3日目全体会議:安斎隆氏あいさつ 印刷 Eメール


安斎隆(日本側副実行委員長、セブン銀行株式会社代表取締役社長)

 日本と中国は一衣帯水の関係といわれますが、互いに隣国であることをやめられません。それを前提に、良好な関係を作るしかありません。今回のフォーラムではいろいろな不手際もありましたが、全体としては、予想外にうまくいったと思います。主催者の1人として、日中双方のご出席者の皆さんに心から感謝いたします。
 今年は
2008年ですが、そもそも8という数字は日中双方にとって縁起のいい数字とされています。しかし、意外とこの8がつく年には大きな変化が起こっています。
 今年は中国が世界の注目を浴びた年でした。
2月の豪雪、四川大地震、チベット動乱、聖火リレーの妨害、そして北京オリンピックの感動・感激がありました。しかし、世界経済を見るとサブプライム問題に端を発して、一昨日にはリーマンブラザーズの破綻もあり、世界景気の急速なダウンが予想されます。
 
10年前の1998年は江沢民さんが訪日した年でしたが、アジアは金融危機に陥っていました。その10年前、1988年ごろの日本はバブルに沸いていましたが、世界的には金融規制が始まった年でした。その10年前の1978年は鄧小平さんが来日し、中国では改革開放が始まりましたが、米国ではドルが暴落しカーターショックといわれました。このように8がつく年には大きな変化が起こっていますが、今年も例外ではなかったということです。
 日中は、それぞれ外貨準備高の高い国ですが、それは米国の経常赤字によるものです。それによって、流動性が供給過多になり、世界中にお金があふれ、それが運用先を探していました。そこにサブプライムがリスク分散を伴って登場したので、資金がそこへ向かいました。それが今日の破綻を招くきっかけです。
 いままでは、金融自由化やグローバル経済によって、日中ともに満足を得てきましたが、どうやらこのままではうまくいかないようです。内需主導型にしなければ、ということになりますが、そうそう簡単にいくものではありません。

 世界のルールの中で、世界の人々に喜んでもらいながら、新たな金融インフラをつくっていくことが、現在、日中双方に求められているのだろうと思います。