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小泉政権第4期実績評価(環境・エネルギー) 印刷 Eメール

小泉政権第4期実績評価:環境・エネルギー


自民党 公明党
実績 課題設定の妥当性 実行過程
説明責任 実績 課題設定の妥当性 実行課程 説明責任
25/40点 24/30点 22/30点 40/100点 5/40点 8/30点 4/30点 0/100点
/100点 /100点

 

argaiv1131

1.評価の視点

自民党の2005マニフェストでは、
①    京都議定書の温室効果ガス6%削減約束の達成
②    地球規模での温室効果ガスの長期的排出削減に向けたリーダーシップの発揮
③    3R(廃棄物の発生抑制[リデュース]、再使用[リユース]、リサイクル)の推進と国際的な展開
という3つの柱が立てられました。

また、エネルギー問題についても、
④    資源燃料確保戦略を強化して安定供給を確保すること(石油・天然ガスの自主開発、風力・太陽光等の再生可能エネルギーの普及拡大、省エネの徹底)、
⑤    安全確保を大前提にした原子力の推進(原子力を基幹電源に位置づけつつ、設備利用率の向上、立地地域との共生政策、原子エネルギー教育の拡充、高速増殖炉の開発、核燃料サイクルシステムの確立、ITER 等核融合研究開発事業の推進)
という2つの柱が立てられました。

こうした2005マニフェストも、形式的な理念の提示は各項目にあっても、環境・エネルギー分野の施策がどのような経済社会を目指す中で講じられようとしているのかという全体理念の提示がありませんでした。また、実行しようとする措置の記述は多いものの、それを何によって実行するのかが必ずしも明らかではないものが多かったといえます。
ただし、2005マニフェストでは、日本の基幹エネルギーに原子力を明確に据えたことや、核融合エネルギー開発を明確に謳ったこと、地球環境保全について「米国や途上国が参加する実効ある国際的枠組みの構築」という課題を設定していることは、マニフェストのあり方として評価できるものでした。
しかし、こうした政策体系は単に絵を描くだけでなく、その実現の道筋について、外交政策などの国全体の戦略との関連の下に、目に見える具体的な方向性を明示するのが政権の役割ではないでしょうか。後述にみるように、私たちは、世界の潮流やその中で日本が置かれたSituation-Specificな課題、日本が戦略的に活用できる自らの強さなどを踏まえれば、日本と中国のパートナーシップによる環境・エネルギー協力こそが、その解決策であると考えています。小泉政権下での日中関係の停滞がそれを遅らせてきたとすれば、外交分野だけでなく、この環境・エネルギー分野の評価も大きく下がることになります。

2.第4期目の実績評価

■総評

自民党については、05年のマニフェストから依然として中長期的視点からの日本の社会経済システムの設計がなされず、かつ日中協力も課題とされていません。しかし自民党と経済産業省が体系化した環境・エネルギー戦略が06年に作成されたことは評価できます。前二者については国民的な合意も伴わず、日中関係はさらに悪化したことから、実績と呼べるものも乏しいのが現状です。京都議定書の国内目標の達成へ向けた実行過程は順調ですが、温室効果ガスの大量排出国を京都議定書の枠組みに巻き込むプロセスは不十分であり、さらに日本の社会経済システムの長期的なビジョンを示していない点も実行過程上の減点対象となります。



(1)課題設定の妥当性
この期における課題設定として、まず、2005マニフェストについては、当時の私たちの評価は60/100(=18/30)であり、評点はこれを基準に、その後約1年間の間にどのような課題設定の追加、あるいは修正がなされたかでその点数への加点・減点を行うこととすれば、①その後も依然として超長期をにらんだ環境調和型のサステイナブルな日本の経済社会の全体システムの設計は提示されておらず、②環境・エネルギー問題解決の道筋としての日中協力も課題として掲げられていないままである一方で、③2006年5月に自民党や経済産業省がこの分野の政策を体系化し、特に後者は超長期の観点から環境と一体化したエネルギー政策の課題を的確に提示したものであることから、6点を加算することとして、24点としました。

(2)実績
この分野のアウトプットはその性格上、長期の時間軸で評価されるものであり、第4期の評価としては、適切な課題設定がなされたか、また、その実行過程が適切に進展したか、それ自体が実績として評価対象となります。従って、(1)と(3)の点数(24/30+22/30=46/60)が基準ですが、実績評価に当たっての別の要素として、将来のシステム設計や基幹エネルギー源に係る国民合意の形成と、この分野の道筋としての日中協力の進展といった視点を加えることとすれば、前者は全く進んでおらず、後者については小泉政権時における日中関係の悪化という阻害要因が強く形成されたことから、これらを各々1割ずつ計2割の満点からの減点要素としました(▲8点)。

(3)実行過程
私たちは環境・エネルギー分野の2005マニフェスト評価では、以下イ~ハの視点を重視しました。
イ)温室効果ガスの大口排出国の、京都議定書プロセスへの巻き込み
ロ)日本の京都議定書での国内目標の達成のための仕組み
ハ)代替エネルギーの確保のための合意形成
まず視点イ)について、その後の進展をみると、大口排出国を取り込み何らかの顕著な実績を上げる道筋を作る上で評価されるに足るだけの戦略構築は、今後の課題として残されたままです。
次に、視点ロ)についての進展をみると、日本としての京都議定書の目標達成の担保については、2005年4月に閣議決定された達成計画を具体的にどう担保するかが、第4期の課題でした。これについてはこの間、多くの具体的な措置が講じられてきています。
そもそもこの計画は、1990年という基準年からの6%の削減目標を達成するに必要な2003度比14%の削減を達成するには、現行対策だけではなお12%分不足しており、これを追加対策として、森林吸収源分3.9%以外について、a)産業・運輸・民生にわたるエネルギー対策の抜本強化により4.8%、b)代替フロンなど他の温室ガスの追加削減で1.7%、c)京都メカニズムの本格活用で1.6%、それぞれ削減することによって目標達成を担保しようとするものでした。その実現に向けた政策体系は存在し、その下に第4期において施策のインプットは着実に進展し、そこにPDCAのプロセスも仕組まれているなど、施策の実行過程は評価できます。しかしながら、こうした個々の施策の積み重ねが必要である一方で、それが全体として地球温暖化対策にどこまで本格的な効果を発揮するのかは不明であり、アウトプットとしての実績評価は困難でしょう。
次に、前記ハ)の視点については、前述のとおり、2005マニフェストは原子力という選択肢を明確に提示した点で評価できます。しかし、そもそもエネルギーと環境とはコインの裏表であり、両者を一体的に組み合わせた形での戦略課題の体系化が必要です。加えて、エネルギー問題は、ハ)の選択肢のうち、(将来の課題としてB)の原子力への転換を見据えるとしても)当面においてはA)の化石燃料をどう安定確保していくか、また、数十年先の超長期を見据えながら、C)のクリーンエネルギー体系の構築をどう考えるかも含め、その全体を長期の視点で組み合わせ、総合的に体系化して課題設定と戦略を構築いくべき分野といえます。
その点で、2006年5月に、自民党は「総合エネルギー戦略」をとりまとめ、政府でも同月に経済産業省が2030年の将来にわたる超長期のエネルギー需給の見通しなどを踏まえた「新・国家エネルギー戦略」 をとりまとめ、政策体系と戦略の構築を図りました。こうした動きやその内容は、後述にみるように、この分野での課題設定のあり方として概ね評価できるものです。

以上から、アメリカなど温室効果ガスの大口排出国を国際スキームに巻き込むプロセスは未だ不十分(▲3点)ですが、京都議定書の国内目標達成に向けた実行過程そのものは適切かつ着実と評価できます。エネルギー政策も含め、インプットは着実に進んでいます。さらに、この分野の政策体系を経済産業省が提示したことも政策のひとつのプロセスが始動したという意味で評価できます。ただし、環境・エネルギー政策を超えて、それを包摂する超長期のサステイナブルな日本の経済・社会のシステム設計が課題として描かれていない以上、実行過程自体にも評価困難な側面が残らざるを得ません(▲5点)。

(4)説明責任
日本のエネルギー戦略について自民党と経済産業省がそれぞれビジョンを提示し政策を体系したことは、日本が現在置かれた状況と今後の方向性についての説明責任を果たしたものとして評価できます。しかし、エネルギー分野を超えて、長期にわたる持続可能な経済社会システムを描き、その下に、国民にそのコストや国民負担も含めた選択肢を提示する営みにまでは至らなかったといえます。

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(1)課題設定の妥当性
公明党の2005マニフェストで同党は、環境対策を「街づくり」の中に位置付け、環境対策それ自体としての理念の提示はありませんでした。その中における個々の施策は挙げられていても、環境対策それ自体としては、「脱温暖化・ごみゼロ(循環型)社会」を挙げている以外は、同党が環境対策分野全体についてどのような目標を設定しているのかが必ずしも明確ではありません。また、生活者の視点からわかりやすい施策を思いつき的に盛り込んだ感が強く、それも街づくり対策や中小企業対策の中に位置付けるなど、政策体系をなしていませんでした。
同党が掲げる「ごみゼロ」作戦や「省エネ・クリーンエネルギー促進作戦」で京都議定書の国際公約をどう達成するのか、「太陽・水素系エネルギー経済社会」とは何であり、それへの転換がどのようにして進められるかなど、不明確な内容が多過ぎます。理念と目標の整合性、体系性については、既に形式基準においてマニフェストの体をなしていなかったといえます。
また、第4期において、前述のように自民党が環境・エネルギー分野で将来に向けた政策体系の検討を行うなど、課題設定を前進させたのに対し、公明党がこうした責任与党として取り組むべき日本全体の持続可能性の問題について、体系的な取組みを行った顕著な事実は認められません。連立政権の下で政府は「新・国家エネルギー戦略」をとりまとめたが、これは経済産業省が策定したものであり、連立政権に参加する立場としての公明党の評価に加えることもできません。
このように、課題設定については、2005マニフェストからの前進がみられない以上、同党の評価は私たちが2005マニフェストについて行った評価(25/100)と同じ評点になります。

(2)実績
マニフェストや課題設定が前述のとおりである以上、その実績評価については、政権の実績のうちどの程度が同党の貢献によるものかで評価するしかありません。しかし、これまで公表された範囲では、環境・エネルギー分野で同党が「前進」として取り上げている項目はなく、実績評価についても、自民党の実績評価の評点について、その1/5を政権与党点として付与するにとどめることとします。

(3)実行過程
上記のように、マニフェストが形式要件すら満たさないものであり、その後に意味ある課題設定も行われていない限り、その実行過程の評価は、個々の措置のインプットの進捗で評価するしかありません。それは、公明党が政権与党である限り、自民党の実行過程と同様の評価になることになります。
その意味では、例えば、同党がこの分野で力点を置いた「ごみゼロ作戦」について、第4期において政府が廃棄物に係る3Rに関して様々な施策をインプットしていることなどが、結果として同党の評価につながることになる面もあります。しかし、そのような評価の仕方が同党の評価としてどれだけ意味を持つかは疑問です。こうした点を踏まえ、自民党の実行過程の評点の1/5を政権与党点として付与するにとどめることとします。

(4)説明責任
公明党の課題設定が、この分野に問われる日本の本質的な課題に応えるものでない以上、それについての説明責任は評価できません。自民党のような戦略提示の努力も認められませんでした。

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