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政策にかかる現状と課題(雇用) 印刷 Eメール

   現在の雇用面における日本の最大の問題は、非正規労働者の大量失業である。08年のリーマンショックに端を発した世界規模の経済危機が日本に波及すると、企業の雇用調整が進み、非正規労働者の雇い止めを行う企業が増加した。厚生労働省「非正規労働者の雇止め状況について(7月報告)」によると、08年10月から09年9月までに解雇等実施ないし解雇等見込みの非正規労働者はのべ約23万人に達している。
   これまで失業者のセーフティーネットである雇用保険は常用雇用者を被保険者としてきたため、非正規労働者の多くは失業した場合のセーフティーネットが存在しなかった。また、非正規労働者は企業で職業訓練を受ける機会が乏しかったために、職業能力が低いことが多く、労働市場に復帰することができないという問題もあった。そこで、非正規労働者のセーフティーネットを構築し、職業能力の低い彼らを再び労働市場に戻すための仕組みを構築することが第一の課題となった。
   政府は、雇用保険の被保険者の範囲を一年の雇用見込みから半年の雇用見込みにまで拡大して、非正規労働者に対するセーフティーネットを広げた。さらに雇用保険の対象外となる失業者に対しては、平成21年度補正予算に7000億円が計上され設置された「緊急人材育成・就職支援基金」(3年間の時限措置)により、7月から職業訓練を条件とした給付を行う「緊急人材育成支援事業」が実施されている。
   第二の課題は、雇用の創出である。景気悪化により雇用情勢は大幅に悪化し、今後短期間で雇用が回復する見込みはない。そこで、政府は、従業員の雇用を維持する企業に対して助成する雇用調整助成金の拡充を行うことで、雇用の維持をはかった(09年6月は従業員238万人分の利用申請)。また地方公共団体に「ふるさと雇用再生特別交付金(2500億円)」、「緊急雇用創出事業」(4500億円)を設置し、地域の雇用機会の創出の支援、一時的なつなぎ雇用を実施している。しかし、これらはいずれも次元的な措置であり、安定的な雇用に結びつくものではない。これら大量の失業者に対し、一時的ではない新たな雇用の受け皿を確保することが課題となっている。
   第三の課題は、今後の労働市場の設計である。99年の派遣法改正により、労働者派遣は原則解禁になり、04年の派遣法改正で製造業派遣も解禁されるなど、90年代以降非正規労働者が増加した。非正規労働者は正規労働者よりも一般に労働環境が悪く、正規労働者になれば生活していけても、非正規労働者となると生活していけない、というように正規・非正規には「格差」が存在している。かつての労働市場は正規雇用が中心であり、こうした「格差」の存在は大きな社会問題とならなかったが、今や非正規労働者が雇用者(役員を除く)の三分の一を占めるまでになり(08年は雇用者に占める非正規労働者の割合は34.0%)、「格差」が無視できないものとなった。こうした「格差」の存在を踏まえて、今後の労働市場のあり方を、かつてのように正規労働者中心とするか、正規・非正規労働者双方が共存するものとするか考える必要がある。前者ならば、それがグローバル化時代の国際競争において現実的なのか、後者ならば、現在正規労働者と非正規労働者の間に存在する「格差」の是正をはかる手段について説明する必要がある。
   したがって、次期選挙のマニフェストでは、失業した非正規労働者に対するセーフティーネットをどう構築し、職業能力が低い非正規労働者をどう労働市場に戻していくか、そしてそうした失業者に対する雇用をいかにして創出するかが問われている課題である。さらに、非正規労働者が増加して、労働市場が正規労働者と非正規労働者に「二重構造」化していることを踏まえて、両者の間に存在する「格差」をどう是正し、労働市場をどうしていくかも同様に問われている課題である。

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