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「マニフェストの読み方」を解説します 印刷 Eメール

   マニフェストを評価するためには、2つの視点からマニフェストを読み込む必要があります。
    ひとつは約束としての体裁を整えているのか、ということです。これを私たちはマニフェストの形式基準と呼んでいます。
    ここでよく話題になるのは数値目標です。実現すべき目標がスローガンのように具体性や明確さを欠いてしまうと、約束としてそれが実現したかを判断できません。だから、明確な目標は約束にとっては必要な条件となります。
   ただ、ここで気をつけるべきなのは、数値目標だけでは、国民との約束としては十分ではなく、むしろばら撒きリストに変わってしまう「落とし穴」があるということです。
   私が今回の選挙で、これはまずいな、と思ったのは、その政策の目的が明らかにされないまま、様々なサービスのメニューやサービスの目標だけが競われた結果、マニフェストが国民との約束というよりも、単なる支出リストに変わってしまったことです。
   支出には当然、その財源が必要ですから、選挙戦ではその財源をどうするのかということについて、激しいやりとりがありました。しかし本来は、何のための政策なのか、つまり政策の目的を明らかにしたうえで、目標や政策手段がどうなのかという議論をすべきなのです。
   マニフェストがなぜばら撒きのリストに変わるのか。ここで明らかになったのは、マニフェストには数値目標だけではなく、政策としての体系性が必要だということです。では約束の体系性と何なのでしょうか。

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   言論NPOでは5年前に評価を開始してから、約束としての形式的な要件を満たすものとして、5つの評価項目に沿って、点数を分野別に公開しています。今回の「未来選択」のサイトにも、それがしっかりと書かれていますので、そのチェックからしてみてはいかがでしょうか。

   私たちが評価項目として採用しているのは、まず①なぜその政策が必要なのかという目的や理念が説明されているのか、ということ。そして、その目的を実現するための②目標とそれを実現するまでの③期限や工程、さらにそれを実現するための④財源や⑤政策手段が書かれているのか、という5項目です。それらの政策の体系がそろって初めて、マニフェスト約束としての十分なものであると判断できるという構成になっています。
   具体的に説明すると、たとえば民主党は、高速道路の無料化や揮発油税の暫定税率の廃止を掲げました。高速道路の料金が下げる、暫定税率をなくすという約束は具体的だし、その約束が実現できたかという結果は測定可能なものです。その点では目標は明確だと言えます。
   しかし、この2つの政策の目的は何なのでしょうか。料金などの引き下げは車の利用者にとっては朗報ですが、車社会に優しい政策は環境にはマイナスになります。また高速道路が料金収入で、過去の債務を負担している、ということを考えると、料金を下げた分は、租税でその穴を工面する、ということになるわけです。また環境にとってはマイナスになるので、その負担は一般の納税者が肩代わりすることになりますが、マニフェストではそのことには触れていません。ただ、無料化すること自体が目的なのです。さらに暫定税率はなくすけれども、必要な道路はつくると言っています。
   自民党のマニフェストも同じようなものです。料金を1000円にするということなので無料化ではありませんが、その根拠と財源の説明はありません。
   マニフェストでは明確な目標が書かれてはいますが、政策の目的や財源が体系的に説明されないために、単なるサービスリストになってしまう。これを、約束に基づいたマニフェストと呼んでいいのか、という問題があるのです。

   ここまではマニフェストの約束としての体裁に関する形式的な評価を説明しましたが、私たちは、こうした形式的な要件だけでマニフェストの評価を行っているのではありません。
   より重要なのは中身を吟味する、つまり、政策としての妥当性を判断することです。マニフェストを体裁ではなく、実質的に評価するということになります。ここにもいくつかの評価基準があります。「未来選択」では各政策分野の評価が、評価項目に沿って、説明されています。

   簡単に説明しますと、まずマニフェストに書かれる政策は、日本が抱えるそれぞれの分野の課題に対する解決策を提起していないと、約束にはならないということです。そのためにはまず、現状や課題をどう認識するのかを明らかにする必要があります。それが間違ってしまうと、課題解決の処方箋以下が、全て間違ってしまうということがあり得るからです。マニフェストを評価する以上、評価する側が、その課題に対する認識を明らかにしたうえで、その政策の妥当性を判断する必要があるということです。
   この「実質要件の評価」は、以下の4項目をもとに行っています。
   ひとつ目は、課題抽出の妥当性です。ここではマニフェストで書かれているそれぞれの約束が、今の政治が取り組むべき課題として妥当なのか、上位の理念や目的などからみて、その課題の抽出自体が妥当なのかということを判断します。
   2つ目は、課題解決の妥当性です。ここでは、課題解決の処方箋としてそれぞれの約束を見た場合に、目標と手段の混合はないか、目標や手段は課題解決の観点から適切か、目標と政策手段は整合的で、手段は目標達成のために適切なのかということを判断します。
   3つ目として、課題解決に政治がどれだけ責任を持って取り組むのか、その指導性を問います。ここでは個別の約束が、マニフェスト全体で見た場合、明確に位置付けられ、かつその実行が担保されていること、さらに、マニフェストに書かれている個別の約束の実現と他の政策課題とに整合性があり、矛盾はしていないかなどを判断します。
   以上、「実質要件」を評価する際にはかなり専門的な視点が必要になります。これらの項目についてはそれぞれに全て配点が決まっており、それらを集計して、言論NPOの評価点が決まっているのです。

   言論NPOが今月立ち上げたマニフェスト評価専門サイト「未来選択」では、まず政策を評価するにあたっての「視点」を明らかにし、そのうえで評価の結果を公開しています。つまり、言論NPOの評価は、政策の背景がよくわかるようになっているのです。背景を理解したうえで、皆さんも一緒に評価を考えてみよう、という構成になっているわけです。
 

⇒マニフェスト評価(総論)はこちら

⇒2009年マニフェスト評価基準はこちら