分科会:食料対話(後半) 印刷 Eメール

 後半は食品の安全性を確保するための両国の取り組みを論じ合った。以下、発言者のポイントを紹介すると―

林偉 中日の食品安全をどう確保していくのかを考えていきたい。一つ目は食品安全が共通の課題。食品も経済グローバル化に向かっている。貿易量も増えており、フードチェーンも重要になっている。いろいろな国がかかわっている。

化学技術が高度化している。リスクも増えている。食品安全問題が起きている。WTO統計では200件もある。国際社会の共通課題である。消費者も含めて共通な課題である。管理強化していく必要がる。それぞれの政府がいろんな課題に直面している。中国政府は人、食品安全を重視している。食品安全に管理するシステムを確立してきている。畑からテーブルまでの安全管理システムを進めている。一つ目にその分業体制を確立している。農業、品質管理、衛生部門が関与している。衛生部は品質管理、コウショウ総局などである。中国では法律法規が確立している。食品安全、非常に有益である。11法律22法規がある。食品安全法を全人代で検討している。標準を作っている。それぞれの標準化を作っている。調整の取れた基準を作っている。統一管理、認証システムを確立している。国家認証認可管理委員会が進めている。非常に統一されたシステムが確立されている。食品では肥料、品質などさまざまな認証システムがある。全面的な検査システムがある。食品の安全には重要なシステムである。全部で3000社ぐらいある。輸出は200社ぐらいある。食品安全の監督管理を進めている。輸出食品の安全管理については、非常に重視している。去年8月に国務院で特別規定を決定、輸入国の要請とした。輸入国の要求国を満たす。管理原則は予防原則、全工程の管理、様々な制度を作り、輸出食品管理委員会を作った。輸出食品については、一つのモデルを作る。工場は最初の責任者、生産基地、標準化を守っていく。輸入国の要請を守るが原則。輸出するまでの全プロセスを厳しく管理している。三つの対策を取っている。生産基地が検査する。源からの監督・管理。検査機関の登録、農薬検査。輸出基地の登録、動植物の登録、検査。農薬などの残留農薬検査などである。加工工場では輸出食品については衛生面での登録をする。企業の分類管理を行っている。加工企業については、当局からの検査員の派遣・常駐。法定検査を行う。追跡調査をして、リコールも行う。リスクマネジメントとも行う。違反企業のブラックリストを作り、輸出できないようにしている。源から輸出までの全管理をしている。非常に安定した品質を維持している。厚生省までのデータでは合格率99.4%となっている。香港には2008年3回検査したが、98-99%となっている。品質維持に貢献している。このフォーラムのテーマはアジアの未来、中日の役割であり、フードチェーンも長くなっており、協力していく必要がある。昨年国際フォーラムがあった。発展途上国と先進国との間で能力向上に努めていくこと、APECで食品安全データを共有することを打ち出している。それが共通認識になっている。信頼関係が不足すると問題になる。中日の間でも必要。協力を深めることは国益にも有益、国民にも有益。この分野において信頼関係の構築が必要。日本は中国においても必要。協力の基礎はお互いの信頼の増進。二つ目に一つのメカニズムを作る。三つ目は対話を行う。最後に積極的に指導していくこと。メディアの監督をどのように発揮していくのか。積極的に導くのか。食品安全は重要な基礎である。

生源寺 フードセキュリティとフードセーフティはどちらも重要で、不可欠。日本サイドだけでなく中国サイドも重要である。微妙であり、一度傷つくと大きな問題になる。米問題もあったし、中国産冷凍餃子の問題もあった。生協のコープ商品であった。食べ方も同時に変わってきた。加工食品が5割、外食が3割。加工度合いも高まっている。フードチェーンが長くなって、複雑化している。自給率6割は外国から輸入されている。加工度合いが高まっている。製造業などにさまざまな企業が関与している。それが豊かな食生活を支えている。それだけ危険因子が入ることになる。林さんの指摘があったが、他の国が関与してくる。国を超えた場合のチェーンのあり方も問題になってくる。BSEなどでは日米でも意見の違いがある。日中では日本の輸入が多いが、双方になってくる可能性がある。前向きな議論をする場合には率直な情報共有化が必要。安全確保のキーワードのひとつはトレーサビリティ。日本はシステム導入が進んでいる。原因可能性を探り、風評被害の防止。フードチェーン関与に対応する企業には法令遵守の動機になる。食品安全行政の縦割り行政整備があった。食品安全行政の独立性があった。農水省、厚生省、経済産業省とは独立して食品安全委員会の独立ができた。日中間でもっと情報交換が必要。海外の食品安全のシステムへの信頼でもある。第3に危機管理。それに失敗すると企業が崩壊する。たとえば病原因対応だと幾何学的な被害が増えてくる可能性が出てくる。そこへの対応が求められている。

 

胡飛躍 三点について話したい。食品安全法の立法化について話したい。食品の経済のグローバリズムに対応して、中国の自給率は高いが日本は低い。中国は大豆を輸入し価格変動を受ける。日本は中国から輸入している。比率は低いが、特に冷凍食品が5.8倍伸びている。主に中国とタイ。日本がセンシティブになっているのは良くわかる。小麦の上昇もある。国際市場も大きい。非伝統的な流れである。フードチェーンも複雑化している。日本はポジディブリストを取っている。国際基準と、まだそうはなっていないものが日本は0.01ppmとするのはどうなのか。日本の国民に影響を与えものだということだろうが、改善の余地はある。討論の余地があるのではないか。突発的な事件、食品そのもの自体の問題。プロセスの問題。人為的な問題。あちこちで起きている。食品安全について、位置付けについて見る必要がある。中日両国での情報共有化、協力体制を作る、信頼体制を作る。その基本はウィンウィンの関係だ。法律制度は重要だ。すでにはっきりとした責務というものが制定されている。機構改革が行われた。原料がどこからきたか、衛生、行政部門、薬品。薬品検査局が衛生部門の下に置かれた。全人代で発言したのは、それぞれの部門での権限ということだ。日本のほうが職務職責ははっきりしているが、一般法の中で職権を規定している。食品の輸出入の条項がある。日本には食品安全委員会はあるが、中国では評価について独立を保たなければならない。食品安全委員会、専門委員会、統一基準が必要だ。安全でない商品のリコール必要。原料、生産、流通を追及しなければならない。タイムリーに実施しなければならない。将来、法律が制定されてからになる。

 

山下 3点話す。生協とは何か。コープ商品。餃子問題からの教訓。生協とは、自発的に手を結んだ組織。生活者の組織。国際協同組合同盟でも合作総社とは友好関係である。四川大地震でも支援している。日本の生協はいろいろあるが、3.4兆円。2500万人、地域では1800万人。店舗1兆円、配達は1.8兆円。商品事業を大事にしてきた。高度成長の中で、生協のコープ商品は安全、安心したもので、団塊世代のニーズにあってきた。環境配慮、冷凍食品、低価格の対応も進めてきた。社会からは生協はひとつと見られてきた。それだけに餃子問題に問われたときに、販売者責任として社会的謝罪を進めた。餃子問題は重篤な健康被害を発生させた問題であった。警察を通して情報を通して把握し、回収した。しかしもっと早く発表できなかったのかと自問した。昨年の12月の時に判断できなかったのか、あるいは昨年秋の複数の予兆を把握できなかったのかということを統合して把握して対応できなかったことに尽きると思う。なぜできなかったのか。それは長いフードチェーンで、どこにハザードがあったかだ。警察情報では高濃度で意図的、過失による混入ではなかったのかということに行き着いた。生源寺先生から指摘もあったが日常的な危機管理体制の見直しを進めている。品質構築体系の見直しを進めている。ブランドの全工程に責任を持つ品質管理を健闘している。工場なきメーカーとしての品質管理を進めている。それなくして、フードディフェンスはない。それだけではないが、メッシュの細かさと危機管理体制を進めていくしかない。メタミドホスの捜査について日中政府でより最終的な原因究明をしていただきたい。消費者団体でも事業者団体でも食品の安全確保に向けて、正直であり、情報の公開性だと思っている。それがあってこその信頼だ。

中村 食品安全委員会の経験を通して話をしたい。BSEが発生したときに消費者の信頼が落ちたときに設立された。この役割は二つ。健康への影響評価とリスクコミュニケーション。食についての安全と安心がある。安心は個々人の問題でもある。できる限る納得してもらう、双方のコミュニケーションだ。従来、日本ではゼロリスクという考え方があった。ゼロリスクそのものはないというは理解してもらってきた。これは重要な考え方だ。たとえば遺伝子組み替え食品のことがある。アメリカで遺伝子組み替えでない畑が増えてきた。現実的に遺伝子組み替えで健康被害が出ているわけではない。次や、その次の世代への影響はわからない。二月に中国に行ったときに現地政府が日本は厳しすぎるのではないかと言われた。政府見解ではなく、企業意見としての紹介であったが。メディアは消費者の立場で書く。日本の食品安全委員会の立場では難しい。今は7人しかいない。専門委員会と少人数事務局だけだ。消費者庁はどうなるかはわからないが、体制強化がされれば日中双方に貢献できるのではないか。

 

神谷 売り上げ1.5兆円。中国では上海中心にビジネス展開している。代表的な商品であるウーロン茶の取り組みを紹介したい。当初は缶で発売、1995年に5000万ケース。国内トップブランド。福建省茶葉を7000―8000万トン輸入。栽培、選別、輸入。ラベルにうたっている。CM高感度も高い。中国産の高濃度報道が入ると、窓口への問い合わせが急増する。上海品質保証センターを2004年に作った。全ロット検査検査。20名体制。トレーサビリティシステムを動かしている。使用している農薬リストもある。分析品と申告リストのチェックを行っている。農薬自体が違うこともある。上流の茶園まで踏み込んでいる。品質保証活動はサントリーだけではできない。茶園の協力なくしてはできない。農園管理、指導にも工夫をしてもらっている。販売店指定、農薬配布もある。加えて、荒茶、仕上げ工場のレベル引き上げをしている。日中双方で同じ目的を進めていくことが食品企業の役割だ。

 生源寺先生の三つの話が重要だ。トレーサビリティでの原因究明は重要だ。中国では構築している。e-baseを漢字化して構築している。全過程が追跡調査できる。原料入手などの方法がわかるようになっている。その過程で添加剤もわかるようになっている。中村先生の話で2点、安全と安心の話。リスク評価。科学的な知識については、消費者がない場合がある。政府やメディアが科学的に報道する。導くことことが重要。基準に従って評価する。科学的な基準に従って、評価することが重要だ。リスク評価の部署にいたが、そしてWTOの会議にも出たが、研究もしたが、一般消費者やメディアも知らない。科学的に報道しなければならない。

 サントリーは中国に工場を持っている企業や、これから考えている会社にも参考になる。企業としての責任として、まず自分の会社の責任として自分のところでやるというのが正しい。安全は客観的な基準がある、安心は主観的な評価になる。品質的に安全であり、消費者への信義がある。最終的には消費者の判断だが。今回の後援には、厚生労働省も入って欲しかった。

 品質管理体系、安全管理仕組みを作り直したい。神谷さんも20名体制といっていたが、それを目指したい。危機意識をもって情報を共有し予兆管理を進める。危害の拡大防止を進める。マスメディアも含めて対応強化をしたい。社会経済システムとして進めていくために、行政、業界などのリスクコミュニケーションを進めていく必要があると思う。安心は科学的知見、安全はそのような意識形成も重要である。

生源寺 安全性の問題は21世紀にはいってから出てきた。汚染した米が出てきた状況などで出てきた。食品や農業は中小零細の多くが存在する中で、法令遵守の取り組みが日中の共通課題としてあるのではないか。双方の知恵の交流が必要ではないかと考えている。食料対話は今回が始めてであり、今後も強めていきたい。