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09年政策公開討論会

◆1日目:7/1(水) 
・将来ビジョンと政権担当能力
【速報】 【議論要旨】 【動画】

◆2日目:7/2(木) 
・経済政策
【速報】 【議論要旨】 【動画】
・財政政策
【速報】 【議論要旨】 【動画】

◆3日目:7/7(火) 

・医療・年金・介護政策
【速報】 【議論要旨】 【動画】
・雇用政策
【速報】 【議論要旨】 【動画】

◆4日目:7/8(水)

・環境政策
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・農業政策
【速報】 【議論要旨】 【動画】

◆5日目:7/9(木)

・外交・安全保障政策
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・国と地方の役割
【速報】 【議論要旨】 【動画】
 

言論NPOとは

日本のメディアや言論のあり方に疑問を感じた多くの有識者が、日本の主要課題に対して建設的な議論や対案を提案できる新しい非営利のメディア、言論の舞台をつくろうと活動を始めた認定NPO法人です。
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「自民党×民主党 政策公開討論会」1日目 【将来ビジョンと政権担当能力】 速報 印刷 Eメール

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7月1日14時半より、言論NPOが主催する「自民党×民主党 政策公開討論会」の第1日目議論が開始されました。この日は「将来ビジョンと政権担当能力」をテーマに、両党の政策責任者3名と、言論NPO側の司会者、コメンテーター計8名が議論を行っています。

 

 

 


  

 第1部では、初めに司会の国分良成氏(慶應義塾大学法学部長)と工藤泰志(言論NPO代表)による挨拶が行われたあと、前半のテーマである「日本の将来ビジョン」について、両党議員による説明が行われました。


 

 最初に発言した園田博之氏(自民党政務調査会長代理)はまず、「日本は国際的な環境や国内経済のダイナミックな変化に直面している」と語り、深刻化する少子高齢化をどう克服し、今後の国のあり方をどう描いていくかがひとつ重要なテーマになると述べました。そのうえで、将来に向けては具体的な政策をひとつひとつ着実に進めていくことが重要だとしました。また、小泉政権が進めた構造改革路線にも触れ、構造改革には様々な批判はあるけれども、「官から民へ」「国から地方へ」に代表される流れは、古い体制を壊すという意味では間違ってはいなかったと語り、今後は改革によって壊したものの再構築をどう行うかが重要になってくるとの見解を示しました。

 

 また、目指すべき社会像については「国民が安心して過ごせる社会」と述べ、経済についてはものづくりを強みにした内需拡大型への転換が求められるとしました。また特に社会保障制度については、機能を強化しつつ国民の安心をどう確保していくかが課題だとし、その中でも年金制度については、与野党が議論を深めることで持続可能な制度をつくっていく必要があるとしました。園田氏は最後に外交問題にも触れ、従来の方針を転換する必要はないにしても、アジアや世界の中で日本の果たす役割は大きいと述べ、柔軟な態度で積極的に他国との関係を構築していくべきだと語りました。


 次に発言した福山哲郎氏(民主党政策調査会長代理)は、21世紀の日本はグローバル化など新たな変化の波に直面しており、従来のシステムが機能しなくなりつつあると述べました。福山氏は政府の役割は「国民ひとりひとりの幸せを後押しすること」だと述べ、社会保障制度、特にセーフティネットの整備を急がなければ所得や消費の拡大も望めず、将来への安心は生まれないとしました。その基盤強化の手段として福山氏が説明したのは、一般会計と特別会計を合わせたかたちで予算の組み替えを行うことであり、それによってムダをなくし、新たな財源を生み出すことで富の再分配システムを構築していくというものです。


 この発言を受けて長妻昭氏(民主党政策調査会長代理)は、まず社会保障の問題に触れ、現在の日本のセーフティネットは穴だらけであると指摘し、政府や役所の立場ではなく、生活者の立場に立った政策が求められると述べました。特に長妻氏はナショナル・ミニマムの概念を挙げ、これまでの自民党政権では、「政府が国民生活の何をどこまで守るのか」という基準が二転三転し、国民の目線での政策運営がなされてこなかったと批判しました。また、現在の日本が抱える課題として地球温暖化と少子高齢化問題を挙げた長妻氏は、それらを弱みではなく、技術立国としての日本の姿を世界にアピールしていけるようなビッグビジネスのチャンスとしてとらえていくべきではないかと述べました。

 

 3人の議員の発言を受けて、その後、司会の工藤から代表質問が行われました。工藤はまず園田氏に対し、自民党の安心社会の実現のビジョンは次回マニフェストの策定にどうつながるのかと問いました。また両党に対し「ムダのない社会」の実現に向けた具体的な取り組みをどう考えているのかと問いかけました。また最後に工藤は、次の日本を背負うべき若い世代が、将来に対して希望を持てなくなっている状況を挙げ、「今度のマニフェストで、若い世代に対して両党は何を約束するのか」と問い、代表質問を終えました。

 工藤の代表質問を受け、両党議員はまず以下のように述べました。


 園田氏は、安心社会の中核をなす社会保障制度について、従来型の「若く、元気な人によって支えられるシステム」が限界に近づいてきたことを指摘した上で、「社会保障制度の財源として消費税をアップし、国民全員で支える仕組みを構築する必要がある」と述べました。この点に関しては、「今や社会保障費は一般歳出の半分に上っており、消費税を上げるということになれば、地方に振り分ける分は除いて、その他は全て社会保障費に充てる。財政再建はその他の税目で実現すべき」と付け加えました。また、「社会保障というと、従来であれば医療、介護、年金という分野だったが、『少子化対策』も重要な施策と明確に位置づけ、このために必要な財源も確保していくべきだ」としました。若者に希望を与えるための施策づくりについては、次代の日本を支えていく若者が夢を持てるような施策を具体的にマニフェストに提示したいと述べました。


 長妻氏は、これまでの自民党政治では優先順位の低いところにカネが流れるということが長年にわたって温存されてきたとし、政権交代後の一期目は、ひも付き補助金や天下りあっせん、特別会計などの仕組みに徹底的にメスを入れることを強調しました(同氏は焦点を当てるべきものとしてH(ひも付き補助金)、A(天下りあっせん)、T(特別会計)、K(官製談合)、Z(随意契約)を挙げ、これらを総合して「HAT-KZ」として説明しました)。

 


 続いて福山氏は、民主党の独自政策である「子ども手当」に触れ、「賃金の格差や働く格差が拡大する中で、とにかく教育の機会だけは守っていきたい。どの地域でどんな家族の下に産まれようが、最低限のナショナルミニマムとして、若い人が勉強できる環境を守ることを政策としてきちんとやっていきたい」と述べました。


 

 



 その後、6人のコメンテーターを交えた議論が行われました。

 

 まず小島明氏(日本経済研究センター顧問)は、少子高齢社会の問題について触れ、「働く人が足りないといいながら労働力の中核を担う若い世代に十分な機会が与えられていないというのは根本的な矛盾であり、どうやって若い世代に希望を与えられるかを示してほしい」と述べました。

 

 

 土居丈朗氏(慶應義塾大学経済学部教授)は財政健全化施策について、「自民党は『経済財政改革の基本方針2009』にこれを打ち出しているが、今回のマニフェストでもこれを提示することになるのか。一方で民主党は今後の任期4年の中で財政健全化をどれほど本気に考えているのか。自民党の政策に代わるものはあるのか」と問いました。


 

 

 田中弥生氏(大学評価・学位授与機構准教授)は、園田氏の「『官から民へ』の流れは基本的には変わらない」とのコメントに触れ、「基本的なスタンスは変わらないとしても、これまではそれが単なる『アウトソーシング』だった一方で、今回はより自律的な『参加』を目指しており、その意義は大分違っている」と指摘し、また民主党の政策に対しては、「国民に負担を求めずに直接的に予算を分配するという傾向が強い。これでは国民は自立しないのではないか」として疑問を呈しました。
 

 

 さらに深川由起子氏(早稲田大学政治経済学部教授)は、官僚機構に代わって政策のための専門的なリサーチや立案を行う専門的なシンクタンクの役割について両党の見解を問い、




 

 水野和夫氏(三菱UFJ証券チーフエコノミスト)は安心社会を実現するための手段として、従来型のマクロの成長戦略では時代に対応できなくなっているのではないか、と指摘しました。




 

 最後に若宮啓文氏(朝日新聞社コラムニスト)は、「マニフェストは大切だが、それが立派だからといって安心できるものではない。政党として安心感をもたれるための最低要件が問われている」と述べました。


 


 これらのコメントに対し、園田氏はまず、低炭素社会など成長戦略をきちんと立てられるかどうかが非常に重要であり、こまめに政策を立てていくことを強調し、消費税についても、非常に速いスピードで社会保障費が増えていることを考えると、どこかでその議論は必ず必要になってくることを改めて指摘しました。

 福山氏は、「先般の参議院選挙の際に、『国民の投票こそが政治を変える』と改めて感じた。1年半前に国民は民主党に『仮免許』を与えてくれたと思っている。今は油断せず、謙虚にこれまでやってきたことを訴え、ひとつひとつ政策を実行していきたい」と述べました。また、官僚機構との関係については、「官僚を叩くのではなく、今までのしがらみの中で機能不全に陥っている点を修正していこうと思っている」と述べました。コメンテーターから指摘のあったシンクタンクについては、「社会的な受け入れ体制も含めて整備していきたい」と述べました。

 また長妻氏は、マニフェストは政権交代が実現したら国民との「契約」に変わるものだとの認識を示し、国民の審判に耐えうるきちんとしたマニフェストを作り上げたいとして、今回の選挙にかける強い意思を示しました。


 その後、言論NPOの学生インターンによって、先日東京大学で実施したアンケートの結果が報告されました。アンケートによれば、東大生の9割が「今の政治は若者のための政策を実施していない」と考えていることが明らかになりました。しかし「次回の選挙に行く」と回答した学生も9割に上り、現在の政治に不満を抱いている一方で、自分たちの未来を選択するため積極的に政治に参加しようとしていることが明らかになりました。ここで発言した学生インターンは3人の政治家に対し「夢を描けない若者に対してどのような未来を約束するのか」という質問を投げかけました。

 さらに、日本の国際的地位の低下について不安を抱いているという学生アンケートの結果を踏まえたうえで国分氏は、アメリカの研究機関が2025年の日本の姿を「少子高齢化、産業基盤の老朽化、外国人労働者問題などで苦しみつづけている」と予測していることを紹介し、日本の国際的地位についての両党の考えを尋ねました。

 これらの問題提起に対して園田氏は、「日本が経済力だけではなく、技術供与などを通じて世界の諸問題に対処していくことで国際的な存在感を示すようになることが必要だ」との認識を示すとともに、国内社会については安心感のある社会をつくるため少子化などの問題をひとつずつ解決していくべきだとしました。これに対し長妻氏は、環境・医療分野の研究開発支援を充実させ、その技術によって利益を生み出しつつ国際社会に対しても貢献することが重要だと述べ、さらには、「世界平和のため民主主義を広めることが日本の役割だ」とも述べました。また長妻氏は、少子化対策として子供手当てを充実させるとともに、老後にボランティアというかたちで公務に従事してもらえるような仕組みづくりも必要との認識を合わせて示しました。
 
 その後、田中氏による「外部からの評価が可能であるようなマニフェストをつくってほしい」という意見、小島氏からの「日本の研究・開発支援には戦略性がない」という指摘など、各コメンテーターから意見や質問が出され、園田氏・長妻氏・福山氏がそれぞれ回答しました。

 最後に、司会の国分氏が「本討論会のような議論の場は極めて珍しい。今後はこのような議論の場をメディアの方々にも積極的に設けていただきたい」と述べ、「自民党×民主党 政策公開討論会」の第1日目を締めくくりました。