「第5回 北京‐東京フォーラム」企画・運営会議報告 印刷 Eメール

   10月15日、11月に開催される「第5回 北京‐東京フォーラム」に向けた打ち合わせが行われ、言論NPO代表の工藤泰志のほか、国分良成氏(慶應義塾大学法学部長)、高原明生氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)が参加し、日中関係の問題や、アジアの中の日中をどう考えるか、今年のフォーラムでどのような議論が行われるべきかなどについて、率直な意見交換が行われました。



   まず「現在の日中関係に何が問われているのか」について国分氏は、日中関係を見る際には、「二国間関係の中の日中という視点」と「東アジア・国際社会の中の日中という視点」のふたつが必要となる、と述べ、前者に関しては、「戦略的互恵という大きな枠組は変わらないにせよ、日本の政権交代が二国間関係にどのような変化をもたらすのか」、後者については「日中と日米、米中の関係をどうとらえるのか」が重要であると語りました。




    高原氏もこの見方に同意したうえで、昨年から今年にかけて生じた大きな変化として、経済・金融危機とオバマ政権の誕生を挙げ、それぞれについて日中両国が今後どのような考えと対策を示すことができるのかがポイントであると述べました。また、鳩山政権が唱える東アジア共同体の具体的構想や、日中の戦略的互恵関係を今後どう進めていくかも重要な論点であるとしました。日本の政権交代に対する中国側の認識については、国分氏、高原氏はともに「日本の変化を慎重に見守っている段階ではないか」との見解を示しました。


   また、両国民の相互認識について、言論NPOが本年度実施した第5回日中共同世論調査の結果を参照しつつ、議論がなされました。その中で工藤は、中国国民の大部分が日本を「軍国主義」と見るなど、中国側の対日イメージが過去に引きずられていることを指摘しました。一方で、日本国内の内向き傾向、閉塞感も問題であるとの見方も出されました。
 

 


   最後に、今回のフォーラムで期待される議論について、高原氏は「あらゆるテーマについて、知恵を出しあって率直に話し合うことがこのフォーラムの意義だ。少子高齢化や地方の衰退の問題など、両国が抱える共通課題について意見交換を行うことも重要だろう」と述べました。国分氏は「先ほど述べた2つの視点が基本だと思う。政権交代後に鮮明になってきた、環境や核、アジア共通通貨などの問題にどの程度答えを出せるかも重要だ」とまとめました。両氏の発言を受けて工藤は、「フォーラムのアジェンダが明確になってきたように思う。今回の議論をもとに最終的な準備を進めていきたい」と述べて、会を締めくくりました。

   第5回目となる今年の「北京‐東京フォーラム」は、11月1日から3日にかけて、中国の大連市にて開催されます。開催日が約半月後に迫り、各般の準備は最終段階にかかっている状況です。参加パネリストによる分科会別の事前打ち合わせなども順次行われています。それらの詳細については、今後も言論NPOのウェブサイト、及びフォーラム公式サイトにて公開していきます。