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9党政調会長にマニフェストを問う「結局、何を約束するのですか」【自民党:石破茂政務調査会長】 印刷 Eメール
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工藤: 石破さんこんばんは。今度の自民党のマニフェストについて聞かせていただきたいのですが、その前に自民党として民主党の9か月間について一言でいえばどういう風に見ていたのか、ということを簡単に説明していただけますか。

石破: 偽りの9か月間だったと思います。まず政治主導という話ですが、結局いうことを聞くところには予算をつける。いうことを聞かないところには予算をつけない。また、公務員は全体の奉仕者だったはずでしたが、政治主導という名前のいわゆる政治私物化みたいなことになってしまったと思います。そして選挙の時に無駄を削れば消費税を上げなくていいと言っていましたし、あれもやりますこれもやりますという話でした。我々はそんなことはできませんよと言ったのだけれど、できるといった。政権に入ってみて始めて分かったということなのですが、我々は選挙前にも、財政や普天間問題についてもそんなにデータを隠していません。また、何も政府が出す数字を見なくても、本屋さんに並べてある本を見れば、いろんな考え方の本があって、まったく政府・自民党が言ってたことについて、初めて聞きました、ということはないはずなんですね。それを知った上でああいうマニフェストを出し、政権を取ったら言うことを聞くところには予算をつけ、聞かないところにはつけない。具合の悪いことは黙っている。私は内容よりもやり方としてフェアじゃなかったと思います。

工藤: 今民主党にも話を聞いてきたのですが、16.8兆円のあの公約はまだ生きているって言っていました。ただ、かなり修正しているのではないかという感じがしたのですが、それは政権交代という大きなプロセス自体が試行錯誤なので、まだ戸惑いはあるけどそれを絶対貫くということを言っていました。だからあの公約がまだ生きている状況なのですが、それはどうですか。

石破: そうすると、消費税1%で、2.5兆円です。それで割ると消費税10%とか言って出てくるんじゃないか。それでも足りませんが、その分は無駄を省くという話になるのでしょう。結局のところ、あれは降ろしてなくて4年でやるんだということですけど、どうやって4年間でできるのか。きっと2年目になったらまだ2年ある。3年目になったらまだ1年あるということなのでしょうね。私は16.8兆の中身がどれだけGDPのプラスに作用するのか、雇用が拡大するのかということを精密に検証しないままそういうことをやる、というのはこれもまたフェアなやり方ではないと思いますね。

工藤: 今度は逆の立場ですが、政権交代したということは自民党の政治が古い政治だったということでした。それに対して国民は新しい政治を求めたかったということがあったと思うのですね。それから見ると9か月間の間に自民党は何が変わったのでしょうか。

石破: まず政策決定プロセスが変わりました。今までは当選回数が7~10回で大臣を歴任した大御所が会議を仕切り、若い人がモノを言えなかった。モノを言っても最後は幹部会で引き取って決められてしまった。私は部会長を全員大臣経験なしの若い人で、その道のエキスパートで自分の頭で考えてしゃべって議論に勝てるという人たちに相当任せたところがあるわけです。もう1つはお恥ずかしいことですが、自民党の政策はこういう方向だといって選挙区のニーズを伝えて、それを霞が関にブン投げて霞が関がそれを書いて、自民党のラベルを張って、はい自民党の政策です、というところがありました。しかし、今は霞が関の知恵を借りようがありません。今回の選挙は、野党で迎える初めての選挙です。細川内閣の時に1回だけ野党になりましたが、次の年の参議院選挙では自社さで与党に戻っていました。今は、自分の頭で考えてしゃべれるという状況で、徹底した議論の上に出した政策ですから、そこは変わったのだと思います。ただ、半世紀与党をやってきたので、総花的というところは完全に消えきれていません。ですから、わが党の参議院選挙公約を見ると、何でこんな何百個も項目があるんだろう。お前ら与党のつもりでいるんじゃないよというのがあります。ただ、国政は野党なのですが、地方議員まで入れるとまだ自民党は日本最大の政党なんですよ。党員の数もそうです。それだけ色んな利害関係者が多い。そういう方々に、うちのニーズはどうなったのか、というのがあるわけです。例えば、厚生労働関係でいえば、医師会、歯科医師会、薬剤師会、よく三師会といいましたけれど、そんな超メジャーなところだけじゃなくて、例えば柔道整復師会とか、歯科技工士会とかそういうところも大事な団体ですね。やはり日本最大の政党として与党じゃないけれど、それぞれのニーズにお応えするというところが何となく与党が抜け切れていない、というお叱りに繋がるのだと思います。

工藤: 今のが1つの答えなのですが、僕たちはマニフェストの評価をしたときに271項目あって、確かに消費税を入れたり具体的な消費税の使途も入ったり、そういう意味ではかなり正直ベースのマニフェストになっているのですが、ちょっと驚くのが農業関係とか漁業関係だけで70項目もあります。それからJAが自民党に出す要望書があってそれがかなり入っていて、業界を配慮している政策がかなり並んでいますよね。確かに支持基盤は大事なのですが、新しい政治でこういう風になっていく、という何か体質が変わり切れていないと国民が思ってしまうんですね。これはどうしたらいいですか。

石破: これは私が去年農林水産大臣をやっていた時に抱えていた悩みを、今でも抱えているということなんですね。農業政策でいえば、米が余剰基調に入った時に変えておかなければいけなかった政策を、ずっと変えないままきてしまったたからどんどん乖離が大きくなってきたということがあります。でもそれで今までの支持をつなぎとめて来たところなので、いきなりガラッと変えてしまうとショック死してしまうところがあるわけです。私がいくらこう変えるんだと言っても、47都道府県を説明して歩けるわけではないので、変えるのにすごい時間がかかるということがあります。でも、戸別所得補償というのは違うんだということをはっきりと出したつもりです。それから漁業の場合にはどうしてもマイナーな産業なので甘いと言ってはいけないのだけれど、そこは内心忸怩たるものがあります。ただ、漁業ってどうしても専業の人が多いんです。兼業農家っていう言葉はあるけど、兼業漁家っていう言葉はなくて本当にそれに命をかけている人なんですよ。兼業農家ってある意味comfortableじゃないですか、漁業ってかなりmiserableなところがあって、そういう人たちに対して、自民党はあなたのことを考えていますよっていうメッセージを出したかった。ただ、ちょっとバランスが悪かったかなとは思います。

工藤:  まさに財政再建にシフトを大きくしようとしているのですが、色んなところで選挙を意識している。政治というのはそういうものかもしれないけど、その色がついちゃって、農業も土地に支払いをするっていう政策出していましたよね。あれは何ですか。

石破: あれは結局のところ貸す側と借りる側、どっちに金を出すべきなのかという大激論があって、土地を貸す側にインセンティブをつけてあげないと貸さないんですよ。借りる側にインセンティブをつけてあげても貸す側が土地を持っているということなんです。貸す側に、今貸した方がいいと、ちょうど70代ぐらいの方々でどうしようかと迷っている方々に、思い切って貸しちゃいなさいよというインセンティブを与えた方がよりいいだろうということです。借り手にしてみれば、それを借りることによって大規模に農業ができます。貸した側にとっては地代が入ってくるということなのですが、地代ってそんなに上がりません。今の問題は、例えば2反3反でやっても田植え機やコンバインなど、フルセットで揃えると7、800万円かかり、償却に1年90万円ぐらいかかるとすると、どうみたって割に合いません。そういう人たちを大規模にやらせるということなのですが、貸す側が動いてくれなければどうにもならない。ここは価値判断の問題です。

工藤: 担い手育成とか産業化に視野があり、単なるばらまきではないということですね。

石破: そうです。借りる側が弱いんですよ。戸別所得補償が始まって、ますます借りる側は貸しはがしみたいなことになってしんどい状況になっています。私はむしろ借りる側に配慮するからこそ貸す側に「貸す」というインセンティブを与えたい。

工藤: わかりました。さて、今回のマニフェストは271項目とかなり多いのですが、自民党が特にこの2つを何が何でも実現したいというアジェンダは財政再建なんでしょうか。

石破: というより経済活性化のために、財政再建か経済成長かっていう選択を我々はとりません。今、経済がこんなに停滞しているのは医療、年金制度がどうなってしまうのか、という不安があって、個人貯蓄が非常に多い。それをいいことに国債を出しまくっているということがあって、それが財政を圧迫しているという感じがするんですね。大事なのはGDPをいかに上げるかということです。漁師さんとか農家とか個人単位でGDPに寄与している人もいますが、圧倒的多数は企業です。企業がGDPを上げていく。海外に行ってどんなに稼いでもGDPは1円も上がりません。企業にどうやって活力を与えるか、そのために制度改正はどうあるべきか。個人消費を上げていく必要がありますが、ほしいものがないなんて嘘です。お金さえあればほしいものがいっぱいある。そのために安定的な消費税と財源によって医療や年金が大丈夫だということを確立することが必要です。そして借金返そうなんて大それたこと考えていません。少なくともプライマリーバランスをゼロにするというところまでの道筋をつけるということです。経済成長、財政再建、それをセットにして論じなければ、それは議論として公平を欠くと思っています。

工藤: 確かにそうですよね。財政再建というのは出と入りの問題ですよね。単なる増税だけではなくて、経済が成長することによって入りになります。そういうことを含めて、全体的な設計にしないといけないという話です。経済成長のところですが、主な政策手段はどういうことになりますか。例えば規制改革、あとマネーについての話ですよね。名目4%いかないと、という話なのですが、これをやるためにはどういう政策を行うことによって達成可能だと思っていますか。

石破: これはGDPを上げないといけないというのが答えです。GDPを上げるためには企業を元気にしていかないといけない。同じお金を家計に移転してもそれだけではGDPは上がりません。企業を元気にするためには法人税を下げることは当たり前の話で、設備投資に回さないといけない。労働力を上げていかなければいけない。これが一番大事なことだと思います。だからGDPを上げる3本柱である「雇用を増やす」「労働力を増やす」、そして「設備投資を促進する」という3つに集中して投資していかなければGDPは上がらないというのが基本的な考え方です。

工藤: 減税という政策手段がキーワードですね。公共事業を含めた財政の出動ということはあまり考えていないのですか。

石破: それは乗数効果の問題であって、どこに投資をするかということはシビアに乗数効果を見ないといけないと思いますが、地方を向いた場合これだけ小泉政権のもとで公共事業を切ってきました。それは意味がないことだったとは思いません。これが消費税を上げても仕方ないなという下地をつくってきたんだと思っています。ただ地方は、公共事業の他に何の産業があるのかと考えた時に、失業者が沢山出て失業者のみなさんが都心に来られるわけで、新たに都市問題として波及してくるわけです。だとすると乗数効果だけではなくて、どこに集中するべきか、ということを絞る、それから首都圏にしてもやらなければいけない公共事業があるので、そこをどう説明するのか問題ですが、公共投資が主ではあります。

工藤: つまり、単なるお金だけではなくて、供給の新しい分野の仕組み作りをしなければいけないというわけですね。次に、財政再建の道筋なんですけど、菅政権で中期財政のフレームが出ましたよね。あれには賛成ですか。一般歳出を去年と同じの71兆円でそのまま3年間やる。それから借金の43兆円をそのままやると。これは確かに縛りですよね。

石破: どうやってそれをやるのかわからないわけです。どうやって歳出を切るのか。シーリングをこれからやるつもりなのですかね。

工藤: 非常に徹底的に予算編成で入れ替えして実現するので、見ていてくださいって言ってました。

石破: シーリングはもうやめるという話だったのにシーリングをかけるという話なんですかね。それならそれでいいんですよ。だけどもGDPを上げない、お金を移転するだけの政策をどうするのか、ということには答えてもらわないとその話はにわかに信じがたいですよね。

工藤: 昔の自公政権は、少なくとも社会保障の自然増と累増する国債費を財政の規律として、その分は削減するという形でしたよね。民主党は実は国債になっていたんですよ。自民党はどうしますか。少子高齢化に伴ってお金が増えたり、国債費がありますから、GDPの問題はありますけど、少なくとも財政再建のためには、財政の規律を守るためのプログラムが必要ですよね。

石破: そこは、シミュレーションをずっとやって、消費税10%ということを提示しました。これから先医療でも年金でも介護でも充実をさせるためのお金が7兆円、自然増が1兆円、そして本来は消費税は目的税的なものですよね。だけど、それでは全然賄えない部分が7兆3千億円ということですよね。占めて15兆3千億円。ですから、そこの部分は消費税増っていうことで賄いますよということです。これがないと財政再建は語れないですよね。そして何が無駄かという議論じゃなくて、優先順位を問うかの問題です。それをつけることによって質を抑える。消費税で医療、介護、年金、いわゆる高齢者3分野といわれるところにきちんと手当をするということが、財政再建の一番の基礎だと思っています。

工藤: 消費税の増税ですが、僕たちはそういう風なことを正直にきちんということはやるべきだと思っています。しかし、自公政権は消費税の増税に関してはデフレ経済がある程度回復することを条件に付けていましたよね。ただ、今デフレが解決していないのに消費税増税をやると決断したところはどういうところですか。

石破: これについては、自公政権の時と今とつじつまが合わないといわれればそうですし、テレビの討論でも公明党の政調会長と意見が合いません。ただ、今の経済がよくないのは将来に対する強い不安が根底にあるのだと思います。そして法人税は高い、派遣労働は原則認めない、CO2は25%削減だ、賃金は高い。誰が日本にいるものか、という話になっているので、景気がよくなったらというのは、かなりまやかしに近いと思っています。

工藤: つまり、将来不安の問題のほうがプライオリティーが高いと判断したわけですね。そうなると、年金の話を考えないといけないと思うのですが、自公政権について、自民党がどこまで責任を持てばいいのか僕も判断に悩むところがあるのですが、少なくとも2004年の年金改革がうまく進んでいません。不景気の間にマクロ経済スライドが発動していない。つまり給付の抑制という仕組みが動いていません。そこが動いていないという話になると現在の給付者の利益は守れるかもしれないけど、将来の若い人たちにツケが転嫁される中で今動いている制度に対してどういう風に説明することになるのでしょうか。

石破: そこは参議院選挙までに議論を詰めることができなかった、というところがあります。ただ全額税方式ということは相当の消費税アップをしないととても賄える話ではありません。国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げるのが精一杯だと思っています。今の年金受給世代の利益を守りすぎではないのかというところは、真摯に向き合って議論しないと、受給世代の方々がお掛けになった掛け金の何倍の受給をなさっておられるのですよ。若い世代はそうはいかないのですよ、ということをどうすればわかっていただけるかという工夫は相当にしないといけません。私みたいに正直ベースでモノを言う人間でも、とことん話をしてもよしわかったよと言っていただけない。

工藤: 高齢者の方にわかったといっていただけないですか。

石破: 理屈はわかるけど、っていうのがあるのですよ。そこは申し訳ない。今度の参議院までにきちんとそのビジョンを描いてご説明しなければいけなかった。

工藤: その点でどうしても日本の政治に聞きたいのは、今の高齢者のサービスを維持するために若い世代が税金を払って支えていますが、その若い人たちもいずれ高齢者になるときに、少子高齢化人口減で若い世代がいないという未来に対する不安はかなりありますよね。自民党はそれを守るという政党なのでしょうか。

石破: そうあらねばならないでしょう。未来に責任を持つということを標榜していますから、今さえよければいいというわけではありません。次の時代に責任を持つんだ、ということを今回の公約でも書きました。私はずっと常套句みたいにこのフレーズを使っているのだから、未来に責任を持つというのはそういうことなんだと思います。そこは、年金みたいに世代間対立にあんまりしたくないなと思っていますし、都市対地方の対立にもしたくないと思っています。そうやって二極化してしまうと、どっちに受ける話をした方が有利か、という判断を政党はしてしまいます。世代間闘争とか地域間闘争にしないための工夫というのは相当に考えないといかんし、軽々しく使う言葉ではないけれど、超党派で議論をしないといけないでしょう。

工藤: 日本の政党政治が若い世代から不審がられる可能性がありますよね。だからそこに関して対立にならないように、という風にということですね。基本的な理念なんですが、自民党が目指す社会のイメージについてです。例えば民主党政権は理念がちゃんとしていないとしても新しい公共とかですね、ある意味では与謝野さんのときにやった公助から共助、自助の社会とか色んなことありますよね。今自民党が目指しているのはどういう国のイメージでしょうか。

石破: 基本的にはもう一度開国しないとダメなのだと思っています。今ゆでガエルみたいになって、まあいいじゃないかという今の漠たる不安を抱えながらも、その間にどんどん基本的なところが揺らいでいると思います。例えば企業が外国に出ることも大事だが、外国からの投資をもっと受け入れることにもっと積極的であるべきでしょう。移民を受け入れると国内の文化が危ないとか言うけれど、本当にそれで壊れちゃうような軟弱な文化なのか。それはそうではないと思っています。やはり国を開くということに躊躇してはいけないと思うんです。そしてその中でみんなが努力をする。そして、努力をした人にはそれなりの評価がある。努力しようと思ってもできない人にはきちんとしたケアが行われる、というような社会にしたいと思っています。基本的に、もう一度国を開いて日本に自信を持って、外国から人が来るのは嫌だといっているうちにこの国は本当に大きくむしばまれると思っています。

工藤: 最後に簡単に言ってほしいのは、自民党と民主党は何が結局違うのか。例えば菅さんが言っている強い経済、強い財政、強い社会保障。その3つに関して自民党は何が違いますか。

石破: 3つが大事なのは当たり前です。その順番としては強い財政を作らなければいけないと思います。そのためには経済が成長しなければいかんのです。結果として社会保障があるわけです。もちろんそれは相互に重なるものですけど、調子のいいことを言って財政のフレキシビリティーが全くなくなってしまった。やはり基本的には強い財政をやるために強い経済、そして社会保障がある。もちろん社会保障で雇用ができるとか経済が成長するということはあるけど、それはロジックとしておかしいような気がしますね。

工藤: 最後に、マニフェストということに関して、どういう風な位置づけをしているのでしょうか。というのは今回のマニフェストでよくわからなくて、字も小さくなっていました。参院選というのはありますけど、なんとなく色々具体的なのですが工程があるわけでもない。だから石破さんが政調会長の時のマニフェストの位置づけ、意味、それからこれを国民としての約束という形で実現するという気持ちはある政党なのでしょうか自民党は。

石破: それは今から20年ぐらい前に公約は所詮公約だ、みたいなものがあって、私は激怒しました。それはまずこういうことやります、それをやるためにこういう法律が必要です、それをやるためにはこういう財源がいるのです、という3点セットで初めて公約の名に値するとずっと言ってきましたし、今もその考え方は変わりません。ですから、今回の自民党の公約には政権政党ではないし、参院選で勝っても与党になれませんので工程表は示せません。ですけれども、数字のシミュレーションは何度もやっています。で、そういうことをやった上で実現ができるというシミュレーション結果のもとに出したものですから、いい加減な話をしているつもりは全くありません。

工藤: ちなみに、「Jファイル」というのはなんですか。これマニフェストじゃダメだったんですか。

石破: マニフェストって詐欺の代名詞になっちゃったから。それに、私はできるだけ日本語を使いたいというのがあって、公約という言葉に戻そうよということだったんです。Jファイルというのは愛称としてはかっこいいかなというぐらいの話です。それから、マニフェストと小さく書いてあるのは、それを落としてしまうと「マニフェスト」で検索すると自民党のモノが出てこないんですって。今、インターネットで見る方が多いから、一応検索で出てくるようにマニフェストと書きましたというぐらいの話です。私はその時に政調会長かどうか、たぶんそうじゃないと思うけど、総選挙の時には政権公約とはっきり書きたいと思います。

工藤: なるほど、政権公約としてね。そういう形で出さないと、今まで自民党政権の時もそうだったし、公約の体系として完璧なものを見たことがありません。だからそれに挑戦してもらうと非常によかったのですが。

石破: それはごめんなさい。時間が足りなくてっていうのは何の言い訳にもなりませんが、全体で齟齬がないようにしていかなければならない。そしてできれば法律案要綱みたいなものはきちんと示したいと思っています。だから経済以外の、例えば安全保障というものは、特別法ではなくて一般法でつくります、ということは、私3年前に法律書いて、政調会長になってから党議決定してこれが法律ですとして、出しているわけです。

工藤: もう1つ思い出しました。政治と金が本当に少ないでしょ。どうしてですかね。あれは民主党の問題だという認識ですか。

石破: そうじゃありません。秘書の責任は政治家の責任ですとか、専任責任と監督責任両方かかるんですよ、ということを書きました。政治とカネのところは、日本の民主主義にかかるコストというのは何なのだろうか。そのうちどれだけが国民が負担すべきものなのだろうかということ。もう1つは政党法をちゃんと作りなさいよということです。それ書いてないですか。

工藤: 書いていないですよ。それ重要なんじゃないですか。

石破: それは私のミスです。ごめんなさい。あちこちで言っているんですけど、政党助成金という権利を享受するのなら義務を果たせということなんです。書いていないとすれば私がうっかりしていました。あちこちで言っているのですが、言っているから公約だとはいいませんが、政党法をきちんと作ってディスクロージャーをちゃんとやらないといかんなと。

工藤: 党本位の形にしていかないといけないわけですね。個人でお金をやるという形にしてしまうとそこにいろいろな問題が入ってきてしまうと。

石破: 自分のお金だからいいでしょうとか、お母さんからもらったからいいでしょうと、そんな話はよくない。

工藤: そういうところは、緊張感を抜かないでやるべきだと思いました。

石破: そうでした。それは私のミスです。ですから、総選挙の政権公約にはそこのところはきちんと書きたい。で、どれだけ国民の負担に値するか、そしてそのディスクローズはどうするかということを政党法という形にして示したいと思います。

工藤: わかりました。今日はどうもありがとうございました。こういう形で、僕たちは政治家の人達の本音に迫っていきたいと思っていますので、またいろいろご協力ください。

石破: よろしくお願いします。