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2007年マニフェスト評価(経済) 印刷 Eメール

経済

「言論NPOの評価基準」をみる

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1.評価の視点

 日本経済は2002年以来景気回復を続けていますが、一方で、所得や地域の格差問題が強く指摘されるようになっています。その背景には、BRICs諸国と競争するためには、利潤を将来のための投資や配当へ回さざるを得ず、労働者の賃上げに回りにくい状況があります。そのために、国内消費需要が拡大しません。

 また、少子高齢化の時代には、イノベーションによる労働生産性の上昇が必要となります。しかし、これによってあぶれた雇用をどこで吸収するのかという問題をも同時に解決しなければ、生産性上昇は二極化問題解決の解にはなりません。

 私たちは、これまでのマニフェスト評価で、日本が今や、世界がいずれ共通して直面することになる課題に真っ先に直面する「課題先進国」となった状況を活かし、その課題を解決して世界にモデルを提示する「課題解決先進国」になることが日本の活路を開くということを、提唱してきました。

 そのために、例えば「活力ある超高齢化社会の運営」をテーマに掲げるべきだとしてきましたが、これは日本の各分野、社会や諸制度を横串横断的に組 み替える全体システムの再設計を要します。そこでカギとなるのは、個人金融資産を始め資産の大半を60歳以上の世代が保有している状況を踏まえ、それが回 りまわって海外に運用されるのではなく、上記の社会システムの変革によって、そうした日本に蓄積されたストックを国内消費需要へといかに引き出していくかです。それが生産性上昇という課題と有機的に組み合わさることにより、経済活力が確保されることになります。

 このような問題認識に立つとき、日本の経済政策に問われる本質的な課題とは、
①国内非製造業部門などの低生産性部門も含めた一人当たり生産性をイノベーションによって上昇させること
②経済の隅々に波及する需要の循環を新規分野や国内マーケットの創出によって起こすこと
③これらを可能にすべく、日本経済の成長基盤を構築するとともに、活力ある超高齢化社会に向けて全体システムを再設計すること
④アジア共通の繁栄基盤を構築するとともに、これを可能にすべく日本をアジアに開くこと
⑤債務残高の削減に向けた財政健全化のロードマップを示すこと

となります。

 一方、構造改革の成果が未だ十分出ていない状況下で、改革のひずみの問題に取り組まなければならなくなった安倍政権は、

  第一に、その中にあっても従来の構造改革路線をどう貫き、加速していくか
  第二に、他方で、二極化など、これまでの改革路線がもたらした歪みや格差の問題にどう取り組むか

という、相互に矛盾する課題を突き付けられました。

 それを同時に達成していくためにはやはり、上記①~⑤の課題に着実に取り組んでいくしかありません。経済政策マニフェストで政治が国民に提示すべきなのは、それに向けたビジョンと有効な政策体系です。

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2.評価結果



総計 20点 / 100点中

1.形式要件  8点/50点中

■ 「理念や目的は書かれているか」  4点/10点中
経済政策の理念・目的については、「人口減少下でも持続的、安定的に民間需要主導で成長する『日本型経済成長モデル』を実現し、実質で2%台半ばの経済成長を目指す。」としているのみです。
政府は「基本方針2007」で、経済戦略の理念や方向を詳細に述べていますが、与党としてどのような全体的な経済戦略観を持ち、マクロ経済運営の中で成長政策をどう位置付けているかは、今回のマニフェストには提示されていません。

■ 「目標設定の明確性」  4点/10点中
経済政策としての目標設定としては、上記がそれに相当するが、それ以外に目標らしいものは見当たらず、目標設定の薄い経済政策アジェンダとなっています。

■ 「財源の裏付け」  0点/10点中
財源について触れられている項目はありません。

■ 「ロードマップは描けているか」  0点/10点中
ロードマップについては、提示されている経済政策の中身が全体に個別政策の羅列であり、日本経済を成長の新しい舞台に引き上げていく上での全体戦略的なロードマップが欠如しています。上記の目標についても、2%台半ばの実質成長率の実現の時期が明示されていません。

■ 「目標実現のための施策・手段の体系」  0点/10点中
上記目標の実現に向けた政策体系は、「経済成長戦略大綱を改定・強化するとの文言に下駄を預けた形となっています。また、同大綱が改定されなければその内容が明らかにならないことから、評価の対象となり得るような施策の目的整合性や手段の体系性が存在しません。マニフェストに羅列された個別措置も相互の連関が不明確で、それぞれの性格や趣旨もバラバラであり、これらを併せてみて一定の政策体系が見える形にはなっていません。

2.内容(実績基準)  12点/50点中

■ 「課題抽出の妥当性」  7点/20点中
上記のような課題を抱える日本経済について、安倍政権が示した答は、イノベーションとオープンによって日本の生産性を上昇させ、日本経済を新たな成長の舞台へと引き上げいくという成長路線です。それは確かに、本質的な課題を一部抽出しているが、そのために実現すべき、成長基盤の構築や社会経済システムの再設計に関しては、何かが動いていくような実感は見えてきません。マニフェストに盛り込まれた施策は、政府で検討されてきたイノベーションやアジア・ゲートウェイの諸政策を裏づけにしているものですが、それらのメニューの中には、決め手となるような本格的な政策への着手は見出されません。

■ 「課題解決の妥当性」  5点/20点中
イノベーションとオープンは考え方としては正しく、人口減少社会のメニューをそろえていますが、重要なのは成長基盤の構築であり、そもそもそれは、成長率上昇につなげてその妥当性を評価すべき対象ではありません。

本来、成長戦略とは、一国経済の生産要素である労働や資本などがうまく円滑に回るよう、それらの市場を適切に機能させ、その上に立ってイノベーションができるような投資機会が発掘されていくメカニズムを確保することにより成長基盤を構築するということです。成長政策を経済運営の中軸に据えれば、経済成長によって財政再建が達成され、1人当たり名目GDPの上昇によって「底上げ」が実現することにより格差の問題も自然に是正されるといった、ミスリーディングな政策の組み立てになりかねなません。また、こうした、成長で全てを解決しようという姿勢は、ややもすれば、民間投資さえ促進すればよいという発想になりがちです。

しかし、実質金利が非常に低い状況の下で実行される設備投資は、資本の生産性が低いタイプのものになり、それに資金が投下されて見かけ上は設備投資が活発になっても、将来の富を支えるような生産基盤にはつながりません。政策対応として重要なのは成長基盤の構築です。あって、経済成長そのものに政策軸を置いてそこにマクロ経済運営上のミッションを託することになれば、その中でとられていく資源配分のあり方は、日本経済の長期的なスパンからみて必ずしも望ましくないものになる可能性があります。少なくともそれは、経済成長率とは切り離して議論すべき性格のものでしょう。

特に、イノベーションの促進で成長率が上昇すると説明することには慎重であるべきでしょう。というのも、マーケットでの実験的な営みを認め、やってみなければわからない部分で、成功の事例を集積しようとするのが成長政策だからです。

ですから、失敗や成功の事例を積み重ね、そこから >成功を汲み上げていくような仕組みを構築することが必要です。つまり生産性を上げること自体は重要ですが、トライアルができるような仕組みがきちんと整備されているかどうか、成功した場合の果実の配分が公正になされる仕組みがそこにあるかどうかということにこそ、政策の説明の基軸を置くべきでしょう。

■ 「課題解決の指導性」  0点/10点中
本来、マニフェストに求められていたのは、基本的ビジョンや考え方であり、それに向けて、いつまでに何を具体的にやるか、政策の手続きをどうするか、財源はどう確保するかを提示することであるが、今回のマニフェストは個別メニューの羅列に過ぎないものとなっています。そこに一定の内容はあるとしても、国民との約束という形での体系性が薄くなってしまっています。

政党マニフェストベースでは大きなことは言わず、それは政府の骨太の方針などに委ね、与党と政府が一体の中にあって、与党は専ら選挙対策を考えるという方向に逆戻りしているように見えます。すると結局、政策のアカウンタビリティーが曖昧になってしまいます。また、全体的な傾向として、小泉政権では、ある種の分かりやすさ、明快さがありましたが、安倍政権では経済政策の骨格が分かりにくくなっているとも言えます。安倍総理は何を伝えたいのかが見えず、結果として、高いプライオリティーを経済政策に置いていないのではないかという印象を与えてしまいます。


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総計 14点 / 100点中

1.形式要件  9点/50点中

■ 「理念や目的は書かれているか」  3点/10点中
「勢いある国づくり」、「経済・地域の活性化に責任」とのキャッチフレーズはあるものの、それをどのような理念で実現するかは示されていません。

■ 「目標設定の明確性」  3点/10点中
中小企業予算の倍増といったミクロ面での目標設定はあっても、経済政策全体での目標設定を欠いています。

■ 「財源の裏付け」  0点/10点中
中小企業予算の倍増を含め、財源の記載のある項目はありません。

■ 「ロードマップは描けているか」  0点/10点中
ロードマップ性が認められるような記述はありません。

■ 「目標実現のための施策・手段の体系」  3点/10点中
経済政策を、
①地域の活性化(「経済成長戦略大綱」、「がんばる地方応援プログラム」、「地域資源活用プログラム」の推進、地域中小企業応援ファンド及び不動産担保等に依存しない融資など金融の円滑化、ビジットジャパンキャンペーンの促進による観光立国の実現など)、
②イノベーションの創出(経済成長戦略大綱、産官学の連携による研究開発投資や人材育成、イノベーションへの民間投資の加速、環境・バイオ・情報通信・ナノテクなどの重点戦略分野への重点投資)、
③中小企業の応援(中小企業予算の倍増、事業承継税制の整備、やる気のある商店街の取組みの支援など)、
の3本柱で示していますが、重要施策を既に決定済みの大綱やプログラムに委ねているため、政策体系が見えているとはいえません。

2.内容(実績基準)  5点/50点中

■ 「課題抽出の妥当性」  0点/20点中
公明党マニフェストからは、前述の日本経済の本質的な課題に応えるような課題設定を行おうとする姿勢が全くみられません。

■ 「課題解決の妥当性」  5点/20点中
中小企業予算の倍増については、なぜ倍増が必要なのか、現状がどう不足しているのかの説明がありません。事業承継税制の整備は自民党でも検討が進められており、地域の活性化として掲げられている「頑張る地方応援プログラム」や「地域資源活用プログラム」、「ビジット・ジャパン」、あるいはイノベーション創出など、自民党と同じメニューを並べたものに過ぎません。そもそも公明党として課題解決に答を出そうという姿勢が認められません。

■ 「課題解決の指導性」  0点/10点中
経済政策では、公明党らしさを出そうとする指導性は見出せません。


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総計 13点 / 100点中

1.形式要件  8点/50点中

■ 「理念や目的が書かれているか」  5点/10点中
民主党は経済政策の重点を成長政策よりも格差是正の方に置き、格差是正以外の経済政策はそのほとんどを中小企業対策に絞っています。その趣旨については、「日本経済の基盤である中小企業を元気にする」としているのみです。

■ 「目標設定の明確性」  0点/10点中
目標が「元気にする」であれば、目標設定が明確とはいえません。

■ 「財源の裏付け」  0点/10点中
中小企業予算3倍増、中小企業にかかる法人課税の税率の半減の検討などの税制上の措置など、ばら撒き的な施策を掲げながら、その財源は明示していません。

■ 「ロードマップは描けているか」  3点/10点中
中小企業憲章を定めて政府全体で中小企業を応援するとし、経済政策の中心にこれを据えて各省庁横断的に取り組む基本方針とするとしていますが、時期の明示はありません。他の施策についてロードマップが認められるものはありません。

■ 「目標実現のため施策・手段の体系」 0点/10点中
上記のほか、事業承継税制や実質一人会社の役員報酬に係る税制の見直し、「地域金融円滑化法」といった中小企業金融など、個別の中小企業対策を掲げたほか、地方経済の活性化や起業・ベンチャー支援、包括的な金融サービス・市場法の制定などにも視野を広げていますが、それらの体系化がなされておらず、民主党としての経済政策の全体像がみえてきません。

2.内容(実質基準)  5点/50点中

■ 「課題抽出の妥当性」  0点/20点中
民主党マニフェストには経済成長についての記述がありませんが、人口減少下で経済のつじつまをどう合わせようとするのか、いかにシステムを組み直し、経済の生産性を上げていくかという課題に対しては、政権を目指す野党であれば言及する義務があります。野党としては、与党のどこに大きな問題があるかを指摘し、自らの具体的解決手法を示さなければ、自民党との違いは出てきません。これでは、課題抽出の選択肢の国民への提示を怠る姿勢は評価できません。

■ 「課題解決の妥当性」  5点/20点
課題解決をほとんど中小企業に限定し、それも「元気にする」との精神論的な提示の仕方であっては、妥当性を評価できる内容とはいえません。

■ 「課題解決の指導性」  0点/10点中
日本経済の本質的な課題について、与党とは異なる対立軸を示すべき野党第一党としての指導性は認められません。


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