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2010年参議院議員選挙 マニフェスト評価(外交・安全保障) 印刷 Eメール

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項目 民主党 自民党
形式要件
(40点)
理念(10点)  9 10
目標設定(10点)  7  8
達成時期(8点)  1  0
財源(7点)  0  0
工程・政策手段(5点)  2  4
合計(40点) 18 22
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)  7 11
課題解決の妥当性(20点)  10 10
指導性と責任(20点)  0 10
合計(60点)  17 31
合計(100点)   35点  53点

 

<評価の視点>

 次期選挙のマニフェストで問われる課題として、考えられうる主なポイントは以下の通り。
①国際情勢の変化をどう捉えて、外交・安保面でどのような課題が日本の国益に影響を及ぼすか、分析しているか。②日本が追及する国家像について説明しているか、また日本が国際社会の中で果たすべき役割と、そのための外交・安保戦略の包括的ビジョンについて説明しているか。③日本本土の防衛に必要な施策について、具体的な政策手段を含めて説明しているか。④目指すべき日米同盟像について具体的に説明しているか、また在日米軍再編問題について、これまでの問題に対する認識と今後の具体的な推進策について説明しているか。⑤台頭する中国に対応するための外交・安全保障戦略について説明しているか。⑥北朝鮮の核・ミサイル問題、拉致問題について、これまで進展がなかった原因を分析しているか、今後、解決に向けた具体的な改善策について説明しているか。⑦テロ、組織犯罪、海賊、宇宙、海洋、気候変動、自然災害、感染症等のいわゆる「新たな脅威」への対応のあり方について、具体的に説明しているか。⑧政策実現のための予算について具体的に説明しているか(特に、日本の本土防衛、アジア太平洋地域の平和・安定、国際安全保障システムの安定への協力の各項目の間で、どのようなウェイトで予算配分するか、基本的な姿勢を説明しているか)。⑨外交・安全保障政策の立案・遂行において、外務・防衛当局だけでなく、他の様々な関係政府機関(警察、開発、交通・運輸、税関、出入国管理、海上保安、科学技術、公衆衛生、環境、農林水産、経産など)や地方自治体、民間セクター、NGO、学術界などとの連携・協力体制の強化について、説得力ある具体策を提示しているか。⑩政治的指導性を担保し、明確な責任・役割分担の体制確立のための組織改革等について具体的施策を説明しているか。

<評価委員の解説>

 

<評価結果>
民主党マニフェスト評価
合計 35点 (形式要件18点、実質要件17点)
自民党マニフェスト評価
合計 53点 (形式要件22点、実質要件31点)
【形式要件についての評価】 18点/40点 【形式要件についての評価】 22点/40点
 民主党のマニフェストは、自民党と比べると、外交・安全保障関係の政策項目が絞られている。これらの政策項目のほとんどにおいて、理念や考え方、目標については大まかに何らかの記述が認められる(理念9点/10点;目標6点/10点)。ただし、これらの目標も、「国際貢献活動のあり方について検討する」とか、「ODAのあり方を見直し、質・量ともに強化します」など、具体的な政策目標が曖昧で不明瞭な政策項目が数多い。ほとんど何も明記されていないのが達成時期(1点/8点)と財源(0点/7点)で、工程・政策手段については半分以下である(2点/5点)。また、マニフェスト末尾のセクションに、民主党政権のこれまでの実績の自己評価がある。鳩山政権下では、口蹄疫対策や日米同盟などの政策で、メディア等で様々に批判されてきたにもかかわらず、ここでは単に「実施したこと」として分類しており、肯定的な印象を残す記述である。民主党政権として今後、具体的な改善策の必要性を考えていないかの印象を受ける。この点については、今後の民主党政権の政策運営の指導性と責任の評価に影響を及ぼすものであり、実質評価の対象とした。  自民党のマニフェストでは、外交・安全保障に関連した政策項目が様々なセクションに見受けられたため、これらをも含めて評価対象とした(例:EPA/FTA促進、情報発信力強化、「攻めの農業」の展開、水産外交、防災、安全・安心社会実現、気候変動対策、宇宙政策、科学技術の国際活動強化など)。政策項目ごとに、理念や問題意識、考え方などが比較的細かく記述されており、大まかな目標や具体的な工程・政策手段(政策、イニシアティブ、計画など)についても言及されている(理念10点/10点;目標設定8点/10点;工程・政策手段4点/5点)。しかし、財源や達成時期に関する記述がほぼ皆無のため、どれほどのリソースと政治的指導力を割いて実現を図っているのか、不明である(達成時期0点/8点;財源0点/7点)。
   
【実質要件についての評価】 17点/60点 【実質要件についての評価】 31点/60点

 民主党政権のマニフェストでは日米同盟の深化が最初に明記されており、日米同盟重視の姿勢を感じさせる。しかし、前回のマニフェストでは、主体的な外交戦略の構築、在日米軍基地のあり方の見直し、日米FTA締結等を約束していたが、これらのいずれも実現できず、今回のマニフェストから全て削除された。また、普天間基地移設問題の日米合意についても、鳩山前首相による「県外へ、国外へ」との公約を信じた沖縄県民の強い反対のため、もはや実行可能性が感じられない。菅政権がこれをいかに実行しうるのか、説明責任がある。対中国政策については、前回のマニフェストからほとんど変わっておらず、「信頼関係の強化」だけで、それをどう実現するのか、それ以外にどのような施策を考えるのか、記述がない。アジア外交に関する公約は前回のマニフェストよりも大幅に縮小されている。北朝鮮についても、北が核・ミサイルの開発・配備を放棄しないことが問題なのに、いまだにそれに向けて「全力を尽くす」としか記述がない。また近年、国際安全保障では、感染症、気候変動、テロ、サイバー・セキュリティなどの問題が重要課題とされてきたが、これらに関しても記述がない。さらに、日本国内における自然災害等、安全・安心面での脅威には言及がない。全般的に、外交・安全保障の課題を絞ったため、課題抽出面では日本国内や国際社会で重要課題とされている課題が漏れ落ちているとの印象を否めない。加えて、これまで民主党政権では、首相官邸を初め、外交・安全保障の戦略・政策立案プロセスに深刻な問題が見受けられてきたが、これをどう改善するのか、政策プロセスに関する記述もない。反省の言葉もなく、このため、今後、課題解決に向けた指導性と責任をいかに担保するのか、不明である。

 自民党の場合、マニフェスト冒頭で「日本らしい日本の姿」を示すと書いているが、具体的にどのような国家像を標榜しているのか、わかりにくい。マニフェストがいきなり新憲法制定の記述から始まっている感が否めない。外交・安保面でも、世界情勢の変化に対する認識が明確に示されていない。変化する世界情勢の中で、日本はどのような国家像を追及し、いかなる外交・安保戦略を推進するのか、簡潔、明瞭に記述されていない感がある。このため、様々な外交・安保課題に言及しているが、他方で「総花的」との印象を抱くことも可能である。伝統的な外交安保課題(日米同盟、アジア太平洋地域の安定、北朝鮮問題、領土問題など)に加えて、地球規模課題、海洋資源、宇宙、テロ、途上国支援など、近年の国際安全保障における重要課題がほぼ一通り抽出されている。しかし、これだけ数多くの政策課題への取り組みを約束しつつも、財源や達成期限などについて具体的な記述がほとんど見られず、政策課題ごとにどれほどの深みと幅の広がりを持って追及する政治的意図があるのか、読み取りがたい。提示された政策課題については、然るべきリソースが配分されれば課題解決に向けた取り組みが妥当と思われるものが多いが、現在の財政状況では困難であろう。いかなる優先順位を考えているのか。また、政策課題間の整合性について説明不足な点も見受けられる(例:WTOのドーハ・ラウンド交渉の早期妥結という目標と、日本の農林水産業政策との間でどのように整合性を追及するのか)。最後に、国家安全保障会議の設置、150大使館体制の実現など、課題解決に向けた指導性担保のための制度的取組について記述されている。しかし、具体的にいかにして省庁間連携や官民連携を改善してゆくのか、不明瞭である。

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