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2010年参議院議員選挙 マニフェスト評価(教育) 印刷 Eメール

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項目 民主党 自民党
形式要件
(40点)
理念(10点)  6  7
目標設定(10点)  3  5
達成時期(8点)  0  1
財源(7点)  0  0
工程・政策手段(5点)  0  2
合計(40点)  9  15
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)  10 12
課題解決の妥当性(20点)  5 5
指導性と責任(20点)  0 0
合計(60点)  15 17
合計(100点)   24点  32点

 

<評価の視点>

 評価の基本的な視点を設定するにあたり、現在教育政策で取り組むべき課題を明確にする。
  まず、学士力といわれる大学生の学力低下や、大学が、経済社会が望む人材を輩出できていない問題がある。現在、大学総数は750ほどであり、少子化の中で大学数の数については過剰傾向である。一方、大学生の知識の低下等が指摘されており、「学士力」の向上の必要性が認識されている。また、大学が提供する教育内容が社会のニーズに対応していないとの指摘がある。さらに研究面では、世界トップレベルを国策としているにも関わらず、世界大学ランキングでは、東京大学の22位が最高位に留まっている。このように大学における教育力・研究力の向上は喫緊の課題である。
次に、学校・地域社会・家庭における教育の質の向上が必要であるとの問題がある。経済協力開発機構の学習到達度調査(2007年12月発表)では、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの全分野で順位を下げる結果となった。わが国の義務教育課程については、「教育再生」を掲げた自民党安倍内閣時代に、教員免許更新制が導入されるなど改革がなされたが、教育現場からは、教師の時間的な負担が増し、子どもに関わる時間が減るとの指摘がある。また、現在、教育の担い手が学校に偏っている現状を改善し、地域社会全体で子どもの教育を担うことが重要であるとの指摘がある。
最後に、小泉改革以降、所得格差が広がり、その格差が教育を受ける機会(教育格差)につながり、世代間で格差が継続・固定するのではないかとの問題が強く認識されてきている。
以上のことから、①大学における教育力・研究力の向上に対応しているか、②学校・地域社会・家庭における教育の質の向上に対応しているか、③所得格差による教育格差の是正に対応しているか、の3点を評価の視点とする。

<評価委員の解説>

 

<評価結果>
民主党マニフェスト評価
合計 24点 (形式要件9点、実質要件15点)
自民党マニフェスト評価
合計 32点 (形式要件15点、実質要件17点)
【形式要件についての評価】 9点/40点 【形式要件についての評価】 15点/40点

 「チルドレン・ファースト。子育て支援や高等教育も含めた教育政策のさらなる充実で、社会全体で子どもを育てる国をつくりあげる」との理念・目的の下、「大学生、専門学校生などの希望者全員が受けられる奨学金制度の創設」、「大学の授業料減免制度拡充」、「就学前の子どもの保育・教育の一体的提供」、「少人数学級を推進」「学校現場での柔軟な学級編制、教職員配置」を個別政策として掲げている。(6点/10点)
目標としては、「教育格差是正」や「出産から成長段階までの切れ目のないサービス実施」を挙げているが、定量的な目標設定ではなく測定困難であり評価できない。(3点/10点)
「大学生、専門学校生などの希望者全員が受けられる奨学金制度の創設」については、前回の衆院選のマニュフェスト2009においても掲げられていたが、2010年度予算では、無利子貸与人員を5千人増することと、新たに奨学金の支給開始時期を7月から4月に早期化することに留まっている。実現に向けた今後の工程を明示することが求められるが、今回のマニフェストには明記されていない。その他の項目についても、達成時期、財源の裏付け、今後の工程は明記されていない。(0点/8点)(0点/7点)(0点/7点)

 

 「世界をリードする「教育立国日本」の創造」、「世界トップレベルの学力と規範意識、日本に誇りが持てる教育再生」等を理念・目的として、教育の諸問題に対する個別政策が掲げられている。(7点/10点)また、目標設定については、定性的なものが多く測定が困難である。また、重点分野に関する記載がなく、目標の優先順位が明確にされていない。(5点/10点)なお、理念・目的・目標については、規範意識、国旗・国家の尊重等のように、保守色が濃い内容となっており、民主党と差別化されている。
個別政策については、大学院教育改革、教育の政治的中立確保のための法整備等といった政策が掲げられているが、その殆どに達成時期は明示されていない。(1点/8点)また、給付型奨学金の創設、学校の耐震化・老朽化対策(100%)実施、幼児教育無償化、大学の基盤的経費の確保、博士課程学生への経済支援といった財源確保が必須な項目が多く掲げられているが、財源の裏付けが全く記述されていない。(0点/7点)目標実現のための政策手段については、法改正や制度改正等の手段が明記されている項目は多いが、工程については殆ど示されていない。(2点/5点)


 

   
【実質要件についての評価】 15点/60点 【実質要件についての評価】 17点/60点

「課題抽出の妥当性 10点/20点」
民主党のマニフェストは、新たな奨学金制度の創設と授業料減免制度の拡充を掲げ、所得格差による教育格差を是正しようとしており、教育格差の課題については、問題認識がなされている。一方、「大学における教育力・研究力の向上」に対する施策についての言及は一切なく、学士力や国際競争力向上に必須の研究力の課題についての認識が欠如している。
「課題解決の妥当性 5点/20点」
明確な選別基準なしに「希望者全員が受けられる奨学金制度創設」がなされれば、大学全入時代といわれる現在において、学士力・研究力をさらに下げる可能性さえあり、問題である。また、教育の質の向上のため、学校現場での柔軟な学級編制、教職員配置等が個別施策に掲げられているが、教育の質の向上には、学校現場の他に地域社会における取り組みも不可欠であり、この個別政策だけでは問題解決には不十分である。「就学前の子どもの保育・教育の一体的提供」については、「幼保一元化」のための「認定子ども園」の拡充なのか、それとも新たな制度の創設なのか、具体的な政策が見えない。どのような課題認識をしており、どのように改善したいのかが不明で評価できない。
「指導性と責任 0点/20点」
教育分野については、いずれもどのような工程・手段で実行するのかが明確になっておらず、課題解決に向けた指導性と責任については評価できない。特に「希望者全員が受けられる奨学金制度を創設」は、選定基準やチェックシステムを整えず希望者全員に給付する単なるバラマキであり、政権政党として無責任であり評価できない。

 

【課題抽出の妥当性 12点/20点】
大学における教育力・研究力の向上に対しては、大学院教育の抜本改革や大学の基盤的経費の確保が掲げられており、課題認識が十分なされている。学校・地域社会・家庭における教育の質の向上に対しては、教師の質を高める政策が示され、国語教育・理数教育の充実が掲げられているが、学校現場の他に地域社会における取り組みも不可欠であり、この個別政策だけでは問題解決には不十分である。所得格差による教育格差の是正に対しては、新たな就学援助制度や給付型奨学金の創設、特に私学における低所得者の授業料無償化等が掲げられており、課題認識がなされている。
【課題解決の妥当性 5点/20点】
マニフェストの理念・目的に対し、個別政策に矛盾はないが、政策が総花的であり、何を重点的に実施するかが不明である。教育分野には多くの課題が存在しており、どの課題から優先順位をつけて解決していくのかを示す必要がある。
【指導性と責任 0点/20点」
自民党は民主党の政策に対し、財源の裏付けを追及し続けてきた。また、マニフェストには、「責任ある政策」を掲げている。しかしながら、自身のマニフェストに裏付けとなる財源は示されておらず、工程も明確でないものが殆どである。課題解決に向けた指導性と責任は評価できない。

 

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