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選挙で問われる論点とは(環境:松下氏) 印刷 Eメール

松下和夫
(京都大学大学院地球環境学堂教授)
1948年生まれ。72年から環境庁勤務、また国連地球サミット事務局、地球環境基金部長、財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)勤務などを経て、2001年から京都大学大学院教授として地球環境政策を教える。地球環境問題、特に地球環境政策・国際環境協力に深くかかわり、環境行政と政策研究に従事。著書に「環境政策学のすすめ」、「環境ガバナンス」など。

   地球環境政策に関して今の政治に問われていることは、「低炭素社会」という新しいパラダイムシフトに対して、整合性のある政策パッケージを出すことです。たとえば、アメリカのオバマ大統領のチームは、金融危機、エネルギー危機、環境危機に対する方策として、再生可能エネルギーなどに戦略的に投資し、新産業をおこし雇用を増やし、国際競争力を上げるための整合性のある戦略的な政策をパッケージとして出しています。
   まずはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)などが出している科学者のメッセージを真摯に受け止め、温室効果ガス削減に関する中期(2020年)、長期(2050年)に関する堅実な目標を設定することです。IPCCでは危険な気候変動の影響を避けるためには、先進国は2020年に1990年比で25-40%の削減が必要であるといっています。
   次にそのような目標を達成し、環境に投資することを通じて社会を活性化するために、社会の仕組みや税制を改革することです。具体的には世界的な趨勢となっている総量抑制(キャップ)つきの国内排出量取引制度を、導入時期を定めて具体的な検討を進めること、温室効果ガスの量に応じて税金を負担してもらう温暖化対策税の導入が急務です。温暖化対策税の税収は雇用や福祉に回すことも考えられます。また導入が遅れている再生可能エネルギーについては、導入拡大に効果が実証されている固定価格買い入れ制(FIT)を、家庭からの太陽光発電の余剰電力だけに限定せず、風力や小水力、地熱などすべての再生可能エネルギーを対象として実施することです。
   現在日本で導入されている「省エネ家電」や「エコカー」への補助金は、短期的な景気刺激策としては効果が期待できるものの、補助金には限りがあり、長期的に持続可能な社会の構築にはつながらない恐れがあります。また高速道路料金の引き下げや無料化は、汚染を増やし公共交通を破壊し低炭素社会に逆行するものです。むしろ公共交通の促進策や交通弱者への配慮を進めるべきです。ガソリンの暫定税率の廃止の議論も、あくまで環境税導入などエコロジカルな税制改革と一体で議論すべきで、暫定税率廃止だけを先行させるべきではありません。
   今まさに求められているのは、環境に戦略的に投資を行うことによって、新たな緑の雇用と成長産業を育成し、クリーンなエネルギーの確保や地域振興を図ることです。その際、現在の日本が抱える地域間格差や限界集落の衰退、農業の再生、里山・里地の維持・復活、都市の再生などの課題の解決にも寄与するような工夫が必要です。そのような意味で、直ちに取り組むべき課題として、公共交通整備、建築物の断熱化・耐震化、再生可能エネルギーの拡大、間伐等の森林整備とバイオマス利用、などがあります。
   地球環境に関する国際交渉においては、国内でしっかりとした目標をもち、政策を実施している国がリーダーシップを発揮することが出来ます。豊かで安定した低炭素社会への明確なビジョンと目標、そしてそれを確実にする政策を持つこと。そのためには、整合性のある財政支出と仕組みづくりができる賢い政府と、環境制約を認識し高い環境目標に挑戦し、低炭素社会へのイノベーションを展開できる企業家精神との組み合わせが望まれます。

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