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2009年衆議院議員選挙 マニフェスト評価(政治とカネ) 印刷 Eメール

 

argaiv1089

  項目 自民党 民主党
形式要件
(40点)
理念(10点)  5 6
目標設定(10点)  4 5
達成時期(8点)  4 5
財源(7点)  0 0
工程・政策手段(5点)  2 3
合計(40点)  15 19
実質要件
(60点)
課題抽出の妥当性(20点)  15 3
課題解決の妥当性(20点)  6 3
指導性と責任(20点)  3 10
合計(60点)  24 16
合計(100点)   39点  35

 

<評価の視点>
次期選挙のマニフェストで問われる課題
①政党本位の党改革を実行しようとしているか
②政治資金の収支の透明性を改善しようとしているか

<マニフェスト>
⇒自民党と民主党のマニフェスト比較表はこちら
<今回の選挙で問われる論点とは>

岩井奉信
(日本大学法学部教授)

   政治資金の問題について考える際に基本となるのは、規制よりも情報公開が課題だということです。要するに政治資金の収支報告も全面公開していくというやり方が第一です。
   そもそも日本の政治の最大の問題は政治家中心型であったという点で、そういう政治を続ける限り、カネの問題は当然出てきます。1994年の政治改革は、政党本位=政策本位にしようという考えのもと行われました。
⇒全文を読む


谷口将紀
(東京大学大学院法学政治学研究科准教授)


   政党は、政治とカネの問題について、3つのことについて示す必要があると思います。1つ目は、企業・団体献金についての透明性をどう図るかということです。
⇒全文を読む
<政策にかかる現状と課題>
   現在問題となっている「政治とカネ」と「世襲」はともに、政党の組織構造が脆弱で、政治家が個人後援会をベースにその活動を行っているということにその構 造的な原因がある。中選挙区制のもとでは、政党ではなく個人後援会をベースにした政治活動・選挙活動が行われており、政治家は個人・派閥単位で活動資金を 集める必要があった。そして、このような政党の組織構造は小選挙区制の導入を含む、90年代の一連の政治改革を経た現在でも変わっていない。確かに94年 の政治改革関連法案の成立によって、「政党本位」の政治を目指す改革が行われた結果、現在までに政党における派閥の重要性は低下してきたと言える。しかし ながら、選挙区レベルに目を向けると、政治家はいまだに中選挙区制のもとでと同様に個人後援会をベースにした選挙活動を展開している。加えて政党の財務基 盤が脆弱であるために、政治家は依然として政治活動資金を自前でまかなう必要がある。その結果として、不明瞭な政治資金の問題は現在も後を絶っていない。

⇒全文を読む

 

<評価結果>
自民党マニフェスト評価 民主党マニフェスト評価
【形式要件についての評価】 15点/40点 【形式要件についての評価】 19点/40点
   「個人献金についての税制優遇」、「政治資金のあり方について結論を得ること」それぞれについて「幅広く国民の支持を求める」こと、「政治資金の透明性を一層確保する」ことが目的として挙げられているが、最大の目的であるはずの「政治への信頼回復」は目的として明記されていない。世襲制限を含む党改革については「国民本位の政治を実現する」ことや「幅広く将来性のある人材を求め」ることが目的として記載されている。(5点/10点)
   「個人献金に対して税制上の優遇措置を講じること」「脱法行為の防止策を含め、政治資金制度のあり方について、1年以内に結論を得ること」など、政治資金問題に関しては政策として非常にあいまいなものしか提示されていない。一方党改革については、世襲制限や候補者獲得のための「特別職員制度」の導入など提示されている政策数は多いものの、具体的内容については不明確なものが多い。(4点/10点)(2点/5点)
   世襲制限についてのみ「次回の総選挙から」という導入時期が明記されている。(4点/8点)
   財源に関する記載はない。(0点/7点)
   マニフェストにおいては「企業団体献金・世襲を禁止」することの目的として「政治不信を解消」し、「多様な人材が政治家になれる環境を整備する」ことが掲げられている。(6点/10点)
   党改革についてはなんら記述がないものの、政治資金については「政治資金規正法の改正」と「その3年後からの企業・団体の献金及びパーティー券購入禁止」が当面の措置と合わせて示されている。また政策集である「政策インデックス」には世襲制限の導入を2009年総選挙からとすることなども明記されている。このように明確な目標設定もあるが、「企業団体献金・世襲廃止」以外の政策について達成時期は明示されていない。(5点/10点、5点/8点、3点/5点)
   財源については触れられていない。(0点/7点)
   
【実質要件についての評価】 24点/60点 【実質要件についての評価】 16点/60点
「課題抽出の妥当性 15点/20点」
  政治資金・世襲問題はマニフェストの「行政改革・政治改革」のなかに位置付けられている。そこでは政治資金の透明性だけでなく党改革を行うことが明示されており、政党のあり方全体を改革しようとの姿勢が見て取れる。特に、次回総選挙から導入するとしている「世襲制限」は、自民党において主流の「個人後援会依存型選挙」をやめることに直結するため、自民党にとって非常に挑戦的な政策であると考えられる。
「課題解決の妥当性 6点/20点」
   政治資金のあり方については「1年以内に結論を得る」とされるのみで、政治資金の収支両面に対する具体的な政策は提示されていない。また、政党本位を目指す政策はある程度並べられてはいるものの、具体的手段や工程が明らかにされていないものがほとんどである。世襲については、これを制限する一方で「特別職員制度」の導入など代替的な政治家リクルートの仕組みを提示しており、このことは、世襲制限が単なる人気取りではなく政党のあり方を見直すための政策となっていることを示している。
「指導性と責任 3点/20点」
  政治資金についての政策の記述が非常にあいまいで具体性を欠いていることに加え、これまで麻生政権が政治資金の問題に取り組む姿勢を示してこなかったことからも、政治資金問題における自民党の指導性は疑わしい。また、自民党にとって「世襲制限」を掲げることは、非常に挑戦的であるためかえってその実行性には疑問が残る。

「課題抽出の妥当性 3点/20点」
   マニフェスト全体の中で政治資金の問題は1つ目の重要施策「ムダづかい」のなかに位置付けられており、目標と政策手段が結びついていない。また、2007年の法改正後も依然として抜け道の多い支出面の問題をいかに解決するかについてはなんら触れられていないうえ、そもそも民主党は政治資金問題の根本的解決のための党改革の必要性に対する課題認識を示していない。
「課題解決の妥当性 3点/20点」
   「企業団体献金・世襲の禁止」自体は国民にとってわかりやすい政策であるが、それらを禁止する代わりに、どこから資金を集め、またどこから政治家をリクルートしてくるのかといったことまで含む政策体系とはなっていない。代わりの収入源については「個人献金を普及促進するための税制改革を実施する」と述べられてはいるものの、個人献金を企業献金の隠れ蓑に使われることを防ぐことができないというのが実情である。すなわち、政治家個人本位の活動が続き、政治にお金がかかるという支出面での現実が変わらない以上、収入面を制限するだけでは資金の流れをむしろ複雑化させてしまう可能性があるということである。そしてそのように個人献金がいくらでも偽装されうることは6月に起きた鳩山氏の「故人献金」問題が如実に物語っている。
「指導性と責任 10点/20点」
   民主党は自民党と比べれば、活動資金に占める企業・団体献金の比率が小さいためそれらの禁止を実現することは比較的容易であると考えられる。また世襲についても、自民党ほど後援会に依存して政治活動を行っていないため、禁止することは可能だろう。しかしながら、鳩山代表の「故人献金」問題が未解決のままであり、かつそれは「企業・団体献金の禁止」で解決できるものではないことから、民主党が政治資金の課題解決に指導性を発揮できるかは大いに疑問が残る。

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