、行動を示す」の実現に資するのは事実でしょう。

しかし、こうした施策の羅列が政策「体系」といえるかは疑問です。むしろ、「自由と繁栄の弧」の形成や、「アジア地域の繁栄と安定」など、手段のレベルに記述された内容のほうが目標、あるいは理念・目的のレベルに近いものといえ、体系性には混乱がみられます。

 


2.内容(実績基準)  9点/50点中

■ 「課題抽出の妥当性」  3点/20点中
安倍政権が唱える「美しい国」は、「美しい」という主観的感覚が一人一人異なるように、それ自体何を指しているのか、同質性の高い日本国内では理解されることはあるでしょう。しかし、国際社会では全く説得力を持たず、グローバル化する国際社会における日本のアイデンティティーにはならないどころか、歪んだ狭いナショナリズムと解される恐れすらあります。

 

また、地球環境問題で唱えた「美しい星」はよいとしても、脱却したいとしている「戦後レジーム」の内容を定義していないことを含め、自民党マニフェストは前述の課題に応える内容になっていません。また、価値観を共有する国々と連携し「自由と繁栄の弧を築く」として、対中包囲網を連想させる記述がある一方で、対中関係にはほとんど触れられていないことも、外交マニフェストで最優先に書かれるべき内容が欠けていると言えます。

北朝鮮についても、拉致問題ばかりとなっており、このままでは日本は国際社会の中で追い詰められるという、前述の本質的な論点から逃げています。
北朝鮮が「北京合意」を守った際に日本はどうするか、という肝心なことが書かれていません。北朝鮮問題で日本にとっては核の問題も重要であることを、与党として国民にもっとしっかりと伝えるべきです。

また、集団的自衛権の問題についても、早くて3年後の改憲までは政府解釈の変更で乗り切ろうと安倍政権が明確な動きを始めているにも関わらず、そのことを国民に全く問うていないのはマニフェストの軽視に他なりません。

■ 「課題解決の妥当性」  6点/20点中
安倍政権になって改善した中国・韓国との関係は、いわば脱線した関係をレールの上に戻しただけであり、今度はレールの上をいかに走らせるかが重要であるにも関わらず、その意識がマニフェストからはほとんど感じられません。むしろ、前述の通り、対中包囲網とも映る内容です。

また、「アクション・プラン」は外交インフラの強化という課題解決に資する内容ですが、制約のある予算の中での優先順位が示されなければ、マニフェストとしては不十分です。そもそも、日本の外交に「価値観」を持ち込んだことが日本の外交にとって望ましい結果をもたらすかは疑問です。

ブッシュ政権も当初は「価値」を掲げた外交を展開しましたが、それは頓挫しています。重要なことは、日本外交の全体ビジョンを、説得力を持った形で示すことです。「価値観」や「美しい国」では、前述のように逆効果になりかねません。また、PKOの推進を謳うのであれば武器使用の問題をどうするのかについて示す必要があります。

■ 「課題解決の指導性」  0点/10点中
以上のように、全体として、外交・安全保障政策について最も国民に説明すべきところがほとんど抜け落ちています。


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総計 22点 / 100点中

1.形式要件  22点/50点中

■ 「理念や目的は書かれているか」  10点/10点中
「平和と環境に責任」とのキャッチフレーズの下、公明党のマニフェストは外交・安全保障の分野について専ら「平和」との理念・目的でこれを位置付けています。その妥当性はともかく、公明党が目指しているところは明確です。

■ 「目標設定の明確性」  8点/10点中
核兵器の廃絶、対人地雷の除去など、それ自体として極めて明確です。

■ 「財源の裏付け」  0点/10点中
対人地雷の除去が極めて多額の予算を要するはずのものであるに関わらず、その手当てには一切言及されていません。

■ 「ロードマップは描けているか」  0点/10点中
以下のいずれの施策についても記載されていません。

■ 「目標実現のための施策・手段の体系」  4点/10点中
施策の目的整合性や手段の体系性については、掲げられている
①包括的核実験停止条約の早期発効に向けた様々な発信
②武器貿易条約の早期締結を目指し、武器回収や開発支援を推進
③対人地雷除去や犠牲者支援
といった施策はそれ自体、「平和・軍縮」の文脈に即した政策といえます。
但し、その多くは願望の域を出ていません。

2.内容(実績基準)  0点/50点中

■ 「課題抽出の妥当性」  0点/20点中
公明党マニフェストは「平和・軍縮」の推進の下に、大量破壊兵器の廃絶、小型武器の規制、対人地雷の除去等を提示しているのみです。我々が「評価の視点」で挙げたような、外交・安全保障問題について政治が国民に問わなければならない課題には全く触れられていません。

■ 「課題解決の妥当性」  0点/20点中
武器問題への対応それ自体は重要な問題ですが、課題抽出が上記のような状況である限り、その解決の妥当性は評価できません。

■ 「課題解決の指導性」  0点/10点中
外交・安全保障のうちハードな部分は自民党に任せ、自らは専ら平和の党として耳触りのよいことばかりを唱える姿勢がみられます。

政権全体としては「主張する外交」というハードな部分と「平和」というソフトな部分をうまく分担することで、幅を広げている印象を補完しあっているとも言えます。
しかし、こうした補完関係では、政権の中で考えの差を中和してしまいかねません。公明党も与党である限り、責任政党としての在り方が問われるでしょう。

さらに、「平和」も日本の「平和」がひとりよがりの内向きの平和とならないかどうかが問われている中にあって、その問題に答を出そうとしない姿勢も責任与党として問題です。
 

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総計 23点 / 100点中

1.形式要件  18点/50点中

■ 「理念や目的が書かれているか」  5点/10点中
理念・目的が「偏った対米追従外交を正す」では、国際社会で日本が実現すべき価値というレベルにおいて外交マニフェストが提起すべき積極的な理念・目的とはいえません。

■ 「目標設定の明確性」  10点/10点中
「主体的な外交を実現する」が目標であるとすれば、自民党の「主張する外交」と内容的には似ていますが、それ自体として一定の目標にはなっています。

■ 「財源の裏付け」  0点/10点中
民主党が日米同盟とは距離を置くスタンスを採り、自衛隊のイラク派遣を終了し、国連の活動への参加を進めるのであれば、日本はより一層の経済協力を含めた資金負担を国際社会の中で求められることになるはずですが、その点を踏まえた記述がありません。

■ 「ロードマップは描けているか」  0点/10点中
ロードマップは提示されていません。

■ 「目標実現のため施策・手段の体系」 3点/10点中
施策の目的整合性や手段の体系性については、
①強固で対等な日米関係
②自衛隊のイラク派遣の中止
③国連の活動への積極参加や国連改革
④中国、韓国はじめアジア諸国との信頼関係構築
が挙げられています。

①~③は確かに「主体的」な日本の外交姿勢を示す効果はあるでしょう。しかしそれは、妥当性はともかく、「偏った対米追従」を直すという消極的な意味合いしかなく、国際社会の中で何らかの状況を目指すという、外交マニフェストが提示すべき積極的な目標の下に語られているものではないため、政策体系になっていません。

また、④がなぜ、「主体的な外交によって対米追従外交から脱却する」ことにつながるのか不明確です。

仮に、アジア諸国との信頼関係構築の上では、日本の対米追随路線が阻害要因になってきたと解しているのであれば、そのように解する理由の説明が求められるでしょう。

 

2.内容(実質基準)  5点/50点中

■ 「課題抽出の妥当性」  0点/20点中
「参議院選挙政策リスト」では個別的には妥当な内容が多岐にわたって並べられています。しかし、外交・安全保障政策の全体像が見えず、「評価の視点」で挙げたような本質的な課題に応える内容にはなっていません。

民主党マニフェストから伝わってくるメッセージは、とにかくアメリカと距離を置くことが「主体的」な国になることであって、その上に立って国連中心主義を貫き、中国・韓国などのアジア諸国との信頼関係構築を進めるということでしょう。しかし、それによって日本が国際社会で実現しようとするものとは何かを示さなければ、全く意味をなさないどころか、単なる反米感情として誤解されかねず、現実性も出てきません。

■ 「課題解決の妥当性」  5点/20点
アメリカとの対等な関係を謳っていますが、アメリカと真に対等な国は世界のどこにもないのですから、アメリカと本当に対等な日本の姿は何なのかという問いかけをしても、恐らく答はないでしょう。

自衛隊をイラクから撤退させるとしていますが、これは日米関係の問題だけで捉えられるものではなく、他国も手を引けというメッセージにもなります。各国が撤退した結果としてイラクがどうなるのか、恐らく大混乱(内戦状態)となることについての答を民主党は提示しなければなりません。そして、それが日本にとって利益なのかどうか、特に、中東情勢の安定が日本の石油調達の生命線であることを踏まえてどう考えるのかについて、答を示さなければなりません。

集団的自衛権の問題については、自衛権の行使は専守防衛に限定する、そして、そこでは個別的・集団的といった概念の議論に拘泥しないとしている点では、自民党より踏み込んだ答を出しています。

また、自衛権は憲法9条に則って行使するとし、それ以外では武力を行使しないというのが民主党の立場です。しかし、その一方で、国連平和活動への積極的参加、すなわち、国連憲章第41条(非軍事的措置)及び42条(軍事的措置)によるものを含めて国連の要請にしたがって、我が国の主体的判断と民主的統制のもとに積極的に参加するとしていることは、整合性が問題になる点でしょう。

北朝鮮問題については、自民党よりも「北京合意」を重視している(注視する)印象はありますが、日本にも応分の負担を求められた場合にどうするかについては民主党も触れていません。

■ 「課題解決の指導性」  0点/10点中
「参議院選挙政策リスト」の内容は総花的であり、また、上述の自衛権の問題のように平仄が合っていないところがあります。この点、左右様々な立場を内包しており、党としての基本方針が統合されてないことがうかがわれます。結果として、外交・安全保障について政治が示すべき全体ビジョンが欠如してしまっている点では自民党と同じです。

 

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