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ポイント解説(構造改革特区) 印刷 Eメール

田中弥生
(大学評価・学位授与機構構准教授)

国際協力銀行、東京大学助教授などをへて現職。国際公共政策博士(大阪大学)、政策メディア修士(慶応義塾大学)
財政制度審議会臨時委員、日本NPO学会副会長。外務省ODA評価有識者委員、内閣府公益法人制度改革委員会有識者委員、などを務める。
専門は非営利組織論と評価論。ピーター・F・ドラッカー氏に師事。

   構造改革特区はまさに小泉構造改革の目玉でもあり、規制改革・民間開放推進会議で打ち出され、5年間の時限立法として制定されました。全国を一度に規制改革していくのは難しいため、地方で突破口を開け、そこから全国に展開しようというのが構造改革特区の狙いでした。安倍内閣において5年目を迎えた時点で、再度5年の時限立法として延長されました。ただ、その際に、小泉構造改革における構造改革特区によってどのような成果が出されたのか、という総括評価が行われていませんでした。実は小泉内閣から安倍内閣に代わった際に、構造改革特区の目的が変わりました。小泉内閣では「規制改革」から経済成長を狙っていくという目的がありましたが、安倍内閣では地方再生、地方活性化という目的の下に置かれたのです。しかし、それに関する説明が全くありませんでした。
   当初から現在に至るまで、10人の担当大臣が変わり、その目的も変化していきましたが、現在は「地方再生」で落ち着いていると思います。今までに15回の募集を行っているのですが、回を重ねる毎に、募集数も認定数も減ってしまい、回復の兆しがないことが問題だと思います。
   また、地方再生の下で構造改革特区制度を置くことは、いくつかの問題があります。構造改革特区の活用により、地元特産品のようなものが創れるという先行の利がありますが、全国化されてしまうと、最初に提案した人があまり得をしなくなります。下手をするとコストをかけた分だけ他人の人が得をしてしまうということにもなり、提案するだけ損だと考えている地方自治体が少なくないと思います。
   構造改革特区の場合、それを突破口にして全国に普及することにより利益になりますが、地域再生はみんなの利益ではなく自分の利益を目的としているわけで、両者の目的は違います。例えば、「どぶろく」は未だに構造改革特区のままですが、これはやはり岩手県遠野市における地域の特産品にしたかったからです。しかし、現実には88箇所でどぶろく特区を通してしまっているため、どぶろく特区であるということ自体のベネフィットが薄くなったと思います。その他、特区で認定されても、他の関係する省庁での手続きや認可を得なければいけないとか、特区認定の後の手続きで負担を感じている自治体が多いという話もあります。やはり構造改革特区は魅力的な制度にはなってないということだと思います。
   また、構造改革特区は、当初予算措置を伴わないものでした。その後、他の制度と組み合わせることによって予算措置がつくことになりましたが、提案数はごく僅かです。民間の自立的な企業精神を促すために規制が緩和されるというのではなく、お金がなければ駄目だという形になっているように感じます。
   最後にPDCAの問題があります。個別案件のレベルでも、構造改革特区制度そのものにおいても、うまく評価が機能していない、という問題もあります。そもそも、構造改革特区は政策評価制度の中に組み込まれていないのです。1件1件のPDCAが回っていない顕著な例はLEC大学、サイバー大学の件です。株式会社立大学に関して6年前から問題が起こっているのですが、この対案が未だに出ていません。特区から全国化される際に、どのような教訓があったのかをしっかりフィードバックしていないようです。本来評価委員会が、その役割を果たすべきですが、特区から全国化をし、その数を増やすことに重きを置きすぎています。きちんとした評価が機能していないのが実状です。
 

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