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【福田政権の課題】改革のどこを進め、どこを見直すのか3/加藤紘一 印刷 Eメール

【福田政権の課題】改革のどこを進め、どこを見直すのか第3回

加藤紘一(衆議院議員、元自由民主党幹事長)
かとう・こういち
profile
1939年生まれ。64年東京大学法学部卒業、同年外務省入省。67年ハーバード大学修士課程修了。在台北大使館、在ワシントン大使館、在香港総領事館勤 務。72年衆議院議員初当選。78年内閣官房副長官(大平内閣)、84年防衛庁長官、91年内閣官房長官(宮沢内閣)などを歴任。94年自民党政務調査会 長、95年自民党幹事長に就任。著書に『いま政治は何をすべきか?新世紀日本の設計図』(99年)、『新しき日本のかたち』(2005年)。

市場原理を制約する二つの公理

 今、必要なのは市場原理、グローバライゼーションの限界というものを理論的に議論することだと思います。そこを議論せずに、マネーフローまで持ち 出して市場原理を進めたのがシカゴ大学のミルトン・フリードマンであり、そしてそれがイギリスに飛び火して、サッチャーの同期のキース・ジョセフの理論に 基づいてサッチャーが政治をし、米国のレーガンまで行って、一周遅れで中曽根さんに来たわけです。

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 ネオコンたちの凋落、そして、アメリカでブッシュ大統領が中間選挙で負けた、ほぼときを同じくしてフリードマンが世を去りました。ですから、ここ で一つ転換の時期です。フリードマンは実体経済以外に、マネーフローで社会をがらがらと変えていった。それが実物経済に結び付いているマネーのフローなら いいのですが、架空の世界をつくり過ぎたように思います。なおかつ、私が彼を許せないのは、学校制度にもバウチャー(学校を選択して教育を受けることがで きる切符)を主張したことでした。あれであの人の限界ははっきりとしていたと思います。

 市場原理、グローバライゼーションは、人の命や人権までも傷つけるところまではいってはいけないというのが一つの公理です。日本においては、地域 を根本から壊すような競争原理は許さないということで、第二公理を主張したい。つまりマーケットメカニズム、グローバライゼーションに制約を与える第二の 公理、それは地域の破壊を許さないこと。これは私の自分勝手に考えた公理ですけれども、今、日本で皆が求めているのはその部分ではないでしょうか。

 今までのような、政府は小さければ小さいほどいいということは、ここで限界が一回来ました。ですから、少しはお金をいままでよりも使うということ が必要です。ただ、そのときにどこまで少し大きくしていくかという判断は、選挙におどおどする政治家にはなかなかできないところです。しっかりとその基準 を作れるのは地域社会しかありません。

 例えば、最近、モンスター・ペアレンツといわれるような、わがままな保護者、わがままな父兄が出現している。学校の先生に次から次へとクレームを 付けて、クラス写真を撮ったらうちの娘が一番端だった、何とかしろと言ってきたりする。これに対して、誰かが一番端ですよね、ということを地域社会の中で 皆が議論しなければならない。たまにはおたくの娘だって端に行く…と。うちの息子は中学の野球部で毎日ユニホームが汚れる、学校でやっている野球の練習だ から、義務教育はただのはずじゃないか、ユニホームは学校の経費で洗濯しろと要求してくるわけです。それに対し、地域社会で、それはわがままだよという言 葉が出てこなければならない。市役所の窓口や教育委員会の窓口が、「あんた、それはわがままというものだ」と言って、がんとやればいいのですが、今度は、 じゃあ、市長を出せというような話になってくる。

 そういうときに地域社会がしっかりしていれば、「Aさん、それはないよ」と言うでしょう。皆も、「そうだよ、そんなことを言ったら、市民税でも所 得税でもやたらと取られちゃうぜ。どこに銭があるわけでもないし」と言う。そういうように議論が生まれると、ビッグガバメント(大きな政府)に対する力強 いブレーキになります。それ以外、私はビッグガバメントを本当に押さえていくブレーキはないと思います。そういうところに根ざしたリベラリズムが、私が最 近言っている「強いリベラル」ということです。

 地域社会が自分たちの負担とサービスについても自分で考える。それが自立です。例えば一定のお金がその町村に5000万円、交付税か何かで来たと する。それを介護の上乗せに使うか、図書館に使うか、はたまた皆が問題だと言っていた、ある集落から集落への細い橋に使うのか、その順番はどうかというの を皆で議論して、初めて強いデモクラシーになると思います。

自民党にはその芽が出てきている。ただ、そのためには具体的に議論しなければならないのです。「自立と共生」という言葉なら、誰でも言える言葉なのです。

福田さんのいいところは、やはり、落ち着きですね。今、日本の政治に癒やしが必要です。論議、論議、論議で、皆、疲れています。本当に政治に信頼があれ ば、1円からの領収証などという細かな議論はしないでしょう。議論する前に、皆いらいらとして人の話を聞かない、信じないような心理状態を直す、それには 福田さんが一番いいということですね。


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