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実績評価(環境) 印刷 Eメール

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 環境政策での鳩山政権の評価は、「ポスト京都議定書」の枠組みづくりのためのCOP15及びそれに向けた国際交渉とその後のフォローアップにおいて、主導的な役割を果たすことができたか、更に温室効果ガス削減に向けた中期目標(2020年)と長期目標(2050年)を達成し、低炭素社会への移行の裏づけとなる国内制度構築は進んでいるか、を中心に行う。

 民主党は先の衆議院でのマニフェストにおいて、1990年比25%削減という中期目標を掲げるとともに、「キャップ&トレード方式による実効ある国内排出量取引市場の創設」、「地球温暖化対策税の創設」、「全量買い取り方式の再生可能エネルギー固定価格買取制度の導入」など、欧米において主要な流れとなっている手法を取り入れて、地球温暖化対策に実効性を持たせようとしていた。また、民主党政策集(INDEX2009)では、これらの個別政策の根拠となる「地球温暖化対策基本法」の創設を掲げていた。それ以前の自民党政権においては、産業界の自主行動計画と国民への呼び掛けによる省エネという実効性の弱い政策に頼っており、麻生政権においては2020年までの目標として「2005年比15%減」と提起していた。それと比較すると、民主党の中期目標や個別の政策は、気候変動防止という観点からより妥当なマニフェストを提示していたといえる。

 しかしながら、マニフェストにおいては政策の導入時期や具体的な内容には踏み込んでおらず、その目標を達成するための道筋が描けているとは言い難い。また、環境・エネルギー政策においては環境省と経産省の縦割り行政と所掌争いが激しいため、それを克服し、一元的な政策実行が進められるかどうかが問われている。そして、低炭素で持続可能な社会に移行するため、産業界や労働界を説得し、政権として環境と経済を統合した整合的な政策を省庁横断的に実行することも課題となっている。今回の評価はマニフェストの実行段階を評価するもので、その際にはマニフェストで掲げられた目標を達成するために、どのような体制が整備されたのか、それに関する政治のリーダーシップも合わせて評価する。

 

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■実績評価(24点/40点) 

 鳩山首相は、前政権と比較して大幅に踏み込んだ内容である鳩山イニシアチブや「25%削減」を国際的に表明し、米中が数値目標を提示することにも一定程度寄与した。国内制度については、排出量取引制度・地球温暖化対策税・固定価格買取制度といった、規制的手法や経済的インセンティブにより削減に実効性を持たせるべく、これら個別政策を盛り込んだ地球温暖化対策基本法案を提出したことは評価できる。しかし、同法案は国会の閉会とともに廃案となっており、国内制度の構築は立ち遅れている。そもそもこの法案には、まず中期目標に「すべての主要国の参加」という前提条件が付いているが、現状での国際合意は困難と見られており、このままでは中期目標が確定せず、排出量取引制度の排出総量を決められない。また排出量取引制度は「キャップ&トレード」を基本としつつも産業界の要望を背景として「原単位方式」の導入も検討するとされている。原単位方式では、目標が達成できても生産量が増えれば排出が増加する可能性がある。さらに、エネルギー転換部門の削減に関しても環境大臣提案は「2020年のゼロエミッション電源比率」を62~71%という試算を出しているのに対し、経産省の「資源エネルギー政策の見直しの基本方針(案)」では「50%以上」となっており、エネルギー部門の温室効果ガス削減に関して両省間で認識の相違が見られる。制度の実効性確保のためには、首相のリーダーシップのもとでこれらの課題を克服したうえで整合的な政策体系へと練り上げる必要があるが、鳩山前首相がそうした積極的な動きを見せることはなかった。

 

 

■実行過程(12点/30点)

 自民党政権では環境省と経産省の意見対立によって一元的に環境政策を実行できていなかったのに対し、鳩山政権は「地球温暖化問題に関する閣僚委員会」や「副大臣級検討チーム」、その下に「中期目標タスクフォース」「鳩山イニシアチブPT」「国内排出量PT」を設置し、政治主導で政策に取り組む姿勢を見せた。しかし再生可能エネルギー買取に関するPTは経産省の下に設置されており、実際には省庁横断的な体制になっていない。政治主導に実効性を持たせるには副大臣級検討チームへの明確な権限付与や環境省と資源エネ庁の根本的統合などが必要である。

 

 

■説明責任(3点/30点)

 鳩山前政権は「25%減」という中期目標を掲げた以上、その内訳や制度導入の見通しを示すべきであったが、それが十分に示されることはなかった。環境大臣により「中長期ロードマップの提案」が提出されたが、今後政府として政策の効果や経済的負担についてデータを公表し、国民や企業の理解を得る努力が必要である。また、法案の審議過程や基本計画の策定過程において十分な議論や情報開示がなかったとして、経済団体や環境NGOなどからその透明性に対する批判が提起されている。さらに、経産省と環境省の意見対立を前にして、鳩山前首相は政府としての合意を得るためのリーダーシップを発揮できなかった。