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第8回:中国、韓国との関係はどう考えるべきか



「中国、韓国との関係はどう考えるべきか」

工藤 対中国の問題に議論を移します。例えば、中国は世界的な資源の確保で様々な資金を使っています。中国のこうした行動に神経を尖らせているのは、日本だけなのでしょうか。

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深川 今、アメリカはゼーリックのステークホルダー論には支配されているので、中国にあれだけきついのは日本だけだと思います。ヨーロッパもそうだと思いますが、アメリカはしばらくあの成長が続いてくれるのは結構なことなので、どんどん太らせるという方向です。

倉田 アメリカが中国に求めているのは、国際公共財の共有者になれということで、中国が国際公共財を共有できない国を擁護するような行動はやめてくださいという意味ですね。

深川 アメリカでは、必ずペンタゴンの論理とウォールストリートの論理が2種類あるのを見落としてはならないと 思います。今のアメリカのマクロバランスが悪くなって、中国にファイナンスしてもらってドルの暴落を紛らわしている状態では、アメリカのお友達でない人と 手を組んで、その人たちに多少援助していたとしても、彼らの国際社会上のプレゼンスは小さいので、それより中国が成長していくメリットの方が大きい。

経常収支が6.5%の赤字というのは、あれだけの大国で基軸通貨であっても、これから何年維持できるかは誰にもわかりません。そういう倫理的なものとはまた別に、やはり中国にファイナンスをし続け、当面はとりあえず成長してもらうという損得勘定はあると思います。

工藤 例えば防衛計画の大綱はどうみるべきですか。政府は、意識的に中国の軍事的な脅威論を使っていませんか。

道下 政府はむしろ抑え気味です。大綱では、中国の今後の動向に注視するというだけです。それを脅威論と言えば脅威論ですが、非常に抑えています。

深川 防衛予算を考えていくときに、自衛隊の本務が本質的に変わってしまえば、当然必要な装備もロジスティックスも全部違うので、予算はかなり違うものをつくらざるを得ないのではないですか。

道下 対中国という意味では、そんなに状況は悪くないのです。冷戦期の自衛隊の得意分野は何かというと、洋上防 空、対潜戦、掃海の3つです。この得意分野がたまたま今でも、それなりに意味がある時代になっていて、まず洋上防空は、ソ連の巡航ミサイルをアメリカの空 母に向かって撃つのを撃ち落とすために、日本はイージス艦を4隻買った。しかし、ソ連がなくなったものの、幸いBMD(弾道ミサイル防衛)に使えるように なった。対潜戦の能力は、中国が潜水艦を増強しているので、そこが重要な能力になってきた。そうした能力の市場価値が再び上がってきたのです。哨戒能力も 中国の台頭によって、ある意味で役に立つ。脅威が高まるのはよくないのですが、今までの防衛力が無意味になったという状態ではない。

工藤 安倍政権になって、中国との関係改善が動きました。ある意味では、それがあっあたかこそ、北朝鮮の解決で日本は中国というこれまでにはなかったカードを得ることができたかもしれない。

倉田 首脳会談の翌日でしたね。核実験は。

工藤 問題はそれを利用し、何ができるかという話ですね。それはまだ見えていない。

倉田 中国については、首脳会談がなくても危機が起きるわけでは必ずしもないし、中国との関係が悪化しても核に よる脅威が増す、日本に対する脅威が高まるということでは必ずしもない。私が懸念しているのは、中国に対して、靖国の問題も含めて問題をクリアしようとす るその動機です。

工藤 私たちが8月に行った「北京-東京フォーラム」では、安倍さんにしても、中川さんにしても、首脳会談を意識していました。あの日の安倍発言がなかったら、日本はここまで迅速には動けなかったかもしれない。

倉田 北朝鮮の場合は、中国との関係はもちろんのですが、日米韓というコンテクストもあります。韓国側がアメリ カに2012年中の作戦統制権の返還を要求したところ、アメリカは2009年に返還しようといって、韓国が慌てている状況です。韓国がこういう議論をでき るのは、北朝鮮とは戦争などないと思っているからであって、北朝鮮からの軍事的脅威迫っていたら、こんな議論はできなかった。

道下 今、アメリカは、その点について、結構それなりに計算してやっています。今、韓国にとって軍事バランスが 良すぎる状態になっているのです。安心しきっていて、日本、アメリカと韓国の脅威認識がズレてしまっている。アメリカが在韓米軍を削減したり、韓国に対す るコミットメントを減らしたりしたら、韓国は困り始め、日米韓の間の脅威認識が接近してくると、よりやりやすくなるかもしれない。朝鮮半島で戦争が起きた 場合、韓国防衛を韓国だけで確保するのは大変です。

深川 韓国はおめでたい発想でできています。自主国防は達成するが、自分たちが困ったときは、いつでもアメリカは助けに来てくれなければならない。虫がいいのです。

倉田 北も南もそうなのですが、あの人たちが言う自主というのは、特定の状況で依存することを妨げるものではあ りません。問題なのは、韓国の次期大統領がいわゆる保守派になったとして、2009年に作戦統制権が返ったとして、やはりまずいから、アメリカに返します という議論はできない。2009年で返すといったって、大統領選挙は2007年末です。この議論には、ここで決めておいてという選挙対策的な面もある。

深川 アメリカはよく計算して切ったカードなんでしょうね。

道下 今、韓国は本当にへまをやって、損しています。昔、アメリカが軍隊を撤退させようとすると、韓国は「そのかわり経済援助をよこせ、最新装備を置いて帰れ」とやっていたのが、今は米軍に「帰れ」と韓国自ら言い始めた。アメリカは、それはラッキーという感じです。

工藤 こういう問題も日本政府としては考えなければいけないわけですね。

倉田 大きい流れからすればそうですね。日米間で自衛隊と在日米軍というのは一体化するベクトルが働いている。これに対して米韓間では、離れていくというベクトルが働いている。ベクトルが全く逆なところで日米韓のアライメントができるかというと、これは難しいですね。

深川 しかし、調子が悪くなったら来てくれると思っているから、韓国側からみれば、アライメントは全然壊れてない。何の問題もない。


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