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09年政策公開討論会

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◆2日目:7/2(木) 
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「自民党×民主党 政策公開討論会」4日目 【農業政策】 議論要旨 印刷 Eメール

2009年7月8日

 【テーマ】 農業政策
 【出席議員】
  自民党:谷津義男(衆議院議員 総合農政調査会長 元農林水産大臣)
  民主党:筒井信隆(衆議院議員 ネクスト農林水産大臣)
 【司会者】
  工藤泰志(言論NPO代表)
  生源寺 眞一(東京大学農学部長)
 【コメンテータ】
  阿南久(全国消費者団体連絡会事務局長)
  小田切徳美(明治大学農学部教授)

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工藤泰志 まずは、日本の農業の将来をどう描いていくのかについてお聞きしたいと思います。農業従事者の高齢化が進んでいる中、新しい担い手づくり、農業基盤をしっかり築いていくことが必要ですが、残念ながら、行われているのはバラマキばかりで、改革の展望が見えないという見方もあります。日本の将来をどう描き、担い手を育成していくのかについて具体的にご説明いただきたいと思います。

谷津義男 農業の将来像については、我々も長い間議論をしてきました。新たな農政改革の方向については、骨太の方針にも反映されています。まず農地法改正ですが、「所有から利用へ」ということで、農地面積を集積化し、担い手のものにしていくと。平成23年度を目標に、総合的な工程表をつくっていきます。水田農業が象徴的ですが、構造改革が遅れていると認識しています。生産調整参加者にとって不公平なしくみになっているということも理解しております。食料自給率が世界的に逼迫する中で、日本の農業をどのように持っていくのか考え、生産調整の中で大豆や小麦などの自給率向上を図っていく必要があります。世界的に見ると、輸出を制限していく国も出てきていますから、日本も対応が迫られていると思います。

 昨年7月に「谷津試案」というものを出させていただきました。所得倍増5カ年計画というものを掲げています。5カ年で区切ることについては議論がありますが、これを基盤にして農業所得を上げていくことが、担い手育成にも寄与してくると考えます。また、農地を遊ばせないという観点から、二毛作への対策も出しました。それから、流通を合理化し、生産者から消費者に届くまでの価格差を縮小すべきだと考えています。農協にもしっかり話をして、手数料の再検討なども申し上げています。これは所得政策の一環としてだけではなく、消費者にもメリットが及ぶと思っております。

 今回の骨太の方針2009においても、これらを考慮し、予算化していかなければいけないということです。21年度予算、補正予算において獲得したものはバラマキではなくて、ひとつひとつ裏づけがあります。議員中心でつくり上げた予算です。農家や消費者に理解を求め、協力してもらう必要があります。現場に力点を置いて、政策を実現していきます。


筒井信隆 担い手の高齢化と後継者不足は深刻ですが、後継者が出てこない理由は単純で、「農業では食べていけない」からです。全国平均で見ると、生産費のほうが販売価格よりも上だという現実があります。したがって、民主党が10年以上前から出している「所得補償政策」をベースにして、各農家の努力を要請すると。所得補償と市場原理との統一しか、日本の農業再生への道はないと思います。自民党は補助金行政ですが、全て所得補償政策に一本化すべきです。補助金は巨額ですが、欧米に比べると、支援の度合はまだまだ低いですから。中身が見えにくく、政策効果が疑わしいものもあります。いろんな細かい政策が毎年のように出てきて、「農業は補助金漬けになっている」というような誤解すら生みかねません。たとえば農地集積加速化事業というものに3000億円を積んで、貸し手のほうにお金を出すというしくみがありますが、借り手がいないわけです。だからなかなか集積しない。本当に集積させるなら、借り手の農業経営が安定するようなしくみをつくるべきです。しかも1年限り、2年限りでは将来展望が出てきません。やはり制度・しくみをつくらなければなりません。

 所得保障の理論的根拠というのは、農業の多面的機能です。農業、林業、漁業は空気や水や土壌の維持・保全をしていくという機能を持っているわけですが、それに対して対価をもらっていません。その対価の一部として所得保障を行うことは何らバラマキではありません。また、生産費と販売価格の全国平均との差額で支給するので、努力すれば取り分が多くなるという、農家の努力に対するインセンティブを埋め込んでいるわけです。

 我々は大規模化そのものは否定していない。しかし、大規模化しか農業再生への道がないという議論には反対です。ですから、大規模化についても加算措置の対象にしています。また、有機農業や環境保全型農業を行う場合や、品質向上の努力も加算措置の対象となります。


工藤 谷津先生、今のお話についていかがですか。それから政府は今まで、大規模農家の競争力を強化する方向で担い手政策を行ってきたと思いますが、それが今どうなっているのかも含めて。


谷津 その流れで動いていると思います。補正予算の話がありましたが全部貸し手に出すわけではなくて。もうひとつ重要なのは、38万ヘクタールと言われた耕作放棄地を精査したところ、農地として利用可能なところが約10万ヘクタール出てきたと。そしてそれらを農地に還元するためにどのくらいの費用がかかるかということも入っております。また、基金として5年間継続していくしくみになっている。それが3100億円ということです。継続性も重視しております。筒井先生に質問ですが、生産費が全国一律ということですが、面積や作物によって違ってくるかと思います。大豆と米で1兆円とおっしゃいましたが、生産費がいくらになるかを見ないとその数字は出てきません。


筒井 ひとつ誤解があります。それぞれの品目について、全国平均の差額を補てんするということですから。全国一律ではありません。


工藤 補助金漬けだという指摘については。


谷津 今回の40項目は全部新しくつくったわけではありません。政策というものは連続性と積み上げが大事です。1次産業については天候や飼料価格などによっても左右されるので、その都度取り組まなければいけないということが実際にたくさんあるわけです。


筒井 補助金の項目が多すぎて、しかも単発のものが多くてしくみが非常にわかりにくい。これを補助金行政だと批判しているのであって、「農家がいっぱいカネをもらっているからだめだ」という意味で言っているのではありません。


生源寺眞一 民主党に2つお聞きしたいと思います。全ての農家に補償というときに、全250万戸の中にはサラリーマン農家のようなものもありますが、実務的に可能なのでしょうか。どうやって実行するのかを具体的にしてほしいと思います。それから、10年前の政策とはずいぶん変わっているように思いますが、いかがですか。


筒井 1兆円の所得補償というのは10年前から言っております。今言っている、生産数量目標の設定に従う販売農家という限定はなかったので、細かいところは少し変わっていますが。行政コストについては、面積を調べ上げるために今かかっているコストとあまり変わらないと思います。


小田切徳美 3つの論点があると思います。まず、自民党は農業所得の増大、民主党は民主党は所得補償ということで。自民党に対して、所得増大にはやはり価格支持ということが付きまとうと思います。WTO体制のもとでどうやって実行するおつもりでしょうか。それから、消費者の理解をどう得られるとお考えですか。2点目は、若い担い手を特別に重視するということが必要なのではないかと思いますが、それについてのお考えを。3点目は中山間地域についてはやはり別の対策を考えないといけませんが、いかがでしょう。両党とも、直接支払については高く評価しているので、具体的にどう実行していくのかという中身の話をしていただきたいと思います。


谷津 農家の所得確保については消費者が持つのか、国の財政で持つのか、どちらかだと思います。これは市場原理で考えると、高くてもいいものを買う消費者が多いわけですから、消費者に持ってもらう方向でやるのがいいのではないでしょうか。ただ、申し上げたように流通の問題が大きいので、そこは解決していく必要があります。それから若い担い手は重要ですが、彼らは所得について、他産業との横にらみをしているのだと思います。ですから価格政策で、農業の所得がしっかり確保できるようにする必要があります。中山間部については、ケアが不十分なところがありますから、直接的な支援が必要だと考えております。


筒井 中山間部への直接支払いは評価しています。しかしこれは今5年の時限措置、しかも予算措置ですから、これを法的措置にして恒久化するという法案を、民主党は今国会に提出しています。それから、「米価が下がったから米を買い上げる」というようなかたちの価格支持政策はとるべきではないと思います


阿南久 まず、農業者支援の制度は必要だと思いますが、これまでの補助金政策が農業の活性化に結びついているかといえば、そうではない。むしろ疲弊しているわけです。ですから税金を見えるかたちにして、「こういう農業者に、こういう支援をする」ということがわかるようにして、国民が納得いくようにしていくべきではないですか。今は「消費者が高いものを買ってくれないから農家がやっていけなくなる」と責められる立場にあるわけですから。それから食の安全についてです。食の安全の確保は大きなテーマです。必ずしも「国産=安全」ではないと思いますから。科学的な根拠に基づいたリスク分析を行っていくことについてはどうでしょうか。


筒井 国民全体の理解が必要で、そのためには簡素で公平で、継続性を持った所得政策がなければいけません。今の補助金行政はそれらに反していますから、所得保障政策、直接支払い制度に一本化することが重要だと思います。EUの所得保障政策は、額は高いですが農業の多面的機能という点で国民の支持を得られているわけです。食の安全は大変重要です。トレーサビリティの義務化、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)やGAP(Good agricultural practice)の義務化を行いたいと思います。それから原料、原産地の表示義務についても全食品に対して行います。それから、現在はリスク管理機関が厚労省と農水省に分散しているので、これを食品安全庁という部門に一元化すべきです。それから食品安全委員会というリスク評価機関がもっと積極的に評価を行っていくべきではないでしょうか。


谷津 消費者の「安く」という要望と生産者の「高く」という要望との間のギャップをどう埋めるかです。先ほどは市場原理でやるのがいいと申し上げましたが、そうすると価格が下がっていく場合がほとんどですから、そこは補助金制度が必要になるわけです。もっと理解しやすい制度にすべきだというのはその通りですが、原材料価格や天候の変化などの要件が出てきたときには、その都度対策を行う必要があります。食品安全委員会は私がつくったものですが、現在は大変よくやっていると思っています。トレーサビリティについては、我々もしっかりやらなければいけないということで検討を進めています。HACCPですが、導入して事業を行うということになると、中小零細のところにかなりの負担がかかります。しかし重要性は理解しているので、国の支援をしながらやっていく必要があると思います。


工藤 次の質問は、減反政策をどうしていくかということです。国民には「見直しを検討している」という情報だけは入っていますが、具体的にはどうなるのでしょうか。「世界的に食料自給率が問題になっているのに、価格維持のために減反を行うというのはどうか」という考え方もありますが。


筒井 「主食米をつくらないところに奨励金を出す」という減反政策はそもそも問題外です。それから生産調整、需給調整は今すぐ止めたいと思っていますが、今の状態のままで急にやると米価暴落の危険性があります。ですから我々は生産数量目標を定めて、それに従う農家に所得補償を行うということにしています。小麦や大豆などについては、上限としての意味を持たせてはおりません。主食米をつくる場合とそれ以外の穀物をつくる場合の所得が同じくらいになるようにしたいと考えています。ですから、主食米については需給調整を行うという考え方です。また、主食米から米粉、飼料米へのシフトを誘導することも考えている。最終的には減反の廃止を目指していきたいと思います。


工藤 民主党は岡田代表の時、「生産調整は止める」と言っていませんでしたか。


筒井 それは、米をつくらないところにお金を出すような減反政策はやめるべきだという意味です。


谷津 米をつくらないところに奨励金を出すということは、やっていません。減反ではなくて生産調整です。米価はだんだん下がってきていますが、安くなれば需要が増えるかというと、そうでもない。米しかつくれない場所もあるので、米粉や飼料米などにシフトさせようということで大転換を図っていくというのが今回の米三法です。生産調整に対しては、今回の補正を入れても3500億円くらいしか出ていないので、民主党の1兆円に比べると規模は小さいですが、ひとつひとつ見ているともっと支援が必要なところが出てくると思います。


筒井 ひとつお尋ねします。生産調整について需給調整でやると申し上げましたが、自由につくりたい人は自由にやっていいわけです。ただしその場合所得補償は行わず、価格支持政策も原則として行いませんから。ある意味選択制で、これは民主党にとってはごく当たり前の考え方ですが、自民党のほうは石破大臣が「選択制」と言ったら突然大騒ぎになったり。今も選択制ではないですか。それから、生産調整と政府による価格支持政策は矛盾すると思いますがいかがですか。不公平感をなくすのであれば、買い上げによる価格支持などやめるべきだと思います。


谷津 不公平感があるのは事実ですが、民主党も生産数量目標を決めるのであれば、同じことが起こると思います。米以外の作物をつくるのが難しい地域などの農家は生産調整に参加することが難しいわけですから、それらの農家に強制することはできません。


筒井 我々も、生産調整は結果的に選択性でやるしかないと言っておりますが。それから、生産調整と矛盾する価格支持政策を今後も続けるのかということをお聞きしたいわけです。


谷津 選択制と言ったことは一度もありません。それから、買い上げは100万トンまでしか行っていません。


筒井 備蓄米の買い上げは大事だと思いますが、価格支持を目的として政策は今後とらないということですか。


谷津 今までもとってきませんでしたから、やりません。


筒井 選択制についてですが、つくるかつくらないかは農家の意思に任せるという方針でよろしいですね。


谷津 生産調整を強化すべきだという意見が多い地域もあるわけです。ですから生産調整は堅持していきます。


生源寺 谷津先生に。農家の所得確保と、農協のビジネス規模確保との間には利害のずれがあると思いますが、そこはどうお考えになりますか。それから筒井先生への質問ですが、300万トンという棚上げ備蓄の方針は維持されているのでしょうか。それからテクニカルな話になりますけれども、米について生産数量目標を設定するというのはわかりますが、大豆や麦などの生産数量目標をリンクさせるということでしょうか。つまり、米に関して上限を超えてつくった人であっても、大豆や麦などの所得補償は行う、ということですか。今はリンクしているので。


谷津 農協は本来農家のためにあるものですが、最近は商社化しており、ここは大きく見直す必要があります。農協を通して売られている米の量は全体の4割を切ったのではないかと思います。農家が農協を通さなくなっているのは、農協のほうに問題があると思います。手数料の問題が出ましたが、自分の経営のことだけを考えて農家のことを考えないというのは問題です。


筒井 備蓄米の水準ですが、輸入米の在庫分を含めて300万トンだというのが今の方針です。これは6カ月分くらいにあたりますが、食料安全保障として最低限必要だと思っています。それから生産調整についてですが、上限を超えて米をつくったところに対しては、麦や大豆などをつくっていても、所得補償は支給いたしません。全部リンクさせるということです。


生源寺 生産調整については日本だけではなく外国でもやっていることですが、品目ごとに完結させるというのが基本的な手法です。日本ではリンクさせるのが当たり前となっていますが、国際的に見ると珍しいということだけは申し上げておきます。


阿南 世界的に食料増産が求められている時代に、米については売りたい農家が売り、競争を行っていくということが大前提ではないでしょうか。しかし使われない土地がたくさんあって、生産調整が行われるというのは単純に疑問です。「農産物は高くてもいい」と思っている消費者ばかりではありません。品質によってもっと価格に多様性、幅があってもいいのではないでしょうか。


小田切 生産調整について整理すると、実効性と公平性のトレードオフの問題だということだろうと思います。自民党は実効性、民主党は公平性重視だということで。谷津先生には、市町村や現場への負担をどう考えるか、筒井先生には、実効性の担保をどうするのか、閉塞感をどう突破するのかについてお聞きしたいと思います。


谷津 米価が下がれば米の消費が飛躍的に伸びるかというと、必ずしもそうではないと思っています。輸出も考えないといけませんが、国際価格は低いので競争はかなり厳しく、輸出補助金もWTOで禁じられていますから難しいというのが現状です。ですから需給調整がやはり必要で、小麦とか米粉などをつくる方向に、支援を行いながら農家を誘導していく必要があると思います。それから実効性については、おっしゃる通りです。自治体や農協、農家などによる協議会をつくって対処していきたいと考えております。


筒井 民主党は、つくったことに対して所得補償するという制度です。主食米についてはある範囲のものを一定の面積でつくった場合に支給する。小麦や大豆についても、全てつくったところに対する補償です。実効性にも関連しますが、生産調整は市町村も国も配分が大変だからやりたくないというのが本音だろうと思います。それはメリット措置が明確でない、不公平感があるようなシステムが続けられてきたからです。


生源寺 ご参考までに申し上げますが、市町村の中では、現在の生産調整に反対だという意見が多いのも事実です。

 最後にひとつお聞きしたいのは、これまでの話は農業村だけの議論だったように思いますが、国際交渉ということを考えたときに、WTOとの関連をどうお考えですか。関税率を下げていくのか、あるいは税率は保ったうえでミニマムアクセス米を増やすか、という2つだと思いますが。今後1、2年の間にケリがつく話だと思いますので。


谷津 ドーハ・ラウンドはこの1、2年で決着すると考えています。増産をしなければならないというときに、ミニマムアクセス米は間違いなく増やされることになります。するとそれをどう処理するかですが、飼料米にして、市場に出さないことを考えています。消費が増えないわけですから、国内の生産量が少ない小麦などに転換して、そちらの生産量を伸ばしていこうということです。筒井先生にお聞きしたいのは、所得補償政策がWTOの「黄色の政策」に入る危険があるのではないかということです。


筒井 面積に応じて支給するわけですから、緑または青の政策だと考えています。EUもアメリカにやっている。たとえ黄色に入ったとしてもAMS(国内助成合計量)の範囲内ですから特に問題はないと思います。アメリカやEUでも問題になっていないですから。WTOとの関係については、農業の多面的機能ということを世界に訴え、他の産業と違うことをもっと主張していく必要があると思います。1次産業とその他の産業との差をはっきりさせていくべきです。ミニマムアクセス米については輸入義務ではありませんので、全量輸入する必要がないということをもっと明確にしないといけません。


谷津 農業の多面的機能をもっと主張していくということについては、私もその通りだと思っております。


筒井 多面的機能を強調するのは大変いいことだと思いますが、国民に浸透していないと思います。それは補助金制度が広範で不透明なために、その根拠が農業の多面的機能だということを十分に説明しきれていないわけです。もっと理解を求める努力が必要だと思います。

< 了 >


 

profile


谷津 義男(衆議院議員 総合農政調査会長 元農林水産大臣)

1934年生まれ。法政大学卒業。1986年衆議院議員に初当選、現在7期目。党の農林水産物貿易調査会会長、税制調査会副会長、国際競争力調査会副会長などを歴任し、現在は総合農政調査会会長を務める。



筒井 信隆(衆議院議員 民主党ネクスト農林水産大臣)
profile
1944年生まれ。早稲田大学卒業。1967年司法試験に合格、1970年より弁護士開業。1990年、衆議院議員に初当選し、現在4期目。著書に『バイオマス文明構想』『カオスの中の対立軸』など。