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2007年マニフェスト評価(教育改革) 印刷 Eメール

教育改革

「言論NPOの評価基準」をみる

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内容
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内容
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1.評価の視点

教育マニフェストに最低限盛り込まれなければならない内容は、

①教育が「子どもたち(全員・一部)をある状態にすること」を目的とするものである以上、その「ある状態」を、「すべての子どもに共通するミニマム」と、「一部(人数または%の特定が必要)の子どもについて達成すべきこと」に分けて、具体的に特定すること

②現状がその「ある状態」にない「原因」を追及し、それを具体的に特定すること

③さらに、「いつまでにどこまで」というタイムフレームを含め、「現状」を目標としての「ある状態」に近づけるための具体的な手段を、総合的に企画すること

④①を明示して国民合意の形成を図るとともに、その下に、②、③を進め、教育政策の体系化を行うこと
です。

例えば、日本の教員給与が他の公務員よりも優遇されてきた中で、それが果たして教員の質向上に寄与してきたかどうかの検証や、
教育投資を増やす必要はあるとしても、日本の初中等教育費の対GDP比はすでに世界最高水準とされており、費用対効果のチェックが必要です。

さらに、上記の政策体系が明確になれば、次の問題はその実行ですが、そのためには、教育の基本的な責任体制の明確化、すなわち最終責任をとる人は誰かを特定することが必要になってきます。

また、教育分野で総理大臣や政治に問われるアカウンタビリティーとは何でしょうか。

それは第一に、

① 日本はどのような国家を目指すのか
② その手段としての日本の教育については全体として何を目指すのか
③ それを実現するために全ての(あるいは一部の)子どもに求めるミニマムの目標は何か

を国民に説明することです。

第二に、これらの目標と現実とのギャップは何かを特定し、その原因の分析を示し、原因を除去してギャップを埋めるための選択肢として具体的な政策手段を提示することです。

第三に、それら政策の効果がどの程度のものかの想定を示し、現実の効果の検証と、その上に立ったアクションをPDCAサイクルに乗せた形で明示していくことです。

というのも、政治の役割とは、どういう社会を創るのかという全体のビジョンと方向性を明示することです。したがって、世の中が変わるから教育を変え なければならないというのが教育改革の本来の順序となります。ですから、社会全体のビジョンが明確でなければ現在の日本の教育の混迷は収束しないのです。


こうした視点に立って、各党のマニフェストを評価します。

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2.評価結果



総計 24点 / 100点中

1.形式要件  8点/50点中


■ 「理念や目的は書かれているか」  5点/10点中

理念・目的については、「美しい国の礎を築く」ための柱の一つとして「教育の再生」を掲げ、確かな学力、健全な精神の育成を謳っています。しかし、それらは誰もが反対しないような言葉に過ぎません。「美しい国」を、いかなる「確かな学力」や「健全な精神」がどのような形で「美しい国」の礎になるのかを提示しなければ、理念としては不十分です。 

「目標設定の明確性」  3点/10点中
教育について、①教員の資質・能力の向上、②安全・安心な教育環境の整備、③学校・家庭・地域の連携、④幼児教育無償化の検討と教育費負担の軽減、⑤国際競争力に富む個性豊かな高等教育の展開、⑥特色ある私学教育の振興、⑦「確かな学力」と「規範意識」の育成、などが項目として挙げられていますが、それらはいずれも抽象的なレベルでの方針として掲げられているものであって、明確な目標設定がなされているとまではいえません。 

■ 「財源の裏付け」  0点/10点中
学校施設の耐震化、幼児教育の無償化、奨学金事業の充実、私学助成の充実など、多額の予算措置を必要とする施策が提示されているが、財源については触れられていません。 

■ 「ロードマップは描けているか」  0点/10点中
上記に係る個別施策が羅列してあるだけで、ロードマップが示されているものはありません。

■ 「目標実現のための施策・手段の体系」  0点/10点中
これら施策によって何を実現しようとしているのか、それによってどう教育が再生するのか不明確であり、施策の目的整合性や手段の体系性について評価できる要素はありません。

2.内容(実績基準)  16点/50点中


■ 「課題抽出の妥当性」  7点/20点中
掲げているビジョンも理念も目標も、「美しい国」「自由と規律」「家族、地域」等レトリック上は美しくとも、その中身が曖昧ですから、掲げられている政策手段とどのようにつながっているのかが分かりにくいです。
特に「規範意識」については、これが「ルールを守る」ということなのか、あるいはそれを越えて「モラル・倫理」について一律の目標を掲げようとしているのか、不明です。
さらに、それ以前の問題として、上記のように、「教育マニフェスト」の最低要件である、「子どもたちをどのような状態にするのか」という目標が示されていません。学力の問題と教員の質の問題には課題設定がありますが、学校の責任体制の問題に関する課題設定が抜けています。

■ 「課題解決の妥当性」  7点/20点中
学力の問題については、まず、本当に学力が下がっているのかという確認をしていません。また、下がっていたとしても、それは下がってはいけないものなのかどうかを評価していません。そして、下がってはいけないとして、下がった原因を追求しておらず、どこまで学力を上げるのかという目標設定もなされていません。
規範意識についても、本来、「規範」とは本来ルールを意味し、守らなければならないということこそが大切なはずです。しかし「規範」は「モラル」や「心」と混同されがちでもあります。したがって、このように混乱を助長しかねない「規範」という言葉を使ったこと自体が適切ではありません。
教員の質の向上については、そもそも駄目な教師を排除できずに「学校評価」をさせても、学校としては取り繕うだけで上手く機能しないでしょう。教師を任期制で管理し、ピンポイントで駄目教師を排除することがひとつの答えでしょう。また、校長に全権を委ね、校長の意に沿わない教員は追い出せる、それが学校にマイナスの結果をもたらした場合は校長の責任が問われるという形にするのが本筋です。
首長についても同様で、もし首長が不適切な学校教育を行えば首長の責任が選挙で問われるという状況
をつくることで初めて責任体制が確立されることになります。しかし、ほとんどの首長は教育行政を所管することには消極的です。これは、教育が数少ない現職不利の政策分野だからでしょう。
大学改革については、国立大学関係予算のなかで、自らの裁量が効く部分を増やしたいという文部科学省の意図が背景にあることに留意する必要があります。

■ 「課題解決の指導性」  2点/10点中

マニフェストで教育再生を憲法の次に位置づけ、「美しい国」実現の柱の一つとしての意気込みを示しています。しかし、そこに教育の抜本改革にふさわしい内容は提示されていません。
それはこれまでの安倍総理自身の指導力の弱さが原因でしょう。
すなわち、安倍総理自身に、教育について何をやりたいか、ということがなく、教育再生会議をつくってそこに丸投げしてきました。結果として、文部科学省にとって都合の良い政策提言ばかりが並ぶことになりました。
まず何をしたいのかを明示するという、政治の本来的な役割がまったく果たされていないのです。結果として、マニフェストは個別施策の羅列に終わってしまっています。

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総計 10点 / 100点中

1.形式要件  7点/50点中


■ 「理念や目的は書かれているか」  3点/10点中
「子どもたちの未来に責任」とのキャッチフレーズはあるものの、どう「責任」を持つのかが提示されていません。したがって、「責任」の一つのあり方を示す教育の理念が示されているとは言えません。

■ 「目標設定の明確性」  4点/10点中
掲げられた施策は、①いじめ・不登校対策を進めること、②体験学習を実施すること、③教育費の負担軽減、の3本柱です。
しかし、
①については、いじめや不登校をなくしていく上で達成すべき目標の提示がありません。
②については、「子どもの豊かな心を育み、地域再生コミュニティーの再生に貢献する」という目標は書かれていますが、抽象的なレベルのものに過ぎません。
③については、単なる政策手段の提示に過ぎません。

■ 「財源の裏付け」  0点/10点中
「私立幼稚園の就園奨励費の拡充」、「有利子奨学金の月額貸与限度額の10万円から12万円への引上げ」、「奨学金返還時の返還額の利子相当額を税額控除できる制度の創設」とありますが、その財源は明示されていません。 

■ 「ロードマップは描けているか」  0点/10点中
個別施策が羅列されているだけで、ロードマップは存在しません。

■ 「目標実現のための施策・手段の体系」  0点/10点中
施策の目的整合性や手段の体系性について評価できるような要素はありません。

2.内容(実績基準)  3点/50点中


■ 「課題抽出の妥当性」  0点/20点中

マニフェストでは、①いじめ・不登校対策を進めること、②体験学習を実施すること、③教育費の負担軽減、という政策手段を並べているだけです。
「評価の視点」で述べたような、教育マニフェストに最低限盛り込まれなければならない内容が全くなく、その観点からの課題抽出はありません。少なくとも、ゆとり教育の見直し論と併せて学力の問題がこれだけ議論されている中にあって、公明党としての考え方を全く示していないのは、政権与党としていかがなものでしょうか。

■ 「課題解決の妥当性」  3点/20点中
上記①については臨床的な対症療法がいくつか掲げられており、「いじめ・不登校対策」には何らかの効果はあり得るでしょう。③も、その恩恵に浴する人々を経済的にサポートする効果は期待できます。しかし、掲げられている施策は、教育分野で今、政治が提示することが求められている課題の解決とは乖離しています。

野党からの「ザル法」との指摘を真摯に受け止め、抜け穴を埋める対応が必要であり、この政策課題に対する党の取組みとしては不十分です。

■ 「課題解決の指導性」  0点/10点中
教育改革という視点がマニフェストでここまで欠如しているということは、公明党は教育分野には改革すべき問題は何もないと考えていることを示すものであり、責任与党としての見識が問われます。

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総計 20点 / 100点中

1.形式要件  10点/50点中


■ 「理念や目的が書かれているか」  3点/10点中
理念・目的の位置に来る言葉は「子育て・教育を社会全体で支える」だけです。またそれは、教育を支えるのは学校だけではないという、政策手段の一つのあり方を示しているに過ぎず、理念・目的といえるものではありません。

■ 「目標設定の明確性」  7点/10点中
「参議院選挙政策リスト」では教育分野について多岐にわたる項目が並べられていますが、それらは基本的に政策手段であって、目標といえるものではありません。
但し、個別施策のレベルでは、
①「月額2万6千円の子ども手当てを中学卒業まで支給」
②「教育に対する公財政支出の5割増」
③「高校の無償化」
④「教員の養成過程を6年に延長」
といった具体的な数値目標の設定が見られます。

■ 「財源の裏付け」  0点/10点中
盛りだくさんの民主党教育マニフェストの個々の措置の裏づけにもなるという意味で、上記②が盛り込まれているとも言えますが、必要な多額の資金をどう調達するかに触れられていない以上、マニフェストとして評価することはできません。

■ 「ロードマップは描けているか」  0点/10点中
ロードマップが示されている項目はありません。例えば、上記①~④は、各々の達成時期を明示すべきです。

■ 「目標実現のため施策・手段の体系」 0点/10点中
教育政策全体の理念・目的も目標も欠いたマニフェストであっては、施策の目的整合性や手段の体系性は存在し得ません。盛り込まれた施策は多彩ですが、全体に総花的、ばら撒き的です。

内容(実質基準)  10点/50点中


■ 「課題抽出の妥当性」  5点/20点中
「教育マニフェスト」の最低要件である、「子どもたちをどのような状態にするのか?」という目標が示されていない点では、自民党と同様です。国民の関心の高い学力の問題について、自民党が課題抽出の努力はしているのに対し、民主党にはその意識も見られません。他方で、学校の責任体制や教員の質の問題に関しては課題抽出が行われています。

■ 「課題解決の妥当性」  5点/20点

学校の責任体制を整備するという課題について、地方自治体の自立性と市町村の首長の責任という形で解決を示そうとしています。しかし、首長については前述のように、教育が現職不利な政策分野であるという現実があり、それが有効に機能するかは疑問です。
マニフェストには親や地域住民が学校運営や教員人事に参加する民主的な「学校理事会」の設置も盛り込まれています。しかしこれは、学校運営の責任体制をかえって不明確にしてしまう恐れもあります。

■ 「課題解決の指導性」  0点/10点中
全体に予算ばら撒き的な施策を並べており、教育を「改革」しようとする方向性も、それに向けた党としての視点も提示されていません。

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