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2007年マニフェスト評価(地球環境) 印刷 Eメール

地球環境

「言論NPOの評価基準」をみる

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1.評価の視点

 主に以下の様な視点から各党のマニフェストを評価します。

ア)京都議定書を達成する仕組みや実施手段を明確にし、長期目標に到達する道筋を明らかにしているか。

イ)「低炭素社会」の実現に向けて、各種代替エネルギーのメリット・デメリットを説明し、将来の選択肢を国民に提示しているか。

京都議定書については来年から約束期間が始まり、日本政府は国際社会で繰り返しこれを達成すると言っています。しかし現実には、既に2005年には90年比で排出量は7.8%の増加となっており、14%の削減を実現するには大変厳しい状況です。

 政府は現在、目標達成計画を見直し、対策を追加しようとしていますが、どのような対策を盛り込めるかが焦点になります。したがって、マニフェストでは、その具体策を提示することが求められてきます。

 また、政府は「美しい星50」で初めて長期的な目標を提示しました。長期的な目標を提示した以上、実施手段、達成のスケジュール、あるいは中間的な目標を提示することが必要になってきます。

 そして、排出量抑制に向けたポスト京都議定書の国際的な枠組みの中にアメリカ、インド、中国といった主要排出国が入りやすい仕組みの構築を提唱し ています。しかし、自らが率先して京都議定書を履行した実績や努力を示さなければ説得力がありません。国内的にも、議定書の内容が日本の産業にとってメリットがあるような仕組みをつくることも重要です。

 また、結果として日本自らの努力が不十分であれば、日本は国際的約束を守るために、公的資金で外国から排出枠を買うことになれば、膨大な国民負担につながるかも知れません。


以上を踏まえれば、各政党が今回のマニフェストに提示しなければならないことは、眼前の京都議定書を達成する仕組みや実施手段の明確化と、長期的な目標 に到達する道筋です。また、これまで議論が停滞してきた排出量取引制度や環境税などについても、考え方を明示すべきです。

 加えて、私たち言論NPOはこれまでの地球環境に関するマニフェスト評価において、将来のエネルギー体系の選択肢を提示することを求めてきました。

 すなわち、現在の化石燃料依存のエネルギー体系から「低炭素社会」の実現に向けて、原子力を中核とするそれに転換するのか、それとも、クリーンエネルギー体系に基づく循環型社会に転換するのか、それらのメリット・デメリット、リスクやコストの問題とともに国民に提示すべきことを指摘してきました。

 今、安倍総理が「低炭素社会」を明確に打ち出した以上、各党はそれに呼応してエネルギー論をマニフェストにおいて提示することが必要です。

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2.評価結果



総計 55点 / 100点中

1.形式要件  35点/50点中


■ 「理念や目的は書かれているか」  10点/10点中
「美しい国」づくりへの方針の一つの柱として「環境立国」を立て、そのために、
① 世界に先駆けて環境と「成長」を両立させる
② 環境先進国たる日本の主導力を発揮する
③ 国際社会において環境外交を戦略的に展開する
の3つを公約しています。

具体的な環境政策については、「美しい国」の構成要素である「美しい郷土」に向けた「環境に優しい社会」という文脈の下に位置付け、「低炭素社会」をつくることを総括的に掲げています。このように、環境に優しい低炭素社会で美しい郷土をつくり「美しい国」をつくるということが、理念・目的として提示されているといえます。

■ 「目標設定の明確性」  10点/10点中
目標として、
①京都議定書の目標の確実な達成
②世界に先駆けた「低炭素社会づくり」に向けた国民運動を推進して当面は「1人1日1kg」のCO2削減を目指す
③「世界全体の排出量を現状から2050年までに半減」すべく来年のG8洞爺湖サミットを機に主要な排出国が参加する枠組みを構築するためにリーダーシップを発揮する
が提示されています。

■ 「財源の裏付け」  3点/10点中
財源については、特に①の目標に向けた環境対策には巨額の財源が必要と考えられますが、「財源を確保する」との抽象的な記述にとどまっています。

■ 「ロードマップは描けているか」  5点/10点中

■ 「目標実現のための施策・手段の体系」  7点/10点中
①に向けた施策としては、
a)産業界の削減努力の確実な実施とさらなる深掘り
b)排出量の伸びが著しい業務・家庭部門の対策を抜本的に強化とそのための地球温暖化対策推進法の抜本的見直しや財源の十分な確保
c)率先的取組みとして今年度中に政府公用車にバイオ燃料を完全に導入

②に向けた施策としては
d)環境配慮の「見える化」による省エネ行動の徹底
e)省エネ家電買換促進に向けた地域の新しい取組みへの支援
f)住宅・建築物の省エネ化
g)「エコポイント」などによる省CO2型製品・サービスの普及
h)クールビズの定着
i)「サマータイム」の導入の検討
j)官民力を合わせて国民運動を展開し「1人1日1kg」のCO2削減、③に向けた施策としては
k)G8洞爺湖サミットでのリーダーシップの発揮
l)途上国の支援のために新たな「資金メカニズム」の構築
が掲げられています。

また、バイオ燃料の完全導入については期限を明示しており、環境外交の展開の段取りを提示している点では、一定のロードマップ性が認められますし、一定の施策の目的整合性や手段の体系性も認められます。

2.内容(実績基準)  20点/50点中


■ 「課題抽出の妥当性」  10点/20点中
自民党マニフェストは様々な措置を並べていますが、いずれもスローガンに過ぎず、上述の状況を踏まえれば、さらに具体的で明確な目標やスケジュール、実施手段など書かれていなければなりません。

書かれている内容はいずれももっともな内容ではあるが、その中身を具体的に示さなければ国民に対する問いかけにはなりません。

但し、従来、日本政府が長期目標を明らかにしたことはなく、今回、2050年という1つの長期的なターゲットを半減という数字で示したことは評価できる。

■ 「課題解決の妥当性」  7点/20点中
京都議定書の達成が困難なのは、産業界では削減が進んでいるものの、家庭部門などが大幅増加となっており、従って、国民運動を展開して、1人1日1キログラムの削減を進めるべきだというのが政府の見解です。

今回の自民党マニフェストでも国民運動を呼びかけていますが、社会の行動や仕組み自体を変えなければ、国民の心がけだけでは限界があります。国民にしてみても、実感がなく、例えば1キログラム減らせばどの程度のメリットがあるのか、ポジティブに生活がより良くなる、便利になってコストが節約できるといった内容が示されなければ、ただ我慢だけを強いられている感が強くなってしまいます。公用車にバイオ燃料を完全に投入することも提示されましたが、その効果は小さいです。

■ 「課題解決の指導性」  3点/10点中
地球環境は参院選のテーマに浮上し、安倍総理も選挙対策を意識してか、サミットの舞台のみならず国内でも様々なパフォーマンスを見せています。しかし、政治が国民に問わなければならない問題はそれだけではないはずです。

日本の家庭部門での努力も確かに重要ですが、産業部門の努力に比してそれが排出削減に寄与する効果は極めて小さい中で、「国民運動」をいくら強調し、総理自らゴミ拾いでパフォーマンスを示しても、それは問題の本質に対するアカウンタビリティーには決してつながりません。

技術や社会のシステムを根本的に変えることによって、日本は2050年に、温室効果ガスを90年と比べて70%削減することが可能であるというシナリオを京都大学と国立環境研究所が「脱温暖化2050」で提示しています。2050年は相当先のことにも見えますが、例えばエネルギーに対するインフラ、都市づくり、様々な技術開発などを考えれば、これから10年~20年が重要な時期になってきます。安倍政権は現段階からイニシアチブを発揮することが必要です。

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総計 26点 / 100点中

1.形式要件  13点/50点中


■ 「理念や目的は書かれているか」  0点/10点中
「環境に責任」とのキャッチフレーズはあるものの、どのような理念で環境に責任を持つのかは示されていません。

■ 「目標設定の明確性」  10点/10点中
目標設定の明確性については、自民党と同様、京都議定書の目標達成を掲げ、2050年までの世界の温室ガス50%削減も公明党として目標化しています。

■ 「財源の裏付け」  0点/10点中
環境対策についての財源は示されていない。

■ 「ロードマップは描けているか」  0点/10点中
具体的な施策として、
①エコハウス、エコビルを増やす
②主要排出国が参加した新たな枠組みの構築(自民党を踏襲)
③家庭での省エネ対策・CO2削減のための広範な国民運動
④日中共同出資による「日中環境基金」の創設
⑤専門家やリーダーを育成して世界に輩出
が掲げられていますが、施策を結びあわせるロードマップは示されていません。

■ 「目標実現のための施策・手段の体系」  3点/10点中
施策の目的整合性や手段の体系性については、これらの施策が目標達成の上で何らかの効果はあるだろうという程度のものです。

2.内容(実績基準)  13点/50点中


■ 「課題抽出の妥当性」  10点/20点中
基本的に自民党と平仄を合わせたマニフェストとなっているので、評価は自民党と同じです。

■ 「課題解決の妥当性」  3点/20点中
自民党同様、目標達成に向けて明確な効果が見える形での具体的な対策が十分に提示されているとはいえず、示された施策も自民党よりも幅が狭いです。「日中環境基金」の創設が提示されていますが、その具体像は不明であり、評価できません。

■ 「課題解決の指導性」  0点/10点中
環境政党を自任する公明党として、この分野で連立与党内でイニシアチブを発揮していくことが期待されますが、マニフェストからはそれが見えません。

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総計 60点 / 100点中

1.形式要件  35点/50点中


■ 「理念や目的が書かれているか」  8点/10点中
民主党は、持続可能な社会を目指し、環境容量内での循環型社会の構築、環境と経済が統合した社会といった理念・目的を提示しています。

■ 「目標設定の明確性」  8点/10点中

目標設定については、「2050年までに日本の温室ガス排出量を1990年比で50%削減」、「風力、太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーの割合を2020年までに10%」にするとしているなど、明確です。

■ 「財源の裏付け」  8点/10点中
財源対策については、「炭素含有量1トンあたり3000円程度の地球温暖化対策税」を創設するとしています。

■ 「ロードマップは描けているか」  3点/10点中
民主党は環境分野については各般の施策を盛りだくさん提示しており、ロードマップとまではいかないまでも、一定の工程は示していると言えます。

■ 「目標実現のため施策・手段の体系」 8点/10点中
目標達成に向けた個別施策は具体的であり、脱炭素社会に向けたライフスタイルの転換として

「温室ガスの削減によって経済的なメリットを受けられる制度の構築」
「持続可能な社会を目指す環境教育」
「二酸化炭素排出量の情報公開」

をアジェンダに挙げています。
また、対世界的には、エネルギー効率化の視点を踏まえて、それに向けた技術移転の推進、ODAの環境分野への集中特化、再生エネルギー割合の目標達成に向けた具体策など、施策の目的整合性や手段の体系性が確保された形でのアジェンダ設定がなされています。

内容(実質基準)  25点/50点中


■ 「課題抽出の妥当性」  9点/20点中
民主党は自民党と比べ、より具体的に踏み込んだ内容を提示しています。
キャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度の創設、地球温暖化対策税といった具体的な施策や、再生可能エネルギーについても2020年までに10%を実現するなど、ターゲットとなる数字や時期も明示しています。このように、国内対策については工程まで提示しています。

しかし、アメリカや中国、インドをどう巻き込むのかといった環境外交については触れられていません。日本が率先して取り組むことが民主党の言うように「環境政策で世界をリードする」ことにつながるというのは、正しいでしょう。しかし、地球温暖化を実効的に食い止めるためには現在の日本の取組みでは全く不十分です。他国を説得する上で何をどのように主張するかという課題も抽出すべきでしょう。

■ 「課題解決の妥当性」  8点/20点
地球環境問題は地球全体の問題ですから、地球全体で取り組む必要があるし、日本だけが厳しい対策をとっても、経済界からみれば国際競争力で不利になるという問題があります。
ですから、環境外交なくして実効的な課題解決は困難でしょう。

他方で、民主党も京都議定書達成のロードマップを明示する必要があります。排出量取引市場の創設や温暖化対策税の創設といったことが、京都議定書に間に合うかどうかは別としても、それ自体は有効な施策であり、環境負荷低減技術や商品の普及推進、脱フロンなど、自民党よりも幅広い対策が盛り込まれている点は評価できます。

■ 「課題解決の指導性」  8点/10点中
環境対策は対立型政策テーマではなく、競争型政策テーマとも言えます。その点、政策メニューの豊富さでは民主党は自民党を上回るものを提示したと言えるでしょう。特に、持続可能な社会システムの構築への将来選択に向けて、マニフェストレベルで議論を一歩進めようとしたイニシアチブは評価できます。

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