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実績評価(政治とカネ) 印刷 Eメール

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 鳩山政権は発足当初から「政治とカネ」をめぐり、数々の大きな問題を抱えていた。09年の総選挙の前から、3月には西松建設の献金事件で小沢一郎代表(当時)の公設第一秘書が政治資金規正法違反容疑で逮捕され、その後代表に就任した鳩山由紀夫氏にも「故人献金」問題が浮上していた。

そのような状況の中で、民主党はマニフェストにおいて「ムダづかいをなくすための政策」として各種の政治改革を訴え、その中でも「企業団体による献金、パーティー券購入を禁止します」を強調して政治とカネの問題に取り組む姿勢を見せた。そこでは、「政治不信を解消する」、そして「多様な人材が政治家になれる環境を整備する」という2つの政策目的を達成するために「企業団体献金・世襲を禁止する」ことをマニフェストに掲げ、その下にいくつかの具体策も明記していた。そして、そのなかで民主党が特に強調していたのが、「政治資金規正法を改正し、その3年後から企業団体の献金及びパーティー券購入を禁止する」ことであった。

 しかし、政権発足後も、鳩山首相は実母からの9億円の資金提供が明らかとなったうえ、09年12月には政治資金規正法の虚偽記入の罪で元秘書が起訴された(実母からの寄付は、政治団体へのものなら政治資金規正法の量的制限違反になる見込みであったが、首相はこれを贈与として、09年12月25日には贈与税を支払った)。10年4月22日には、起訴されていた元秘書が禁固2年、執行猶予3年の有罪判決を受けている。また小沢幹事長も、石川知裕衆院議員ら元秘書3人が10年1月15日に逮捕、2月4日に起訴されている。このような、政権発足後に問題となった個別の事件については、当然ながらマニフェストに記載されていない。しかしながら、鳩山首相は09年10月の所信表明演説において「政治資金をめぐる国民の皆さまのご批判を真摯に受け止め、政治家一人ひとりが襟を正し、透明性を確保することはもちろん、しがらみや既得権益といったものを根本から断ち切る政治を目指さなければなりません。(中略)今後、政治への信頼を取り戻せるよう、捜査に全面的に協力してまいります」と語り、また2010年1月の施政方針演説においても「政治資金の問題については…(中略)…今後、政治資金のあり方が、国民の皆さまから見て、より透明で信頼できるものになるよう、企業団体献金の取扱いを含め、開かれた議論を行う」と表明した。

 「政治とカネ」をめぐる評価にあたっては、民主党がマニフェストで掲げている「企業団体献金・世襲の禁止」のほか、これら首相自身の演説を政権と国民との約束と考え、首相らが自身の問題に関して積極的な対応をしたかも含めて検討する。

 

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■実績評価(10/40点) 

 「政治不信を解消する」ことを政策目的として掲げた民主党の主な具体策は、「企業団体献金の禁止」などであったが、鳩山前政権はこの分野で何ら特筆すべき成果を出していない。唯一進展があったネット選挙解禁は、当初今国会での公職選挙法改正により参院選から適用させる方針であったが、鳩山首相退陣に伴って審議未了となり、成立は見送られた。そもそも政治資金の問題の原因は、党の組織構造が脆弱で個人後援会ベースで活動を行い、資金管理団体、政党支部、その他の政治団体の3種類の財布を巧みに使い分けることで、資金の流れが不透明化していることにある。小沢、鳩山氏の事例は企業団体献金の禁止や個人献金の促進だけでは抜本解決にならないことを意味しており、実質的にも低い評価とならざるを得ない。政権発足以前から大きな課題となっていた鳩山前首相や小沢前幹事長の政治とカネをめぐる問題では、6月2日の両氏の辞任に一定の評価を加えることができるが、これで幕引きを図ろうとする菅民主党執行部の姿勢には疑問がある。徹底的に「うみ」を出すというのであれば両氏が国会の場で説明に応じるだけではなく、政治資金収支の一層の透明化や「政党本位」の党改革に踏み切るしかないが、この9か月間にそうした動きは全く見られなかった。

 

 

■実行過程(0/30点)

 鳩山前首相は自らの政治資金問題や小沢前幹事長の政治資金問題の対応で一貫して消極的な姿勢を取ってきており、答弁を二転三転させた前首相の姿勢は、「政治不信を解消する」という自ら掲げた目標に逆行するものであり、かえって国民の政治不信を助長する結果となった。

 マニフェストで掲げられた政策については、ほとんど進展が見られない。鳩山前政権が政治資金改革に取り組む姿勢を見せたのは、1月28日に党政治改革推進本部の政治資金対策チームの初会合に出席したのが最初であり、政権発足当初からこの問題の動向が注視されてきたことを考えれば、遅きに失している。「企業団体献金の全面禁止」については、そもそも党内での意見対立がある上に、福島社民党党首がその必要性を強く訴える一方で、国民新党は消極的な姿勢を取るなど、閣内での方針の一致も見られない。結果として法案の提出を見送ることになったのは、党内や党の間の調整が不十分であったことがその原因であり、政党の約束を政府の約束に発展させ、首相がリーダーシップを発揮して実現に向けて動いた形跡は見られない。

 

 

■説明責任(5点/30点)

 政治資金については、過去に問題が発覚する度に国民の政治に対する不信感を著しく高めてきた。そうした経緯からも民主党政権にはこの分野で抜本的な改革が求められたが、マニフェストで掲げた具体策では実質的な解決策にはならないばかりか、鳩山前首相や小沢前幹事長両氏は自身の問題について、国民に対して真摯に説明することを避けてきた。鳩山前首相は退陣時には「政治とカネ」の問題にけじめをつけることをその理由の一つに挙げたが、これでこの問題が解決されたことにはならず、「政治不信を解消する」覚悟があるのであれば、改めて国民に説明を行うことが求められる。また、「企業団体献金の全面禁止」をはじめとする各政策に主だった進展がなかったという点については、なぜその具体化が進まないのか、国民に説明する必要がある。