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実績評価(高速道路) 印刷 Eメール

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 民主党はかねてから高速道路無料化を掲げており、マニフェストでは「高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る」として、「割引率の順次拡大などの社会実験を実施し、その影響を確認しながら、高速道路を無料化していく」ことを具体策として挙げていた。また、民主党政策集(INDEX2009)では高速道路無料化の目的に関して、①生活コスト・企業活動コストの引き下げ(最大2.5兆円の国民負担の軽減が可能、家計消費増や企業の設備投資・賃金引き上げ等で内需拡大)、②地域活性化(生活道路、地域道路としての利用、サービスエリア・パーキングエリアの活用を含む観光産業活性化など)、③温暖化対策(渋滞の解消・緩和、CO2の発生抑制など)、④ムダづかいの根絶(バイパス建設抑制による財政負担の軽減など)と明記した。


 ここでは、高速道路無料化がどのような過程を経て実現され、具体的に何が成果として結実したのか、そして高速道路無料化が本来の目的に適った政策であるかどうかを問う。それに加え、高速道路整建設が民主党の公共事業政策と整合的かということも評価の視点とする。

 

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■実績評価(15/40点) 

 

 民主党はマニフェストでは、割引率の順次拡大などの社会実験を実施しながら高速道路無料化を段階的に実現することを掲げた。22年度予算では1,000億の財源を確保したうえで6月から一部路線について無料化の社会実験を実施しており、形式的には評価できる。しかし、予算は概算要求の6分の1にとどまり、実験対象は首都高、阪高を除く全体延長に対する比率として2割以下と、当初の計画を大幅に下回るものとなっている上に、24年度以降の本格実施に向けた今後二年間のロードマップは明らかにされていない。そもそも、無料化の第一の目的として民主党は家計及び企業のコスト削減に伴う内需拡大を謳っているが、その財源は国が国債によって肩代わりして、将来世代へ負担を移転することを意味する。また一方で、4月9日には無料化に合わせて高速道路の新料金制度導入が発表されたが、当初約束した6月実施は見送られている。現行の各種割引は23年3月まで維持されるが、ほとんどの区間で実質的な値上げとなり、新制度の達成期限は設定されていないことからも、目的に対する妥当性という観点からは評価が下がる。

 公共事業における道路整備については、民主党はマニフェストで公共事業に係る7.9兆円の予算(21年度)から1.3兆円を削減することを掲げていたが、22年度の道路整備予算だけですでに前年度比25%減(▲1兆2,464億円)を削減しており、形式的には評価できる。一方で、現在は債務返済機構が保有し、高速道路の利便促進事業に使うことが定められている3兆円の高速道路債務につき、道路特財法の改正案が成立すれば(継続審議)、この配分が高速道路の新規整備やインターチェンジ等の整備事業に充てられることになる。22年度予算では道路整備費を大幅に削減したにもかかわらず、利便増進事業によって新たな高速道路整備を行うことは、「コンクリートから人へ」という民主党の方針と矛盾し、政策の一貫性に欠ける。

 

 

■実行過程(5点/30点)

 高速道路無料化実現にあたって、社民党が無料化に反対したため、三党合意書では言及されず、民主党の約束を連立政権の約束にまで発展させることはできなかった。また新料金制度に関しては、小沢前幹事長が新料金案の見直しを迫り、政府・与党間で対立が生じた。道路建設に関しても、公共事業を縮小する流れが党の予算要望によって建設拡大に修正されてしまった。このように、党の意向によって政府の決定が揺らぐなど、政策決定メカニズムが機能していない。しかし、新料金の見直しについて首相は、国会に既に提出している法案であり、「国会の審議で見直すかどうかを決め」ていただきたいと述べるにとどまり、首相が十分にリーダーシップを発揮している形跡は見られない。

 

 

■説明責任(0/30点)

 マニフェストでは、2012年に高速道路の原則無料化を行うとしているが、10年度予算として1000億円の確保にとどまり、今後どのようにして予算を獲得しマニフェストを実行していくかは提示されていない。また、新料金制度を定める理由を「割引内容が複雑」だとしているが、利用者からそのような要望があったかは明確に示されておらず、料金設定についての説明は不足している。菅直人新首相は所信表明演説で高速道路無料化について全く言及しておらず、政府として説明責任を果たしていない。