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選挙で問われる論点とは(雇用) 印刷 Eメール

山田久
(株式会社日本総合研究所 調査部 ビジネス戦略研究センター所長 兼 主任研究員)

1987年京都大学経済学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)入行。経済調査部、日本経済研究センター出向を経て、93年日本総合研究所入社。2003年調査部経済研究センター所長、05年マクロ経済研究センター所長を経て、07年より現職。

   雇用問題について、各党が次の選挙で説明しなければいけないことは、正規・非正規労働者の問題について、どのような形で労働市場を形成していくのか、ということだと思います。非正規労働者を極力少なくし、正規労働者中心にした労働市場にするのか。それとも、非正規労働者が一定程度いることを前提として、正規・非正規労働者の格差を是正し一種の同一労働・同一賃金でやっていくのか。基本的にはそのどちらかになると思います。しかし、そのどちらかを主張するだけではダメで、それをどうやって実現していくのか、その手段も示す必要があります。前者の場合、正社員の雇用にメスを入れ、正社員の解雇を自由にする代わりに、手厚い職業訓練が受けられるようにする、デンマークタイプが考えられます。後者は、職種別労働市場をベースに作るというのが私の回答ですが、単に法律で規制するとかお題目で言っているだけでは実現性はありません。到達点として雇用市場をどういう形にしていくかというビジョンを出し、どうやって実現していくのかを示すことが重要です。
   次に、セーフティネットについては、職を失った人が最終的に安定的な雇用を得るため、受け皿産業を作り、それを意識した職業訓練のプログラムをつくることが必要です。しかし、現状では、どちらも整備されていません。各党は、非正規労働者や自営業者で雇用保険の対象外の人や、雇用保険に加入していても既に切れてしまった人等、セーフティネットから漏れる人がいないような制度の創設の道筋を、今回の選挙で提起するべきです。
  一般に、失業・無業に関わるセーフティーネットには3つの類型があります。ひとつは雇用保険、二つ目は失業扶助、三つ目は生活保護です。原理原則で言うと、雇用保険は正規社員を含む常用雇用に近い人たちが、ある程度拠出しながら運用されています。その人たちが一時的に失業したときに支給があります。失業扶助は、失業保険から漏れてしまった人で、働く能力も意思もある人が対象ですから、職業訓練が同時に付されます。働くことができない場合、例えば、無年金の高齢者世帯や、幼い子どものいる母子家庭などのケースは生活保護の対象になりえます。
   日本の場合、生活保護を受けるための要件がすごく厳しく、地域によっても違います。生活保護を受けるためには極貧にならなければならず、一旦生活保護を受けた後は貯金することもできず、結果としてずっと生活保護を受け続けることになります。もう少し生活保護の給付の要件を緩和して、本当に困ったときに一時的に給付を受け、解決したら生活保護から出て行くという仕組みが必要です。今回、失業扶助の仕組みがとりあえず創設されましたが、欧州諸国などと比べて十分整備されたものとはいえないのが現状です。
   上記のように、セーフティネットには3種類ありますがそれぞれ不十分です。これらを、どう組み合わせて、穴のないセーフティネットにするか、どれくらい再就職させるのかという数値目標や達成年度も入れて各党は国民に示すべきだと思います。

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