Payday Loans
   
「未来選択」は言論NPOが運営するマニフェスト評価専門サイトです。
【メイトになると最新情報】がメールで届きます。
言論NPO

 

2012年衆院選対応「未来選択」新サイトオープン

 2012年衆院選対応の「未来選択」はこちらに移動しました

言論NPOとは

日本のメディアや言論のあり方に疑問を感じた多くの有識者が、日本の主要課題に対して建設的な議論や対案を提案できる新しい非営利のメディア、言論の舞台をつくろうと活動を始めた認定NPO法人です。
⇒詳細はこちら

▼参加したい方はこちら


▼言論NPOのツイートはこちら

▼お問い合わせはこちら

政策にかかる現状と課題(医療) 印刷 Eメール

   医療システムについて日本の政治に突きつけられている最も大きな課題は、高齢化に伴い医療費が急増する中で、それを現役世代が支えるという構造がかなり厳しくなっていることである。
   08年に創設された後期高齢者医療制度も、老人医療費を中心に国民医療費が増大する中、老人保健制度に代わる制度として、現役世代と高齢者の負担を明確にして公平でわかりやすい制度とすることを目的に作られたが、その財源での保険料収入の割合は1割程度に過ぎず、残りは他の保険組合からの支援金と税によって賄われている。
   この制度が、創設直後から見直し論議に迫られたのは、高齢者の負担に関する説明不足や誤解、制度の名称の問題、年齢による強制加入などにより、高齢者の心情を害したとの理由からである。政府は2008年度、2009年度の補正予算で、こうした高齢者への配慮から加入者の保険料などの負担を軽減・凍結する措置がとられているが、これらの措置は高齢者の反発を抑えるために、現役世代もさらに負担を行なうことを意味している。
   ただ、本質的には財源面での現役世代の負担の限界という問題があり、医療費の増大が続く中でその支え合いの構造をどう持続させるのか、に問題の本質がある。
   08年年度の推計では、組合管掌健康保険と協会けんぽ、共済組合は後期高齢者医療制度に計4.6兆円、また65歳から74歳までの前期高齢者交付金(国民健康保険)に2.3兆円もの支援金が流れており、この負担の重さもあり、各保険組合の廃止という事態も招いている。
   今回のマニフェストでは、この後期高齢者医療制度について、自民党と民主党がそれぞれ「改善」と「廃止」と異なる約束を掲げている。自民党は高齢者の心情に配慮して制度の見直しを提起し、民主党は廃止を主張している。ただ民主党の場合、新しい仕組みを提起したわけではなく、前の老人保険制度に戻るための税金での支援を提起しているだけである。
   ここでの評価は、こうした政党側からの提案がどのように保健医療財政に持続性の答えを出したのかで評価をされなくてはならない。
   日本の医療に問われているもう一つの課題は、医師不足や地域医療崩壊の問題である。
   社会保障国民会議では、2007年の時点で34兆円であった日本の総医療費が、2025年には66兆円まで増大すると推計されている。
   そのため、これまでの政府の対応は急増する医療費をどう抑制するか、に貫かれていた。
   日本の総医療費の対GDP比は2006年の時点で8.1%と、OECDの30カ国中21位で、G7では最も少ない。その点では現場の医療関係者の献身的な努力により支えられてきたという状況が日本の医療にある。にもかかわらず、2002年の診療報酬のマイナス改定がさらに負担を強め、これが医師不足や地域医療の崩壊につながった。
   2002年の診療報酬マイナス改定をきっかけに5万人近い医療従事者が失職したが、その事務を医師が引き受けることで医師の過剰労働が深刻化し、勤務医の辞職を促した。この結果として、お産難民や救急車のたらい回し、地方病院の閉鎖などが発生し、十分な医療サービスが提供できなくなった。現在はほぼ全ての病院が赤字経営を強いられ、医師の過剰労働と病院労働者の低賃金に支えられて運営されている状態にある。
   ここで政治が取り組むべきポイントは医師不足と地域医療の再生であり、これらについてどのようなビジョンをもって設計するかが問われている。
   これまでの医療行政は、部分的な手直しの連続とも言える。官庁のプランは医師会など利害当事者間で調整して成案化される。
   医療崩壊の現実もそれを政府が正式に認めるのは、福田政権以降となる。これを、患者本位での課題解決につなげるためには、政府の政策決定の仕組みを政治主導に変え、政府レベルで体系的、整合的にプランを立案し、国民の理解を得た上で、リーダーシップを発揮してこれを推進する必要がある。
ここでは医師不足と地方病院の崩壊という課題に政党がどのような解決案を提起するのか、を問うことになる。

argaiv1130

⇒前のページに戻る