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9党政調会長にマニフェストを問う「結局、何を約束するのですか」【共産党:笠井亮政策委員会副責任者】 印刷 Eメール
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工藤: 
各党が何を実現したいと思っているのか、それを知りたくてやってきました。まず、日本共産党に一番聞きたいのは公約の位置づけです。これは実現するためにあるのか、それとも自分たちの主張を伝えたいためにあるのか。どちらなのでしょうか。

笠井:  当然、実現するということが公約ですから。私たちの場合は、政権に就いているわけではありませんが、野党であっても国民が願っていることについて、例えば、後期高齢者医療制度、これは75歳で年齢を区切って差別して負担をかけるということです。これについては、国民がこんな制度はとんでもないということなので、野党であっても廃止を掲げ、国民の皆さんの声や運動、署名とともに、政権に迫っていく必要があると思います。これは、実現するのが当然だし、実現しないといけないということで、時の政権に対して我々が国民の要求を公約に掲げて、ぶつけていくことで実現させる。そうすることで、野党の声であっても与党は聞かざるを得ない。
 後期高齢者医療制度について、去年の衆院選以前で言えば、民主党とも同じ野党として共同で廃止法案を出して、参議院で可決する状況になって、選挙後民主党は政権に就いたわけです。本来なら、公約を実現しないといけませんから、国民もそれを期待したわけですが、先送りしてしまいました。しかし、やはり野党であっても国民の声を反映しながら、願いを実現するというところで、ただ公約を掲げるだけでなくて、時の政権に対して実現させるという立場で、この参議院選挙の公約を作りました。

工藤:  すると、私たちが日本の政治に期待することは、日本の今の課題を解決してほしいということです。その課題で一番私たちが気になっていることは、財政再建についてです。今、借金が国と地方で860兆円ぐらい、世界的にみてもあのギリシアよりもひどい状況ですから、マーケットも疑心暗鬼になっています。そこで、財政再建について共産党であれば、どういう道筋で実現するのでしょうか。

笠井:  日本の財政はおっしゃるように深刻な状況で800兆円という規模になると思いますけど、それはそれで、何がそれを作ったかという問題があって、公共事業630兆円ということで、アメリカの要求を受けながらやってきた問題と、これまでの政権の中で実際に積み重ねてきた問題とがありますね。そういう結果としてできた問題ではあるわけです。それをどう立て直すかというのは大事な問題だと思います。ただ、それをやるときにいっぺんにやるのはなかなか大変ですが、国民の暮らしとか社会保障とか生きていくためにどうしても大事な問題についてはきちんと予算を確保しながら財政再建の道筋をつけていくことが大事なポイントになると思います。
 そのうえで大きく分けて2つありまして、1つは税金の出と入りを洗う。1つは予算の無駄遣い。これは本当に徹底して果たさないといけない。民主党政権も事業仕分けをやってきましたけれども結局20兆円出てくると言いながらあまり出てこなかった。肝心なところにメスが入っていない。だから我々は今回、軍事費という点では年間5兆円と、自公政権のときよりも増えましたから。特に米軍への思いやり予算とかグアム移転などに3370億円と膨大な額を出している。こういうのをピシっと見直してやめさせる。それからコンクリートから人へというなら、公共事業を徹底的にチェックしないといけませんが、東京で言っても1メートル1億円の東京外環道は、自公政権時代の計画を民主党政権も進めるといっているので中止させると。それから政治家が身を切るっていうなら320億円の政党助成金ですね。これは民主党が官から民へと言うならやめなきゃいけない。官から民へと言って民営化を推進しながら自分たちは税金でやっていたら、国営政党になりますから、こういうのはきちっとやめさせる。税金が入ってくるほうも、大企業や大金持ちに優遇税制をやりすぎたので、これはやはり儲けに応じてということで本来の姿に戻していく。
 もう1つは景気回復しなきゃ税収は増えませんので、大企業に役割を果たしてもらうと。大企業はいろいろと大変だとは言いますが、内部留保は史上最高の220兆円にのぼっていますから、全部とは言いません。そのうちの一割でも雇用のために正社員化したり、あるいは中小企業に下請け単価を適正にするっていうことで、景気を上向きにするためにそういう金を使って社会的責任を果たしてもらう。そうすると税収も増えてくる。そういうやり方で財源を7兆円~12兆円確保をしながら、そして後期高齢者医療制度の廃止とか医療費の窓口負担が高すぎるので引き下げるとかは当然必要なことですから、財政再建についても計画的に道筋をつけてお金を出していく。これはすぐには借金を埋められない規模ですから、そういう風にして進めているということ自体が国民にとっても経済にとっても安心かなと思います。
 ギリシャとは違うと思います。ギリシャはとにかく借金の7割は海外に依存している。日本はそれと比べると9割は国内での借金ですから、海外からの借金というのは1割未満。ギリシャも消費税を増税して、法人税を下げたことによって一層悪化したわけだから、それは今、菅さんがやろうとしている話なのですがそこはきちっと現実を見ながら計画的にやると。

工藤:  今度は時間軸の方ですね。例えば民主党なり自民党はプライマリーバランスが23兆円の赤字、つまり毎回必要なお金がないわけで、借金を積み重ねて破産状況なわけですね。これを5年以内に半減する、10年以内に黒字化すると。そのために今の歳出の規模を完全に縛っていく。そっちのほうが今の財政の状況の中では非常に現実的な選択のように思いますが、そういうプランはないのでしょうか。

笠井:  そういうような形ではなかなかうまくいかないと思いますね。国民生活やみんなが安心して暮らせるということがまず一方では必要だと。そこはどんどん削るところじゃない。そこのとこをきちんと確保しながらどうやって経済を温めるかと。今、民主党や自民党が財政再建とか言って、特に民主党の菅首相は財政再建だ、社会保障のために消費税を10%に増税だといわれるけれども、今度のプランはそれとセットで大企業の法人税減税ですから、結局5%から10%に増税した分のほとんどが、大体11兆円ぐらい財源が入ってくるんですが、法人税を下げるってことになるとそのうちの9兆円ぐらいが法人税減税のための財源で消えてしまう。すると社会保障の財源はないし、それから財政再建にもならないという最悪の話になるわけです。一方で消費は冷え込む、暮らしは大変。経済はますます大変っていうことで混乱する。逆の道に行こうとしているのが民主党だし、自民党なんです。消費税増税に頼らずに先ほど申し上げたような、財政再建を含めた計画的な、暮らし、福祉を大事にしながらっていう道をやることが近道だと言いたい。

工藤:  経済的に辻褄が合うように、例えば1年目にこうで、2年目、3年目にはこうというのを出さないと説得力が弱いのではないか。また、うかがっていると国内でまだ国債の調達ができるということが仮説にあるわけですね。それがだんだん消えていく。すると限界のところを海外の人たちがとっていくという状況になって、そこで大きく動いていくというような危機感は感じていないですか。

笠井:  そうならないようにするためにも、着実に国民の懐を温めるというところで、元気にする方向をきちっとやりながら、ということなんですね。それから、確かにいつまでにこうするという話ができればいいじゃないかということですが、これは積年の政治が作ってきた借金で、これを返すという計画はそう簡単に言えるものじゃないです、しかしながら、道筋をつけながら進めるっていうこと自体が安心感にもなるし、経済にとっても確実に借金減らしをやりながら、経済も成長するし、国民も豊かになるというところが大事なところだと思います。

工藤:  共産党の政策は、かなり支出は増やすんですね、いろいろな保障にしてもサービスに関しても増やすと。これは一つの考え方なのですね。ただちょっと気になるところがあって、民主党が行っている農業の戸別所得補償政策について、共産党は最低保証が少ない、もっと増やさないといけないという話をして、しかもコメの価格が下がることを抑えないといけないとおっしゃっているわけですね。消費者からみると高いものを買わないといけない。しかも保障するための税金をとられる。となると、共産党はどっちを味方しているのか。生産側、供給側なのか、それとも一般の消費者なのか。

笠井:  生産者側、供給側と消費者という対立構図じゃないと思います。日本の国民全体の問題だし、食は基本ですから自給率をアップしていく、いま40%で異常なわけですよ。安全安心な食糧っていうのは日本の大地から作り上げていく。消費者側からもいろいろなことを通じて安全安心なものは日本のものだし、地産地消でやっていくことが広がっている。食は基本というところで、大いにみんなで力を合わせて日本で食べるものは日本で作るっていうのが大事だということに変わってきていると思います。

工藤:  衰退農業の担い手というのは65歳以上のおじいちゃんです。そういう人たちは新しい担い手がいないといずれ壊滅するわけですよ。すると単にお金を出すのではなくて、担い手が参加しやすい経営的なインセンティブを感じるようにしないと参加しないと思うのですが、見ているとそういう仕組みがあまりないのですね。

笠井:  価格保障・所得補償の問題自体が後継者もやっていこうという道につながるわけですよ。意欲はあっても、おやじを見てたらとても無理だよねと結局後継できないっていう状況があるわけで、そこをきちっとやっていけるように、一番支援していくのが大事だと思います。最近、東京都内の農協の若い方が国会の私の事務所に来ました。後継で大いにがんばりたい、そのためにも支援してもらいたい、税金問題もありますが、そういうことも含めて希望を持ってやれるような政治の応援をほしいというのがあるのですね、そこは政治の役割が大きいと思います。

工藤:  もうひとつ僕たちが一番関心を持っているのは少子高齢化で、日本の中長期的な課題では最高の課題だと思います。その時、年金は持続不可能で、しかも若い世代でお年寄りを支えるという構造はいずれダメになると思うんですが、共産党は今の年金をどういう風に持続的にさせようとしているのですか。

笠井:  年金というのは安心という上で大事ですし、現役世代で頑張ってきて、そのあとも元気で暮らしていけるためには欠かせない問題なので、年金は持続可能なものにしないといけないと思います。そのためにも最低保障年金はぜひ実現しないといけない。わたしたちは最低保障年金5万円を確保した上に、掛け金に応じて上乗せするというところからスタートすると。それでとどまるわけではないですよ。そこから初めて誰でもきちっと安心な年金を受けられるということを目指していこうということが必要だと思います。

工藤:  民主党が言っている最低保障年金とは違うのですか。それとも基礎年金ですか。

笠井:  私たちはまず基本的なところで5万円。それにプラス掛け金に応じての上乗せということです。

工藤: 5万円の財源は何ですか。

笠井:  当然、国の側としてもやるようなことが必要になってきますね。

工藤:  税金ですか。

笠井:  国としての必要な責任を果たしていくことが大事だと思っています。

工藤:  民主党はボックス(四角)が下にちゃんとあるのか、それとも三角形がまずあって最低保障年金なのかよくわからなくて、最後はそうなったんですが。共産党は四角があってという議論ですか。

笠井:  基本的にそうだと思います。

工藤:  すると今の若い人たちがお年寄りを支えているという構図をどういう形でチェンジしていくと考えているのでしょうか。

笠井:  少子高齢化自体克服しないといけない大きな課題ですから、安心して子育てができるということや、子供を産みたければ産めるという、安心の子育てということをきちっと確保しながら少子高齢化自体を克服するというのが大きなテーマになってくると思いますね。

工藤:  自公は国民年金の基礎部分の2分の1を国庫負担に変えるということをやっていますよね。共産党はこの2分の1国庫負担には賛成しているということですか。

笠井:  もちろん2分の1に賛成しています。

工藤:  最後に、今の年金と財政に共通しているキーワードなのですが、それは、ツケなり借金を払うのは将来の若い世代ということです。日本の政治家が若い世代にしている公約というのは非常に少ないのではありませんか。お年寄りに対するサービスを守るために、若い世代――まだ選挙権持っていない人間を含めて――が全部やるっていう構図に疑問を感じるのですが、それはどういう考え方なのでしょうか。若い世代は非常に不遇ですよね。人口が減少する中で膨大な借金を背負わなければならない。この人たちに対する政治家のコミットメントは少ないんですよ。

笠井:  若い人たちに対する政策っていうのを重視していますし、若い方々からいろんな要求をうかがっています。たとえば学費なんかも高過ぎるということがあります。もちろん親がいたら出すという部分もありますが、本人にとっても重い負担になりますし、奨学金ひとつとっても利子つきで返すこと自体、非常に大変な問題があります。給付制の奨学金なんかを取り入れることも含めて、若い世代に思い切って勉強できるよう応援しないといけないと思っています。それに、就職難が大きい問題です。就職難を打開するために我々も政策を出していますが、安心して暮らしていける前提には仕事がなければいけないので、就職難打開を応援すると同時に雇用自体を拡大するというのも非常に大きな問題です。非正規が3分の1という状況でもあります。そういうところについても、正社員が当たり前という方向でやらないといけないし、労働者派遣法についても改正案がずっと議論になってきましたが、政府の反応も抜け穴だらけになっていますから、抜け穴をふさいでいく法改正が必要だということを大いに政策として打ち出して、若い世代が仕事について、そして暮らしもしていけるということを大いに応援しないといけないということですね。

工藤:  考え方は非常によくわかりました。最後にどうしても聞きたいことがあります。財政支出がやっぱり多いのですね。確かに必要なサービスはやるべきですが、ただ、その規模を拡大すればするほど負担が大きくなる。現役世代が負担できなければ、それを将来世代が負担する。つまりただのものってないと思うのですね。だから日本共産党の言っている財政再建の考え方には、今の支出計画の財源と見合った歳入プランニングっていうのはありますか。

笠井: 社会保障とか暮らしの応援のために支出が多くなるのは当然だと思います。そもそも国民の税金で国民の暮らしを守っていくということですから。その点でいうと、いま予算全体を見ても本当に無駄なところにメス入れているのかっていうことが大問題です。そこのところを大いにやって、それから税金の集め方だって、庶民には消費税だと所得の少ないほど負担が多いわけです。消費税10%にしたらまたまた大変なことになるわけですけれども、一方で法人税は国際的には高すぎるという議論をしていて、法人税を減税して消費税を増税するというのがセットで出されています。
 しかし、日本の法人税は実効税率40%といいますけども、決してそんなに高くない。経団連の幹部の企業が実際に払っている税金はそんなに多くない。つまり研究開発減税とか外国税額控除とか様々な優遇措置があるわけですから。上位100社を並べて見ると、大体40%といわれるけど、実は30%だという。ソニーは12.9%ですよ。経団連の会長企業ですが、住友化学は16.6%ですか。銀行はゼロです。不良債権の処理とかいろいろなことを言って、税金を払っていませんから。そういうことを一方においておきながら、金が集まらない、庶民が払ってくれというのは全然違うだろうということです。

工藤:  わかりました。とにかくその議論は一つの軸になると思うので、プランを出してもらうともっと良いなと思いました。どうも今日はありがとうございました。