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実績評価(医療) 印刷 Eメール

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  医療政策における評価の視点は、大きく次の3つである。第1に、課題把握の適切さと国民への充分な説明である。民主党は、医療保険制度の抱える課題を適切に把握し、説得力をもって国民に説明しているであろうか。第2に、そうした課題の解決策の提示である。現在の医療保険制度の構造は、先ず、保険制度としては、もっぱら大企業の被用者が加入する組合管掌健康保険(組合健保)、中小企業の被用者が加入する協会けんぽ、公務員などが加入する共済組合、これらに加入しない国民が加入する国民健康保険(国保)に分立している。これら現役健保が、税とともに、後期高齢者医療制度加入者および国保に加入している前期高齢者の医療費を支える構造になっている。次に、価格決定システムとしては、中央医療協議会(中医協)による価格であり、さらに、医療サービス提供体制は、民間病院および診療所のみならず、公的病院によっても担われている。民主党の掲げる課題は、こうした医療保険制度の構造を根本的に変えることではじめて解決されるのか、それとも、既存の構造の枠組みのなかで修正を加えれば解決されるのであろうか。

 第1と第2を構造問題と分類すれば、第3は、新型インフルエンザへの対応など、喫緊の課題への対応であり、これらが迅速的確に行われているかどうかを問う。 

 

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■実績評価(17/40点) 

 民主党政権においては、診療報酬プラス改定や医学部定員数拡大についての文科省などの予算確保など、自らマニフェストで掲げた政策を着実に実行している。しかし、それらがどういう全体設計や目標を掲げて政府で取り組んでいるのか判断ができない。診療報酬については10年ぶりのプラス改定を実現しているとはいえ、改定率はわずか0.19%にとどまっており、さらにそれは▲1.36%もの薬価引き下げによって成り立っている。これによって中核病院に対して4,000億円程度の医療費の増額、配分の見直しを行い、医療提供体制改善に取り組むといった対応は形式的には評価できる。ただ、この措置が医療体制整備の全体目標の中でどう寄与したのか、財源や医療費の抑制策があわせて国民に説明されない限り、これらは単なる医療価格の上昇としか判断できなくなる。後期高齢者医療制度については廃止後の新制度として高齢者医療と市町村国民健康保険の一体的運営を図る案が現時点では有力であるが、新制度への移行により何が変わり、受益者にとって何がどう良くなるのかといった点は明確ではない。医師不足の問題についても、東西で偏在する医学部を一律に論じても本質的な課題とはならないにもかかわらず、実態把握に基づいた医学部新設等の動きにつながっていない。また、新型インフルエンザへの対応については前政権からの対策を引き継いで「予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を提出しているが、今国会での成立はなされていない。総じて適切な医療の実態や課題認識のもとでの医療政策全体のビジョンが政府として提起されていない。医療費の効率配分が求められる中で、医療保険財政を含む中長期的な展望に民主党政権はまだ答えを出しておらず特に若い世代にとっては多くの不安要素を残す形で政策が進められている。したがって実質的には高い評価は与えられない。

 

 

■実行過程(10/30点) 

 まず、医師数の増加については民主党マニフェストでは触れられているが、三党合意や所信表明、施政方針では明確には触れられておらず、政府としての約束になっていない点は評価できない。また、前政権は「政治主導」を掲げ、診療報酬の決定を行う中医協の運営や構成などの在り方自体を見直す方針を掲げているが、メンバーの交代はあったものの本格的な改革論議は先送りされている。また、医療政策は厚労省と文科省の所管分野にまたがっており、トータルプランとしての医療政策が国民の目から見えにくいことが従来から指摘されているが、省庁を超えた大きなシステムの構築に向けた動きは現政権に見られない。

 

 

■説明責任(5点/30点)

 そもそも「医療崩壊」の実態や、医療サービスとそれに伴う医療財政という医療政策全体の骨格やビジョンについて、受益者である国民に対して十分に説明がなされているとはいえない。また、少子高齢化が進展し、社会保障費が年々増加の一途をたどる中で、医療費の効率配分という課題は喫緊の課題であり、その抑制をしない以上国民の負担増の議論は避けられない。長妻大臣は、財源問題は避けて通れないと述べているが、「税金や保険料を無駄なく有効に使う」という抽象的な答弁に終始し、長期的な展望への取り組みとそれに対する説明責任は果たしていない。