Payday Loans
   
「未来選択」は言論NPOが運営するマニフェスト評価専門サイトです。
【メイトになると最新情報】がメールで届きます。
言論NPO

 

2012年衆院選対応「未来選択」新サイトオープン

 2012年衆院選対応の「未来選択」はこちらに移動しました

言論NPOとは

日本のメディアや言論のあり方に疑問を感じた多くの有識者が、日本の主要課題に対して建設的な議論や対案を提案できる新しい非営利のメディア、言論の舞台をつくろうと活動を始めた認定NPO法人です。
⇒詳細はこちら

▼参加したい方はこちら


▼言論NPOのツイートはこちら

▼お問い合わせはこちら

9党政調会長にマニフェストを問う「結局、何を約束するのですか」【公明党:斉藤鉄夫政務調査会長】 印刷 Eメール
動画でみる

 
工藤:  公明党は今回の参議院の選挙にマニフェストを出していますが、何を一番伝えたいのか、何を一番実現したいのか、2つに絞って言っていただけますか。

斉藤:  1つは新しい福祉を提案したことです。新しい福祉というのはこれまでの医療、年金、介護、子育て支援という社会保障に加えて最近新しく国民が直面しているリスクに対しての福祉という意味です。これは、1つは心の病であったり、またdomestic violence などに代表される虐待であったり、またお年寄りの孤独死は大きな問題になっていますが、そうした孤独です。昔は地域社会や家庭やそして会社が面倒をみてくれていたのが、いま、その絆がなくなってきてばらばら社会になってきている。やはり社会として個人の生存を保障するという意味でもこういう分野に力を入れていくべきではないかと思い、その提案をしています。
 2つ目はやはり環境の党らしく、環境です。その1つ目は2020年までに今のエネルギー効率を30%向上させて再び世界一のエネルギー効率の高い国になる。そしてもう1つは2030年までに電力の30%を自然エネルギーでまかなう。いま年間20数兆円ものすごいお金が化石燃料を買うために国外に流出しています。そういう意味でも、日本の経済を活性化させる意味でも、自然エネルギーを拡充していく。この2つが我が党のマニフェストの大きな特徴かと思います。

工藤:  その環境ですが、民主党政権も25%減の中期目標を掲げています。どこが公明党とは違いますか?

斉藤:  先日閉じた国会で温暖化対策基本法について自民党案、政府案、公明党案、3つ出てきて大きな議論がありました。そこで明確になってきたわけですけど、自民党の案は8%減、公明党と民主党の案は同じく25%減ですけど、民主党さんの25%減は全て国内で削減することを目指すと小沢大臣も鳩山大臣もおっしゃいました。

工藤:  25%削減を全て国内で?

斉藤:  そうです。私たち 公明党は25%減のうち10数%、できれば15%を国内で削減すると。これは国内で鉄鋼やセメントの生産量を削減しないですむぎりぎりの、つまり生産制限しないですむぎりぎりの数字です。残りの10%はいわゆる海外貢献 、海外に日本の技術を持っていって、ある意味で非常に安く削減できるんですと。その海外貢献分も含んでいます。その海外貢献分を含まなければ、この25%削減は絵に描いた餅です。そこが民主党案と公明党案の一番大きな違いです。

工藤:  民主党が25%削減を全て国内でやるというのは非常に非現実的だと見ているわけですね。斉藤さんが環境大臣だったときに、公明党はかなり環境政策を主張していたんですが、環境省の力が経産省との関係で弱い感じがあり、なかなか政府部内で達成できなかったように見えました。今の政権もそういう段階にありますね。公明党が次に政権を担う場合に、 政策実行のプロセスでこう変えたら、公明党の政策が実現できる、といったことはありますか。

斉藤:  はい、環境大臣時代 、経産省の協力が得られなくて困ったということがありました。そこをどう克服するかが、将来、日本が環境立国として世界に冠たる国になるかどうかの大きな境目であると思います。そういう意味では、エネルギー環境省的な1つの組織に変えていかなくては、いつまでも環境省対経産省という構図が残ってしまうと思っています。政治がリーダーシップをとる、政治主導を進めていくという事がもっとも肝要ですけど、それと同時にエネルギーと環境とを一体にとらえる、そういう政策部門を作っていきたいと思っています。

工藤:  環境のことをもっと聞きたいのですが、ほかにも、関心のあるテーマがあります。まず、政権が変わったのですが、民主党政権はダメですか。どう判断していますか。

斉藤:  民主党政権はダメです。その大きな理由は、いわゆる物事の決定プロセスがよくわからないところにあります。いろいろ批判はありましたけど、我々自公政権のときは、与党と政府 、それぞれ議論を積み上げてきて1つの政府与党として決定するそのプロセスは透明でしたし、外から見てわかったし、そこにいろんな人の意見が入り込んでくる、そういう形になっていました。ところが、今の民主党政権は誰がどこで何を決めているのか、全く分からない。私はそこが一番大きな問題だと思っています。

工藤:  民主党政権はマニフェストを出しても、それがなかなかうまく行かないのですが、財政再建というか、強い財政を作るため、プライマリーバランスの赤字を5年くらいで半減させるとか目標を立てています。自民党もそういう目標を立てているのですが、公明党のマニフェストでは財政再建についての記述が弱い気がするのですが。

斉藤:  そこは反省すべき点かもしれませんが、我々は実は自公政権時代はリーマンショック以前まではプライマリーバランスの黒字化に向けて、2011年の黒字化に向けて、着実に進んでいたのです。ところがリーマンショックが起きて、大きな財政出動をしなければ経済が持たないという事態になって国債を発行して経済対策を打ちました。その時点で、2020年までにプライマリーバランスを黒字化する、そして2015年までに赤字幅を半減するという麻生政権時の財政再建プランとして中期目標を決めました。我々はそれを踏襲しています。今回、菅政権が出してきた中期プログラムは全くそれと同じです。そういうわけですから、財政再建については 民主党も自民党も公明党も現時点の財政状況を考えればだいたい同じ考えを持っているという事になろうかと思います。

工藤:  ただ、消費税の問題がありまして、財政再建を果たすためには、歳出を抑えるという問題と、歳入、それは経済成長による税収増とそれから増税があるんですが、そのあたりの組み合わせを公明党はどう考えているのでしょうか。

斉藤:  昨日、あるテレビ番組で与謝野さんと石破さんに申し上げたのですが、我々は自公政権時代に、当然、財政再建する上で消費税を含む税制の抜本改革を行わなくてはならないということで合意していました。その考えは変わっていません。ただその時に前提条件をつけたのです。
 1つ目は、デフレを克服し、経済状態がいいときでないと、消費税を上げたり、税制を抜本改革したりする意味がなくなる、と。2番目が、無駄をなくすといくこと。3番目は、目的は社会保障の強化にあって、まずどういう社会保障を我々が目指すのかということで国民的なコンセンサスを得る必要があると、だからこれだけ上げさせてほしいと。この3つの条件を自民党さんと一緒になって自公政権時代に作り、それに則ってやっていこうということだったんですけども、自民党はその条件を外しています。

工藤:  で、自民党は消費税を当面10%に引き上げると打ち出したのですか。

斉藤:  ある意味では責任政党だということを民主党との対比で出したかったんじゃないかと思いますが、私はそれは少し違うのではないかと思います。例えば、前回、3%を5%に上げたとき、結果的にはものすごく不景気になって消費税を上げた分以上に税収が落ちこんだんですね。 結局、プラス・マイナスがマイナスになっちゃって、何のために消費税を上げたのかわからない状況になりました。今回も、このデフレ下で消費税を上げると決める事自体が、同じような状況を生み出すのではないか。デフレの克服がいかに難しいか我々もよくわかっているんですが、そのデフレを克服するということが大前提だと思います。

工藤:  自公政権のとき、基礎年金の国庫負担を2分の1にするときの財源として消費税を考えたのですが、それは難しいので、埋蔵金を充てました。いま、民主党もそのまま埋蔵金でやっているわけですね。でも来年はないわけです。だから、基本的にこの財源問題をどうするかがデフレ下であってもいま問われていますね。ここはどういう風に整理すればいいですか。

斉藤:  現下の経済状況を考えたとき、消費税を上げることが出来ない以上、予算の優先順位を決めて削るべきものを削るという事しかない。国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げるには確か2.5兆円必要で、公明党は与党だったときにそれを順次引き上げよと言ったのですが、 財務省が抵抗して最終的にぼんとあげればいいんだということになった。だから、まさしくそこの恒久的な財源手当がついていない。これは予算の優先順位を決めて、順位の低い予算を削るしかない。その1つは公務員の人件費の削減であり、まずそのためには議員定数の削減という自ら血を流すというところから始めなくてはならないと思っています。それしか方法はないと思います。

工藤:  公明党のマニフェストはきれいで整理されていて、新しい福祉というネーミングもエッ、どういうことなんだろうと思うのですが、どうしても質問したくなるのは自民党と公明党がやった年金改革です。100年間安心だというすごい改革だったわけですね。その時の問題は国庫負担を2分の1にすること、給付を抑制するためのマクロ経済スライドの導入、それと保険料の値上げ、という3つが確かセットだったと思うのですが。

斉藤:  あと、下限を決めて給付水準を下げるのと、もう1つは積立金の取り崩しですね。

工藤: 国庫負担の2分の1への引き上げは何らかの形で財源を手当てしなければなりませんが、気になっているのはマクロ経済スライドの導入です。それが発動できないという状況になると、その分が今の年金受給者には過剰給付になります。その結果、若い世代にしわよせが行っているような気がします。今の年金の仕組みがうまく機能していない状況に関して当時、政権を担っていた自民党と公明党は言及する責任があると思いますが、どうですか。

斉藤:  基本的に2004年の制度改革は抜本的な制度改革であって、もちろん完璧ではありませんでしたけれど、大きな改革、改善につながったと思っています。100年という具体的な長さが、そういうネーミングが適当だったかどうかという問題はありますが、長期にわたって年金財政を安定させる、そして安定化したからどうぞ安心して保険料を払って下さいと国民の皆さんにメッセージを送るという点で大きな意味があったと思います。ただ、あの通りにやると、経済成長率が低くなれば、その分給付も低くなる、また出生率も低くなれば給付も減るということが組み込まれた内容になっています。
 あの通りに実行すれば、少なくとも数十年は持つという事が財政計算で明らかになっています。ただ、物価が下がったから、経済の状況がこうだったから、その分、給付を下げますよということが政治的にこんなに難しいことだとは思わなかった。次の選挙ですぐ負けてしまうという大きな問題があることは確かですけれども、そういうことも含めて国庫負担割合をできる限り早いうちに2分の1を恒久財源でまかなうことが必要です。ただ出生率については、想定していたよりは少し高めになってきている。だから、全てが悪い方向に行っているわけではない。

工藤: どうして給付を下げられないのですか、日本の政治は。下げないと、その分は全部若い人たちにしわ寄せすることになってしまいますよね。

斉藤:  まさにそういうことでモデルを作ったわけですけど、そこで政治のリーダーシップをしっかり発揮しなくてはいけないという事だと思います。ただ給付額を下げるということについては、非常に強い抵抗があったのは確かですので、あのモデルを長く持たせるためにもそれは是非やらなくてはいけないことだと思っています。

工藤:  全体的に年金も医療もそうですが、まさに助け合いですよね。若い世代が高齢者を助けるというその気持ちはいい、高齢者のために何かをするのは正しい。ですが、ここまで借金だらけで、かつ、人口が減少していって 若い人たちが負担するお年寄りの数が大きくなってしまうという状況になると、年金システムのつじつまが合わないところまで来ているんじゃないか。それが年金不信につながり、国民年金の保険料納付率、払う人の数が減っている。これは抜本的に変えなければならない。公明党だけが問題ではありませんが、福祉に強い党なのでうかがいたい。なぜ今のお年寄りを守って、将来の若い世代のことを日本の政治は考えないのでしょうか。

斉藤:  本質的な質問で、いまどう答えていいかわからないが まさしくおっしゃるとおりだと思います。ただ、この財政再建にしても、社会保障のありかたにしても、政治家が将来のことを考えていないかというと、決してそうではない。いかに持続可能なものにするかということは考えている。先程申し上げたように、消費税を含む税制の抜本的な改革を行わなくてはいけないし、年金についても当初のモデル通り実行しないといけない。下げるときは下げなければならないとわかっています。ただ現実に暮らしているお年寄りの方々からの切実な声もまた政治家としてお聞きしなくてはいけない、参考にしなくてはいけないということもあり、その狭間に悩んでいるというのが現実です。

工藤:  若い人たちが投票にいけば、この構造はがらりと変わると思うのですが、そういう持続性というのが気になっているのです。公明党の政策分野を見ると、まさにそういうところがターゲットゾーンになっているのですね。日本の一番の重要な課題は人口減少と高齢化に関して持続的な仕組みをどう作っていくかです。そこで公明党は一番、力を出さなくてはいけないと思っているのですが、そういう認識なのでしょうか。

斉藤:  まさに我々はそう考えています。今回のマニフェストの前面に新しい福祉の提案をしています。新しい福祉というのは、新しい生活保障、新しい雇用保証、新しいhuman careです。さきほどの心の病とか孤独というのはこのhuman careにあたります。雇用、生活というのは、これからの社会を担っていく若い人たちのことを思い描きながら、この政策を作りました。雇用保障のところでいろいろ提案していますが、例えば、企業が人を採用するときに新卒しか相手にしない、新卒至上主義を根本的に打ち破るために、その第一歩として卒業してから三年間は新卒と同様に扱うということも提案しています。そういう意味では、若い人たちが、自分が希望するような形態で働けて、希望する人は家庭を持ち、子どもを持てるような社会を作るというのが実は今回の新しい福祉の根幹にあります。

工藤:  今の民主党に対する評価はいろいろあるにしても、政権交代の背後には、かつての自公政権は古いものだと判断した人がかなりいるわけですね。自公政権が復活するためには、どうやったらいいのか、何を変えればいいと思っていいますか。

斉藤:  その問いに答える前に、我々、公明党は自公連立10年の検証を行いました。主に 社会保障、安全保障の二つの分野で行ったのですが、その中で出てきたのは、公明党らしい主張を連立政権の中でしてこなかった、もしくは主張が弱すぎたところに自公政権が壊れた最大のポイントがあるのではないか、我々自身も支持を失ってきた大きな原因があるのではないかという点です。例えば、社会保障費の伸びを毎年2200億円ずつ抑制するという政策がありましたが、あれなどは我々公明党が体を張ってでも阻止しなくてはいけない政策でした。2011年までにプライマリーバランスを黒字化させるために社会保障からも出せということでああいう形になったのですが、他から出すべきだったと反省しています。したがって、我々公明党も10年間の自民党との連立政権で、自民党に理解を示しすぎたというところを反省しています。今後どういう風に政治が展開していくか分からないけれど、公明党らしい原点を見失わずに政策を主張していくことが大事だと結論付けたわけです。

工藤:  国民が期待しているのは課題解決をしてほしいということです。今回、見ていると選挙を意識しているような言動が結構、国会で多かったのですが、僕たちはちゃんとした解決をしてほしいと、政治には仕事をしてほしいと、また頑張ってほしいと思うのですが。

斉藤: それぞれの党に、得意とするところ、国民の皆さんから期待されているところがあると思います。我々公明党は福祉であり環境がそれであると思っています。そういう意味でしっかり頑張ります。