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9党政調会長にマニフェストを問う「結局、何を約束するのですか」【民主党:城島光力政策調査会長代理】 印刷 Eメール

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工藤: 城島さんこんにちは。民主党は政権党なのでちょっと厳しく質問させていただきますのでよろしくお願いします。まず、城島さんは民主党の政策調査会長代理ということですが、政調会は今までなかったけれど、菅政権でできたと。政調会を廃止したことは間違いだったということですか。

城島: これは私も政調復活ということで、当時の幹事長に申し入れをした4人組の1人なのですが、間違ったっていう風には私は捉えていません。というのは、今までの与党と政府とのあり方、つまり自民党時代というのは事前の審査をやっていたわけです。その結果、二元的になってそこに族議員が生まれる要素が大きかったのではないかと。だから今回、政府と党の政策一元化を行ないたいということで政調をなくしてみました。取り組みの方向はよかったと思います。だから、政調復活とよく言われますが、そうではなくて新しい政調です。政権与党の政策調査会のあり方はこうあるべきではないか、ということをこれからも模索していきたいと思います。

工藤: 去年、マニフェストの実現、予算編成のプロセスの最後の局面で、小沢さんが党の声なのに国民の声と言った時に、僕たちはマニフェストの政策プロセスが政府と与党で一元化と言っていたことが、ここでプツンと切れたとかなり厳しく判断しました。これについては城島さんはどうですか。

城島: そういうご指摘いただいた部分はあると思います。そういうことも含め、さらに衆議院だけで300人を超す議員がいるわけです。私自身も野党時代には非常に勉強しました。質問が沢山できることに非常にびっくりしました。そうすると今なんだかんだ言われていますが、例えば子ども手当とか高速道路無料化とか、高校の無償化、農家の戸別補償政策、こういったものは、全て野党時代の民主党内の論議から生まれてきているわけです。そうすると、そういうような機能を党で持たないと民主党政権もいつの間にか全部政策が官僚から出てくるしかなくなるんじゃないかと思っています。なので、民主党らしい政策の弾込めが必要で、一人ひとりの議員の能力アップ、一体となった論議、そして民主党政権の民主党らしい政策のシンクタンクのような役割が必要だということです。

工藤: ではそろそろ本論に入ります。まず一番有権者がわからないのは、今回出されたマニフェストと去年の衆議院選で出されたマニフェストとの関係がどういう風になっているのか。政権交代した時の、各議員が当選した理由はあのマニフェストですよね。するとあのマニフェストが今回のマニフェストの中でどう変更されたのか、ということを体系的に国民に説明することから始めないといけないと思うのですが、よく関係がわかりません。

城島: まず、去年のマニフェストが基本です。今回のマニフェストは、衆議院選挙的なマニフェストを補完したものという風にとらえていただいていいと思います。

工藤: 補完ってなんですか。

城島: 要するに基本のマニフェストは政権を担っている4年間ですよね。すると今回の補完には2つの意味があって、残り3年。しかも政権について大きな変動がいくつかありました。例えば大幅な税収減というのは代表例でしょう。そのようなことがあってそれを修正していくことが出てきたという意味が1つあります。それから、そもそもマニフェスト選挙の元祖であるイギリスでも、野党の時に作ってその政党が政権についた場合、そうしたらマニフェストを責任あるように修正するのが当たり前と捉えられているわけです。まして日本の場合は初めてであると同時に、私も年金問題やった時に苦労したのですが、資料とかデータを役所は野党には出さないわけですよ。そうすると、09年のマニフェストを作成する際に、いくらかかるか独自で出してきました。だから、実際やってみると全然違うところが出てくるのはしょうがないんだと。でもそれは説明しないといかんのですよ。あのイギリスでさえも野党で作って政権になった場合は、次のマニフェストはきちっと修正していくことをみんな期待します。すると今回は初めての体験の中でやってみたら、お金がないとか借金が増えたとかそんなことばっかりが新たに出てくるわけです。そうするとそこは責任あるとすれば修正しないといけないということです。

工藤: 修正することは全然問題ありません。ただそれを国民に説明しないとだめですね。だからその説明をまずしていただけないかと。16.8兆円というあの約束は残っているのですか。

城島: 残っています。これははっきりしています。

工藤: するとあの16.8兆円を実現するために、無駄の削減を含めてさまざまなお金を捻出することが担保になっているのですが、1年目はそれが失敗しましたよね。

城島: 失敗というか3兆円ですね。

工藤: その3兆円のうち1兆円は公益法人の基金の1回限りのお金ですから無駄ではないわけですよね。

城島: そうですね。2兆円といった方がいいですね。

工藤: それから9兆円の中で人件費とか委託費、補助金というのは4年間で7.2兆円削減するということでしたが、今回5.5兆円増えました。これは削減という形で財源を出すということが事実上破綻しているように見えますけど、これについてはどうでしょうか。

城島: いきなり出すということは難しかったということはその通りです。しかし、実際やってみて我々は例えば沖縄の問題もそうなのですが、政治主導の中で準備不足や未熟な面もあるということもあって、思い通りにいってないということは事実です。ただこの目標は最後まで掲げながら、できるだけ近づけるということは全く変わっていません。

工藤: 鳩山さんは、マニフェストは国民との約束だと何回も言いましたよね。ただそれが1年目で、いろんな問題でできなかった。これについてなぜ説明しないのですか。例えばこのマニフェストで16.8兆円と書いてあるけど、実際にやってみたらこういう問題があったのでこれしかできない。こういうことに関してはこういう風に修正したということでちゃんと説明すればいいのに、今回のマニフェストにはそのようなことが書いていませんよね。

城島: 私も特に今回のマニフェストは雇用、労働それから人権、消費者問題とか各分野の責任者を呼びましたが、最初に申し上げたように、昨年の9月に出したマニフェストに全く変更ないものについては、我々の意識の中では当たり前としてそのまま残っているわけです。それで、消えたじゃないかと言われて、初めて気付いたというのは本当の話。当然これは継続して4年間でやるから残り3年で何としてもやらないといけないこと。それから当然進めているものについては省くということです。次のマニフェストを作るときに、活かしていかなければいけないと率直に思います。

工藤: このマニフェスト86項目をよく見ると、去年の9月と連動しているのは3割しかないんですよ。それ以外は新しい項目が入っています。その3割をよく見ると基本的に微妙に修正されています。この3割は修正という理解でいいんですね。

城島: そういうことです。当然のことながら、やっていることについては、その趣旨にのっとってやるんだけど省きました。だからってやらないということではありません。

工藤: 例えば、今回、会期延長をせずに選挙を行なうことになった。約30法案が廃案なり継続審議になりました。その中に、民主党のマニフェストから見れば重要なもの、例えば地球環境とか色んなことが入っていましたが、止まりました。それに対してマニフェストでは言及しないのですか。例えばこれに関してはここまで言ったけど、こうなってしまった。しかし、こういう形で実現しますとかそういう説明はあまり必要ないのですか。

城島: マニフェストは印刷したりする期限がありました。だからマニフェストの中ではできないのですよ。ご質問いただいて、マニフェスト以外のところで答えていくしかない部分です。

工藤: 鳩山さんが退陣されましたよね。その中での総括という点では、さっきの16.8兆円その他に関しても路線を変えないということですね。

城島: 16.8兆円もそうだし、基本的には変えません。僕なりに言えば、一番は政治の仕組みそのものを変えていくということ。政治主導、国民主権、この政治の在り方を変えていくということは変わらないし、無駄の削減も全く変更ありません。

工藤: ただ菅さんは3つのアジェンダを今回の選挙で出しました。強い財政、強い経済、強い社会保障。この3つを説明してもらいたいのですが、まず強い財政です。強い財政のこの項目の中期財政のフレームを見ますと、一般歳出の規模を3年間今年度並み。国債の増発の上限も今年度並み。すると単純に推計するだけで、4兆円ぐらいの税源不足になります。このマニフェストを実現すると2年目に12兆円ぐらい必要になります。それを入れなくてもまだお金が足りない。どうやってこれを実現するのですか。

城島: 大変至難の業ですけど、予算の組み換えにいよいよメスが入っていくということだと思います。それをやらないと、おっしゃるようにあれは実現できません。そうすると、その中でも優先順位をつけて組み替えて捻出するといった分があるじゃないですか。

工藤: 今の一般歳出の規模を維持しているということは、中身はマニフェストのことを実行してそれ以外を減らすということを言っているわけですね。

城島: わかりやすく言えばそういう意味です。組み換えができるかどうか、正念場ですね。

工藤: マニフェストを実現するというのはわかったのですが、今度の菅政権のマニフェストを見ると、アジェンダを出して優先的にやると言っているわけですね。強い財政に関して中期財政フレームで一般歳出は前年並み、国債の発行も前年並み。これを維持するだけでも大変なのに、しかしこれを維持したとしても4兆円ぐらいの財源不足になるといわれている中で、さらに12.6兆円の2年目のマニフェストがあると。全部で16兆円ですよ。つまり、一般歳出が70兆円だとすれば、その3分の1を入れ替えることは不可能だと思うのですが、これをどういう風にやるつもりなのですか。

城島: 全部できるかどうかは私も確約できませんが、しかしそれに向けて、それこそ民主党が最初約束した予算の組み換えができるかどうかです。だからそこに向かって全力でやる。今度8月の概算要求からが勝負です。まして今の予算というのは、わが党も言っていましたけど、概算要求は自民党時代のものだと、本物は今度ですから。

工藤: 政務三役は自分たちの省庁の要求をしているじゃないですか。だから逆に大変かもしれませんけれども。

城島: そうです。だけど、そこにPRさせていただければ新しい政調の役割がそこになると思います。

工藤: でも、上積みはするにしても子ども手当を満額にできない。それから戸別所得補償の本格的な実施に関してもだめ。つまり、主要なマニフェストを事実上修正しているじゃないですか。それに関しては16.8兆円残しているのではなくて修正しているわけですから、それに対してはこれぐらいの額は修正するという形で説明しないと。努力するから見てほしいというだけではもう現実に修正しているわけですから、説明責任が足りないという風には思えないでしょうか。

城島: もう少しきちんと説明するべきだと思います。ただ、予想以上の税収減というのがありました。そのことによって我々は根底から崩されたというのが一番大きなことです。そういう中で、今の予算というのは既にかなりのところが前政権で作られていたわけです。その中で事業仕分けを含めてやりながらでしたが、中途半端で根っこから我々が予算を作れなかったということがあります。今回ハードルがとても高いですが、民主党政権になってゼロから作る予算ですから少なくとも80点以上の合格点をもらえるような予算を作らないとだめだと思っています。

工藤: 予算が組めるかが今回の最大の問題ですね。一方で予算を決めながら財政再建の中期目標を出しましたよね。例えばプライマリー赤字がいくらかご存知ですか。

城島: 対GDP比で180%。ギリシャ以上ですよね。

工藤: それは債務残高の比率ですよ。国と地方で34兆円、国だけで23兆円。これを5年以内に半減するということですよ。

城島: GDP比で半減ということです。

工藤: わかりました。GDPが増えていくということ、それに向けて歳出をカットすることの2つの組み合わせで何とかするといっているんですね。その問題と中期財政フレームの問題は整合性がとれているのですか。

城島: とるような前提になっています。これはセットです。だから。大変な目標ですよ。

工藤: 厳密にはとれていないはずですよ。

城島: 名目3%ですよ。

工藤: ただ、菅総理が副総理で国家戦略の時にやったフレームでは、成長戦略の目標が財政再建の数値を前提にしないという話が委員会で出ました。そうしないと課題が経済成長の目標を出して、それに対してやるという形になってしまいます。今までの歴代の自民党政権はそれで経過が狂っているから、あくまでも財政再建に対しては非常に慎重な姿勢でやっていくとおっしゃったんですが、それに関してご存知ですか。

城島: それはよく知りません。

工藤: 今言っているのはこの3年間のやつと中長期的なプログラムをどう実施していくのかということが大きな問題になっているということですね。じゃあ消費税の増税は何のためにやるのですか。増税の10%を参考にするといった菅総理の意識の目的は何でしょうか。

城島: それはやはり強い社会保障、強い財政だと思います。

工藤: それは財政再建の問題に関しても収入増として消費税増税を考えているわけですね。

城島: 恐らくそうだと思います。というのは、まだこれからの論議だし、よく誤解を受けるんだけど、何が誤解かというと、野党の誰かが言っていますけど、去年の衆議院選挙の時に4年間消費税を上げないといったじゃないかと。違反じゃないかと言っていますけど、整合性は取れています。というのは、少なくとも消費税を含む財政の抜本改革ができれば超党派で検討しようと。できるだけ早く賛成を得ようと。それに対して質問で菅総理はいったいどれぐらいでそれがまとまる見通しなのだ、と聞かれたときにスムーズに言って2、3年はかかると言いました。同時に、もし消費税を含めて抜本改革案ができたらそれをもとに実施する場合に総選挙ですよ。真意を問う。すると後2、3年かかるというと去年から1年ですから3,4年かかるということです。しかも上げる前に選挙で問うといっているんだから去年4年間上げないといっていることとまったく整合性取れているわけですよ。

工藤: 国民に対する説明という点では整合性がとれているというわけですね。

城島: そういうことです。それと同時に強い財政という中で一番のポイントとは社会保障でしょう。今すでに10兆円足りません。消費税で国に入ってくるのは7兆円だと。そして高齢者医療とか年金とか介護、そういった福祉の部分で17兆円だと。歳入が7兆円だと10兆円足りていないと。ほとんど強い財政にするということと、社会保障を充実させることということは当面はイコールです。ここに少なくとも社会保障のところもある程度十分になったっていうんだったらこれは別論議だけど、財政の中を強くする基本が社会保障ですから、ここはイコールで見ていいのではないかと思います。財政のためにだけという話じゃなくて、これはスタートする当座は両方同じ。

工藤: すると、自民党は社会保障のためにしか消費税を使わないといっているわけですが、民主党は財政再建のことも考えているわけですね。

城島: 今すでに消費税は老齢者医療と年金、介護に限定されているわけですよ。それにもかかわらず10兆円足りないのですから、当面どうやったって、かりに増税しても社会保障に使うしかないじゃないですか。

工藤: 来年の話なんですか、例えば基礎年金の二分の一の国庫負担の額2.5兆円はどこから捻出するんですか。

城島: これはどこからか捻出しないといけません。だけど、恒久的な財源という意味で前の自公政権がずっと言っていましたが、結局やらずに来た。その付けを我々はまた負っているわけですよ。

工藤: 民主党はあのときは恒久的な財源がなくて、それに対して反対しているわけだから3分の1に戻したらどうですか。

城島: それはだめでしょう。

工藤: 自公政権がやったものを踏まえるわけですね。

城島: 苦しくてもやらないといけないと思います。

工藤: じゃあその2分の1の2.5兆円という問題は恒久財源として、自公政権の時は消費税を考えていましたけど、民主党はその財源は何で賄いますか。

城島: あの時ひどいと思うのは、定率減税をやめたわけですよ。定率減税を廃止した分は年金にと言ってきたわけですが、それをやらないわけです。自公政権は別なものに使ってしまったと。そういうだまし討ちはだめですよ。

工藤: だけど、最終的に年金改革法であのときは消費税をその中に入れると。ただ、当面は経済的なデフレの問題もあるからという形で埋蔵金を使っていたわけです。それがなくなるので、民主党はそれを何で穴埋めするのですか。要するに、新たな財源ではなくて、予算編成の中で一般の財源を投入してやるということを言っているわけですね。

城島: もちろんそうです。

工藤: すると、民主党は基礎年金、最低保障年金を含めて7万円をやるわけだから最終的にはそこは消費税になるわけですね。

城島: そういうことです。

工藤: それからもう一つ、予算編成にかかわることで、43兆円の中に入っているのですが、社会保障の自然増と国債費増の2兆円が入っていたわけですよ。今まで自公民の政権の時は、国債と社会保障の増大を抑えないといけないということで財政の規律を図っていました。だから、43兆円というのは、本当は財政の規律を維持するということをやっていなかった。だから、本当は43兆円というのは財政規律を維持しない、2兆円足りない目標だと思うんですが、どうでしょうか。

城島: 現実論でいうと難しい話ですね。

工藤: 考え方としてはどうですか。

城島: 考え方としてはその通りでしょうね。中期財政フレームを含めて考え方としてはご指摘の通りのことをやらないかんというのは基本的なところだとは思いますけど、現実的にそこを厳密にやれるかとなるとさっきの論議と同じようなところだし、デフレ脱却ということが非常に大きな課題としてありますからなかなか難しいところだと思いますね。

工藤: やはり政権を取るということは、今の政府が抱える課題に責任が問われるということですよね。だから自分の約束だけではだめになるということですよね。すると強い社会保障ということの概念は何ですかね。

城島: 菅さんも言っていますけど、成長してくためには安心がないと個人消費も増えない。だからこの強い財政ということがあって初めて経済成長をしていくということが一番じゃないでしょうか。

工藤: すると、さっきの16.8兆円もあるんですが、民主党が新しく言っている最低保障年金。それから上にある所得比例を含めた今の年金制度の抜本的改革はいつ実現できるんですか。

城島: これは昨日、原則ということで発表しましたね。一応平成25年度を目標に進めていくことになっています。しかし同時に、これは私も年金の時に超党派でしばらくやりましたよね。

工藤: 民主党はそこに入りましたか。

城島: 入りました。私幹部として入りましたから。座長が与謝野さんでしたね。よく覚えていますよ。あの時我々は応じたわけですよ。だから基本的に税制の問題も社会保障も年金もセットですからね。そうすると25年に向けて与野党協議ということをぜひやりたいと思いますね。

工藤: すると、25年の間なんですが、今現在、年金制度はどうなっているかということなんですよ。つまり国民年金にお金を払う人が減っている。年金制度に対する信頼がかなり欠け始めていて、マクロ経済スライドが発動されないために今のお年寄りに対する給付は維持されている。今の状況は若い将来の世代に対して急激な負担になっているわけですよ。借金もそうです。若い世代の利益を民主党は守るつもりがありますか。 城島: 守るつもりがあるし、守っていく必要があるからこそ今度の強い経済、強い財政、強い社会保障、こう言っているわけですよ。

工藤: だったら今の給付を減らすという決断をされたらどうでしょうか。今はマクロ経済スライドが発動されていれば、自動的な給付抑制というメカニズムが動いたわけですが、初めからずっとそれが機能していないわけですよ。

城島: それは一つの道かもしれませんけど、それをやったらますますデフレになるんじゃないですか。不安と同時に消費が減る。今の水準が本当に高すぎるのであればそういうこと言えると思いますが、今の国民年金も平均で4万円ですよ。実際、満額じゃなくて一番多くの人がもらっている人の平均が4万円ということを含めてみた時に、その給付をカットするということじゃなくて、給付を下げるのではなくて、もう少し必要な負担をしてもらうということ、つまり広く負担をしてもらうということはあるかもしれません。

工藤: ということは将来の抜本的な年金改革の前に、現行の年金の非常に世代間の不公平感がかなり強まっているわけですよね。これに関しても広く薄くという負担は検討になるということですね。

城島: それはありうると思いますね。

工藤: これは民主党の話というより、日本の政治そのものが今の解決にきちっと取り組まないために、将来世代に付けがどんどん回るという構造が動いていることに関して質問しているのです。

城島: 全くその通りですね。問題意識に同感です。ただ、年金について言うと、健康保険もそうなのですが、いっぱい制度があって異常じゃないですか。公務員の共済年金があり、しかもこれは非常にプラスアルファになっているわけですよ。それから国民年金というのは当初は自営業の人のためにあったのが、今は半分以上がパートだとか非正規社員の皆さんが入るようになってしまっています。働き方によってこんなに差があっていいのかというのが本質的なまず一つの問題意識ですよ。そういう世代間の公平感と同時にもう一つ働き方によってこんなに格差があっていいのか。この両方を我々は問題意識を持って当座やるべきことは、働き方によって差があるということをやめようじゃないか、そういう意味で一元化しようと。

工藤: すると強い社会保障というのは、まず年金制度の抜本改革ということがまず一つあるわけですね。医療に関しても診療報酬の値上げといって中途半端になりましたけど、あの全体プランが非常によくわかりにくい。後期高齢者医療保険制度の問題もありますけど、結局あれは保険が支えているという構図ですよね。それが保険の人たちが無理だといい始めている。だから、抜本的な改革のプランにはここもなっていないわけですね。それから一方で診療報酬ということを含めて医療崩壊についての全体像という形になっているんですが、そこのあたりも含めて今回のマニフェストを見ると強い社会保障という項目がないのですよ。強い財政と強い経済はあるのですが、だったら強い社会保障も1ページとればどうですか。

城島: 途中で質問があったとおりで、それを言われればそうだなと。ただほとんどのところは09年のマニフェストで我々は謳っているわけですよ。年金もそうだし、医療についてもそうだし、あえて言えば雇用の部分もそうだし、それは基本的に省いているわけですよ。だからそこは、載せていないのではなくて継続してその問題については最重点、子育て支援も医療介護もやっていきますという、そういう面で補完です。

工藤: じゃあ最後に、強い経済といっているのですが、これに伴う財政の負担、支出増ということはどういう風なことをイメージされているのでしょうか。つまり、この政策は財政措置がない規制緩和でやるということですか。

城島: すべてではないですけれど、まったくご指摘の通りです。先日規制改革をやっている経営側の代表が新聞にコメント出されていましたけど、やっと政治主導で規制改革が動き始めたという評価をしていただいておりましたね。すなわち、今まではいろいろ出しても官僚の抵抗で全然進まなかった。しかし、民主党になっていい意味での規制改革が進んできた。これは非常に重要なポイントだと思っています。そのことによって産業を展開していくということを含めてポイントの大きなところは規制改革です。誤解のないように言っておきますけど必要なところは規制強化する部分もあるんですよ。

工藤: そのプランはいつごろ出ますか。

城島: 今ずっと進めています。

工藤: もう一つ聞かなければいけないのは、先ほど予算の組み換えとおっしゃっていましたけど事業仕分けも含めて、その後の枝野さんの発言にもあるように、大きな無駄の削減に寄与しないだろうと。とすれば、ここにある9.1兆円の捻出はどこでやっていくんですか。

城島: 第1弾、第2弾やりましたよね。あれをレビューしてあれで終わってはだめです。レビューしてそれをどう活かしていくかということにつなげないといけません。そして第3弾で特別会計にメスを入れるわけです。そこも今度は独立行政法人、公益法人、天下り先であった4千の団体にどうメスを入れてくか、そこにつなげていく中でそれを捻出していく。

工藤: 費用項目は何になりますか。例えば昔の民主党のマニフェストを僕たちに説明にきた時に人件費とか委託費とか補助金とか、かなり費用項目で削減項目を出していました。今、そこのところの5.5兆円が1年で逆に上がっちゃっているわけですよ。なので、スタートラインがもっと上がってしまったわけです。だから9.1兆円って14.1兆円下げないといけないわけです。すると公務員の人件費は2割削減という形だけど、しかしそれだってまだ目途がついていないじゃないですか。すると2割削減をどうやってやるのですか。それだけでいいです。

城島: これは要するに人の問題ですからね。なかなか目途ということでいうと難しいのですが、生首切るわけにはいきませんから今の人件費水準を下げることと、私も25年間民間企業にいましたから何をやるかというと新規採用を抑えるわけです。それをきちっとやっていく。

工藤: 一方で労働基本権の問題を含めた形で協定結んでやるというプランでしょ。だけど、それが公務員制度改革の中で遅れていますよね。だから遅れている状況があるということは認めますよね。

城島: 我々が遅らせているわけじゃないんですよ。本当に。

工藤: でもこれまでの法案が今度また廃案になりましたよね。

城島: そこだけ言われればその通りだけど、この流れそのものは我々の問題じゃない。ちゃんと拍車かけてやりますから。

工藤: 最後の質問になりますが、マニフェストの実現ということをどれぐらいの位置づけを菅政権は持っているのかということですね。今回は書き方がとても抽象的になってしまって、有権者が約束と認識するには非常に無理があるような項目だらけです。読めばわかるでしょう。だから国民に対する説明の仕方についてまず問題があるのではないかと。それからもう一つ、一番聞きたいのは実現に向けての実行の担保。例えばマニフェストを実現することに関して政府としてそれに一元的に取り組むためにどういうことをやるのですかということ。この前は、確かに首相はそういったけど、どんどんいろんな形で変更になっちゃって個人的に普天間県外移設があってどんどんだめになった。しかも国家戦略室がそれをやるといっていろんなことがあったけど、国家戦略室の機能もまだよくわからない。何のためにやっているのかわからないし、官邸機能の強化もされているとは思えない。だから、まさに政治決定と実行のプロセスに関して非常に不安があるんですね。それから政務三役が動いたけど、官僚との仲が非常に悪くてちゃんとした仕事ができていないのではないかという批判がある。ここのあたりはどう考えていますか。

城島: 省庁によって差がありますからね。

工藤: 頑張っているところもあるけど、だめなところもはっきりあるじゃないですか。

城島: これも言い訳のように聞こえるかもしれませんが、要するに日本で初めての政権交代ですよ。それは世界で言う一般的な政権交代ではない。政権政党が例えば自民党中心から民主党中心に変わったということだけではなくて、政治の仕組みそのものを変えるというところにもっと大きな意義がある。それはまさに国民主権だから、政治主導。でもその政治主導もうまくいかないこともある。だからそういうものを含めて官邸機能の分もあり、反省するところは多くあります。最初鳩山さんが言った通りだと思います。間違ったこともあるかもしれません、試行錯誤だと。その過程があることを認めるけども、その中でそういうことをきちんとやっていくためにも、我々政調は概算要求の時から噛んでいきたいと思っています。これをきちんと実現させるために提言機能なんですが、チェックし、提言もするという役割を果たしていきながら叱咤激励をしたいと思っています。

工藤: だから、政調に関しての役割は期待をします。しかしこのマニフェストは、うまくいかなかったこと、試行錯誤を含めて、こういうことをうまくできなかった。しかし、こういう形で今後やるんだということを説明する、国民とつながる唯一の選挙の時のパイプじゃないですか。

城島: それもよくわかります。だからこれも反省しているんです。最初私が説明した時にいろいろ言われました。なるほど、われわれちょっと気が付かなかったなといったんです。だから、マニフェスト選挙もつい最近じゃないですか。

工藤: 民主党はマニフェスト政治のために、何回もマニフェストを書いてました。菅さんも2003年に。

城島: 僕が言いたいのは与党になって初めて、しかも前のマニフェストから1年たってない。だからこれもあえて言えば、次の総選挙の時はかなりご期待に応えるようなマニフェストにしますよ。

工藤: これはマニフェストとしてかなり良くないでしょう。失格だという風に思うでしょう。

城島: 僕はそうは思わない。ただ過程にあるなと。まだ確かにそういわれればそういうところは足りなかったなというところはあるし、われわれはもう当たり前だと思っていた09年のころの、われわれだからそういう風に言えるんであって、これを改めて読む人からするとそういうのは飛んでいるなというのはよくわかります。

工藤: それに関して、これをちゃんと今度は行動の中で示していただきたいですね。ただ、菅政権のアジェンダは財政再建にあると。強い政治と社会保障ということでよろしいんですね。

城島: いえ。一番は改革を進めるかどうかです。まさに税金の無駄に切り込めるのは民主党しかないという自負心があります。なぜならば官僚との癒着がないのですから。事業仕分けはどう逆立ちしても自民党ではできないでしょう。あれをできるのは民主党だからです。税とか社会保険料はどう使われているか、というのは一目瞭然になったということは大変大きな社会の変化だと思います。

工藤: 城島さんの言っていることは理解します。ただこのマニフェストはそういう書かれ方ではありません。だからこれに関してちょっと違うよということでよろしいんですね。

城島: 違うよってなんですか。

工藤: 強い財政、強い経済という形のアジェンダ設定をしているじゃないですか。

城島: だから、そこも無駄の削減って言わずもがな、われわれの使命だと思っているからです。

工藤: 国民に向かい合うということの意味を考えてほしい。政権交代というのはまさにマニフェストを立てて動かしていくもので、それが事実上大きな変更をしている中で今度の時は完ぺきなものを出すといわれてもだめなので、説明責任というものをぜひ果たしていただきたいと思います。

城島: わかりました、選挙戦の後10日ぐらいありますからきちっとやります。

工藤: 民主党、政権党ということで非常に長くなりましたが、とりあえずここで終わらせてもらいます。

城島: ありがとうございました。