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9党政調会長にマニフェストを問う「結局、何を約束するのですか」【みんなの党:浅尾慶一郎政調会長】 印刷 Eメール
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工藤: 浅尾さん、こんにちは。今日は、よろしくお願いします。 

浅尾: 
よろしくお願いします。 

工藤: 今回のマニフェストで、アジェンダという形で大きな写真がありますね。これ、非常に気に入っています。というのも、僕、アジェンダという言葉が大好きなのです。つまり、政治が今の日本が直面している課題を、政治がどう認識しているかということが重要で、問題はそれをどうプランとして克服するかということです。そういうことについて、政治が競い合うことが一番大事だと思っているので、非常にぴったりきています。ただ、高いレベルで聞かなければいけないことがあるので、今日はよろしくお願いします。
 まず、このアジェンダですが、大きな政府に対する小さな政府、配分か日米中か。基本的にはスタンスは分かりました。では、みんなの党として、今の日本が直面している課題として、克服するべきことは、中央集権の打破ということですか。
 
浅尾: もちろん、中央集権の打破ということもあります。一番の課題は、この20年間日本の国が成長していないことです。成長していない理由は色々ありますが、多分最大の理由は、日本が抱えている課題や病巣を避けて通ってきたこと。もっと言えば、全ての人にいい顔をしようとした。それは、収入以上に使っていく(借金をする)という意味では、大きな政府です。そういうことを長年やってきたけれど、病巣の解決にはならなかった。病巣というのは、生産性の低い分野、これについて市場から撤退するということに成功しなかったことです。
 
工藤: つまり、それは構造改革そのものです。構造改革に対して、変な批判をする人がいますが、構造改革は生産性の低いところから、高いところに人・モノ・カネなどの資源が動くということです。そういうことがまだ実現していないという事なのですが、すると小泉改革は確かに不十分だったと思うのですが、ただ、そこを目指そうとしていました。この違いはどういう風に考えておられますか。
 
浅尾: 小泉改革が不十分だったということにつきると思います。もう一つ言えば、小泉改革は省庁横断で構造改革ができなかった部分がありました。つまり、各省にシーリングをかけて結果、社会保障については、黙っていれば1兆円伸びるところを、2200億円をへらしました。ただし、その伸びが果たしてムダなのかどうかということを考えると、そうでもないだろうと思っています。例えば、小泉改革の時に一番手がつけられなくて、今回のアジェンダの中に、他党と一番違うところは、農業政策です。みんなの党の農業政策は、今、日本の平均の農家の耕作面積があまりにも狭いので、これを減反政策も止めた上で、集約化していこうと思っています。そうすれば、一時的には米の値段が落ちます。大規模でやろうという人達には、直接支払いをやりますけれど、今の民主党が言っているような、面積の小さい、他の収入が多い中でやっている方々を生きながらえさせるという戦略は、みんなの党はとりません。なぜ、各党とも第二種兼業農家を大事にするかというと、一番票が多いところを大切にするということで、結果として生産性の低い農業を守ってしまうことになってしまいます。
 
工藤: わかりました。今のテーマは、非常に関心があるテーマです。言論NPOは7年前から評価をやっているのですが、評価のポイントとして、非常に重要なことを言われたので後から聞くことにします。その前に、このアジェンダを読んでわからなかったことがあるのですが、30兆円プラスアルファ、増税の前にやることがあるとおっしゃいました。その心意気はよしなのですが、その30兆円は何に使うのですか。このアジェンダを見ていると、医療も含めたそれぞれの政策課題についてやるということは言っているわけですね。つまり、色々な財源が必要なものもある。一方で、財政の状況もあるということになると、確かに30兆円捻出に努力することは賛成できるのですが、この30兆円は何に使うということになるのでしょうか。
 
浅尾: まず、今の日本の財政の構造は平成20年から22年で6兆円増えています。ただし、6兆円の中から社会保障を除くと4兆5000億円ぐらいが余計なものが入っていると考えられます。20年ベースで言うと、86兆円が普通の歳出だとします。税収のほうは、スタート時の今年並みの37兆円だとすると、この税収をのばさなければいけないと。で、足りないものについては、借金でやっていくと。その足りないところを借金でやるよりは、今捻出されたものを当てていくということになります。ですから、基本的には余計な借金をしないという形にしていくということです。
 
工藤: すると、この前、菅政権が中期財政フレームを出して、去年の国債発行43兆円と、一般歳出の上限を決めましたよ。あれについては、どう判断しますか。
 
浅尾: 菅政権の中期財政フレームは、今年出したところですよね。ということは、先ほど申しました平成20年から22年で6兆円増えました。そこには、麻生政権がやったばら撒きも入っていますし、鳩山政権になってはじめられた様々なばら撒きと呼ばれる政策も入っています。それをベースにそこから増やしませんよというのであれば、もっと前に立ち戻る必要があるのではないか、というのがスタート地点の違いです。
 
工藤: すると、その43兆円もあの中には、社会保障の自然増と、国債費の累増分の2兆円は入ってない。その分は国債で埋めちゃいました。なので、そこを戻してということですか。つまり、今の財政の規模、つまり去年ですが、それを戻して、その部分でその30兆円を使いましょうということですね。
 そうなると、もうひとつわからなくなることは、診療報酬を含めて必要な医療サービスということに関して、お金を使おうとしていますよね。で、時間軸がわからないのです。このアジェンダで見ると、10年後に経済の規模を2倍とか、7年後に地域主権型という時間軸はあるのですが、その前に、医療など全てのものがどこにはいってくるのでしょうか。
 
浅尾: 例えば、明日から政権を担った場合で話をします。まず、医療に関して言うと、このアジェンダにも入れてありますが、健康保険の保険料、税金、そして窓口負担という3つの財源によって賄われています。この3つの財源を考えた場合、これだけでは足りないだろうという風に考えています。今の医療制度の中には(アジェンダ10頁)、社会保障口座というものが書いてあり、ここに新しい財源のことも含めて出てくるのですが、まず②の「税、社会保険料を通じた、共通の番号制度「社会保障番号」を導入」と書いてあります。これは、もちろん納税者番号としても使うのですが、それに加えて、今の健康保険の体制は、中小企業に勤められている方は政府管掌健康保険というところに入っています。大企業の方は、個別の大企業の健康保険に入っています。公務員は共済組合に入っています。これら保険料率が異なります。つまり、中小企業の方が入っている政府管掌健康保険というのは、同じ30万円の月収だとすると、払う保険料は高くなります。でも、それはおかしいのではないかと。なぜおかしいかというと、そもそも現役の場合、病気になるかならかいかというのは、基本的に運ではありますが、例えば大企業や公務員の場合は、採用の前に健康診断を行い、健康でない人は、その時点ではねられます。そこではねられた人が、例えば国民健康保険に加入したりします。すると、元々の母集団の病気になる率が違う中で料率設定をしていることになるというのは、おかしいのではないかと思っています。今は確かに、後期高齢者に拠出していますので、だいぶならされてきていますが、これもまだならしきれていません。それからもう一つ言うと、病気になったとき、大企業や公務員の場合、1万5千円以上が還付されます。例えば、国民健康保険だと10万円です。これはおかしいのではないか。だから、この共通の社会保障番号を入れて、同じ収入なら同じ保険料を払ってもらい、料率を政府管掌保険並みにすると、年間7000億円ぐらいのお金が捻出できるはずです。それで、一つの財源を捻出します。それから、もう一つは③のところにあります、社会保障貯蓄口座、これは成長戦略の部分にも置いてあるのですが、わが国は大変な借金を抱えていますが、かなり多くの個人の金融資産を抱えています。それはなぜかというと、不安だからです。笑い話で言うと、金さん銀さんが、沢山お金を集めてどうするのかと聞いたときに、老後が不安だから貯蓄しますと昔言ったという話があります。実は、世界の中で社会保障貯蓄という制度を入れている国はシンガポールで、強制貯蓄です。で、貯蓄と保険との違いは何かというと、貯蓄は世代間を超えて次につながっていきます。我々は、日本に強制貯蓄を入れようとは思っていません。しかし、任意で貯蓄をしてもらい、社会保障貯蓄口座にロックインしたお金は社会保障目的に使う限りは、次の世代に相続税なしで引き継いでいけばいい、という恩恵がついた制度です。その代わり、本来保険でカバーされるもののうちの一部は、払ってもらうことになります。ただ、この場合持てる人ともてない人が出てきます。もてる人は、相続税なしで次の世代に引き継がれ、もてない人は、その分、その人たちの保険料の払い込みが少し減るので、他の人の分にその財源がいくようになるわけです。
 
工藤: 今の話は、長くなったのですが、よくわかりました。つまり、今までの、公助、共助、自助ということであれば、自助的な仕組みを入れていかなければ、持たないのではないか。ただし、それは強制ではなくて任意の形で、インセンティブがあるような形でその仕組みのデザインをしようということを仰っているわけですよね。
 
浅尾: 一言で言うと、自助だけだと持てない人はどうするんだという話になりますので、持てる人には恩典があるのだけれど、持てない人には同じサービスは保険で全額適用になります。しかし、持てる人はそこから出してくださいということで、お互いWin-Winなんです。
 
工藤: なるほど、選択肢が広がるわけです。ただ、ここのところは、一言で言ってほしいのですが、基本的に今の構造はもたれあいで、お年寄りをみんなの保険も含めて、拠出するような形でやっています。しかし、その制度が悲鳴を上げている状況ですよね。一方で、おっっしゃっているように、必要な医療サービスが不足しています。だから診療報酬を上げなければいけないという話ですよね。その財源をどうするかという、かなりグランドデザインを示さなければ、わからない状況になると思います。ただ、必要性のところ、OECDと比べて医療制度の整備は必要だと思います。そこがパッケージになって説明されないので、非常にわかりにくくなっていますが、その点はどうでしょうか。
 
浅尾: だから、パッケージというか、社会保障貯蓄口座はさっき1500兆円という話をしましたが、1500兆円のかなりの部分は、65歳以上の方が持っています。統計によって違いますが、8割は65歳以上だというものもあります。その1500兆円のうちの、仮に1割ぐらいがそこにロックインされれば、150兆円になるわけです。150兆円のお金が、社会保障貯蓄口座に入ってくるとすれば、相当なお金が出てくるでしょう。
 
工藤: わかりました。とりあえず、今までの医療に対する議論は、そういう議論ではないので、新しい選択肢を提起するという点で、非常にいい問題提起になると思います。それに関連して、次に年金ですが、もっとわかりにくくて、どういう制度設計になっているのかがわかりません。制度設計プラスここに出ているのは、現行の給付水準を維持するという言葉を入れていますよね。そうすると、新しい制度設計を試行しなくて、今の制度の中で考えるのであれば、少なくとも現状、マクロ経済スライドが発動されていないので、現行の給付水準を維持するというか、結果として過剰給付抑制ができない状況になっています。だから、将来世代の若い人たちに対してそのツケを飛ばしているのが現実です。そうすると、現行の給付水準を維持するということのメッセージはかなり重いと思います。ここ辺りは、どのようにお考えですか。
 
浅尾: 我々はマクロ経済スライドを否定していません。4%成長ということを言っていますが、その中に、インフレ率ももちろん入っています。ですから、インフレ率マイナス0.9が給付になりますから、そういうことから言えば、4%成長していたときに、例えば1%のインフレ率ならば、0.1しか増えないということになりますよね。
 
工藤: それが今、機能していないということの方が問題だということですね。
 
浅尾: 名目の4%成長ということを大前提として申し上げた上で、先ほど申し上げたように、9頁。まずは共通の番号をつけていきます。この番号というのは、社会保障番号であり、納税者番号でありますので、基本的な考え方としては、ベーシックインカムの考え方と似ています。つまり、今、年金の問題で色々といわれていますが、若い人の間では、国民年金を払っても、もらえる額は生活保護より少ないのだから、払わないで将来生活保護をもらったほうがいいという風になっています。それらは、社会保障番号の元に統一してしまえば、最低限必要なお金は当然そこで把握できますし、なおかつ納税者番号ですから所得も把握できますので、そこでもって払ってもらおうという発想です。
 
工藤: 今の話は、本来政府はそういうインフラを命がけでやるべきなので、そういう意味では、そういう制度を作ることは、非常にいいことだと思って聞いています。ただ、年金制度の設計のデザインについては、現行の制度の中で動くということですか。それとも、民主党が最低保障年金とか、基礎年金制度と比例をセットにしているものを出していますが、どういうイメージでしょうか。
 
浅尾: アジェンダの9頁、②のところに書いてありますが、将来的に年金制度を一元化、基礎年金部分は徴収制度を抜本改革し、現行給付水準を維持というのは、どういうことかというと、先ほど申し上げたように、同じ番号をもちます。20歳になって学生なら、収入がないなら0円ですと。もし、バイトをしていて収入があるならそこからいただく、という形から始まります。ですから、抜本改革というのは、今は働き方によって入る年金が違います。我々は、そもそもそこが違っていて、一本化する。
 
工藤: ただ、基礎のところの商品設計についてはどういうイメージですか。例えば、今最低保障額で、各党5万円とか、7万円とか8万円とか分かれています。みんなの党の最低の保障水準はいくらですか。
 
浅尾: 現行水準で言えば、基礎が6万3千円ぐらいです。ただ、これはモデルであって、実際は6万3千円もらえないのですが、6万3千円を基礎分、いわゆるベーシックインカムとして考えます。
 
工藤: それに関しては、現状を維持するということを考えているわけですね。次に、さっきの農業のところですが、私たちも非常に関心のあるテーマです。確かに、生産調整を段階的に廃止ということを言っているのは、よく見ると社民党も言っていました。昔は、石破さんが、選択的な生産調整ということを言っていました。この分野の肝は、米価の下落の激変緩和のところにお金を出すわけですよね。そうすると、国民は、消費者といったほうが良いかもしれませんが、そこに対する激変緩和措置に対する、価格に伴うコスト負担と、それから納税に伴う負担の2つがあります。それは、いつまでどれぐらいのタイミングでやろうとしているのでしょうか。
 
浅尾: できるだけ早くですが、トータルの農地の集約に10年ぐらいかかると思います。ただ、10年以内に、全部集約をして、国際的に競争のできる農業を作っていくということです。つまり、今、農家として実際に稼動されている方の平均年齢は、65歳以上です。ですから、10年でやらないと無理だということです。
 
工藤: つまり、日本の水田農業の将来を守らないといけないということですね。
 
浅尾: 守るという社会政策的な意味と、それから集約すれば、アジアの高品質の農作物を求める消費者に対して、満足のできるものを提供できるだろうと思っています。本当は5年以内にやりたいのですが、だけどこれは土地に対する思いというのがありますから、無理やり売れということはなかなかできないだろうと。だけど、先ほども申し上げましたように、生産性の低い人には所得補償はしないということです。ですから、規模の小さいところには補償はしません。そうすると、米価が下落して、規模が小さいところは多分やめるだろうという認識です。
 
工藤: わかりました。政策の問題としては最後なのですが、今の農業の話は長くて10年でした。7年の地域分権、道州制。で、財政再建のプログラムという点で見ると、これはどういう風な中長期的なイメージを持とうとしているのでしょうか。
 
浅尾: 誰が考えても、税収よりも借金が多いというのは異常でしょうから、財政再建については3年ぐらいの徹底的な財政再建のためのプログラムを作って、その中で、他党が言っていないことで言いますと、国が持っている資産が700兆円を超えるぐらいの資産があります。内、520兆円は金融資産です。この金融資産の仕分けを本当はしないといけない。果たして国がその資産を持っている合理性があるのかとか、もし仮にないのであれば、負債と相殺していく仕組みを作ることによって、利払い費が半減になるわけですね。ですから、そういうことに資産仕分けをやっていきましょうと。
 
工藤: つまり、3年というのは、税収より国債が多いですよね。目標として、それを税収以下にするというイメージを言っています。
 
浅尾: 税収そのものは、その間にものすごく景気が悪くなって、税収が落ちてしまったら別ですけど、基本的にはそういうことです。成長戦略をやりますので、基本的には税収を伸ばすということですが、加えて、フローの歳出のほうでいうと、無駄をなくすという話をよく言っていますが、基本的には100%無駄な支出はないと思います。それは、支出を受ける側からすると、貴重な売り上げであり、貴重な給与になります。だから、受ける側からすると無駄ではありません。しかし、相対的にどうかというところから始めないといけないと思っています。だから、みんなの党は公務員制度改革で有名になったというところがありますが、我々は実額で公務員の人件費にメスを入れようと思っています。その実額でメスを入れるための第一のステップは、自分たちの身を切る改革からやる必要があります。ですから、国会議員の数を衆議院480人、参議院242人というものを衆議院300人、参議院100人にするつもりです。その上で、議員の歳費も減らしますが、今、国と地方の総人件費が27兆円になっていますが、これを2割削減しましょう、ということをお約束をしております。2割削減すると、5兆4千億円、消費税に換算すると2%になります。
 
工藤: 最後の質問です。今話を聞いた限り、アジェンダ設定は間違っていないような気がするのですが、実際にどう実現するのですか。つまり、みんなの党だけでは実現できないし、連立ということもあるでしょう。それから、今の無駄ということであれば、民主党は失敗していますよね。逆に増えています。これをどういう風に実現しようと思っているのでしょうか。
 
浅尾: 我々はこのような政策課題を設定しました。これをのんでいただけるのであれば、どこでも連立します。ただ、これをのまないのであれば、連立はできませんというそれだけの簡単な話です。ですから、例えば、先ほど申し上げた公務員の人件費について民主党は、自分の党のマニフェストに掲げていますよ。但し、自治労や教組があるから、地方公務員については何も言っていません。だけど、自治労や教組を超えて100%民主党のアジェンダをのむということであれば、それを拒否する理由はまったくありません。
 
工藤: つまり、100%のむことが条件なわけですね。見守っていますので、またよろしくお願いします。ありがとうございました。