3日目全体会議:呉建民氏あいさつ 印刷 Eメール








呉建民(国際展覧局名誉主席)



 中国と日本にとって、今年は記念すべき
3つの30周年です。それは中日平和友好条約締結30周年、鄧小平訪日30周年、そして改革開放30周年です。鄧小平氏は日本を訪問し、改革開放を始めました。その翌年の1979年に米国を訪問しましたが、この両国を訪問したあと、鄧氏は「私の外遊はこれで終わったと」言いました。それだけ中日関係を重視していたのです。中華人民共和国設立以来、歴代の指導者は対日関係を重視してきました。その基本路線は100年変わりません。この良好な関係を互いの努力で300年まで続けたいものです。中国がこのように考えている国は、ほかにはありません。
 そもそも西欧世界と交わることで、アジアで最も速く成長したのは日本でした。その発展に学びつつ、次に
NIESASEAN、中国、そして最近ではインドも発展してきています。しかし、その意味するところは、いずれの国がアジアの中心になるかを競うものではありません。アジアの二つの大国として、この地域の発展を維持するためには、日本と中国の協力が不可欠です。
 ちょうど今回のフォーラムの期間中に、米国の金融危機が明らかになりました。テレビを見ていたら、ジョージ・ソロスが「現在は嵐の真っ只中にあり、先が見えない」と発言していましたが、なぜこれだけ世界が影響を受けるかというと、世界通貨とされるものがドルとユーロの二つしかないからです。
2本の柱で支えるのは、どうしてもバランスが悪いですよね。椅子でも何でも、3本の柱があればそれは非常に安定したものになります。米・欧に続いてアジアにも世界通貨に相当するものがあれば、これは非常に安定します。しかし、中国・元だけでは無理です。また日本・円だけでも難しいでしょう。ここはぜひ協力して、アジアの共通通貨が作れないかを検討する時期だと思うのです。
 数年前の中日関係は正常ではありませんでした。現在の状態が正常です。互いに和すれば双方にメリットがあり、戦えば双方が傷つきます。それは中日関係だけにとどまりません。
 中日関係がこじれているときは、米国も不安を覚えていました。アジアの国々も中国と日本の関係がよくなればいいと思っていました。中日関係が良好であることは、世界にメリットを与えます。われわれはこの関係を維持していかなければなりません。

 そのためには、政府間関係だけでなく、トラック2の関係も重要です。本フォーラムは政冷経熱といわれた
2005年に、先ほど挨拶された安斎さんと工藤さんが中国に来られてスタートし、今回で4回目を迎えました。ほんとうにすばらしいことです。中日関係の改善に間違いなく役割を果たしていくでしょう。ぜひこの関係を30年、50年と続けていけるようお互いに努力していきましょう。