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2007年マニフェスト評価(公務員制度改革) 印刷 Eメール

公務員制度改革

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1.評価の視点

 公務員制度の改革が求められるならば、公務員が国民の負託を受けた政府の行政を担う存在です。このことを踏まえ、公務員制度改革の評価に当たっては、以下の視点を評価のポイントとします。

ア) 公務員の積極的な位置づけを明確にすること。

イ) 総理大臣や内閣が、公務員に対してリーダーシップを発揮しやすい仕組みの構築。

ウ) 政府機能を十全に発揮させるために、優れた人材を公務の分野にどう確保するか。

 ア) 政府は国民の負託に応え効率的に「機能する政府」である必要があります。そのためには、公務員に何をさせるのかを明確にする、すなわち、国民は公務員をど のように使うのかという、公務員の積極的な位置付けの視点です(例えば、公務員に非効率性があるとするのであれば、それもこの視点から判断すべきです)。

 イ) 選挙で国民の負託を受けた政権、すなわち、総理大臣や内閣が、公務員に対してリーダーシップを発揮しやすい仕組みの構築という視点。

 ウ) 政府の機能を十全に発揮させるにふさわしい優れた人材を、公務の分野にどう確保していくのかという視点。

 公務員制度を巡っては、官製談合問題や年金問題など、その時々の様々な問題との関連で議論がなされ、問題の根源に現行の公務員制度があるとして、その改革が叫ばれることが多くみられます。

 確かに、そのような視点からの課題設定が必要な場合もあります。しかし、公務員制度そのものが「国家の百年の計」に関わる問題であることを踏まえると、その改革を問うにあたっては、選挙対策上の「官バッシング」という一種のポピュリズムに走ることなく、これら3つの視点から改革の意義を国民に説明することが、政治に問われる責任でしょう。

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2.評価結果



総計 27点 / 100点中

1.形式要件  12点/50点中


■ 「理念や目的は書かれているか」  2点/10点中
理念・目的については、「民間と同じく能力や実績で(公務員を)評価する」、「天下りは根絶、談合のしがらみを断ち切る」、「やる気と元気に満ちた公務員が成長を支える」として、公務員制度改革が目指す姿の提示がみられます。
しかし、そこには目的と手段との混同がみられ、また、それらによって何を実現し、それが「美しい国」にどういう形で寄与するのかが提示されていません。

■ 「目標設定の明確性」  0点/10点中
具体的な措置の記述はあるが、目標設定といえる内容はない。

■ 「財源の裏付け」 「ロードマップは描けているか」  4点/10点中
掲げられている公務員制度改革は、基本的に財源措置とは無縁であるため、ロードマップの有無の視点と併せて評価します。
具体的な措置としては、①公務員人事への「能力・実績主義」の導入、②各省庁による再就職斡旋の禁止、③「官民人材交流センター」の設置、④公務員人事制度全般について検討→次期通常国会に基本法を提出、⑤労働基本権などの検討、が並べられており、措置を講じる順序は示されています。
しかし、時期や工程的なものの提示はありません。

「目標実現のための施策・手段の体系」  6点/10点中
理念・目的が不明であり、目標設定もないため、施策の目的整合性や手段の体系性の評価の対象となり得る要素はありません。

2.内容(実績基準)  15点/50点中


■ 「課題抽出の妥当性」  4点/20点中
提示されたアジェンダには、上記の(ア)は全く示されていません。(イ)についても、下記のように、結果としてそれに資するアジェンダとなり得る要素はありますが、そのような問題意識は説明されていません。(ウ)については、改革が「やる気と元気に満ちた公務員が成長を支える」ことに本当につながるのか、下記のようにその実効性が問われます。
全体として、ここにある課題設定は、権限を背景にした天下りを根絶し、官製談合のような官民癒着の弊害を除去しようとする視点が目立ちます。しかしそれが、公務員を民間と同様の能力や実績で評価することも併せて、どのような形で上記の3つの視点につながるのかは不明確です。

■ 「課題解決の妥当性」  5点/20点中
現在、指摘されている「縦割り行政」の背景に、各省庁の官房が再就職を斡旋していることによる、官僚の各省庁への縦割り的な忠誠があるのは事実です。それを「人材バンク」による斡旋に切り替えることにより、官僚の帰属意識が各省庁から政府へと転換し、官邸が公務員に対するリーダーシップを発揮しやすくなる効果は期待できるでしょう。
しかし、提示されたアジェンダは、突き詰めれば、共通の能力判断基準の下に、官と民の間の行き来の促進を目指すものです。そのためには、民間とは全く異なる能力を要する公務と民間との間で、共通の「プロフェッショナル」能力を定義する必要があります。
すなわち、民間の側でも終身雇用制を前提とした労働マーケットを、大幅に流動化するという大きな社会システム改革が伴わなければ、「人材バンク」が本当に機能する保障は得られません。
それが描かれないまま、官の改革だけが先行しても、民間の営利に直接役立つものではない公務で培った能力が、「人材バンク」という、いわば市場での需給調整システムの中で高い評価を受ける保証はありません。そうした中で、公務員のモラルが維持され、優秀な人材が確保されるかどうかは大いに疑問が残ります。
少なくとも、現状の労働市場や社会システムの下では、(ウ)には逆行しかねない改革案といえます。もし、官製談合や官民癒着を排することを目指しているのであれば、何も公務員の人事システムの変更によらなくても、むしろ事後監視の徹底などの手段で対応すべき問題であるともいえます。

■ 「課題解決の指導性」  6点/10点中
安倍総理は、国会会期を延長してまで公務員制度改革法案の成立にこだわり、「リーダーシップ」を示しました。ですが、公務員の再就職斡旋システムが、そこまで国民生活に大きな影響を及ぼす問題として有権者の関心を集めていたかは疑問です。
それでもあえて法案成立を断行した背景には、「総理のリーダーシップ」をみせるという、選挙対策上の演出という面が強かったと考えられます。しかし、「国家百年の計」に関わる公務員制度を、前述の3つの視点からの説明も不十分なままに、政争の具として扱ったことは、ポピュリズム政治との謗りを免れないのではないでしょうか。
また、公務員の労働基本権の問題について、公務員の人事管理マネージメントを民間と同一のものするには、公務員の労働基本権の制約を前提に組み立てられている、既存の人事院制度等のシステムの岩盤を崩す必要があります。
しかし、そもそもなぜ公務を担う公務員に労働基本権を認めてまで、民間同様のマネージメントの下に置くのが望ましいのか、という点に関しては、問題提起も国民的な議論も不十分なままです。

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総計 14点 / 100点中

1.形式要件  9点/50点中


■ 「理念や目的は書かれているか」 「目標設定の明確性」 「財源の裏付け」
「ロードマップは描けているか」 「目標実現のための施策・手段の体系」 

公務員制度改革は公明党マニフェストではアジャンダに載せられていません。そもそも公務員制度改革とは、行政を行う手段の一つに過ぎない公務員に関するもので、国民にどのような行政サービスをいかなる負担によって提供するかといった問題とはやや異なる面があります。
いわば、経営者が従業員の問題を株主に提案する必要があると考える場合もあれば、考えない場合もあるように、政党も公務員制度の問題を、行政サービスの内容に影響しないと判断すれば、今回はそれを特に国民に問う必要はないと判断する場合もあり得ます。今回は公明党として、そのような判断をしたものとみなし、評価の対象からははずしました。

2.内容(実績基準)  5点/50点中


■ 「課題抽出の妥当性」 「課題解決の妥当性」 「課題解決の指導性」

前述のように、公明党は評価の対象からはずしましたが、これまで公明党は「世界一無駄のない効率的な政府」をマニフェストに掲げてきた政党です。そうであれば、政権与党として、その検証を提示するアカウンタビリティーは必要でしょう。

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総計 21点 / 100点中

1.形式要件  7点/50点中


■ 「理念や目的が書かれているか」  5点/10点中
「政治・行政の改革を徹底する」、「天下りの根絶」、「多様な人材の登用」といった政策手段に係る記述のみであり、それをどのような理念・目的の下に進めるのかは示されていません。

■ 「目標設定の明確性」  0点/10点中
目標設定といえる内容はありません。

■ 「財源の裏付け」 「ロードマップは描けているか」  0点/20点中
早期勧奨退職をやめて公務員を定年まで働かせるとしていますが、それに要する財源の裏づけは示されていません。また書かれた措置の時期や工程は示されておらず、ロードマップも提示されていません。

■ 「目標実現のため施策・手段の体系」 2点/10点中
理念・目的が不明であり、目標設定もないため、施策の目的整合性や手段の体系性の評価の対象となり得る要素はほとんどありません。その中で、単に「天下り」を現象的に根絶するという意味でのみ有効な施策が提示されています。

内容(実質基準)  14点/50点中


■ 「課題抽出の妥当性」  12点/20点中
民主党マニフェストのポイントは、再就職斡旋は全面的に禁止し、同期が局長や次官になった段階で他の同期職員は勧奨退職するシステムをやめて、公務員が定年まで働くことにより、「天下り」をなくそうとしているところです。
この点では、公務員の人事制度を構築する「設計思想」にはそもそも、①官と民はおよそ異なる世界で、公務で培われた能力は極力、官の分野で活かし続けることが人材の有効活用としても本人のためにも望ましい、②官と民が同じ土俵で相互に出入りし合う関係となることにより、人的資源の最適配分が実現する、との 2つの両極の考え方があります。
こうした考え方を踏まえると、自民党マニフェストが②を指向しているのに対し、民主党は①を指向するものであり、そこには明確な対立軸が描かれていると評価できます。しかし、民主党の改革案には、前述の(ア)~(ウ)の観点から説明され得るような要素はみられません。

■ 「課題解決の妥当性」  2点/20点
上記①を指向するのであれば、公務員の定年を極力延長し、次官を頂点とするピラミッドとは別の専門職種を多数設置して、昇進階段からはずれた職員を定年まで処遇し、公務で活かし続けることが目指すべき姿となります。しかしそれは、行政機構のスリム化や総人件費削減の方向とは明らかに逆行するものです。
また、その分だけ新規採用を抑制すれば、人材確保や組織の機能・活力の面で支障を来たすでしょう。こうした弊害を除去するためには、公共分野への再就職の拡大が必要となりますが、それも特殊法人等のスリム化などの現在の改革の方向に逆行します。
それにも係らず、民主党は国家公務員の2割削減や、「独立行政法人、特殊法人への天下りを規制する制度を新たに創る」といった、こうした問題解決とは逆行するアジェンダをマニフェストに盛り込んでおり、問題解決の具体的な担保は描かれていません。
民主党は、新規採用を3分の1に抑制することで上記①の方向が当面は担保されると考えているようです。しかし中央官庁のキャリア公務員は、国会対応で連続徹夜を強いられることが象徴するように、体力的に厳しい業務を、私利を離れて担うことが要求されており、むしろそれにふさわしい年齢構成を維持し、人材を確保することが重要課題でしょう。
さらに、民主党はキャリア制度の廃止を謳っていますが、それがなぜ必要なのか、それに代わる望ましいシステムは何なのかは、説明されていません。

■ 「課題解決の指導性」  0点/10点中
自民党は、未だ実効性を伴わず弊害は大きいものの、官と民が同じ土俵で出入りすることで、人材の最適配分を実現する、将来の社会システムの設計を展望できる改革へと、一歩を踏み出しています。
しかし、民主党は対案を提示しようとするあまり、改革色の薄い守旧的な案の提示にとどまっています。その結果、前述の3つの視点からの公務員制度の積極的な再設計は、民主党からも提示されていません。

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