2012年衆院選対応「未来選択」新サイトオープン
2012年衆院選対応の「未来選択」はこちらに移動しました。
|
評価の視点 菅政権の経済政策を評価する基本的視点は2つある。第1点は、適切なマクロ経済政策運営がなされたかとの観点からの評価。評価対象は、①予備費9179億円を活用した「円高・デフレへの緊急対応」、②補正予算(円高・デフレ対応のための緊急・総合経済対策、③日銀が実施した包括緩和の3点とする。 実績評価 まず、マクロ経済政策運営について評価すると、その具体的アウトプットは、①9月10日に閣議決定された予備費9179億円を活用した「円高・デフレへの緊急対応」、②11月26に成立した補正予算(円高・デフレ対応のための緊急・総合経済対策、③10月5日に日銀が実施した包括緩和の3点である。 実行過程 補正予算の編成による経済対策の実行過程については、様々な問題点が露呈した。「ねじれ国会」の下で、与党民主党は、経済対策を最優先課題とし、臨時国会開会以前から野党との協議を呼びかけた。補正予算の規模を巡って、野党や与党国民新党からは4~5兆円規模の大規模な対策が必要との声が強く、政府は国会対策の意味合いから、要求された金額をほぼ丸呑みする形で、先に総額を決定し、中身は後から来年度に予定する成長戦略関連支出を中心に積み上げたというのが実情である。その結果、緊急対策と謳いながらも、緊急性の強い施策は少なく、主に成長戦略の前倒しという形で、補正予算が編成されたのはすでに指摘した通りである。 説明責任 説明責任については、その前提となる情報開示の度合いが、自民党前政権時の経済財政諮問会議が存在していた時期と比べると大幅に低下していることは否めない。行政改革や税制改革、成長戦略の推進主体が分かれているが故に、調整に混乱を来たす結果、最終的な政府としての意思決定がどのようなプロセスを経てなされたのかを事後的に知ることは極めて困難である。例えば、政府税制調査会では、政治主導の名の下に、政治家・閣僚が委員となり議論・意思決定をしているが、開示される資料は両・質ともに低下した感がある。民間の専門家委員会は、政府税調の下部組織とされ、民間専門家は重要な意思決定に間接的にしか関われなくなっている。このことが、税制改正の必要性についての説明責任を低下させ、国民の関心を低下させることにつながっている。 |